私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(12)—ユダヤ人の罪—
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ユダヤ人もまた有罪であることを示す。
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「ユダヤ人の罪」
1.はじめに
(1)序言(1~17節)
(2)救いの第1番目の要素「義認」について論じ始める。
①神が罪人に神の義を転嫁すること。
②1:18~5:21まで
(3)義認を論じる前に、罪について理解する必要がある。
(4)パウロの論理展開
①異教徒の罪(1:18~32)
②文化的異教徒の罪(2:1~16)
③ユダヤ人の罪(2:17~3:8)
④結論:すべての人は罪人(3:9~20)
2.ローマ教会にはユダヤ人信者がいた。
(1)ユダヤ人には多くの特権が与えられている。
(2)特権には責任が伴う。
(3)特権は救いそのものではない。
3.メッセージのアウトライン
(1)言行不一致の罪(2:17~24)
(2)割礼の価値(2:25~29)
(3)ユダヤ人の特権(3:1~8)
4.メッセージのゴール
(1)パリサイ派神学とパウロ神学の対比
(2)異邦人信者と霊的イスラエルの関係
(3)認罪の必要性
このメッセージは、ユダヤ人もまた有罪であることを示すためのものである。
Ⅰ.言行不一致の罪(2:17~24)
1.ユダヤ人の自己認識
「もし、あなたが自分をユダヤ人ととなえ、律法を持つことに安んじ、神を誇り、みここ
ろを知り、なすべきことが何であるかを律法に教えられてわきまえ、また、知識と真理の
具体的な形として律法を持っているため、盲人の案内人、やみの中にいる者の光、愚かな
者の導き手、幼子の教師だと自任しているのなら、」(17~20節)
(1)「ユダヤ人」(ユーダイオス)(ヘブル語のイェフダー)
「彼女はまたみごもって、男の子を産み、『今度は【主】をほめたたえよう』と言っ
た。それゆえ、その子を彼女はユダと名づけた。それから彼女は子を産まなくなった」
(創29:35)
①「誉れ」の意
②「神をほめたたえる」の意
(2)ユダヤ人は、誇り高き民である。
①律法を持つことに安んじている。
(例話)会堂に新しくトーラーの巻物を運び込むユダヤ人(時価数百万円)
②神を誇りとしている。
③御心を知っている。
④なすべきことがなんであるかをわきまえている。
⑤盲人の案内人、やみの中にいる者の光、愚かな者の導き手、幼子の教師
2.ユダヤ人の行動
「どうして、人を教えながら、自分自身を教えないのですか。盗むなと説きながら、自分
は盗むのですか。姦淫するなと言いながら、自分は姦淫するのですか。偶像を忌みきらい
ながら、自分は神殿の物をかすめるのですか。律法を誇りとしているあなたが、どうして
律法に違反して、神を侮るのですか。これは、『神の名は、あなたがたのゆえに、異邦人の
中でけがされている』と書いてあるとおりです」(21~24節)
(1)言行不一致
①人を教えながら、自分自身を教えない。
②盗むなと説きながら、自分は盗む。
③姦淫するなと言いながら、自分は姦淫する。
④偶像を忌み嫌いながら、自分は神殿の物をかすめる。
*異邦人は偶像の宮を聖なる場所を考えていた。
*そこに金を預ければ安全であった。
*偶像の無力を証明するために、そこから金を盗むユダヤ人がいた。
⑤律法を誇りとしながら、律法に違反し、神を侮っている。
(2)ユダヤ人の信じている神が侮られている。
「神の名は、あなたがたのゆえに、異邦人の中でけがされている」
①イザ52:5の引用
(3)特権には責任が伴う。
①ユダヤ人はその責任を果たしていない。
②特権そのものは、救いではない。
③特権が与えられているからと言って、優れているわけではない。
Ⅱ. 割礼の価値(2:25~29)
1.儀式としての割礼の有効性
「もし律法を守るなら、割礼には価値があります。しかし、もしあなたが律法にそむいて
いるなら、あなたの割礼は、無割礼になったのです」(25節)
(1)割礼は祝福の保証ではない。
①祝福は、割礼後に継続される従順な生活の上に下る。
(2)割礼を受けた者が律法にそむいているなら、無割礼になったのと同じである。
2.異邦人がユダヤ人を裁くことになる。
「もし割礼を受けていない人が律法の規定を守るなら、割礼を受けていなくても、割礼を
受けている者とみなされないでしょうか。また、からだに割礼を受けていないで律法を守
る者が、律法の文字と割礼がありながら律法にそむいているあなたを、さばくことになら
ないでしょうか」(26~27節)
(1)異邦人が律法の規定を守るなら、割礼を受けているのと同じことである。
(2)内的に神に従っている異邦人は、儀式的なユダヤ人をさばくことになる。
①そういう異邦人の方が、儀式的なユダヤ人よりも優れているということである。
3.外的ユダヤ人と内的ユダヤ人
「外見上のユダヤ人がユダヤ人なのではなく、外見上のからだの割礼が割礼なのではあり
ません。かえって人目に隠れたユダヤ人がユダヤ人であり、文字ではなく、御霊による、
心の割礼こそ割礼です。その誉れは、人からではなく、神から来るものです」(28~29節)
(1)外的ユダヤ人
①からだの割礼
②文字(律法の文字)による割礼
(2)内的ユダヤ人
①心の割礼
②御霊による割礼
(3)「その誉れは、人からではなく、神から来るものです」
①ユダヤ人、ユダヤ教:「誉れ」という意
②その誉れは、儀式や文字ではなく、神から来る。
Ⅲ.ユダヤ人の特権(3:1~8)
1.ユダヤ人と異邦人は同じベースに立っている。
(1)ともに神の裁きを受ける。
(2)救いの方法は同じである。
(3)それでも、ユダヤ人には特権が与えられている。
(4)パウロは、読者の質問を想定してそれに答えている。
2.質問①
(1)割礼にはなんの意味もないのか。
「では、ユダヤ人のすぐれたところは、いったい何ですか。割礼にどんな益があるの
ですか」(1節)
(2)パウロの回答
「それは、あらゆる点から見て、大いにあります。第一に、彼らは神のいろいろなお
ことばをゆだねられています」
①詳細な回答は9~11章に出て来る。
②ユダヤ人は、神の啓示(旧新約聖書)を委ねられている。
*神の啓示を聞いた。
*それを書き留めた。
*写本を遺した。
3.質問②
(1)ユダヤ人に対する神の約束は取り去られるのか。
「では、いったいどうなのですか。彼らのうちに不真実な者があったら、その不真実
によって、神の真実が無に帰することになるでしょうか」(3節)
①罪のゆえに、ユダヤ人は選びの民としての特権を失ったのか。
②これは置換神学(多くの契約神学)の立場である。
(2)パウロの回答
「絶対にそんなことはありません。たとい、すべての人を偽り者としても、神は真実
な方であるとすべきです。それは、『あなたが、そのみことばによって正しいとされ、
さばかれるときには勝利を得られるため。』と書いてあるとおりです」(4節)
①「絶対にそんなことはありません」(メイ・ゲノイテ):最も強い否定語
②神は真実なお方である。神の約束は変わらない。
③詩51:4の引用:ダビデの罪の告白
「私はあなたに、ただあなたに、罪を犯し、あなたの御目に悪であることを行い
ました。それゆえ、あなたが宣告されるとき、あなたは正しく、さばかれるとき、
あなたはきよくあられます」
4.質問③
(1)罪が神の計画を前進させるなら、神はどうしてそれを裁くことができるのか。
「しかし、もし私たちの不義が神の義を明らかにするとしたら、どうなるでしょうか。
人間的な言い方をしますが、怒りを下す神は不正なのでしょうか」(5節)
(2)パウロの回答
「絶対にそんなことはありません。もしそうだとしたら、神はいったいどのように世
をさばかれるのでしょう」(6節)
①「絶対にそんなことはありません」(メイ・ゲノイテ):最も強い否定語
②罪を犯してもいいという言い訳は、どこにも存在しない。
③パウロの教えに関する噂が広がっていた。
「善を現すために、悪をしようではないか」(8節)
④そう論じる者は、罪に定められる。
結論:
1.
パリサイ派神学とパウロ神学の対比
(1)パリサイ派神学
①全てのユダヤ人は、来世においてなんらかの祝福に与る。
②割礼を受けたユダヤ人は、どのようなことを行っても、地獄には行かない。
③メシアニック・ジューの出現により、この論理に変更が加えられた。
*天使が陽の皮を持って来て元のところに返すので、無割礼に戻る。
(2)パウロ神学
①パウロは、パリサイ派神学を学んだ人である。
②彼は、外的割礼と、内的割礼とを区別した。
③9~11章に入ると、大半のユダヤ人とイスラエルの残れる者(レムナント)が
区別される。
2.異邦人信者と霊的イスラエルの関係
(1)霊的イスラエル
①心に割礼を受けたイスラエルのことである。
②肉的イスラエルとの対比で語られている概念である。
③いつの時代でも少数派のユダヤ人である。レムナント。
(2)異邦人信者
①異邦人が霊的イスラエルになるわけではない。
②異邦人の罪に関する議論は終わり、この箇所はユダヤ人の罪を論じている。
③異邦人信者は、霊的異邦人である。
3.認罪の必要性
(1)義認の祝福を受ける前に必要なのは、認罪である。
①異邦人もユダヤ人も、この点では同じである。
②異邦人もユダヤ人も、ともに神の裁きを受ける。
③裁きの基準は、異なる。
(2)第2回ハーベスト「再臨待望聖会」が近い
①再臨という旗印の下にクリスチャンが結集する聖会としたい。
②日本のリバイバル、ユダヤ人の救い、メシアの再臨
③ユダヤ人の救いとは、ユダヤ人の霊的覚醒(awakening)のことである。
④日本のリバイバルとは、日本人の霊的覚醒のことである。
*覚醒、目覚め
(例話)朝日新聞の記事(2011/02/21) キリスト教ブーム
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