ローマ人への手紙(12)—ユダヤ人の罪—

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このメッセージでは...

ユダヤ人もまた有罪であることを示す。
チャート「神の義の啓示」

「ユダヤ人の罪」

1.はじめに

  (1)序言(1~17節)

  (2)救いの第1番目の要素「義認」について論じ始める。

①神が罪人に神の義を転嫁すること。

  ②1:18~5:21まで

(3)義認を論じる前に、罪について理解する必要がある。

(4)パウロの論理展開

  ①異教徒の罪(1:18~32)

  ②文化的異教徒の罪(2:1~16)

  ③ユダヤ人の罪(2:17~3:8)

  ④結論:すべての人は罪人(3:9~20)

  2.ローマ教会にはユダヤ人信者がいた。

(1)ユダヤ人には多くの特権が与えられている。

(2)特権には責任が伴う。

(3)特権は救いそのものではない。

  3.メッセージのアウトライン

(1)言行不一致の罪(2:17~24)

(2)割礼の価値(2:25~29)

(3)ユダヤ人の特権(3:1~8)

  4.メッセージのゴール

    (1)パリサイ派神学とパウロ神学の対比

(2)異邦人信者と霊的イスラエルの関係

(3)認罪の必要性

このメッセージは、ユダヤ人もまた有罪であることを示すためのものである。

Ⅰ.言行不一致の罪(2:17~24)

  1.ユダヤ人の自己認識

「もし、あなたが自分をユダヤ人ととなえ、律法を持つことに安んじ、神を誇り、みここ

ろを知り、なすべきことが何であるかを律法に教えられてわきまえ、また、知識と真理の

具体的な形として律法を持っているため、盲人の案内人、やみの中にいる者の光、愚かな

者の導き手、幼子の教師だと自任しているのなら、」(17~20節)

  (1)「ユダヤ人」(ユーダイオス)(ヘブル語のイェフダー)

「彼女はまたみごもって、男の子を産み、『今度は【主】をほめたたえよう』と言っ

た。それゆえ、その子を彼女はユダと名づけた。それから彼女は子を産まなくなった」

(創29:35)

  ①「誉れ」の意

  ②「神をほめたたえる」の意

(2)ユダヤ人は、誇り高き民である。

  ①律法を持つことに安んじている。

  (例話)会堂に新しくトーラーの巻物を運び込むユダヤ人(時価数百万円)

  ②神を誇りとしている。

  ③御心を知っている。

  ④なすべきことがなんであるかをわきまえている。

  ⑤盲人の案内人、やみの中にいる者の光、愚かな者の導き手、幼子の教師

  2.ユダヤ人の行動

  「どうして、人を教えながら、自分自身を教えないのですか。盗むなと説きながら、自分

は盗むのですか。姦淫するなと言いながら、自分は姦淫するのですか。偶像を忌みきらい

ながら、自分は神殿の物をかすめるのですか。律法を誇りとしているあなたが、どうして

律法に違反して、神を侮るのですか。これは、『神の名は、あなたがたのゆえに、異邦人の

中でけがされている』と書いてあるとおりです」(21~24節)

  (1)言行不一致

①人を教えながら、自分自身を教えない。

②盗むなと説きながら、自分は盗む。

③姦淫するなと言いながら、自分は姦淫する。

  ④偶像を忌み嫌いながら、自分は神殿の物をかすめる。

*異邦人は偶像の宮を聖なる場所を考えていた。

*そこに金を預ければ安全であった。

*偶像の無力を証明するために、そこから金を盗むユダヤ人がいた。

 ⑤律法を誇りとしながら、律法に違反し、神を侮っている。

    (2)ユダヤ人の信じている神が侮られている。

「神の名は、あなたがたのゆえに、異邦人の中でけがされている」

  ①イザ52:5の引用

  (3)特権には責任が伴う。

①ユダヤ人はその責任を果たしていない。

②特権そのものは、救いではない。

③特権が与えられているからと言って、優れているわけではない。

Ⅱ. 割礼の価値(2:25~29)

  
1.儀式としての割礼の有効性

  「もし律法を守るなら、割礼には価値があります。しかし、もしあなたが律法にそむいて

いるなら、あなたの割礼は、無割礼になったのです」(25節)

  (1)割礼は祝福の保証ではない。

  ①祝福は、割礼後に継続される従順な生活の上に下る。

  (2)割礼を受けた者が律法にそむいているなら、無割礼になったのと同じである。

2.異邦人がユダヤ人を裁くことになる。

「もし割礼を受けていない人が律法の規定を守るなら、割礼を受けていなくても、割礼を

受けている者とみなされないでしょうか。また、からだに割礼を受けていないで律法を守

る者が、律法の文字と割礼がありながら律法にそむいているあなたを、さばくことになら

ないでしょうか」(26~27節)

  (1)異邦人が律法の規定を守るなら、割礼を受けているのと同じことである。

  (2)内的に神に従っている異邦人は、儀式的なユダヤ人をさばくことになる。

  ①そういう異邦人の方が、儀式的なユダヤ人よりも優れているということである。

3.外的ユダヤ人と内的ユダヤ人

「外見上のユダヤ人がユダヤ人なのではなく、外見上のからだの割礼が割礼なのではあり

ません。かえって人目に隠れたユダヤ人がユダヤ人であり、文字ではなく、御霊による、

心の割礼こそ割礼です。その誉れは、人からではなく、神から来るものです」(28~29節)

  (1)外的ユダヤ人

  ①からだの割礼

    ②文字(律法の文字)による割礼

  (2)内的ユダヤ人

  ①心の割礼

  ②御霊による割礼

(3)「その誉れは、人からではなく、神から来るものです」

  ①ユダヤ人、ユダヤ教:「誉れ」という意

  ②その誉れは、儀式や文字ではなく、神から来る。

Ⅲ.ユダヤ人の特権(3:1~8)

  
1.ユダヤ人と異邦人は同じベースに立っている。

(1)ともに神の裁きを受ける。

(2)救いの方法は同じである。

(3)それでも、ユダヤ人には特権が与えられている。

(4)パウロは、読者の質問を想定してそれに答えている。

  2.質問①

(1)割礼にはなんの意味もないのか。

    「では、ユダヤ人のすぐれたところは、いったい何ですか。割礼にどんな益があるの

    ですか」(1節)

  (2)パウロの回答

  「それは、あらゆる点から見て、大いにあります。第一に、彼らは神のいろいろなお

  ことばをゆだねられています」

①詳細な回答は9~11章に出て来る。

  ②ユダヤ人は、神の啓示(旧新約聖書)を委ねられている。

*神の啓示を聞いた。

*それを書き留めた。

*写本を遺した。

  3.質問②

(1)ユダヤ人に対する神の約束は取り去られるのか。

「では、いったいどうなのですか。彼らのうちに不真実な者があったら、その不真実

によって、神の真実が無に帰することになるでしょうか」(3節)

  ①罪のゆえに、ユダヤ人は選びの民としての特権を失ったのか。

  ②これは置換神学(多くの契約神学)の立場である。

(2)パウロの回答

「絶対にそんなことはありません。たとい、すべての人を偽り者としても、神は真実

な方であるとすべきです。それは、『あなたが、そのみことばによって正しいとされ、

さばかれるときには勝利を得られるため。』と書いてあるとおりです」(4節)

  ①「絶対にそんなことはありません」(メイ・ゲノイテ):最も強い否定語

  ②神は真実なお方である。神の約束は変わらない。

  ③詩51:4の引用:ダビデの罪の告白

  「私はあなたに、ただあなたに、罪を犯し、あなたの御目に悪であることを行い

  ました。それゆえ、あなたが宣告されるとき、あなたは正しく、さばかれるとき、

  あなたはきよくあられます」

  4.質問③

(1)罪が神の計画を前進させるなら、神はどうしてそれを裁くことができるのか。

「しかし、もし私たちの不義が神の義を明らかにするとしたら、どうなるでしょうか。

人間的な言い方をしますが、怒りを下す神は不正なのでしょうか」(5節)

(2)パウロの回答

「絶対にそんなことはありません。もしそうだとしたら、神はいったいどのように世

をさばかれるのでしょう」(6節)

  ①「絶対にそんなことはありません」(メイ・ゲノイテ):最も強い否定語

  ②罪を犯してもいいという言い訳は、どこにも存在しない。

  ③パウロの教えに関する噂が広がっていた。

  「善を現すために、悪をしようではないか」(8節)

  ④そう論じる者は、罪に定められる。

結論:

  1.
パリサイ派神学とパウロ神学の対比


(1)パリサイ派神学


  ①全てのユダヤ人は、来世においてなんらかの祝福に与る。


  ②割礼を受けたユダヤ人は、どのようなことを行っても、地獄には行かない。


  ③メシアニック・ジューの出現により、この論理に変更が加えられた。


*天使が陽の皮を持って来て元のところに返すので、無割礼に戻る。


(2)パウロ神学


  ①パウロは、パリサイ派神学を学んだ人である。


  ②彼は、外的割礼と、内的割礼とを区別した。


  ③9~11章に入ると、大半のユダヤ人とイスラエルの残れる者(レムナント)が

区別される。

  2.異邦人信者と霊的イスラエルの関係


(1)霊的イスラエル


  ①心に割礼を受けたイスラエルのことである。


  ②肉的イスラエルとの対比で語られている概念である。


  ③いつの時代でも少数派のユダヤ人である。レムナント。

    (2)異邦人信者


  ①異邦人が霊的イスラエルになるわけではない。


  ②異邦人の罪に関する議論は終わり、この箇所はユダヤ人の罪を論じている。


  ③異邦人信者は、霊的異邦人である。

  3.認罪の必要性


(1)義認の祝福を受ける前に必要なのは、認罪である。


  ①異邦人もユダヤ人も、この点では同じである。


  ②異邦人もユダヤ人も、ともに神の裁きを受ける。


  ③裁きの基準は、異なる。


(2)第2回ハーベスト「再臨待望聖会」が近い


  ①再臨という旗印の下にクリスチャンが結集する聖会としたい。


  ②日本のリバイバル、ユダヤ人の救い、メシアの再臨


  ③ユダヤ人の救いとは、ユダヤ人の霊的覚醒(awakening)のことである。


  ④日本のリバイバルとは、日本人の霊的覚醒のことである。


*覚醒、目覚め


  (例話)朝日新聞の記事(2011/02/21) キリスト教ブーム

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