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ローマ人への手紙(11)—文化的異教徒の罪—

  • 2011.02.21
  • ローマ書2章:1〜16
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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文化的異教徒も「弁解の余地はない」ことを示す。
チャート「神の義の啓示」

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「文化的異教徒の罪」

1.はじめに

  (1)序言(1~17節)

  (2)第1番目の要素「義認」について論じ始める。

①神が罪人に神の義を転嫁すること。

  ②1:18~5:21まで

(3)義認を論じる前に、罪について理解する必要がある。

(4)パウロの論理展開

  ①異教徒の罪(1:18~32)

  ②文化的異教徒の罪(2:1~16)

  ③ユダヤ人の罪(2:17~3:8)

  ④結論:すべての人は罪人(3:9~20)

  2.2章1節

  「ですから、すべて他人をさばく人よ。あなたに弁解の余地はありません。あなたは、他

人をさばくことによって、自分自身を罪に定めています。さばくあなたが、それと同じこ

とを行っているからです」

  (1)「すべて他人をさばく人」とは、ギリシア人のこと。

  ①彼らは自分たちと異教徒とを区別した。

  ②1章に出て来た異教徒の罪に関しては、パウロの意見に同意した。

  (2)「あなたに弁解の余地はありません」

  ①彼らは神に関する知識を持っている。

  ②彼らはその知識を他人に適用した。

  ③しかし、自分ではそれを実行していない。

  ④ロマ1:20と同じように、「弁解の余地はない」のである。

⑤彼らもまた、神に栄光を帰すということをしていない。

    (3)パウロは裁きの原則を3つ上げて、「弁解の余地はない」ことを論証している。

  3.メッセージのアウトライン(神の裁きについての3つの原則)

(1)原則1:神の裁きは、「正義」に基づいて行われる(2:2~5)。

(2)原則2:神の裁きは、「行い」に従って行われる(2:6~10)。

(3)原則3:神の裁きは、「えこひいきなし」に行われる(2:11~16)。

  4.メッセージのゴール

    (1)一般啓示の役割

(2)特別啓示の役割

(3)絶望の後に来る希望

このメッセージは、文化的異教徒も「弁解の余地はない」ことを示すためのものである。

Ⅰ.原則1:神の裁きは、「正義」に基づいて行われる(2:2~5)

  1.「私たちは、そのようなことを行っている人々に下る神のさばきが正しいことを知っ

ています」(2節)

  (1)「正義」とは何か。

①神は、見かけによってではなく、その人の実質を見て裁かれる。

②他人を裁く人も、自分が裁いている人と同じように、神によって裁かれる。

  2.「あなたは、自分は神のさばきを免れるのだとでも思っているのですか」(3節)

(1)ダイアツライブ(diatribe)という文学手法が用いられている。

      ①ローマ時代によく用いられた方法である。

  ②論敵を想定して、その人が発するであろう質問を取り上げる。

  ③その質問に答えるようなかたちで、ディベイト(討論)を進める。

    (2)自分は大丈夫だと思っている人たち

  ①彼らは、これまでのパウロの議論に同意し、異教徒の罪を裁く人たちである。

  ②彼らは、自分たちは異教徒とは違うと自負する人たちである。

  ③彼らは、異教徒を裁きならが、自分でも同じ罪を犯している。

  ④他人に厳しいというのは、人間の悪癖である。

  ⑤特に、自分も同じ罪を犯している場合、他人を厳しく糾弾するようになる。

  (例話)2サム12:1~6 ダビデとナタンの会話

  ⑥人の心は、偽りに満ちている。

  3.「それとも、神の慈愛があなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かな慈愛と

  忍耐と寛容とを軽んじているのですか」(4節)

(1)彼らは、神の豊かな慈愛を軽んじている(軽蔑している)。

  ①すべての霊的、物質的祝福は、神からの贈り物である。

  ②それが分かると、人は悔い改めに導かれる。

    (2)彼らは、神の豊かな忍耐を軽んじている(軽蔑している)。

  ①神は裁きを遅らせておられる。

  ②罪に対する怒りをこらえておられる。

  ③罪人がひとりでも多く悔い改めるように待っておられる。

(3)彼らは、神の豊かな寛容を軽んじている(軽蔑している)。

  ①「忍耐」と「寛容」は基本的には同じ意味である。

②神は人の罪を忍耐しておられる。

  ③神は、怒るのに遅い神である。

  4.「ところが、あなたは、かたくなさと悔い改めのない心のゆえに、御怒りの日、すなわ

ち、神の正しいさばきの現れる日の御怒りを自分のために積み上げているのです」(5節)

  (1)かたくなで悔い改めのない心

  ①アダムの子孫の性質

  ②習慣的罪によって、より深刻になっている。

  ③神による放置によって、さらに深刻になっている。

  (2)彼らは、自分のために裁きを重くしている。

  ①時が来たなら、神は彼らを裁かれる。

Ⅱ.原則2:神の裁きは、「行い」に従って行われる(2:6~10)。

  1.「神は、ひとりひとりに、その人の行いに従って報いをお与えになります」(6節)

  (1)これは業による救いを教えているのではない。

  ①ここでは、義認のテーマを扱っているわけではない。

  (2)これは、単なる信仰告白と、行動がともなった信仰告白の違いを教えている。

  ①救いは行いを生む。

  ②義人は、行いによって神からの報酬を受ける。

  2.「忍耐をもって善を行い、栄光と誉れと不滅のものとを求める者には、永遠のいのちを

与え、」(7節)

  (1)信仰によって救われた者の特徴が記されている。

①信者には祝福が与えられる。

3.「党派心を持ち、真理に従わないで不義に従う者には、怒りと憤りを下されるのです」

(8節)

  (1)不信者の特徴が記されている。

①不信者には神の裁きが下る。

  4.「患難と苦悩とは、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、悪を行うすべての者の上に下り、

栄光と誉れと平和は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、善を行うすべての者の上にあり

ます」(9~10節)

  (1)福音伝達の順番(1:16)

  ①ユダヤ人

  ②ギリシア人

  (2)神の裁きの順番もそれと同じである。

Ⅲ.原則3:神の裁きは、「えこひいきなし」に行われる(2:11~16)。

  1.「神にはえこひいきなどはないからです。律法なしに罪を犯した者はすべて、律法なし

に滅び、律法の下にあって罪を犯した者はすべて、律法によってさばかれます」(11~12

節)

  (1)神には二重基準はない。

  ①イスラエルの選びを否定しているのではない。

  ②義なる裁き主である神が行う裁きは、公平である。

  (2)異邦人に対する裁きの基準

  ①「律法なしに罪を犯した」

  ②モーセの律法なしに罪を犯したということ。

  ③従って、モーセの律法によって裁かれるのではない。

  ④彼らに与えられている光(自然法)によって裁かれる。

  ⑤良心は彼ら与えられた光である(15節)。

*いかなる文明においても、良心の存在が認められる。

*いかなる文明においても、殺人は罪とされている。

  ⑤「滅び」とは永遠の死である。永遠のいのちと対立する概念である。

  (3)ユダヤ人に対する裁きの基準

  ①「律法の下にあって罪を犯した」

  ②モーセの律法を知っていながら、罪を犯した。

    ③従って、モーセの律法によって裁かれる。

 2.「私の福音によれば、神のさばきは、神がキリスト・イエスによって人々の隠れたことを

さばかれる日に、行われるのです」(16節)

  (1)裁きの日は確実に来る。

  (2)キリスト・イエスが裁き主として任命される。

  (3)人々の隠れたことが明らかになる。

結論:

  1.一般啓示の役割


(1)人に唯一の神の存在を示す。


(2)異邦人は、一般啓示という光に基づいて裁かれる。


(3)一般啓示は、人を救うことができない。

  2.特別啓示の役割


(1)一般啓示によって神の存在を認識した人に、救いを示す。


(2)ユダヤ人は、特別啓示という光に基づいて裁かれる。

  3.絶望の後に来る希望


(1)異教徒の罪


(2)文化的異教徒の罪


(3)次回は、ユダヤ人の罪について学ぶ。


(4)以上のことは、絶望の底に向かってラセン階段を下りて行くようなものである。


(5)絶望の底に立つのが十字架である。


(6)人には、福音により新生する可能性が残されている。

「──律法を持たない異邦人が、生まれつきのままで律法の命じる行いをする場合は、

律法を持たなくても、自分自身が自分に対する律法なのです。彼らはこのようにして、

律法の命じる行いが彼らの心に書かれていることを示しています。彼らの良心もいっ

しょになってあかしし、また、彼らの思いは互いに責め合ったり、また、弁明し合っ

たりしています。──」(2:14~15)

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