ヨハネの黙示録(24)—地からの獣—

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このメッセージでは...

偽預言者の働きについて学ぶ。

「地からの獣」

黙13:11~18

1.はじめに

(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。

  ①10章~14章は、挿入箇所である。

    *物語の進展はなく、状況の説明が入る。

       *7章と同じである。

      ②今私たちは、12章~13章を取り上げている。

    (2)12章~13章に登場する7人の主役たち(大患難時代の後半)

      ①ひとりの女:イスラエルの象徴

      ②赤い竜:サタンの象徴

      ③男の子:キリストの象徴

      ④ミカエル:天使長

      ⑤女の子孫の残りの者:レムナント、真の信仰者たち

      ⑥海から上って来た獣:反キリスト

      ⑦地から上って来た獣:偽預言者

    (3)きょうの箇所で、偽の三位一体が完成する。

      ①12章でサタンが登場する(偽の父なる神)。

*赤い竜

      ②13章前半で反キリストが登場する(偽の子なる神)。

        *海からの獣

      ③13章後半で偽預言者が登場する(偽の聖霊なる神)。

        *地からの獣

    (4)終わりの時代に登場する多くの偽預言者は、サタンのスポークスマンである。

      ①マタ24:24

Mat 24:24 にせキリスト、にせ預言者たちが現れて、できれば選民をも惑わそうとして、大きなしるしや不思議なことをして見せます。

      ②1テモ4:1

1Ti 4:1 しかし、御霊が明らかに言われるように、後の時代になると、ある人たちは惑わす霊と悪霊の教えとに心を奪われ、信仰から離れるようになります。

      ③黙示録13章に登場する偽預言者は、究極の偽預言者である。

  2.アウトライン

    (1)獣の形状(11~12節)

    (2)獣が行う奇跡(13~15節)

(3)獣の刻印(16~18節)

  3.結論

    (1)「しるし」とは何か。

    (2)クリスチャンも偽預言者によって惑わされるか。

偽預言者の働きについて学ぶ。

Ⅰ.獣の形状(11~12節)

   1.11節

Rev 13:11 また、私は見た。もう一匹の獣が地から上って来た。それには小羊のような二本の角があり、竜のようにものを言った。

     (1)「もう一匹の獣が」

       ①「もう一匹の獣」(新改訳)(新共同訳)、「ほかの獣」(口語訳)

      ②「アロス」(ギリシア語):同じ性質を持った別のもの

      ③海からの獣(反キリスト)と地からの獣(偽預言者)は、同じ性質を持つ。

        *キリストと聖霊は同じ性質を持っておられる。

        *反キリストと偽預言者は同じ性質を持っている。

      ④反キリストと偽預言者は、ともに獣と呼ばれている。

      ⑤黙示録には、偽預言者という言葉が3度出て来る。

        *黙16:13、19:20、20:10

    (2)「地から上って来た」

       ①「地」を約束の地と解釈し、この獣をユダヤ人と解釈する学者たちがいる。

      ②これは特定の「地」ではない。

③むしろ、「天」と「地」が対比されていると解釈すべきである。

        *聖霊は、天から下って来られる。

        *偽預言者は、地から上って来る。

    (3)「それには小羊のような二本の角があり、」

       ①反キリストは、政治的、経済的支配者である。

      ②偽預言者は、「小羊のような」と表現されている。

*宗教的支配者で、反キリストを支援する。

        *黙示録の中で、小羊がキリスト以外の人物を指すのは、ここだけである。

    (4)「竜のようにものを言った」

       ①反キリストと同じように、偽預言者も竜(サタン)によって力を受けている。

      ②見かけは小羊のようであっても、その性質は竜のようである。

        *反キリストと協力して、3年半の間、地上に患難をもたらす。

      ③優れたコミュニケーターである。説得力がある。

   2.12節

Rev 13:12 この獣は、最初の獣が持っているすべての権威をその獣の前で働かせた。また、地と地に住む人々に、致命的な傷の直った最初の獣を拝ませた。

     (1)反キリストと偽預言者の力は、サタンから与えられたものである。

      ①偽預言者は、反キリストの代弁者として語り、行動する。

    (2)偽預言者の活動のゴールは、人々に反キリストを礼拝させることである。

      ①反キリストは、復活する。

      ②偽預言者は、地に住む人々に復活した反キリストを拝ませる。

        *偽預言者たちは、人々に神以外のものを礼拝させるために活動する。

        *大患難時代に登場する偽預言者は、「ザ・偽預言者」である。

Ⅱ.獣が行う奇跡(13~15節)

   1.13節

Rev 13:13 また、人々の前で、火を天から地に降らせるような大きなしるしを行った。

     (1)偽預言者は、大きなしるし(複数形)を次々に行う。

      ①天から地に火を降らせることは、大きなしるしのひとつである。

    (2)天からの火

      ①創19:24~25 【主】は、ソドムとゴモラの上に硫黄の火を降らせた。

      ②出9:23~24 モーセは、エジプトの上に雹と火を降らせた。

      ③1列18:38 カルメル山で【主】の火が降って来た。

④2列1:9~12 エリヤは、アハズヤ王の兵士たちの上に火を降らせた。

   2.14節

Rev 13:14 また、あの獣の前で行うことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。

     (1)偽預言者は、しるしをもって地上に住む人々を惑わす。

      ①「惑わす」とは、真理から遠ざける、誤った教理に導く、などの行為である。

    (2)偽預言者の背後にいるサタンは、もともと噓つきである。

      ①ヨハ8:44

Joh 8:44 あなたがたは、あなたがたの父である悪魔から出た者であって、あなたがたの父の欲望を成し遂げたいと願っているのです。悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。彼のうちには真理がないからです。彼が偽りを言うときは、自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また偽りの父であるからです。

    (3)パウロによれば、反キリストは神殿の座に着く

      ①2テサ2:4

2Th 2:4 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。

    (4)

      ①偽預言者は、反キリストの像を造るように人々に命じる。

      ②この像は、反キリストがエルサレムにいない時の礼拝の対象である。

③人々は、「しるし」によって洗脳されていたので、喜んでその像を造る。

      ④この像は、大患難時代の中間期に神殿に安置され、1290日の間そこに留まる。

      ⑤ダニ12:11

Dan 12:11 常供のささげ物が取り除かれ、荒らす忌むべきものが据えられる時から千二百九十日がある。

      ⑥マタ24:15~16

Mat 24:15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)

Mat 24:16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。

   3.15節

Rev 13:15 それから、その獣の像に息を吹き込んで、獣の像がもの言うことさえもできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。

     (1)偽預言者は、反キリストの像に超自然的な力を与える。

      ①ロボットのようなものが喋るのではなく、それ以上の不思議なことが起こる。

      ②旧約聖書では、偶像は喋らないものとされていた。

    (2)偽預言者は、像に息を吹き込む。

      ①いのちを与えたのではなく、息を吹き込んだだけである。

      ②その結果、獣がものを言うようになった。

      ③それを見て、人々は像が生きているかのように錯覚した。これも惑わしである。

    (3)像を拝まない者は、みな殺される。

      ①偽預言者のゴールは、人々に反キリストを礼拝させることである。

      ②反キリストを神と認めない者は、みな殺される。

Ⅲ.獣の刻印(16~18節)

1.16~17節

Rev 13:16 また、小さい者にも、大きい者にも、富んでいる者にも、貧しい者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々にその右の手かその額かに、刻印を受けさせた。

Rev 13:17 また、その刻印、すなわち、あの獣の名、またはその名の数字を持っている者以外は、だれも、買うことも、売ることもできないようにした。

     (1)大患難時代における2種類の印

      ①額に印を押された144,000人のユダヤ人たち(黙7:2~4)

      ②反キリストの刻印を右の手か額かに受けた人々

        *反キリストの刻印は、神の印のパロディのようである。

        *聖霊は、信じた者に「聖霊の証印」を押してくださる。

        *偽預言者(偽の聖霊)は、偽の証印(獣の刻印)を押す。

    (2)反キリストの刻印を受けるとどうなるか。

①反キリストへの従順を表明したことになる。

*経済活動が許される。生きることが許される。

②しかし、神の怒りを受けることになる。

*黙14:9~11がそう警告している。

    (3)その刻印は、経済活動をするための許可証となる。

      ①刻印は、獣の名である。

      ②獣の名は、数字に換算できる。

      ③これは、世界統一の銀行システムやクレジットカードではない。

      ④全員が同じ「しるし」を身に受けるのである。

      (例話)ポーランドのユダヤ人たちは「かぎ十字」のない身分証明書を渡された。

   2.18節

Rev 13:18 ここに知恵がある。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。その数字は人間をさしているからである。その数字は六百六十六である。

    (1)「ここに知恵がある」

       ①「ここに知恵が必要である」(新共同訳)

      ②「ここに、知恵が必要である」(口語訳)

      ③反キリストが登場した時に、それを見分けるためには知恵がいる。

    (2)「その獣の数字を数えなさい。その数字は人間をさしているからである」

       ①反キリストの名前を数字に換算する。

        *彼は人であり、名前を持っている。

        *ヘブル語のアルファベットは、数字に換算できる。

      ②その名前は、666になる。

      (例話)中川健一の数字は、苗字が260、名前が166、合計426。

結論:

  1.「しるし」とは何か。

    (1)ギリシア語で「セイメイオン」である。

      ①メッセージを含んだ奇跡のことである。

      ②その奇跡が、何かを証言しているのである。

    (2)イエスの奇跡

      ①イエスはご自身が主張された通りの方であることを証明している。

      ②ヨハ2:11

Joh 2:11 イエスはこのことを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。

      ③ヨハ14:11

Joh 14:11 わたしが父におり、父がわたしにおられるとわたしが言うのを信じなさい。さもなければ、わざによって信じなさい。

    (3)使徒たちの奇跡

      ①彼らは、神からの真実な使者であることを証明している。

      ②ヘブ2:3~4

Heb 2:3 私たちがこんなにすばらしい救いをないがしろにした場合、どうしてのがれることができましょう。この救いは最初主によって語られ、それを聞いた人たちが、確かなものとしてこれを私たちに示し、

Heb 2:4 そのうえ神も、しるしと不思議とさまざまの力あるわざにより、また、みこころに従って聖霊が分け与えてくださる賜物によってあかしされました。

    (4)偽預言者の奇跡

      ①これは、本物の奇跡ではなく、欺きである。

      ②自分は神だという反キリストの主張を証明するための欺きである。

      ③2テサ2:9~10

2Th 2:9 不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、

2Th 2:10 また、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行われます。なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。

  2.クリスチャンも偽預言者によって惑わされるか。

    (1)大患難時代に地上に住む人々は、惑わされる。

      ①黙13:14

Rev 13:14 また、あの獣の前で行うことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。

    (2)クリスチャンも惑わされる。

      ①エゼ34:5~6

Eze 34:5 彼らは牧者がいないので、散らされ、あらゆる野の獣のえじきとなり、散らされてしまった。

Eze 34:6 わたしの羊はすべての山々やすべての高い丘をさまよい、わたしの羊は地の全面に散らされた。尋ねる者もなく、捜す者もない。

      ②マタ7:15~16

Mat 7:15 にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲な狼です。

Mat 7:16 あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。ぶどうは、いばらからは取れないし、いちじくは、あざみから取れるわけがないでしょう。

      ③聖書に根差していないクリスチャンは、特に狙われやすい。

    (3)黙13章は、千年期後再臨説が非現実的な希望であることを証明している。

      ①時代は、大患難時代に向かっている。

      ②それゆえ、キリストの再臨にも近づいている。

    (4)1テサ5:16~18

1Th 5:16 いつも喜んでいなさい。

1Th 5:17 絶えず祈りなさい。

1Th 5:18 すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。

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