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ヨハネの黙示録(22)—イスラエルに対する戦い(2)—
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イスラエルに対する戦い(2)について学ぶ。
「イスラエルに対する戦い(2)」
黙12:7~17
1.はじめに
(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。
①10章~14章は、挿入箇所である。
*物語の進展はなく、状況の説明が入る。
*7章と同じである。
*例外は、11:15~19(第7のラッパが吹かれる)だけである。
*第7のラッパの内容は、黙16:1~21で啓示される。
②今私たちは、12章~13章を取り上げている。
(2)12章~13章に登場する7人の主役たち(大患難時代の後半)
①ひとりの女:イスラエルの象徴
②赤い竜:サタンの象徴
③男の子:キリストの象徴
④ミカエル:天使長
⑤女の子孫の残りの者:レムナント、真の信仰者たち
⑥海から上って来た獣:反キリスト
⑦地から上って来た獣:偽預言者
(3)12章で、ヨハネは、サタンとイスラエルの戦いの歴史を振り返ると同時に、大患
難時代に起こることを預言している。
①黙12:6で女は荒野に逃げた。
Rev 12:6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。
②きょうの箇所は、その続きである。
③ただし、黙12:7~12は挿入箇所である。
*大患難時代の中間期に起こることが預言されている。
④黙12:6は12:13につながる。
2.アウトライン
(1)天での戦い(7~9節)
(2)天に起こる声(10~12節)
(3)イスラエルを迫害する竜(13~16節)
(4)女の子孫の残りの者を迫害する竜(17節)
3.結論
(1)黙12:9に出て来る悪魔の呼称
(2)悪魔の経歴と将来
イスラエルに対する戦い(2)について学ぶ。
Ⅰ.天での戦い(7~12節)
1.7~8節
Rev 12:7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、
Rev 12:8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
(1)「天に戦いが起こって」
①これは、大患難時代の中間期に起こる戦いである。
②天には3つの種類がある。
*第1の天(鳥が飛ぶ空間)
*第2の天(星が存在する宇宙空間)
*第3の天(神が隣在される超自然の空間)
③ここでは、第3の天で戦いが起こっている。
(2)戦いの当事者
①「ミカエルと彼の使いたち」
*ミカエルと聖なる天使たちである。
*ミカエルは、イスラエルの守護天使である。
*ダニ12:1と黙12章は、同じ内容の預言である。
Dan 12:1 その時、あなたの国の人々を守る大いなる君、ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来、その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかし、その時、あなたの民で、あの書にしるされている者はすべて救われる。
②「竜とその使いたち」
*悪魔と悪霊どもである。
(3)戦いの結果
①ミカエルと聖なる天使たちが勝った。
②悪魔と悪霊どもは天にいることができなくなった。
2.9節
Rev 12:9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
(1)悪魔は地上に投げ落とされた。
①それまでは、悪魔は第3の天に上ることができていた。
②ヨブ記1章では、悪魔は第3の天に上り、ヨブを糾弾している。
③大患難時代の中間期に、悪魔と悪霊どもは地上に投げ落とされた。
④悪魔は、自分に残された時間が3年半しかないことを悟った。
⑤地上にいてイスラエルに猛攻撃を仕かける理由が、そこにある。
(2)悪魔の呼称が4つ出て来るが、これは結論で取り上げる。
Ⅱ.天に起こる声(10~12節)
1.10節
Rev 12:10 そのとき私は、天で大きな声が、こう言うのを聞いた。/「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現れた。私たちの兄弟たちの告発者、日夜彼らを私たちの神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。
(1)「天で大きな声が、こう言うのを聞いた」
①この声が誰の声なのか、明確ではない。
*神の声か。
*天使たちの声か。
*24人の長老たちの声か。
*大患難時代の殉教者たちの声か。
②「私たちの兄弟たちの告発者」とある。
*この声は、大患難時代の殉教者たちの声であろう。
*殉教者たちは、最終的な勝利を待ち望んでいる。
③喜びの理由は、信者を神の御前で訴えている者が投げ落とされたからである。
(2)「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現れた」
①その声は、4つのことが現れたことを喜んでいる。
*「私たちの神の救い」
・罪責からの解放のことではなく、神の計画の成就を意味している。
*「力」
・神の計画の成就をもたらす神の力である。
*「国」
・メシア的王国(千年王国)の成就が近いということである。
*「神のキリストの権威」
・メシア的王国を統治するキリストの権威のことである。
・詩2:2の成就である。
2.11節
Rev 12:11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。
(1)霊的戦いに勝利するための3つの武器
①小羊の血
*信じる者の罪を赦し、清くする。
②あかしのことば
*サタンの嘘に打ち勝つことばである。
*十字架のことばである。
③全き献身
*自分の命よりもキリストを証言することを重視した。
*スミルナの教会に与えられて命令に従った(黙2:10)。
Rev 2:10 あなたが受けようとしている苦しみを恐れてはいけない。見よ。悪魔はあなたがたをためすために、あなたがたのうちのある人たちを牢に投げ入れようとしている。あなたがたは十日の間苦しみを受ける。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう。
3.12節
Rev 12:12 それゆえ、天とその中に住む者たち。喜びなさい。しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」
(1)天での声は続けて言う。
①天に住む者たちは、喜ぶべきである。
②地上に住む者たちは、わざわいが来ることを知るべきである。
*地に落とされた悪魔が、自分の時が短いことを知り、激しく怒る。
(2)大患難時代の裁きについて
①大患難時代における裁きは、神がもたらすものである。
②しかし、大患難時代における苦難(殉教の死)は、悪魔がもたらすものである。
Ⅲ.イスラエルを迫害する竜(13~16節)
1.13節
Rev 12:13 自分が地上に投げ落とされたのを知った竜は、男の子を産んだ女を追いかけた。
(1)ここで、12:6と13:13がつながる。
①12:7~12は、挿入箇所であった。
(2)地上に投げ落とされた悪魔は、ただちにイスラエルを攻撃する。
①悪魔がイスラエルを憎むのは、イスラエルの性質のゆえではない。
②悪魔は、神の計画の中でイスラエルが果たす役割のゆえに、憎むのである。
2.14節
Rev 12:14 しかし、女は大鷲の翼を二つ与えられた。自分の場所である荒野に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前をのがれて養われるためであった。
(1)「大鷲の翼を二つ与えられた」
①鷲の翼は、イスラエルを守る神の力と忠実さを示す比ゆ的言葉である。
②出19:4
Exo 19:4 あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。
③申32:11
④荒野とは、ヨルダン川の東にある山地のことである。
(2)イスラエルは、荒野で3年半の間、神によって養われる。
①「一時と二時と半時の間」とは、3年半の期間である。
②神の超自然的守りがあるのであろう。
*エリアの例(1列17:5)
3.15~16節
Rev 12:15 ところが、蛇はその口から水を川のように女のうしろへ吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
Rev 12:16 しかし、地は女を助け、その口を開いて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
(1)「蛇はその口から水を川のように女のうしろへ吐き出し、」
①洪水が比ゆ的言葉として用いられている。
②これは、大軍がイスラエルの後を追ってくるということである。
(2)「地は女を助け、その口を開いて、竜が口から吐き出した川を飲み干した」
①これは、神の超自然的な介入を示す比ゆ的言葉である。
Ⅳ.女の子孫の残りの者を迫害する竜(17節)
1.17節
Rev 12:17 すると、竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかしを保っている者たちと戦おうとして出て行った。
(1)悪魔は、攻撃の的を「女の子孫の残りの者」に絞ってくる。
①「神の戒めを守り、」
②「イエスのあかしを保っている者たち」
(2)次の13章は、悪魔がイスラエルを攻撃する方法についての預言である。
①反キリスト
②偽預言者
結論:
1.黙12:9に出て来る悪魔の呼称
Rev 12:9 こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた。
(1)巨大な竜
①激しい悪意を内に持った存在(巨悪)
②終末時代にサタンが支配する帝国も、竜と呼ばれる。
(2)古い蛇
①エデンの園でエバを誘惑した存在
(3)悪魔
①ディアボロス
②糾弾する者、信者を訴える者
(4)サタン
①敵対者
②神に対し、神が創造された良きものに対し、敵対する。
(5)全世界を惑わす者
①光の天使を装って、人々を惑わす。
②嘘を広めることによって、人々を惑わす。
2.悪魔の経歴と将来
(1)悪魔は、アブラハムからイサクが誕生するのを妨害した。
①創12章のエジプトでの出来事。サラはパロの宮廷に召し入れられた。
②創20章のゲラルでの出来事。ゲラルの王アビメレクは、サラを召し入れた。
(2)悪魔は、ヤコブの子孫を抹殺しようとした。
①エステル記に記されたペルシヤでの物語
(3)悪魔は、幼子イエスを殺そうとした。
①マタ2章のベツレヘムでの物語
(4)悪魔は、イエスによって打ち負かされた。
Joh 16:11 さばきについてとは、この世を支配する者がさばかれたからです。
①悪魔に対する裁きは、段階を追って行われる。
(5)悪魔は、大患難時代の中間期に、天から地上に落とされる。
(6)悪魔は、キリストの再臨を阻止するためにイスラエルを迫害する。
①イスラエルの民族的救いが、再臨の条件である。
(7)悪魔は、千年の間「底知れぬ所」(アブソス)に閉じ込められる。
①黙20:1~3
(8)悪魔は、一時解き放たれるが、最後は「火と硫黄との池」に投げ込まれる。
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