私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ヨハネの黙示録(13)—144,000人のユダヤ人—
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144,000人のユダヤ人について学ぶ。
「144,000人のユダヤ人」
黙7:1~8
1.はじめに
(1)6章で、巻き物の封印が解かれる。最初の6つの封印。
①ここから大患難時代が始まる。
②大患難時代でも、人々は救われるのか。
③答えは、「イエス」である。
(2)7章の内容
①6章17節の質問
Rev 6:17 御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。」
*その意味は、誰がメシア的王国(千年王国)に入れるだろうかということ。
②7章は、この質問への回答である。
*誰が伝道するのか。
*誰が救われるのか。
③7章は、2つのグループに焦点を合わせている。
*7章1節~8節 144,000人のユダヤ人(伝道する人たち)
・彼らは、大患難時代におけるイスラエルの残れる者たちである。
*7章9節~17節 大患難時代の聖徒たち(救われる人たち)
・彼らは、大患難時代に殉教の死を遂げる諸国からの信者たちである。
④7章は、物語が進展しているのではなく、挿入句である。
*大患難時代の最初の3年半に起こることである。
2.アウトライン
(1)4人の御使いの幻(1~3節)
(2)144,000人のユダヤ人(4節)
(3)12部族(5~8節)
3.結論:
(1)大患難時代における聖霊の働き
(2)ご自身の民に対する神の守り
144,000人のユダヤ人について学ぶ。
Ⅰ.4人の御使いの幻(1~3節)
1.1節
Rev 7:1 この後、私は見た。四人の御使いが地の四隅に立って、地の四方の風を堅く押さえ、地にも海にもどんな木にも、吹きつけないようにしていた。
(1)「この後、私は見た」
①物事の時間的流れではなく、ヨハネが見た幻の順番を示している。
②この幻は、神の裁きが迫っていることを示唆している。
③「地の四方の風」がそれを示している。大嵐が地上を襲おうとしている。
(2)4人の御使い
①彼らは、「地の四隅」に立っている。
*東西南北の位置に立っているということ。
②地の四方の風を堅く押さえるとは、北からも、南からも、東からも、西からも
風が吹かないようにしているということ。
③神の裁きが起こるのを押しとどめている。
④天使は自然界を支配する役割を与えられている。
*火を支配する権威を持った御使い(黙14:18)
*水をつかさどる御使い(黙16:5)
2.2~3節
Rev 7:2 また私は見た。もうひとりの御使いが、生ける神の印を持って、日の出るほうから上って来た。彼は、地をも海をもそこなう権威を与えられた四人の御使いたちに、大声で叫んで言った。
Rev 7:3 「私たちが神のしもべたちの額に印を押してしまうまで、地にも海にも木にも害を与えてはいけない。」
(1)「もうひとりの御使い」
①生ける神の印とは、印章指輪であろう。
②日の出るほうから上って来たとは、東から上って来たという意味である。
③この天使を日出ずる国である「日本」と関連付けようとする人たちがいる。
*釈義上、なんの根拠もない。
(2)「私たちが神のしもべたちの額に印を押してしまうまで、地にも海にも木にも害
を与えてはいけない」
①この天使は4人の天使たちに大声で叫んで言う。
②神のしもべたちの額に印が押されるまでは、裁きを始めてはならない。
③額に印を押すとは、神の所有権と守りを示す。
*彼らは、伝道のために印を押される。
*彼らは、大患難の中で守られるために印を押される。
④額に印を押されるのが144,000人のユダヤ人である。
Ⅱ.144,000人のユダヤ人(4節)
1.4節
Rev 7:4 それから私が、印を押された人々の数を聞くと、イスラエルの子孫のあらゆる部族の者が印を押されていて、十四万四千人であった。
(1)ヨハネは、印を押された人々の数を聞くと、144,000人という数であった。
①イスラエル(ヤコブ)の子孫の12部族からの人数である。
(2)144,000人という数は、象徴的な数なのか、文字通りの数なのか。
①象徴的な数と解釈する人は、144,000人を教会と考える。
②しかし、教会は大患難時代の前に携挙されている。
③さらに、12部族を教会と同一視する聖書箇所は存在しない。
④12部族、各部族から12,000人、合計144,000人。
⑤これは極めて具体的な数字であり、字義通りに解釈することが最も自然である。
⑥ちなみに、エホバの証人は、これを救われる人の数だと教えていた。
*信者の数がそれ以上になると、それまでの教理を変更した。
*144,000人は天的救いを受ける人のことである。
*地上の楽園で永遠の命を貰えるその他大勢もいる。
(3)紀元70年のエルサレム崩壊以降、ユダヤ人は自分の部族が分からなくなった。
①系図が破壊されたからである。
②しかし、神は知っておられる。
(4)12部族のリストに、エフライム族とダン族が登場しない。
①ヨセフからマナセ族とエフライム族が出た。
②このリストでは、マナセ族とヨセフ族となっている。
③ヨセフ族=エフライム族なので、問題はない。
④しかし、ダン族の場合は、それを加えると13部族になる。
(5)ダン族が省略されている理由について、さまざまな意見がある。
①反キリストはダン族から出るから。
②ダン族は、偶像礼拝に走った最初の部族であるから。
③以上の見解は、あくまでも主観的な類推である。
(6)私たちの見解
①旧新約聖書を通して見ると、イスラエルの部族のリストは29回出て来る。
②その中で、12部族を越えたリストはひとつもない(J.B.Smith)。
③聖書の記述は、12という数字にこだわっている。
④数を合わせるために、通常はレビ族が省かれる。祭司の部族。
⑤申33章のモーセの祝福のことば
*レビ族が入り、シメオン族が省かれている。
⑥エゼ47章と48章の千年王国での相続地の描写
*レビ族が省かれている。
⑦ダン族が省かれている理由は、数を12に合せるためである。
(7)ちなみに、ダン族もまた、千年王国において土地を相続するようになる。
Eze 48:1 部族の名は次のとおりである。北の端からヘテロンの道を経てレボ・ハマテに至り、ハマテを経て北のほうへダマスコの境界のハツァル・エナンまで──東側から西側まで──これがダンの分である。
(8)救われるユダヤ人は、144,000人以上いる。
①144,000人は、神の守りによって、大患難時代を生き延びるユダヤ人である。
*彼らは、世界宣教に出て行く神のしもべたちである。
②それ以外の救われたユダヤ人は、殉教の死を遂げる。
Ⅲ.12部族(5~8節)
1.5節
Rev 7:5 ユダの部族で印を押された者が一万二千人、ルベンの部族で一万二千人、ガドの部族で一万二千人、
(1)ユダは、ヤコブの4番目の息子で、母はレアである。
(2)ルベンは、ヤコブの長男で、母はレアである。
(3)ガドは、ヤコブの7番目の息子で、母はジルパ(レアの女奴隷)である。
2.6節
Rev 7:6 アセルの部族で一万二千人、ナフタリの部族で一万二千人、マナセの部族で一万二千人、
(1)アセルは、ヤコブの8番目の息子で、母はジルパである。
(2)ナフタリは、ヤコブの5番目の息子で、母はビルハ(ラケルの女奴隷)である。
(3)マナセは、エジプトで生まれたヨセフの長子である。
3.7節
Rev 7:7 シメオンの部族で一万二千人、レビの部族で一万二千人、イッサカルの部族で一万二千人、
(1)シメオンは、ヤコブの2番目の息子で、母はレアである。
(2)レビは、ヤコブの3番目の息子で、母はレアである。
(3)イッサカルは、ヤコブの9番目の息子で、母はレアである。
4.8節
Rev 7:8 ゼブルンの部族で一万二千人、ヨセフの部族で一万二千人、ベニヤミンの部族で一万二千人、印を押された者がいた。
(1)ゼブルンは、ヤコブの10番目の息子で、母はレアである(6番目の息子)。
(2)ヨセフは、ヤコブの11番目の息子で、母はラケルである(最初の息子)。
(3)ベニヤミンは、ヤコブの12番目の息子で、母はラケルである(2番目の息子)。
結論:
1.大患難時代における聖霊の働き
(1)大患難時代においても人が救われるのは、聖霊の働きがあるからである。
①救いの構造は、不変である。信仰と恵みによって救われる。
②罪人に救いを与えるのは、聖霊である。
(2)教会の携挙と同時に、聖霊も地から上げられた。
①ペンテコステの日に聖霊が降臨した。
②携挙と同時に、聖霊が地から上げられた。
③大患難時代における聖霊の働きは、ペンテコステ以前のそれと同じである。
④ペンテコステ以前にも人は救われていた。
⑤大患難時代においても人が救われることは、疑う余地のないことである。
2.ご自身の民に対する神の守り
(1)人類の歴史を通して、神はご自身の民を守って来られた。
①エノクは生きたまま天に上げられた(創5:24)。
②ノアとその家族は、箱舟に入り大洪水から守られた(創7章、8章)。
③ロトは、ソドムに裁きが下る前にそこから取り出された(創19章)。
④イスラエル人の初子は、子羊の血によって裁きから守られた(出12章)。
⑤2人のスパイは守られ、ラハブもエリコが崩壊する日に守られた(ヨシ2章、
6章)。
⑥大患難時代においては、144,000人のユダヤ人たちが守られる。
(2)イスラエルの残れる者という概念
①預言者エリヤの時代に、神は7,000人の忠実な信者を残しておられた。
1Ki 19:18 しかし、わたしはイスラエルの中に七千人を残しておく。これらの者はみな、バアルにひざをかがめず、バアルに口づけしなかった者である。」
②現代のイスラエルの残れる者は、メシアニック・ジューたちである。
③大患難時代のイスラエルの残れる者は、144,000人のユダヤ人たちである。
*イスラエルの本来の使命は、諸国の民を祝福することである。
*彼らは、イエスを拒否した時から、この使命を放棄した。
*大患難時代に、144,000人のユダヤ人たちは、この使命に立ち返る。
④神の御心は、必ず成就する。
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