私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ヨハネの黙示録(14)—白い衣を着た大群衆—
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大患難時代の聖徒たちについて学ぶ。
「白い衣を着た大群衆」
黙7:9~17
1.はじめに
(1)6章で、巻き物の封印が解かれる。最初の6つの封印。
①ここから大患難時代が始まる。
②大患難時代でも、人々は救われるのか。
③答えは、「イエス」である。
(2)7章の内容
①6章17節の質問
Rev 6:17 御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。」
*その意味は、誰がメシア的王国(千年王国)に入れるだろうかということ。
②7章は、この質問への回答である。
③7章は、2つのグループに焦点を合わせている。
*7章1節~8節 144,000人のユダヤ人(伝道する人たち)
・彼らは、大患難時代におけるイスラエルの残れる者たちである。
*7章9節~17節 大患難時代の聖徒たち(救われる人たち)
・彼らは、大患難時代に殉教の死を遂げる諸国からの信者たちである。
・携挙の後も、聖書や注解書は地上に残される。
・144,000人のユダヤ人たちがいる。
・ふたりの証人の奉仕がある(黙11章)。
④7章は、物語が進展しているのではなく、挿入句である。
*大患難時代の最初の3年半に起こることである。
2.アウトライン
(1)諸国からの大群衆(9~10節)
(2)天使たちの礼拝(11~12節)
(3)大患難時代の殉教者(13~14節)
(4)殉教者が受ける祝福(15~17節)
3.結論:福音について
(1)神の福音
(2)御国の福音
(3)キリストの福音
(4)大患難時代に伝えられる福音
大患難時代の聖徒たちについて学ぶ。
Ⅰ.諸国からの大群衆(9~10節)
Rev 7:9 その後、私は見た。見よ。あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、だれにも数えきれぬほどの大ぜいの群衆が、白い衣を着、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊との前に立っていた。
Rev 7:10 彼らは、大声で叫んで言った。/「救いは、御座にある私たちの神にあり、小羊にある。」
1.ヨハネが見た次の幻は、144,000人のユダヤ人の伝道によって救われる大群衆である。
(1)「あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、」救われた人たちである。
①この大群衆は、144,000人の場合とは異なり、数えきれぬほどの人数である。
②この中には、144,000人以外のユダヤ人も含まれる。
2.大群衆の描写
(1)白い衣を着ている。
①信仰によって義とされたこと、救われていることの象徴
②黙示録の中では、「白い衣」は「救い」の象徴である。
③黙6:11 第5の封印
Rev 6:11 すると、彼らのひとりひとりに白い衣が与えられた。そして彼らは、「あなたがたと同じしもべ、また兄弟たちで、あなたがたと同じように殺されるはずの人々の数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいなさい」と言い渡された。
(2)しゅろの枝を手に持っている。
①勝利者となったことの象徴
(3)「御座と小羊との前に立っていた」
①御座の前とは、父なる神の前である。
②小羊の前とは、子なる神の前である。
3.大群衆の叫び
(1)「救いは、御座にある私たちの神にあり、小羊にある」
①御座にある私たちの神とは、父なる神のこと。
②小羊とは、子なる神のこと。
③彼らは、救いは父なる神と子なる神によって与えられたと大声で証言している。
(2)彼らは、黙6:9の殉教者たちと同じグループの人々である。
Rev 6:9 小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た。
①彼らが、大患難時代の殉教者であることは、黙7:13~14になってから分かる。
Ⅱ.天使たちの礼拝(11~12節)
Rev 7:11 御使いたちはみな、御座と長老たちと四つの生き物との回りに立っていたが、彼らも御座の前にひれ伏し、神を拝して、
Rev 7:12 言った。/「アーメン。賛美と栄光と知恵と感謝と誉れと力と勢いが、永遠に私たちの神にあるように。アーメン。」
1.天にいる天使たち
(1)「御座と長老たちと四つの生き物との回りに立っていた」
①御座は父なる神がおられる場。
②長老たちは、24人の長老たち。
③4つの生き物は、封印を解いた天使たち。
(2)彼らも御座の前にひれ伏し、神を礼拝した。
①黙5章で、4つの生き物と24人の長老たちは小羊を礼拝した。
②ここでは、その周りに立っている天使たちが礼拝に参加した。
③黙5:12にある7つの言葉は、黙7:12の7つの言葉に似ている。
Rev 5:12 彼らは大声で言った。/「ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」
④私たちの神は、大いなるお方である
2.黙7:9~12は、この大群衆が誰であるかを示すためのイントロダクションである。
Ⅲ.大患難時代の殉教者(13~14節)
Rev 7:13 長老のひとりが私に話しかけて、「白い衣を着ているこの人たちは、いったいだれですか。どこから来たのですか」と言った。
Rev 7:14 そこで、私は、「主よ。あなたこそ、ご存じです」と言った。すると、彼は私にこう言った。「彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです。
1.13節
(1)長老のひとりの質問
①「白い衣を着ているこの人たちは、いったいだれですか。どこから来たのです
か」
②この質問から、長老と大群衆とは別のグループの人たちであることが分かる。
③24人の長老たちは携挙された教会、白い衣を着た大群衆はそれ以外の聖徒たち。
(2)これはユダヤ的教授法のひとつである。
①ラビは、生徒が知らない質問を投げかける。
②生徒は、答えを求める。
③ラビは、答えを与える。
2.14節
(1)ヨハネはその質問に答えることができない。
①「主よ。あなたこそ、ご存じです」
②これは、自らの無知を告白し、回答を求めている言葉である。
③試練の時に、「あなたこそ、ご存じです」と言える人は幸いである。
④そこで、長老はヨハネに教える。
(2)「彼らは、大きな患難から抜け出て来た者たちで、」
①「大きな患難」とは、大患難時代のことである。
②マタ24:21でイエスが預言しておられた時代である。
Mat 24:21 そのときには、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです。
③ある人たちは、この大群衆はすべての時代の聖徒たちであると解釈する。
④「大きな患難から抜け出て来た者たち」を字義通りに解釈しないとそうなる。
(3)「その衣を小羊の血で洗って、白くしたのです」
①衣を血で洗った場合、通常は白くならない。
②これは、霊的純潔を示す比ゆ的言葉である。
③レビ17:14
Lev 17:14 すべての肉のいのちは、その血が、そのいのちそのものである。それゆえ、わたしはイスラエル人に言っている。『あなたがたは、どんな肉の血も食べてはならない。すべての肉のいのちは、その血そのものであるからだ。それを食べる者はだれでも断ち切られなければならない。』
④ヘブ9:22
Heb 9:22 それで、律法によれば、すべてのものは血によってきよめられる、と言ってよいでしょう。また、血を注ぎ出すことがなければ、罪の赦しはないのです。
⑤使20:28
Act 20:28 あなたがたは自分自身と群れの全体とに気を配りなさい。聖霊は、神がご自身の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたを群れの監督にお立てになったのです。
(4)大患難時代においても、多くの人たちが救いに与る。
①144,000人の伝道によって世界規模のリバイバルが起こる。
②しかし、信仰のゆえに多くの殉教者が出る。
(5)この場面を千年王国の始まりと解釈する人がいる。
①千年王国は地上に成就する王国である。
②ここでの場面は、天である。
③大患難時代における天での情景の幻である。
Ⅳ.殉教者が受ける祝福(15~17節)
Rev 7:15 だから彼らは神の御座の前にいて、聖所で昼も夜も、神に仕えているのです。そして、御座に着いておられる方も、彼らの上に幕屋を張られるのです。
Rev 7:16 彼らはもはや、飢えることもなく、渇くこともなく、太陽もどんな炎熱も彼らを打つことはありません。
Rev 7:17 なぜなら、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となり、いのちの水の泉に導いてくださるからです。また、神は彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださるのです。」
1.7つの祝福
(1)距離の祝福
①「神の御座の前」
②かつては、反キリストの前に立たされていた。
(2)奉仕の祝福
①「聖所で昼も夜も、神に仕えている」
②天に昼と夜があるという意味ではない。永続した奉仕が与えられる。
③天は休息の場所であると同時に、奉仕の場所でもある。
④ここでの聖所とは、神の臨在を表現する言葉である。
(3)交わりの祝福
①「御座に着いておられる方も、彼らの上に幕屋を張られる」
②幕屋を張るとは、彼らの内に宿るということ。
(4)必要の満たしの祝福
①「彼らはもはや、飢えることもなく、渇くこともなく、」
②大患難時代においては、飢えと渇きに襲われていた。
③その苦しみがなくなる。
(5)安全の祝福
①「太陽もどんな炎熱も彼らを打つことはありません」
②神の臨在が彼らをおおう。
③イザ49:10が背景にある。
④詩121:5~6が背景にある。
(6)導きの祝福
①「なぜなら、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となり、いのちの水の
泉に導いてくださるからです」
②詩23篇が背景にある。
③良き羊飼いのたとえが背景にある(ヨハ10章)。
(7)喜びの祝福
①「また、神は彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださるのです」
②大患難時代に流した涙は、神によってぬぐい取られる。
結論:福音について
1.神の福音
(1)「神の福音」はひとつである。
(2)「神の福音」という用語は、新約聖書に8回出て来る。
①マコ1:14、ロマ1:1、15:16、1ペテ4:17など。
(3)福音はひとつであるが、時代によって強調点が異なる。
(4)救いの方法もひとつである。
①信仰の対象は、神である。
②救いの土台は、キリストの贖いの業である。
③救いの方法は、信仰と恵みによる。
④信仰の内容は、時代とともに変化する。
2.御国の福音(the gospel of the kingdom)
(1)「御国の福音」という用語は、新約聖書に3回出て来る。
①すべてマタイの福音書である。
②マタ4:23、9:35、24:14
(2)「神の国の福音」という用語は、新約聖書に2回出て来る。
①すべてルカの福音書である。
②ルカ4:43、16:16
(3)「御国の福音」=「神の国の福音」である。
(4)初臨の際に語られた福音は、「御国の福音」である。
①バプテスマのヨハネも主イエスも、「神の国は近づいた」と宣言した。
②神の国(千年王国)をもたらすためにイエスはメシアとして来られた。
③イエスを信じるなら、千年王国がすぐに成就し、そこに入ることができる。
④しかし、ユダヤ人たちはイエスを拒否した。
⑤その結果、千年王国は延期され、教会時代に移行した。
*異邦人が救われる時代となった。
3.キリストの福音
(1)「キリストの福音」という用語は、新約聖書に9回出て来る。
①マコ1:1、ロマ15:19、ガラ1:7など
(2)「神の恵みの福音」という用語は、新約聖書に1回出て来る。
①使20:24
(3)「キリストの福音」=「神の恵みの福音」である。
(4)これは、教会時代になって語られる福音である。
(5)内容は、イエスを信じるなら天に上げられ、そこで永遠に主とともに住むように
なるというものである。
4.大患難時代に伝えられる福音
(1)大患難時代に伝えられるのは、「御国の福音」である。
(2)マタ24:14
Mat 24:14 この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。
①ここでの「終わりの日」とは、携挙のことではなく再臨のことである。
②携挙は、いつでも起こり得る。
③世界宣教の完成は、大患難時代に起こり、それから再臨が成就する。
(3)神のしもべたちは、初臨の際と同じようなメッセージを語る。
①キリストは千年王国を地上に確立するために、間もなく戻って来られる。
②大患難時代の間にキリストを信仰によって受け入れるなら、千年王国の祝福に
与ることができる。
(4)大宣教命令はイエスの弟子たちによって実行に移された。
Mat 28:18 イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。
Mat 28:19 それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
Mat 28:20 また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
(5)大患難時代においては、144,000人のユダヤ人たちが同様の役割を果たすことに
なる。
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