私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
メシアの生涯(167)—オリーブ山での説教(3)—
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オリーブ山での説教を通して、終末論について学ぶ。
「オリーブ山での説教(3)」
マコ13:1~37、マタ24、25、ルカ21:5~36
(朗読箇所 マタ24:9~14)
1.はじめに
(1)文脈の確認
①イエスの公生涯は終わった。
②イエスは神殿を去り、オリーブ山に座る。
③そこで、弟子たちに「オリーブ山での説教」を語る。
④福音書の中で終末論がまとまって取り上げられている箇所である。
⑤この箇所でも、火曜日が続いている。
(2)A.T.ロバートソンの調和表
§139 イエスはオリーブ山に座り、終末的出来事に関して弟子たちに教える。
マコ13:1~37、マタ24、25、ルカ21:5~36
(3)弟子たちの質問
①「いつ、そのようなことが起こるのでしょうか」
*エルサレム崩壊のしるしは何か。
②「あなたが来られる時には、どんな前兆があるのでしょうか」
*再臨のしるしは何か。
③「世の終わりには、どんな前兆があるのでしょうか」
*世の終わりのしるしは何か。
(4)イエスの回答は、③、①、②の順番である。
①イエスは、再臨の前に起こることについて預言する。
②マタ24:9~14は、大患難時代の前半(3年半)に関する預言である。
2.アウトライン
(1)説教が生まれた歴史的背景
(2)3つの質問
(3)回答①:世の終わりのしるし
(4)回答②:エルサレム崩壊のしるし
(5)回答③:再臨のしるし
(今回は、(5)を取り上げる。大患難時代の前半に起こること)
3.結論:
(1)迫害の勃発と「第5の封印」
(2)偽預言者たちの出現と「ゼカリヤの預言」
(3)罪の増加と「不法の秘密」
(4)大患難時代を生き延びるユダヤ人たちと「ゼカリヤの預言」
(5)世界宣教と「144,000人のユダヤ人たち」
オリーブ山での説教を通して、終末論について学ぶ。
Ⅴ.回答③:再臨のしるし
1.迫害の勃発(9~10節)
Mat 24:9 そのとき、人々は、あなたがたを苦しいめに会わせ、殺します。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての国の人々に憎まれます。
Mat 24:10 また、そのときは、人々が大ぜいつまずき、互いに裏切り、憎み合います。
(1)「そのとき」
①「τότε」(ギリシア語)
②「Then」(英語)
③「それから」(現代訳)
④9節から大患難時代の記述に入る。
(2)聖徒たちに対する迫害が起こり、多くの者が殉教の死を遂げる。
①世界の諸国が、聖徒たちを迫害する。
(3)多くの者が、迫害を逃れようとして、信仰から離れる。
①家族同士でも、相手を密告し、憎み合う。
2.偽預言者たちの出現(11節)
Mat 24:11 また、にせ預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。
(1)偽預言者と偽キリストは違う。
「わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそキリストだ』と言って、多くの人を惑
わすでしょう」(マタ24:5)
(2)偽預言者の特徴
①彼らは、自分たちが神を代弁する者であると主張する。
②彼らの預言は成就しない。
③彼らは、人々を真の神から遠ざける。
(3)大患難時代は、基本的にはユダヤ人の苦しみの時である。
「しかし、イスラエルの中には、にせ預言者も出ました。同じように、あなたがたの
中にも、にせ教師が現れるようになります。彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに
持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分
たちの身にすみやかな滅びを招いています」(2ペテ2:1)
①偽預言者は、イスラエルを欺く者たちである。
②偽教師は、教会を欺く者たちである。
3.罪の増加(12節)
Mat 24:12 不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります。
(1)罪が増加し、人々は愛に反する行いをするようになる。
①罪の広がりを抑制する者がいなくなるから。
4.大患難時代を生き延びるユダヤ人たち(13節)
Mat 24:13 しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われます。
(1)大患難時代を生き延びたユダヤ人たちは、民族的救いを経験するようになる。
①生き延びたから救われるという意味ではない。
②救いは常に恵みと信仰による。
③信仰の内容は、「福音の三要素」である。
5.世界宣教(14節)
Mat 24:14 この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。
(1)大患難時代の前半の3年半の間に、世界宣教が行われる。
①迫害はあるが、希望もあるのである。
結論:
1.迫害の勃発と第5の封印
(1)迫害の勃発は、第5の封印と関係している(黙6:9~11)。
「小羊が第五の封印を解いたとき、私は、神のことばと、自分たちが立てたあかしと
のために殺された人々のたましいが祭壇の下にいるのを見た」(黙6:9)
(2)7つの封印は、前半の4つと後半の3つに二分されている。
①第5の封印は、後半の最初の封印である。
②天での様子に場面が転換し、殉教者の魂が天の祭壇の下にいる。
③教会(真の信者たち)は、大患難時代の前に携挙されている。
2.偽預言者たちの出現とゼカリヤの預言
(1)ゼカ13:1~2
「その日、ダビデの家とエルサレムの住民のために、罪と汚れをきよめる一つの泉が
開かれる。その日、──万軍の【主】の御告げ──わたしは、偶像の名をこの国から
断ち滅ぼす。その名はもう覚えられない。わたしはまた、その預言者たちと汚れの霊
をこの国から除く」
(2)終わりの日におけるエルサレムの状態が描写されている。
3.罪の増加と「不法の秘密」
(1)2テサ2:6~7
「あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現れるようにと、いま引
き止めているものがあるのです。不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き
止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです」
(2)「不法の秘密」とは何か。
①「秘密」とは、「ミステリー(ムステイリオン)」である。
②今まで隠されていたが、新約時代になって新しく啓示された真理
③「不法」が終末時代にどのようになるかが啓示された。
④その内容が、「不法の秘密」である。
⑤それはまだ成就していないが、すでに働いている。
⑥しかし、「引き止める者」があるので、その程度は制限されている。
(3)「引き止める者」とは何か。
①聖霊のことである。
②聖霊は教会を通して働く。
③教会が携挙されると、聖霊も地上から上げられる。
④大患難時代は、聖霊も教会も地上にいない時代である。
4.大患難時代を生き延びるユダヤ人たちとゼカリヤの預言
(1)ゼカ13:8~9
「全地はこうなる。──【主】の御告げ──その三分の二は断たれ、死に絶え、三分
の一がそこに残る。わたしは、その三分の一を火の中に入れ、銀を練るように彼らを
練り、金をためすように彼らをためす。彼らはわたしの名を呼び、わたしは彼らに答
える。わたしは『これはわたしの民』と言い、彼らは『【主】は私の神』と言う」
(2)3分の1のユダヤ人が、大患難時代を生き延びる。
①患難によって精錬された結果、彼らは真の神に立ち帰る。
5.世界宣教と144,000人のユダヤ人たち
(1)黙7:4
「それから私が、印を押された人々の数を聞くと、イスラエルの子孫のあらゆる部族
の者が印を押されていて、十四万四千人であった」
(2)黙7章
①第6の封印と第7の封印の間に入る挿入句のような章である。
②その内容は、大患難時代の前半を通して起こることである。
③大患難時代の主要な目的は、世界大のリバイバルをもたらすことである。
④黙7章は、そのリバイバルについて解説している。
⑤印を押された144,000人のユダヤ人が登場する。
⑥彼らは、反キリストによる迫害から守られている。
⑦短時間で世界宣教を行うために、ユダヤ人たちが用いられる。
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