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メシアの生涯(150)—ミナのたとえ—

  • 2015.04.27
  • ルカ19章:11〜28
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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このメッセージでは...

ミナのたとえを通して、イエスの弟子としての生き方について学ぶ。

「ミナのたとえ」

ルカ19:11~28

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①イエスは、エルサレムへの途上で、さまざまなテーマについて教えた。

②弟子たちが乗っている文脈と、イエスが語っている文脈とが異なる。

      *イエスは十字架に向かって進んでいる。

      *弟子たちの認識では、戴冠式に向かう王の行列に参加している。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

    §127 ザアカイの家を訪問し、「ミナのたとえ」を語り、エルサレムに向う。

ルカ19:1~28

    (3)§127の2区分

      ①1~10節 ザアカイの救い

      ②11~28節 ミナのたとえ

  2.アウトライン

    (1)たとえ話の目的(11節)

    (2)遠い国に行く主人(12~14節)

(3)帰宅する主人(15~27節)

(4)エルサレムに向かうイエス(28節)

  3.結論

    (1)イエスによる弟子訓練のまとめ

    (2)私たちに委ねられているミナ

    (3)キリストの御座の裁き

ミナのたとえを通して、イエスの弟子としての生き方について学ぶ。

Ⅰ.たとえ話の目的(11節)

  1.11節


Luk 19:11
人々がこれらのことに耳を傾けているとき、イエスは、続けて一つのたとえを話された。それは、イエスがエルサレムに近づいておられ、そのため人々は神の国がすぐにでも現れるように思っていたからである。

    (1)イエスは、神の国に関する誤解を解くために、このたとえ話を語られた。

      ①イエスがエルサレムに近づいていた。

      ②イエスは、「きょう、救いがこの家に来ました」と言われた。

      ③神の国とは、メシア的王国である。

      ④人々は、メシア的王国が近いと考えた。

      ⑤ローマの圧政やその他の異邦人諸国の圧政からの解放への期待があった。

      ⑥弟子たちも、同じ期待を抱いていた。

      ⑦使1:6

      「そこで、彼らは、いっしょに集まったとき、イエスにこう尋ねた。『主よ。今こ

そ、イスラエルのために国を再興してくださるのですか』」

⑧神の国はすぐには来ないというのが、イエスの教えである。

⑨では、神の国が来るまで、弟子としていかに生きるべきか。

⑩対象は、弟子たちとユダヤ人たち全般である。

Ⅱ.遠い国に行く主人(12~14節)

  1.12節


Luk 19:12 それで、イエスはこう言われた。「ある身分の高い人が、遠い国に行った。王位を受けて帰るためであった。

    (1)このたとえ話には、歴史的背景があった。

      ①ヘロデは、ユダヤの王としての称号を得るためにローマに行った(前40年)。

        *彼は、ユダヤの民衆からの支持を得ていなかった。

        *称号を得て後、ヘロデは残虐な方法で反抗的な人々を沈黙させた。

      ②ヘロデの息子アケラオも、王になるためにローマに行った(前4年)。

        *ユダヤ人の代表50人が反対を表明するためにローマに行った。

        *王となったアケラオは、忠実な者に褒賞を与え、反抗する者を殺害した。

    (2)このたとえ話では、ある身分の高い人とはイエスのことである。

      ①メシアの来臨には、初臨と再臨がある。

      ②イエスは、父なる神のもとに行き、やがて王として戻って来られる。

      ③初臨と再臨の間で生きる弟子たちには、忠実さが要求される。

  2.13節


Luk 19:13 彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい。』

    (1)10人のしもべとは、イエスの弟子たちである。

      ①再臨までの期間、ある賜物を委託されている。

    (2)各人が、1ミナを預かった。

      ①1ミナは、労働者100日分の賃金である。

      ②ローマ時代、資産を持っている人は少数であった。

      ③金利は、非常に高かった。

        *金貸しはほとんどが裕福な個人によって行なわれていた。

        *「トラペザ」を銀行と訳しているが、これは両替商の机のことである。

        *当時の金利は、年率4–12%、高利の場合は24-48%であった(月率の12倍)。

    (3)主人の意図は、それを元手に商売をして財産を増やすことであった。

      ①財産を増やすのは、今よりもはるかに容易だった。

  3.14節


Luk 19:14
しかし、その国民たちは、彼を憎んでいたので、あとから使いをやり、『この人に、私たちの王にはなってもらいたくありません』と言った。

    (1)その国民たちとは、しもべたちとは別の人たちである。

      ①彼らは、この身分の高い人に王になって欲しくない人たちである。

    (2)狭義には宗教的指導者たちであり、広義にはイスラエルの民全般である。

      ①彼らは、イエスをメシアと認めたくない人たちである。

      ②使徒行伝では、ステパノや使徒たちが殉教の死を遂げている。

Ⅲ.帰宅する主人(15~27節)

  1.15節


Luk 19:15
さて、彼が王位を受けて帰って来たとき、金を与えておいたしもべたちがどんな商売をしたかを知ろうと思い、彼らを呼び出すように言いつけた。

    (1)身分の高い人は王位を受けて帰って来た。

      ①これは、キリストの再臨の型である。

    (2)しもべたちがどのように商売をしたかの評価が行われる。

      ①これは、キリストの御座の裁きの型である。

  2.16~17節

Luk 19:16 さて、最初の者が現れて言った。『ご主人さま。あなたの一ミナで、十ミナをもうけました。』


Luk 19:17 主人は彼に言った。『よくやった。良いしもべだ。あなたはほんの小さな事にも忠実だったから、十の町を支配する者になりなさい。』

    (1)最初のしもべは、1ミナを元手にして10ミナをもうけた。

      ①彼は、おほめに与った。

②「ほんの小さな事」という言葉(役立たずのしもべですという認識)

    (2)忠実さに比例して、多くの責任が与えられた。

      ①10の町を支配する者になる。

      ②ローマ帝国は、認定した王が独自に行政官を任命することを許可していた。

      ③この責任委譲は、千年王国での責任委譲の型である。

  3.18~19節

Luk 19:18 二番目の者が来て言った。『ご主人さま。あなたの一ミナで、五ミナをもうけました。』

Luk 19:19 主人はこの者にも言った。『あなたも五つの町を治めなさい。』

    (1)2番目のしもべは、1ミナを元手にして5ミナをもうけた。

      ①最初のしもべと同じ原則で取り扱われた。

  4.20~21節


Luk 19:20 もうひとりが来て言った。『ご主人さま。さあ、ここにあなたの一ミナがございます。私はふろしきに包んでしまっておきました。


Luk 19:21
あなたは計算の細かい、きびしい方ですから、恐ろしゅうございました。あなたはお預けにならなかったものをも取り立て、お蒔きにならなかったものをも刈り取る方ですから。』

    (1)3番目のしもべは、なにもしなかった。

      ①「ふろしき」とは、汗をぬぐう布のことである。ハンカチ、ナプキンなど。

      ②これは、主人の財産を扱う方法としては、最も危険なものである。

    (2)彼は言い訳をした。

      ①主人に対する侮辱的な言葉を吐いた。

      ②実際は、主人が戻って来るとは思わなかったのであろう。

  5.22~23節


Luk 19:22
主人はそのしもべに言った。『悪いしもべだ。私はあなたのことばによって、あなたをさばこう。あなたは、私が預けなかったものを取り立て、蒔かなかったものを刈り取るきびしい人間だと知っていた、というのか。


Luk 19:23
だったら、なぜ私の金を銀行に預けておかなかったのか。そうすれば私は帰って来たときに、それを利息といっしょに受け取れたはずだ。』

    (1)主人は、3番目のしもべの口実をそのまま繰り返した。

      ①それを認めたということではなく、彼の欺瞞を指摘したのである。

      ②本当にそう思っていたなら、高利貸しに預けておくべきだった。

  6.24~26節


Luk 19:24 そして、そばに立っていた者たちに言った。『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナ持っている人にやりなさい。』

Luk 19:25 すると彼らは、『ご主人さま。その人は十ミナも持っています』と言った。


Luk 19:26
彼は言った。『あなたがたに言うが、だれでも持っている者は、さらに与えられ、持たない者からは、持っている物までも取り上げられるのです。

    (1)その人の1ミナは、10ミナ持っている人に回される。

      ①そばに立っていた者たちは、そのことを理解することができない。

    (2)神の国の原則

      ①「持っている者は、さらに与えられ、持たない者からは、持っている物までも

取り上げられる」

②この原則は、今も生きている。

  7.27節


Luk 19:27 ただ、私が王になるのを望まなかったこの敵どもは、みなここに連れて来て、私の目の前で殺してしまえ。』」

    (1)敵とは、イエスをメシアと信じない人たちの型である。14節の国民たち。

      ①彼らは、殺された。

    (2)これは、不信仰なイスラエルがどのような裁きを受けるかを予告したものである。

      ②イエスは、紀元70年のエルサレム崩壊を予見しておられる。

Ⅳ.エルサレムに向かうイエス(28節)

  1.28節

Luk 19:28 これらのことを話して後、イエスは、さらに進んで、エルサレムへと上って行かれた。

    (1)エリコからエルサレムへは、約30キロの上り道である。

      ①次回から、「エルサレムにおける公生涯最後の奉仕」に入る。

結論:

  1.イエスによる弟子訓練のまとめ(ルカ17:11~19:28)

    (1)癒されたツァラアト患者(ルカ17:11~19)

      ①感謝の心を示す。

    (2)懇願するやもめ(ルカ18:1~14)

      ①天の父は地上の裁判官よりも恵み深い方である。

      ②継続した祈りは聞かれる。

    (3)子ども(ルカ18:15~17)

      ①子どものように神の国を受け入れる。

    (4)ザアカイ(ルカ19:1~10)

      ①富の束縛から解放された。

      ②そうでない例は、富める若者であった(ルカ18:18~25)。

  2.私たちに委ねられているミナ

    (1)すべての信者が同じように持っている特権

      ①福音を伝える特権

      ②キリストをこの世に紹介する特権

      ③祈りの特権

      ④献金の特権

    (2)持てる者にはより多くのものが委ねられる。

  3.キリストの御座の裁き

    (1)携挙の後、信者は人の子の前に立つ(ルカ21:34~36)。

      ①これは、信者の褒章のための裁きであって、罪の裁きではない。

      ②3番目のしもべは特権が与えられなかっただけで、追い出されたわけではない。

    (2)2 コリ5:10

    「なぜなら、私たちはみな、キリストのさばきの座に現れて、善であれ悪であれ、各

自その肉体にあってした行為に応じて報いを受けることになるからです」

  ①裁きの基準は、信者になって以降の行為である。

  ②罪の裁きではない。

  「こういうわけで、今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決

してありません」(ロマ8:1)

    (3)1 コリ3:10~15

      ①土台(キリスト)の上にどのような建物を建てたかが裁きの基準となる。

      ②神の御心に沿った働きは、金、銀、宝石である。

      ③告白されていない罪を持った生活は、木、草、わらである。

      ④各人の働きは、火で試される。

      ⑤木、草、わらなどは燃えて灰になる。

      ⑥金、銀、宝石は精錬され、より純化される。

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