コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18

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批判する者たちへの反論について学ぶ。

コリント人への手紙第二 13回

批判する者たちへの反論

10 :1~18

はじめに

1.文脈の確認

(1)イントロダクション(1:1~11)

(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)

(3)エルサレム教会への献金(8:1~9:15)

(4)使徒職を疑う者たちへの反論(10:1~13:10)

  ①批判する者たちへの反論(10:1~18)

  ②パウロと偽使徒の違い(11:1~12:18)

  ③訪問を前提とした勧告(12:19~13:10)

(5)最後のあいさつ(13:11~13)

2.注目すべき点

(1)パウロは、コリント教会を訪問するという前提で、この手紙を書いている。

(2)コリント教会には、パウロの使徒職を疑う者たちがいた。

(3)訪問する前に、彼らの口を封じておく必要があった。

3.アウトライン

(1)臆病だという批判(10:1~6)

(2)弱々しいという批判(10:7~11)

(3)他人の成果を横取りするという批判(10:12~18)

4.結論:主に推薦される人になる

批判する者たちへの反論について学ぶ。

Ⅰ.臆病だという批判(10:1~6)

1.1節

2Co 10:1

さて、あなたがたの間にいて顔を合わせているときはおとなしいのに、離れているとあなたがたに対して強気になる私パウロ自身が、キリストの柔和さと優しさをもってあなたがたにお願いします。

(1)パウロはアイロニー(皮肉)を用いている。

  ①批判者たちのことばをそのまま引用している。

  ②パウロは、直接顔を合わせているときは弱気である。

  ③離れていると、強気になる(彼が書く手紙の内容は強気である)。

(2)そのように批判されている私パウロが、あなたがたにお願いする。

  ①キリストの柔和さと優しさをもって、お願いする。

  ②通常パウロは、キリストを栄光の王として描写する。

  ③ここでは、地上生涯を歩まれたキリストの姿に言及している。

2.2節

2Co 10:2

私たちが肉に従って歩んでいると見なす人たちに対しては、大胆にふるまうべきだと私は考えていますが、そちらに行ったときに、その確信から強気にふるまわないですむように願います。

(1)批判者たちは、パウロは肉に従って歩んでいると見なしていた。

  ①つまり、パウロは世の人となんら変わらないと考えていたのである。

  ②パウロは、批判者たちには大胆に振る舞うつもりでいる。

  ③しかし、コリント訪問の際には、強気にふるまわないですむように願っている。

3.3~4節

2Co 10:3 私たちは肉にあって歩んではいても、肉に従って戦ってはいません。

2Co 10:4

私たちの戦いの武器は肉のものではなく、神のために要塞を打ち倒す力があるものです。

(1)パウロの奉仕

  ①パウロは、肉体を持って歩んでいる。

  ②しかし、世の人たちが採用する手段や方法で戦っているわけではない。

(2)霊の戦いのための武器

  ①全能の神への信仰

  ②祈り

  ③神のことばへの従順

  ④これらの武器は、神のために要塞を打ち倒す力がある。

4.5節

2Co 10:5

私たちは様々な議論と、神の知識に逆らって立つあらゆる高ぶりを打ち倒し、また、すべてのはかりごとを取り押さえて、キリストに服従させます。

(1)要塞とは何か(4節)。

  ①神の知識に逆らって立つ様々な議論と高ぶり

  ②科学者、進化論者、哲学者、宗教家などの議論

(2)パウロの目標

  ①神に反抗する者たちを取り押さえて、キリストに服従させること

  ②神から与えられた知性は、神を否定するためではなく、あがめるために用いる。

5.6節

2Co 10:6

また、あなたがたの従順が完全になったとき、あらゆる不従順を罰する用意ができています。

(1)リビングバイブル

    「まず、あなたがたにこの武器を向け、キリストに従わせたあとで、残りのすべての

反抗する者に挑戦するのです」

(2)奉仕の順番

  ①霊的な武器を用いて、コリントの信者たちをキリストに従順な者にする。

  ②次に、偽教師たちを罰する。

Ⅱ.弱々しいという批判(10:7~11)

1.7節

2Co 10:7

あなたがたは、うわべのことだけを見ています。もし自分はキリストに属する者だと確信している人がいるなら、その人は、自分がキリストに属しているように、私たちもキリストに属しているということを、もう一度よく考えなさい。

(1)コリントの信者たちは、うわべのことだけを見ている。

  ①人を、内面ではなく、外面だけで判断している。

  ②しかし、それは間違っている。

(2)自分だけがキリストに属していると思っているなら、それは間違いである。

  ①パウロもまたキリストに属している。

  ②つまり、使徒としての権威を行使することができるということである。

2.8節

2Co 10:8

あなたがたを倒すためにではなく、建てるために主が私たちに与えてくださった権威について、私が多少誇り過ぎることがあっても、恥とはならないでしょう。

(1)パウロは、自分が設立した教会に関して、主から権威が与えられている。

  ①つまり、コリント教会に関して権威を持っているということである。

  ②パウロには、その権威を誇る権利がある。

3.9~10節

2Co 10:9 私は、手紙であなたがたを脅しているかのように思われたくありません。

2Co 10:10「パウロの手紙は重みがあって力強いが、実際に会ってみると弱々しく、話は大したことはない」
と言う人たちがいるからです。

(1)使徒の権威を誇ったとしても、手紙で脅しているような印象を与えたくない。

  ①もしそうなれば、彼を批判する人たちの術中にはまってしまう。

  ②パウロの権威は、コリント教会を建て上げるために与えられたものである。

  ③そしてパウロは、その目的のために権威を行使してきた。

(2)ここで批判者たちのことばが紹介される。

    「パウロの手紙は重みがあって力強いが、実際に会ってみると弱々しく、話は大した

ことはない」

4.11節

2Co 10:11

そのような人は承知していなさい。私たちは、離れて書く手紙のことばどおりの者として、そちらに行ってもふるまいます。

(1)批判する者たちへの警告

  ①コリントに行っても、手紙を書くときと同じ権威を行使する。

Ⅲ.他人の成果を横取りするという批判(10:12~18)

1.12節

2Co 10:12

私たちは、自分自身を推薦している人たちの中のだれかと、自分を同列に置いたり比較したりしようとは思いません。彼らは自分たちの間で自分自身を量ったり、互いを比較し合ったりしていますが、愚かなことです。

(1)偽教師たちの特徴

  ①自分はすぐれた人物だと自己宣伝をし、他者を認めようとしない。

  ②自分たちの間で自分自身を量ったり、互いを比較し合ったりしている。

  ③自分の尺度だけが判断基準になっている者は、愚か者である。

(2)パウロは、偽教師たちのような行動は取らない。

  ①他人と自分を比較することはない。

2.13~14節

2Co 10:13

私たちは限度を超えて誇りません。神が私たちに割り当ててくださった限度の内で、あなたがたのところにまで行ったことについて、私たちは誇るのです。

2Co 10:14

私たちは、あなたがたのところに行かなかったかのようにして、無理に手を伸ばしているのではありません。事実、私たちは他の人たちに先んじて、あなたがたのところにキリストの福音を携えて行ったのです。

(1)偽教師たち(ユダヤ主義者たち)の悪癖

  ①他人が設立した教会に入り込む。

  ②他人が築いた土台の上に自分の働きを立てる。

  ③あたかも自分がその教会を設立したかのように誇る。

(2)パウロが採用した原則

  ①神が割り当ててくださった限度の内で、奉仕をする。

  ②その結果、コリントにキリストの福音を携えて行った。

  ③他人が設立した土台に手を伸ばすことはない。

3.15~16節

2Co 10:15

私たちは、自分の限度を超えてほかの人の労苦を誇ることはしません。ただ、あなたがたの信仰が成長し、あなたがたの間で私たちの働きが、定められた範囲の内で拡大し、あふれるほどになることを望んでいます。

2Co 10:16それは、あなたがたより向こうの地域にまで福音を宣べ伝えるためであって、決して、ほかの人の領域ですでになされた働きを誇るためではありません。

(1)偽教師たち(ユダヤ主義者たち)の特徴

  ①他人の労苦を自分の手柄とする。

  ②パウロの羊たちを盗もうとする。

  ③パウロの人格を汚し、パウロの教えに反することを教える。

  ④偽りの権威を行使する。

(2)パウロの願い

  ①他人の労苦を誇ることはない。

  ②コリントの信者たちの信仰が成長することを願っている。

  ③コリント教会の諸問題は、パウロの宣教活動を妨げていた。

  ④コリントの信者たちの助けがあれば、宣教の働きは拡大する。

    *「向こうの地域」とは、ギリシア西部、イタリア、スペイン。

4.17~18節

2Co 10:17 「誇る者は主を誇れ。」

2Co 10:18 自分自身を推薦する人ではなく、主に推薦される人こそ本物です。

(1)リビングバイブル

    「『誇りたい者は、主のなさったことだけを誇れ』(エレ9:24)と聖書にあるとおり

です。 自分を誇り、自分を推薦する人ではなく、主に推薦される人こそ、真に価値

ある人です」

(2)パウロは、自己推薦の愚かさを知っていた。

  ①主に推薦される人になることを目指していた。

結論:主に推薦される人になる

1.パウロは、他人と比較するのは愚かであることを知っていた。

(1)しかし彼は、偽教師たちと自分を比較してきた。

(2)彼は、これ自体が愚かであることを知っている。

(3)彼がそうしたのは、コリントの信者たちの信仰を育てるためである。

(4)パウロは、コリントの信者たちを愛していた。

2.パウロは、主の裁きを予見していた。

(1)ルカ19:16~17

Luk 19:16

最初のしもべが進み出て言った。『ご主人様、あなた様の一ミナで十ミナをもうけました。』

Luk 19:17

主人は彼に言った。『よくやった。良いしもべだ。おまえはほんの小さなことにも忠実だったから、十の町を支配する者になりなさい。』

(2)2コリ5:10

2Co 5:10

私たちはみな、善であれ悪であれ、それぞれ肉体においてした行いに応じて報いを受けるために、キリストのさばきの座の前に現れなければならないのです。

  ①携挙に続いて、キリストの御座の裁きが行われる。

  ②人の評価は、なんの意味も持たない。

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