私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
コリント人への手紙第一(09)教会内の無秩序―近親相姦の罪-5:1~13
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
近親相姦の罪に対する対処法について学ぶ。
コリント人への手紙第一 9回
教会内の無秩序
―近親相姦の罪-
5 :1~13
はじめに
1.文脈の確認
(1)イントロダクション(1:1~9)
(2)教会内の分裂(1:10~4:21)
(3)教会内の無秩序(5~6)
①近親相姦の罪(5:1~13)
②信者同士の裁判(6;1~11)
③性的汚れ(6:12~20)
2.注目すべき点
(1)分派の問題は、教会における権威の欠如を示している。
(2)権威が欠如しているので、教会内で懲戒が実行されていない。
(3)パウロは、3つの問題を取り上げる。
①近親相姦の罪
②信者同士の裁判
③性的汚れ
3.アウトライン(近親相姦の罪)
(1)パウロの裁定(1~5節)
(2)過越の祭りからの教訓(6~8節)
(3)罪にとどまる信者との交わり(9~13節)
4.結論 :1コリ5:5の意味
(1)その他の事例
(2)裁きの目的
近親相姦の罪に対する対処法について学ぶ。
Ⅰ.パウロの裁定(1~5節)
1.1節
1Co 5:1
現に聞くところによれば、あなたがたの間には淫らな行いがあり、しかもそれは、異邦人の間にもないほどの淫らな行いで、父の妻を妻にしている者がいるとのことです。
(1)分派の問題に続いて、懲戒の欠如という問題が取り上げられる。
①教会の中に、義理の母を妻にしている者がいた。
*父は死んだか、離婚したかのいずれかである。
*妻に対する懲戒は書かれていないので、彼女は信者ではないと思われる。
②ユダヤ人指導者も、教会の指導者も、近親相姦を重大な罪と理解していた。
*レビ 18:8
Lev 18:8 あなたの父の妻の裸をあらわにしてはならない。それは、あなたの父の裸をあらわにすることである。
*申 22:30
Deu 22:30 だれも、父の妻を妻にして自分の父の恥をさらしてはならない。
③律法の時代であれば、死罪に値するが、今は恵みの時代である。
*パウロは、別の解決法を提示する。
⑤近親相姦は、異邦人の間にもないほどの淫らな行いである。
*ローマ法もこれを禁じていた。
*信者たちは、隣人に伝道しながら、未信者よりも淫らな行いをしていた。
2.2節
1Co 5:2
それなのに、あなたがたは思い上がっています。むしろ、悲しんで、そのような行いをしている者を、自分たちの中から取り除くべきではなかったのですか。
(1) 「あなたがたは思いあがっています」
①彼らは、キリスト者の自由をはきちがえていた。
②あるいは、寛容の精神を誇りとしていた。
③あるいは、この世の価値観の影響を受けていた。
④本来は、その罪を嘆き、本人が悔い改めるまで教会から排除すべきであった。
3.3節
1Co 5:3
私は、からだは離れていても霊においてはそこにいて、実際にそこにいる者のように、そのような行いをした者をすでにさばきました。
(1)パウロによる裁定
①コリントの信者たちは、教会内の淫らな行いについて無関心であった。
②パウロは、使徒の権威を用いてその者をすでに裁いた。
③そこに行くまでもなく、あたかもそこにいる者のように、裁きを下した。
④1コリ4:5
1Co 4:5
ですから、主が来られるまでは、何についても先走ってさばいてはいけません。主は、闇に隠れたことも明るみに出し、心の中のはかりごとも明らかにされます。そのときに、神からそれぞれの人に称賛が与えられるのです。
*他の信者の信仰の度合いを先走って裁いてはいけないということ。
*罪の裁きは、ただちに行う必要がある。
4.4~5節
1Co 5:4
すなわち、あなたがたと、私の霊が、私たちの主イエスの名によって、しかも私たちの主イエスの御力とともに集まり、
1Co 5:5
そのような者を、その肉が滅ぼされるようにサタンに引き渡したのです。それによって彼の霊が主の日に救われるためです。
(1)裁きの内容
①コリントの信者とパウロの霊が、主イエスの名によって集まった。
②つまり、主イエスの御力(権威)を行使するために集まったのである。
③そして、主イエスの名によって、その人をサタンに引き渡した。
(2)裁きの目的
①懲戒の目的は、信仰の回復である。
Ⅱ.過越の祭りからの教訓(6~8節)
1.6節
1Co 5:6
あなたがたが誇っているのは、良くないことです。わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませることを、あなたがたは知らないのですか。
(1)過越の祭りを例にとり、道徳的罪を教会から取り除くことの重要性を教える。
①ここでの教えは、罪を犯している人のためではなく、教会のためである。
(2)自らの寛容を誇ることは、良くないことである。
①わずかのパン種が、粉全体をふくらませる。
②道徳的罪は、教会全体に影響を与えるパン種である。
③パン種ということばが象徴的に用いられる場合は、罪を指す。
2.7節
1Co 5:7
新しいこねた粉のままでいられるように、古いパン種をすっかり取り除きなさい。あなたがたは種なしパンなのですから。私たちの過越の子羊キリストは、すでに屠られたのです。
(1)パン種は、影響が広がる前に、早めに処置する必要がある。
①「新しいこねた粉」とは、パン種の入っていない粉のことである。
*クリスチャンは、キリストにあって義とされた。
② 「古いパン種をすっかり取り除きなさい」
*聖化が実際生活で実現するように励む必要がある。
(2)過越の祭りでは、子羊をほふった後、種なしパンを食する。
①すでに過越の子羊キリストは、ほふられた。
②新約時代の信者は、パン種を取り除いた状態で、神を礼拝せねばならない。
3.8節
1Co 5:8
ですから、古いパン種を用いたり、悪意と邪悪のパン種を用いたりしないで、誠実と真実の種なしパンで祭りをしようではありませんか。
(1) 「祭りをしようではありませんか」
①これは特定の祭りではなく、クリスチャン生活のことである。
②クリスチャンにとっては、毎日が祭りのようなものである。
③神の子羊(イエス・キリスト)がほふられたので、パン種のない生活をする。
(2)救われる前の姿
①古いパン種
②悪意と邪悪のパン種
(3)救われた後の姿
①誠実と真実という種なしパン
Ⅲ.罪にとどまる信者との交わり(9~13節)
1.9~10節
1Co 5:9
私は前の手紙で、淫らな行いをする者たちと付き合わないようにと書きました。
1Co 5:10それは、この世の淫らな者、貪欲な者、奪い取る者、偶像を拝む者と、いっさい付き合わないようにという意味ではありません。そうだとしたら、この世から出て行かなければならないでしょう。
(1) 「前の手紙」
①この手紙の前に、もう一通の手紙があった。
*パウロが書いたことがすべて聖書になったわけではない。
②「淫らな行いをする者たちと付き合わないように」と書いた。
③その真意は、コリントの信者たちに十分に伝わらなかった。
④そこで彼は、さらに詳しく指示を出すことにした。
(2)罪人たちとの交際を禁止するなら、コリントの町には住めなくなる。
①この世の淫らな者
②貪欲な者
③奪い取る者
④偶像を拝む者
2.11節
1Co 5:11
私が今書いたのは、兄弟と呼ばれる者で、淫らな者、貪欲な者、偶像を拝む者、人をそしる者、酒におぼれる者、奪い取る者がいたなら、そのような者とは付き合ってはいけない、一緒に食事をしてもいけない、ということです。
(1)パウロの勧告は、「兄弟と呼ばれる者」との交わりに関するものである。
①信者でありながら、罪の中にとどまっている人とは交わってはならない。
②未信者との付き合いよりも、危険である。
③「一緒に食事をしてもいけない」は、初代教会の習慣を前提とした命令。
(2)6種類の罪人が例示される。
①淫らな者
②貪欲な者
③偶像を拝む者
④人をそしる者(追加)
*習慣的にことばの罪を犯している人
⑤酒におぼれる者(追加)
*酒に支配されることは罪である。
⑥奪い取る者
3.12~13節
1Co 5:12
外部の人たちをさばくことは、私がすべきことでしょうか。あなたがたがさばくべき者は、内部の人たちではありませんか。
1Co 5:13
外部の人たちは神がおさばきになります。「あなたがたの中からその悪い者を除き去りなさい。」
(1)近親相姦に関するパウロの結論
①教会外の人たちのことは、神が裁かれるので神に委ねておけばよい。
②しかし、教会内の罪の問題に関しては、そのまま放置しておいてはならない。
③もし悔い改めないなら、「悪い者」を教会の交わりから取り除く必要がある。
結論:1コリ5:5の意味
1Co 5:5
そのような者を、その肉が滅ぼされるようにサタンに引き渡したのです。それによって彼の霊が主の日に救われるためです。
1.その他の事例
(1)1テモ1:20
1Ti 1:20
その中には、ヒメナイとアレクサンドロがいます。私は、神を冒涜してはならないことを学ばせるため、彼らをサタンに引き渡しました。
①これは使徒だけが持っている権威で、私たちにはないものである。
(2)1ヨハ5:16~17
1Jn 5:16
だれでも、兄弟が死に至らない罪を犯しているのを見たなら、神に求めなさい。そうすれば、神はその人にいのちを与えてくださいます。これは、死に至らない罪を犯している人たちの場合です。しかし、死に至る罪があります。これについては、願うようにとは言いません。
1Jn 5:17 不義はすべて罪ですが、死に至らない罪もあります。
2. 裁きの目的
(1)「その肉が滅ぼされるように」
①教会の会員である間は、神の守りが与えられている。
②しかし、除名になった途端に、神の守りは取り除かれる。
③その人は、サタンの攻撃にさらされる。
④死期は、サタンによって決められる。
⑤寿命が尽きる前に死ぬこともある。
⑥ 使5:1~11で、アナニアとサッピラはすぐに死んだ。
⑦1コリ11:27~30で、聖餐式を冒とくした者たちへの裁きが語られている。
(2) 「それによって彼の霊が主の日に救われるためです」
①懲戒の目的は、信仰の回復である。
②肉体の試練は、悔い改めをもたらす可能性がある。
③ここでの救いは、厳しい評価を受けることからの救いである。
*もし悔い改めたなら、より良い評価を受ける道が拓かれる。
*そうでなくて早死にするなら、罪を犯し続けるということを回避できる。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18
Q421 天国でも性別は存在しますか。
イスラエル旅2023#088中川牧師とめぐる旅:【エルサレム旧市街】4つの地区とエルサレムの再統一
コリント人への手紙第二(14)パウロと偽使徒の違い(1)11:1~15
コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15
Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。