ルカの福音書(94)過越の食事の準備22:7~13

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過越の食事の準備から教訓を学ぶ。

ルカの福音書 94回

過越の食事の準備

22 :7~13

1.文脈の確認

(1)イエスの受難(22~23章)

  ①宗教的指導者たちの陰謀(22:1~6)

  ②過越の食事の準備(22:7~13)

  ③二階の大広間での出来事(22:14~38)

  ④イエスの逮捕(22:39~53)

  ⑤イエスの裁判(22:54~23:25)

  ⑥イエスの死(23:26~49)

(2)注目点

  ①ルカは、他の共観福音書よりも詳細に、この出来事を記録している。

  ②イエスを逮捕しようとする陰謀が背後で進行中である。

  ③イエスは、十字架に至る方法とタイミングを支配しておられる。

2.アウトライン

(1)時間設定(7節)

(2)ペテロとヨハネの派遣(8~12節)

(3)過越の用意(13節)

3.結論:使徒の働きにつながる内容

(1)その家の主人

(2)ペテロとヨハネ

過越の食事の準備から教訓を学ぶ。

Ⅰ.時間設定(7節)

1.7節

Luk 22:7 過越の子羊が屠られる、種なしパンの祭りの日が来た。

(1)当時の習慣

  ①過越の子羊を神殿に運び、そこで傷やしみがないか吟味された。

    *イエスは、4日間にわたりユダヤ人の指導者たちの吟味を受けた。

  ②ニサンの月の14日の午後3時から6時にかけて、子羊は屠られた。

    *鉢に受けた血が、祭壇の土台の部分に注がれた。

    *レビ人たちが、長い列を3つ作り、手渡しでその血を運んだ。

    *以上のことは、午後3時から6時にかけて行われた。

  ③屠られた子羊の肉は、過越の食事のために家に持ち運ばれた。

    *祭壇で焼かれる部分は、取り除かれた。

  ④家では、子羊の肉以外の食材も用意された。

    *種なしパン、苦菜、ぶどう酒など

(2)「種なしパンの祭り」とは、過越の祭りを含めた8日間のことである。

  ①その間、エルサレム周辺に、広大なテント村ができた。

  ②町は混雑しており、町の中で食事する場所を見つけるのは容易ではなかった。

  ③巡礼者たちは、テントの中で過越の食事をした。

  ④ベタニアはエルサレムの外なので、そこで食事する可能性はない。

  ⑤弟子たちは、どこで過越の食事をするか悩んでいたはずである。

(3)ここまでのイエスの活動

  ①イエスは、水曜日に神殿域でパリサイ人たちと論争された。

  ②さらに、オリーブ山の説教を語られた。

  ③7節は、水曜日から木曜日への移行を告げている。

    *通常、「種なしパンの祭りの日」は、ニサンの月の13日である。

    *この年では、水曜日に当たっていた。

    *この文脈では、「種なしパンの祭りの日」は、14日(木曜日)である。

  ④木曜日に過越の食事が準備された。

  ⑤日没後(ニサンの月の15日、金曜日)に、過越の食事をする。

Ⅱ.ペテロとヨハネの派遣(8~12節)

1.8~9節

Luk 22:8

イエスは、「過越の食事ができるように、行って用意をしなさい」と言って、ペテロとヨハネを遣わされた。

Luk 22:9 彼らがイエスに、「どこに用意しましょうか」と言うと、

(1)イエスは、テント村ではなく、エルサレムにおいて過越の食事をしようとした。

  ①その準備を、ペテロとヨハネに命じた。

  ②この情報は、ルカだけに出てくるものである。

(2)彼らは、「どこに用意しましょうか」と尋ねた。

  ①イエスが場所を隠していたのは、ユダに知られないためである。

  ②予定よりも早く逮捕されないようにするためである。

2.10~12節

Luk 22:10

イエスは言われた。「いいですか。都に入ると、水がめを運んでいる人に会います。その人が入る家までついて行きなさい。

Luk 22:11

そして、その家の主人に、『弟子たちと一緒に過越の食事をする客間はどこか、と先生があなたに言っております』と言いなさい。

Luk 22:12

すると主人は、席が整っている二階の大広間を見せてくれます。そこに用意をしなさい。」

(1)男が水がめを運ぶのは、珍しい光景である。

  ①男は、皮袋に入れて水を運んだ。

  ②女は、水がめで水を運んだ。

  ③それゆえ、水がめを運ぶ男はすぐに見つかる。

  ④これは、イエスが事前に準備していた決めごとであろう。

(2)その人に会ったなら、彼が入る家までついて行く。

  ①そして、その家の主人に、こう伝える。

「弟子たちと一緒に過越の食事をする客間はどこか、と先生があなたに言って

おります」

  ②「先生」(ディダスカロス)は、弟子たちがイエスを呼ぶときのタイトル。

  ③その家の主人は、イエスの弟子の一人である。

(3)その家の主人は、席が整っている二階の大広間を見せてくれる。

  ①屋上に用意された広間である。

  ②建物の脇に二階に上る階段が付いている。

  ③このような構造は、当時の裕福な家の特徴である。

  ④その家の主人は、横になって食事ができるように、クッションを用意していた。

Ⅲ.過越の用意(13節)

1.13節

Luk 22:13

彼らが行ってみると、イエスが言われたとおりであった。それで、彼らは過越の用意をした。

(1)イエスは、小さなスケールの奇跡を行われた。

  ①イエスの予知能力が証明された。

    *19:30~31

Luk 19:30
「向こうの村へ行きなさい。そこに入ると、まだだれも乗ったことのない子ろばが、つながれているのに気がつくでしょう。それをほどいて、連れて来なさい。

Luk 19:31 もし『どうして、ほどくのか』とだれかが尋ねたら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。」

    *ここでは、「主」(キュリオス)ということばが使用されている。

  ②イエスは、十字架に至る過程を支配しておられる。

(2)ペテロとヨハネは、当時の習慣に従って過越の食事の準備をした。

  ①彼らは、席順が気になったはずである。

結論 :使徒の働きにつながる内容

1.その家の主人

    (1)11節

Luk 22:11

そして、その家の主人に、『弟子たちと一緒に過越の食事をする客間はどこか、と先生があなたに言っております』と言いなさい。

  ①ペテロとヨハネは、「客間はどこですか」と尋ねた。

  ②「客間」は、ギリシア語で「kataluma」である。

  ③ふたりが案内されたのは、それよりも素晴らしい「大広間」であった。

  ④「大広間」は、ギリシア語で「anogeon」である。

(2)2:6~7

Luk 2:6 ところが、彼らがそこにいる間に、マリアは月が満ちて、

Luk 2:7

男子の初子を産んだ。そして、その子を布にくるんで飼葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。

  ①「宿屋」は、「kataluma」である。

  ②イエスは、誕生のときには、客間さえ与えられなかった。

  ③しかし、公生涯の最後に、二階の大広間が用意された。

(3)教会の伝承によれば、ここはヨハネ・マルコの両親の家である。

  ①この一家は、イエスのためにすべてを献げたのである。

  ②イエスが復活して以降の集会は、この場所で開かれた。

  ③使1:12~14

Act 1:12

そこで、使徒たちはオリーブという山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムに近く、安息日に歩くことが許される道のりのところにあった。

Act 1:13

彼らは町に入ると、泊まっている屋上の部屋に上がった。この人たちは、ペテロとヨハネとヤコブとアンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨの子ヤコブと熱心党員シモンとヤコブの子ユダであった。

Act 1:14

彼らはみな、女たちとイエスの母マリア、およびイエスの兄弟たちとともに、いつも心を一つにして祈っていた。

2.ペテロとヨハネ

(1)ルカだけが、派遣された弟子たちはペテロとヨハネであったことを記している。

  ①教会誕生以降、このふたりはリーダーとなる。

  ②先ほどの使1:13には、ぺテロとヨハネがリストの最初に登場していた。

  ③使3:1~2

Act 3:1 ペテロとヨハネは、午後三時の祈りの時間に宮に上って行った。

Act 3:2

すると、生まれつき足の不自由な人が運ばれて来た。この人は、宮に入る人たちから施しを求めるために、毎日「美しの門」と呼ばれる宮の門に置いてもらっていた。

  ④使8:14~15

Act 8:14

エルサレムにいる使徒たちは、サマリアの人々が神のことばを受け入れたと聞いて、ペテロとヨハネを彼らのところに遣わした。

Act 8:15 二人は下って行って、彼らが聖霊を受けるように祈った。

(2)私たちへの適用

  ①神は、将来のリーダーを訓練される。

  ②ほかの人よりも、苦労が多い、仕事が多いと感じることがあるかもしれない。

  ③それを嘆くのではなく、喜びの糧としよう。

  ④神は、あなたを用いようとしておられるのである。

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