私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
パートⅣ.新約時代20章 メシアの到来-十字架への道を妨害する悪魔-
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十字架への道を妨害する悪魔の策略について学ぶ。
パートⅣ.新約時代
20章 メシアの到来
-十字架への道を妨害する悪魔-
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.文脈の確認
(1)パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
(2)パートⅡ.旧約時代(4~17章)
(3)パートⅢ.中間時代(18~19章)
(4)パートⅣ.新約時代(20~23章)
3.18章と19章(中間時代)の結論
(1)中間時代は、マラキ書が完成してからキリストが登場するまでの期間を指す。
(2)中間時代は、メシア登場の舞台を整えるための時代であった。
①イスラエルの政治的、宗教的、社会的状況は激変した。
②ギリシア帝国は、ギリシア語を提供するという役割を果たした。
③前63年、共和政ローマのポンペイウスがエルサレムを陥落させた。
④この時から、ユダヤは実質的にローマの属国となった。
⑤前37年、ローマはヘロデ大王をユダヤの王に任命した。
⑥ヘロデは、ローマの傀儡王としてユダヤを統治した。
⑦これで、メシア登場の舞台が整った。
4.アウトライン
(1)メシアの誕生
(2)メシアの抹殺
(3)メシアの誘惑
十字架への道を妨害する悪魔の策略について学ぶ。
Ⅰ.メシアの誕生
1.創3:15で約束されていた「女の子孫」は、ついに誕生した。
(1)ガラ4:4
Gal 4:4 しかし時が満ちて、神はご自分の御子を、女から生まれた者、律法の下にある者として遣わされました。
①「時が満ちて」とは、中間時代に諸条件が整ったことを示している。
2.メシアを産んだのは、ガリラヤのナザレに住む乙女マリア(ミリアム)であった。
(1)ルカ1:31
Luk 1:31 見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。
①これは、イザ7:14の成就である。
②イエスは、ヘブル語で「イェシュア」(主は救い)という。
(2)ルカ1:32~33
Luk 1:32 その子は大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また神である主は、彼にその父ダビデの王位をお与えになります。
Luk 1:33 彼はとこしえにヤコブの家を治め、その支配に終わりはありません。」
①「大いなる者となり」とは、偉大な者となるという意味である。
②「いと高き方」はヘブル語で「ハ・エルヨン」で、神の御名そのものである。
*「ハ・エルヨン」の子とは、イエスが神性を持っているという意味。
③「父ダビデの王位をお与えになります」は、2サム7:12~17のダビデ契約
の成就であり、イエスがダビデの家系から来られたことを示している。
④「彼はとこしえにヤコブの家を治め」は、イエスがユダヤ人のメシアである
ことを示している。
⑤「その支配に終わりはありません」という約束は、イエスの再臨と千年王国
(メシア的王国)の出現によって成就する。
(3)悪魔は「女の子孫」の誕生を妨害してきたが、その試みは失敗に終わった。
①約束のメシアはついに、人間の姿を取って地上に現れた。
②メシアの生涯のゴールは、十字架上で血を流すことによって、信じる者に罪
の赦しを得させることであった。
(4)これ以降の悪魔の努力は、メシアの贖いの業を妨害することに向けられる。
①イエスが十字架上で死なないようにすることが、悪魔のゴールとなる。
Ⅱ.メシアの抹殺
1.ヘロデによる幼子暗殺計画
(1)悪魔は、ヘロデを用いてイエス(ダビデの王座に着く者)を殺そうとした。
①しかし、神は天使を遣わし、イエスの一家をエジプトに避難させた。
(2)マタ2:16
Mat 2:16
ヘロデは、博士たちに欺かれたことが分かると激しく怒った。そして人を遣わし、博士たちから詳しく聞いていた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯の二歳以下の男の子をみな殺させた。
①メシア抹殺計画は、神の介入(天使の御告げ)によって失敗に終わった。
2.ナザレの住民による殺害計画
(1)公生涯に入ったイエスは、ナザレを訪問し、会堂で神の国の到来を宣言した。
①これは、イエスによるメシア宣言である。
(2)ナザレの人たちは、イエスを町の外に追い出し、崖から突き落とそうとした。
①イエスは、超自然的に彼らのただ中を通り抜けて、難を逃れた。
②悪魔は、ナザレの人たちを用いてイエスを殺そうとしたが、未遂に終わった。
3.ユダヤ人たちによる投石事件
(1)悪魔は、ユダヤ人たちを利用することもあった。
①イエスの教えを聞いたユダヤ人たちは、イエスを石打にしようとした。
*冒涜罪の嫌疑
②同様の出来事が、少なくとも2回起こっている。
*ヨハ8:59と10:39
③いずれの場合も、イエスは神殿から無事に出て行った。
Ⅲ.メシアの誘惑
はじめに
(1)悪魔は、選民イスラエルを誘惑し、信仰的に堕落させた。
①これはサタンにとっては容易なことであった。
(2)彼は、同じ戦略を用いて「イスラエルの中のイスラエル」であるイエスを信
仰的に堕落させようとした。
1.荒野での誘惑
(1)イエスは、ヨルダン川で洗礼を受けた直後に、荒野で悪魔の誘惑に遭った。
①荒野は神の声を聞き神に近づく場所である。
②40日間に及ぶ断食の後、聞こえてきたのは、試みる者の声であった。
③悪魔の計画は、十字架を迂回した、より手っ取り早い人類救済計画をイエス
に提案することであった。
(2)イエスは、悪魔の3つの誘惑に対抗するために、申命記から聖句を引用した。
①申命記は、神とイスラエルの民の間の契約を記した「契約の書」である。
②イスラエルの民はその契約に違反した。
③御子イエスは、「契約の書」を引用することによって誘惑に勝利した。
2.ペテロを用いた誘惑
(1)悪魔は、愛弟子ペテロを通して、十字架の計画を妨害した。
(2)受難の予告を聞いたペテロは、自らの判断と理解に基づいて行動を起こした。
①マタ16:22
Mat 16:22
すると、ペテロはイエスをわきにお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあなたに起こるはずがありません。」
②「いさめる」とは大変厳しいことばである。
③あることが起こらないように、下の者が上の者を説き伏せるという意味。
(3)イエスは、ペテロの背後にサタンがいることを見抜かれた。
①マタ16:23
Mat 16:23
しかし、イエスは振り向いてペテロに言われた。「下がれ、サタン。あなたは、わたしをつまずかせるものだ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている。」
②これは、ペテロがサタンだと言っているのではない。
③彼の判断、行動、発言が、サタンの立場に立っているという意味である。
④サタンの立場とは、イエスが過越の祭りの時に十字架につかないように妨
害する、ということである。
3.結論
(1)悪魔は、あらゆる手段を用いてイエスの活動を妨害しようとしたが、そのす
べてが失敗に終わった。
(2)十字架にかかる前の夜、イエスはサタンとの戦いを振り返り、こう言われた。
①ヨハ14:30
Joh 14:30 わたしはもう、あなたがたに多くを話しません。この世を支配する者が来るからです。彼はわたしに対して何もすることができません。
(3)イエスは、私たちを愛する愛のゆえに、自らすすんで十字架にかかられた。
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