私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
パートⅢ.中間時代19章 中間時代(2)
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中間時代における神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
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パートⅢ.中間時代
19
章 中間時代(2)
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)
14章 北王国の崩壊
15章 南王国の崩壊
16章 バビロン捕囚
17章 ペルシア時代
4.パートⅢ.中間時代(18~19章)
18章 中間時代(1)
(1)中間時代は、英語で「intertestamental period」と言う。
(2)マラキ書が完成してからキリストが登場するまでの期間を指す。
①旧約聖書と新約聖書の間に横たわる「400年の沈黙の期間」
②新しい啓示がなかった理由は、それを必要としない時代だったから。
③神は依然として、契約の民イスラエルを忘れてはおられなかった。
(3)中間時代は、メシア登場の舞台を整えるための時代であった。
(4)この期間に、イスラエルの政治的、宗教的、社会的状況は激変した。
(5)前回の結論
①ギリシア・ローマ文明とヘブル文明が混在するようになった。
②ヘロデの統治下にあって、ユダヤ人たちは、圧政と重税に苦しめられた。
③その結果、ユダヤ人の間にはメシア待望の機運が高まった。
5.アウトライン
(1)政治的状況の変化
(2)宗教的状況の変化
(3)社会的状況の変化
中間時代における神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
Ⅱ.宗教的状況の変化
はじめに
(1)中間時代に、いくつかの新しいグループが登場した。
①福音書には、サドカイ派、パリサイ派、熱心党などのグループが登場する。
②旧約聖書を調べても、それがどういうグループなのかは分からない。
③ここでは、サドカイ派とパリサイ派を取り上げる。
(2)もう1つ重要なのは、ギリシア語訳聖書の誕生である。
1.サドカイ派
(1)ユダヤ教の一派で、祭司と貴族階級から成っていた。
(2)政治的には親ローマであった(既得権益が与えられていた)。
(3)一般民衆からの支持はなかった。
(4)神殿での礼拝は完全に彼らによって仕切られていた。
①両替やいけにえの販売は、大祭司のファミリービジネスとなっていた。
(5)信仰的には問題があった。
①モーセの五書しか神のことばとして認めていなかった。
②天使や悪霊の存在を否定し、魂の永遠性や肉体の復活なども認めなかった。
③パリサイ派の口伝律法に強く反発した。
④イエスとの論争において、その神学的理解の問題点が浮き彫りになった。
2.パリサイ派
(1)パリサイ派も、ユダヤ教の一派である。
①ヘブル語で「パラシム」、ギリシア語で「ファリサイオス」という。
②「分離した」という意味である。
(2)種々のグループの中で、信仰的・文化的に最も保守的な派である。
①特に、ユダヤ教のヘレニズム化には強く抵抗した。
②教理的には、イエスの信仰は、サドカイ派よりもパリサイ派に近かった。
(3)パリサイ派の信仰内容
①死者の復活を信じていた。
②永遠の報賞と永遠の裁きを信じていた。
③天使や悪霊の存在を信じていた。
④律法、預言者、諸書の全体を神の啓示と信じていた。
⑤律法の遵守を徹底させるために、律法の周りに垣根を立てた。
⑥この口伝律法は、民衆に負いきれないほどの重荷を与えた。
(4)この時代、民衆にとっては、ユダヤ教と言えばパリサイ的ユダヤ教であった。
(5)パリサイ人の中には、イエスを支持する人とイエスに敵対する人がいた。
①教会誕生直後は、教会に対して中立的な立場を取っていた。
②使8章になって、パリサイ人のサウロが教会を迫害するようになる。
3.ギリシア語訳聖書
(1)ヘブル語を解さないユダヤ人が増えたので、ギリシア語訳が必要になった。
(2)その結果、七十人訳聖書(LXXと略す)が誕生した。
①ラテン語読みでは、セプトゥアギンタ。
②前3C中頃から前1Cの間に、徐々に翻訳・改訂されたギリシア語訳の総称。
(3)旧約聖書のギリシア語訳が出来たのは、画期的なことであった。
(4)新約記者が旧約から引用する場合は、ほとんどが七十人訳からの引用である。
Ⅲ.社会的状況の変化
1.ユダヤ人たちのメシア待望
(1)ユダヤ人たちは、自分たちが置かれている現状に絶望していた。
(2)バビロンから帰還したが、ペルシアやギリシアによる支配が続いた。
(3)セレウコス朝の圧政に対抗したマカバイ戦争
(4)一時的に自治権を獲得したが、すぐにローマによる支配が始まった。
(5)絶望したユダヤ人たちは、メシアの到来を期待するようになった。
(6)マタ3:1~3
Mat 3:1 そのころバプテスマのヨハネが現れ、ユダヤの荒野で教えを宣べ伝えて、
Mat 3:2 「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから」と言った。
Mat 3:3
この人は、預言者イザヤによって/「荒野で叫ぶ者の声がする。/『主の道を用意せよ。/主の通られる道をまっすぐにせよ』」/と言われた人である。
①ヨハネが荒野に現れたとき、群衆は大挙して彼のもとに出て行った。
②その理由は、メシア待望の高まりにある。
2.異邦人たちの失望
(1)ローマ人の中にも、多神教や既存の宗教に疑問を持つ者が、たくさんいた。
(2)ギリシア語聖書の誕生により、ユダヤ人の神に関心を示す人たちが出た。
(3)彼らは、ローマ世界の各地に建てられたユダヤ教の会堂に集うようになった。
(4)彼らは、「神を恐れる異邦人」と呼ばれた。
(5)新約に登場する百人隊長は、そのほとんどが「神を恐れる異邦人」であった。
3.神による準備
(1)ローマによる平和
①安全な旅行が可能になった。
②弟子たちが伝道旅行に出て行くための環境が整えられた。
(2)ローマによる道路建設
①旅行の安全だけでなく、短時間での移動を可能にした。
(3)共通語としてのギリシア語
①共通語での伝道が容易になった。
②話し言葉「コイネー・グリーク」は、新約聖書のギリシア語である。
(4)会堂の存在
①会堂という概念は、バビロン捕囚の期間に誕生したものである。
②ユダヤ教を維持するための方法として会堂は生き延びた。
③捕囚から帰還したユダヤ人たちは、各地にシナゴーグを建てた。
④ディアスポラの地に留まったユダヤ人たちも、会堂での活動を継続した。
⑤会堂は、神殿での礼拝を補完するものとなった。
⑥紀元1世紀、イスラエルの地には480の会堂があったとされる。
⑦会堂は、その地におけるユダヤ人の生活の中心となった。
⑧会堂は、パウロの伝道旅行のためのインフラストラクチャーともなった。
結論
1.悪魔は、ユダヤ人を滅ぼそうとして種々の混乱をもたらした。
2.神は、悪魔の策略をはるかに超えて、メシア到来の準備をしておられた。
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