申命記(45)諸々の規定(13)~(14)23:1~14

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諸々の規定の中の(13)~(14)について学ぶ。

申命記 45回

「諸々の規定(13)~(14)」

申23:1~14 (朗読:23:1~8)

1.はじめに

    (1)第2の説教:契約に基づく義務

      ③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)

    (2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。

      ①この箇所を12項目に分割して説明している。

      ②第11の項目:諸々の規定(21:1~25:19)

      ③諸々の規定の中には34の細かい項目がある。

      ④今回は(13)~(14)を取り上げる。

        *これらの規定が与えられている理由を考えると、霊的に成長する。

  
2.メッセージのアウトライン

XIII 【主】の集会に参加できない者(23:1~8)

    ⅩⅣ. 陣営の中の汚れ(23:9~14)

  
3.結論

    (1)律法と恵み

    (2)私たちの生活の場(陣営)の清め

諸々の規定の中の(13)~(14)について学ぶ。

XIII.【主】の集会に参加できない者(23:1~8)

  1.1節

Deu 23:1 睾丸のつぶれた者、陰茎を切り取られた者は【主】の集会に加わってはならない。

(1)【主】の集会とは何か。

      ①契約の民イスラエルの集会

        *具体的には、イスラエルの例祭における礼拝や他の公の礼拝のこと。

      ②この規定は、契約の民の集会に参加できない5種類の者たちを指し示す。

      ③排除の理由は、道徳的な罪ではなく、儀式的な汚れである。

      ④この規定には、教育的な目的がある。

*民に汚れと聖さの区別を教えるための規定である。

      ⑤祭司の民として奉仕するためには、儀式的聖さが求められる。

    (2)1番目:生殖器に欠陥がある者

①訳文の比較

      「睾丸のつぶれた者、陰茎を切り取られた者」(新改訳2017)

      「睾丸のつぶれた者、陰茎を切断されている者」(新共同訳)

      「すべて去勢した男子」(口語訳)

      ②宦官がこれに該当する。

③異教の神を礼拝するために、自らの意志で去勢した男子もこれに該当する。

      ④神に創造された「かたち」が不完全なら、「聖さ」も不完全だと見なされた。

      ⑤しかし、宦官であっても信仰による救いは得ることができた。

2.2節

Deu 23:2 不倫の子は【主】の集会に加わってはならない。その十代目の子孫さえ【主】の集会に加わることはできない。

(1)2番目:不倫の子

      ①訳文の比較

      「不倫の子」(新改訳2017)

      「混血の人」(新共同訳)

      「私生児」(口語訳)

        *近親相姦で誕生した子

*姦淫で誕生した子

*カナン人との雑婚で誕生した子

*神殿娼婦から生まれた子

(2)「その十代目の子孫さえ」とは、永遠にという意味である。

  ①この規定は、イスラエル人に対する強い警告となっている。

      ②例祭の礼拝や公の礼拝に参加することは、大いなる特権である。

      ③自分の子どもがその特権を奪われるのは、耐え難いことである。

3.3節

Deu 23:3
アンモン人とモアブ人は【主】の集会に加わってはならない。その十代目の子孫さえ、決して【主】の集会に加わることはできない。

    (1)3番目:アンモン人とモアブ人

      ①アンモン人とモアブ人は、ロトの子孫である。

      ②2人の娘との近親相姦によってモアブとベン・アミが誕生(創19:30~38)。

      ③アンモン人とモアブ人は、【主】の集会に参加することができない。

    (2)アンモン人とモアブ人は、イスラエルの民の一員になることはできた。

      ①その条件は、【主】を信じる信仰によって改宗者となることである。

      ②これは、どの民族にも当てはまることである。

      ③出12:38

Exo 12:38 さらに、入り混じって来た多くの異国人と、羊や牛などおびただしい数の家畜も、彼らとともに上った。

      ④ルツ4:10

Rth 4:10
また、死んだ人の名を相続地に存続させるために、私は、マフロンの妻であったモアブの女ルツも買って、私の妻としました。死んだ人の名を、その身内の者たちの間から、またその町の門から絶えさせないためです。今日、あなたがたはその証人です。」

      ⑤しかし、イスラエルの一員になっても、礼拝への参加は許可されなかった。

  4.4~6節

Deu 23:4
これは、あなたがたがエジプトから出て来た道中で、彼らがパンと水をもってあなたがたを迎えることをせず、アラム・ナハライムのペトルからベオルの子バラムを雇って、あなたに呪いをもたらそうとしたからである。

Deu 23:5
しかし、あなたの神、【主】はバラムに耳を貸そうとはせず、かえってあなたの神、【主】はあなたのために呪いを祝福に変えられた。あなたの神、【主】はあなたを愛しておられたからである。

Deu 23:6 あなたは一生、彼らの平安も彼らの幸せも決して求めてはならない。

(1)アンモン人とモアブ人が礼拝から排除された理由は何か(民22~25章)。

      ①両民族は、イスラエルが約束の地に近づいた時に、激しく敵対した。

      ②モアブが先導し、アンモンが荷担した。

③イスラエルの民の前進を阻み、さらに、パンと水を与えなかった。

      ④ベオルの子バラムを雇って、イスラエルに呪いをもたらそうとした。

        *しかし【主】は、呪いを祝福に変えられた。

      ⑤バアル・ペオル礼拝で、モアブの娘たちと淫らなことをさせた。

*性的淫行は、バアル礼拝の一部である。

*性的に堕落したイスラエル人24,000人が死んだ(民25:9)。

    (2)生涯、アンモン人とモアブ人の平安も幸せも、求めてはならない。

      ①彼らの上には、神の激しい怒りが注がれている。

5.7~8節

Deu 23:7
あなたはエドム人を忌み嫌ってはならない。これはあなたの兄弟だからである。エジプト人を忌み嫌ってはならない。あなたはその地で寄留者だったからである。

Deu 23:8 彼らに生まれた子どもたちは、三代目には【主】の集会に加わることができる。

(1)4番目:エドム人

      ①エドム人に対しては、緩やかな対応が命じられた。

      ②エドム人は、イスラエル人の兄弟である(エサウの子孫)。

      ③エドム人は、3代目の子孫(曽孫)の代になると、礼拝に参加できる。

    (2)5番目:エジプト人

      ①エジプト人に対しても、緩やかな対応が命じられた。

      ②イスラエル人は、その地で寄留者であった。

      ③ここでは、エジプトでの苦役は、問題にされていない。

      ④ヨセフがエジプトに受け入れられたことが評価されているのだろう。

      ⑤エジプト人の場合も、曽孫の代になると、礼拝に参加できる。

ⅩⅣ.陣営の中の汚れ(23:9~14)

1.9節

Deu 23:9 あなたが敵に向かって陣を敷くときには、すべての汚れたことから身を守らなければならない。

    (1)この規定は、戦場における陣営の清めに関するものである。

      ①これは、道徳的罪ではなく、儀式的汚れに関する規定である。

      ②人間の体から出たものはすべて、儀式的に汚れていると見なされた。

      ③恐らく、人間の全的堕落を教えるためであろう。

2.10~11節

Deu 23:10
もしあなたのうちに、夜、精を漏らして身を汚した者があれば、その人は陣営の外に出なければならない。陣営の中に入ってはならない。

Deu 23:11 夕暮れ近くになったら水を浴び、日没とともに陣営の中に戻ることができる。

(1)汚れの例として、夢精が上げられている。

      ①夢精は自然現象であるが、これを用いて汚れについて教えようとしている。

    (2)精を漏らした人は、陣営の外に出る。

      ①汚れは、翌日1日続く。

②夕暮れ近くに水を浴び、日没後に陣営の中に戻ることができる。

3.12~13節

Deu 23:12 また、陣営の外に一つの場所を設け、そこへ出て行って用をたすようにしなければならない。

Deu 23:13 武器とともに小さな鍬を持ち、外でかがむときはそれで穴を掘り、用をたしてから排泄物をおおわなければならない。

(1)排泄物も汚れた物と見なされた。

      ①陣営の外に排便のための場所を設ける。

      ②そこで用をたす。

      ③小さな鍬を持ち、それで穴を掘り、用をたしてから排泄物を土でおおう。

4.14節

Deu 23:14
あなたの神、【主】が、あなたを救い出し、敵をあなたに渡すために、あなたの陣営の中を歩まれるからである。こうして、あなたの陣営は聖でなければならない。主があなたの中で恥ずべきものを見て、あなたから離れ去ることのないようにしなさい。

    (1)この規定は、兵士たちに3つの気付きを与えた。

      ①神は、全知全能のお方である。

      ②神は、遍在しておられるお方である。

      ③陣営が聖でなければ、聖なる【主】は離れ去って行かれる。

結論

  1.律法と恵み

    (1)宦官の救い

      ①宦官は礼拝から排除されるが、永遠のいのちを受けることはできる。

      ②彼らは、信仰と恵みによって救われる。

      ③イザ56:3~5(恐らくメシア的王国の預言)

Isa 56:3
【主】に連なる異国の民は言ってはならない。/「【主】はきっと、私をその民から切り離される」と。/宦官も言ってはならない。/「ああ、私は枯れ木だ」と。

Isa 56:4
なぜなら、【主】がこう言われるからだ。/「わたしの安息日を守り、/わたしの喜ぶことを選び、/わたしの契約を堅く保つ宦官たちには、

Isa 56:5 わたしの家、わたしの城壁の内で、/息子、娘にもまさる記念の名を与え、/絶えることのない永遠の名を与える。

        *通常は、子どもによってその名を残すものである。

*宦官は、信仰によってその名を残すことができる。

        *「記念の名」=「a memorial and a name」=「ヤッド・バシェム」

    (2)モアブの女の救い

      ①ルツ1:16

Rth 1:16
ルツは言った。「お母様を捨て、別れて帰るように、仕向けないでください。お母様が行かれるところに私も行き、住まれるところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。

      ②ルツは異邦人信者の型である。

      ③エペ2:14~16

Eph 2:14
実に、キリストこそ私たちの平和です。キリストは私たち二つのものを一つにし、ご自分の肉において、隔ての壁である敵意を打ち壊し、

Eph 2:15
様々な規定から成る戒めの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、この二つをご自分において新しい一人の人に造り上げて平和を実現し、

Eph 2:16 二つのものを一つのからだとして、十字架によって神と和解させ、敵意を十字架によって滅ぼされました。

  2.私たちの生活の場(陣営)の清め

    (1)認識すべきこと

      ①私たちの神は、全知全能の神である。

      ②私たちの神は、遍在の神である。

      ③聖くなければ、神に喜ばれない。

    (2)私たちへの陣営の清め

①エペ5:3~4

Eph 5:3 あなたがたの間では、聖徒にふさわしく、淫らな行いも、どんな汚れも、また貪りも、口にすることさえしてはいけません。

Eph 5:4
また、わいせつなことや、愚かなおしゃべり、下品な冗談もそうです。これらは、ふさわしくありません。むしろ、口にすべきは感謝のことばです。

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