私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
Q.138 なぜ、モーセは 創造物語を書けたのですか。
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天地創造の時、モーセはまだ生まれていなかったのに、どうしてその様子を詳しく書くことができたのか?という内容のご質問です。
聖書の中には同様に、人間には知りえないはずの真理や、まだ起こっていないことについての預言が多く含まれます。
これらはどのようにして記されたのでしょうか。さっそく解説をご覧下さい。
Q. 質問
Q:素朴な疑問です。天地創造は、モーセもアダムも見ていないのに、なぜモーセは書けたのですか。何が資料なのですか。
A. 回答
A:旧約聖書の最初の五書を、通常は「モーセの五書」と呼びます。「五書」とは言え、元は一つの書です。これは、伝統的にはモーセの著作だと言われており、イエス・キリストもそれを認めておられます(マタイ19:7)。従って、天地創造物語をモーセが書いたというのは、正しい理解です。それを前提に、いつものように3つ申し上げます。モーセには、3つの情報源がありました。
1番目に、彼自身の体験がありました。
モーセの生涯は120年ですが、それを40年ごとに3区分することができます。①最初の40年で、彼は当時最高峰の文明国であったエジプトの学問を身につけました。②次の40年で、彼はミデヤンの荒野で羊飼いとしての体験を積みました。③最後の40年で、彼は出エジプトのリーダーとして神に用いられました。「モーセの五書」の中には、彼自身の体験に基づく記録が多く出て来ます。
2番目に、父祖たちが残した資料がありました。
ヘブル人たちは、記憶の民、記録の民です。彼らは、各世代に起こった出来事を記録として残していました。あるものは、口伝の記録として残っていたでしょう。モーセは、先祖から伝わる資料を編集者の目で吟味し、活用しました。特に、ヘブル人の詳細な系図について、そのことが言えます。
3番目に、神からの啓示がありました。
啓示とは、「覆いを取る」という意味です。人間には知り得ないような真理を神が示される場合は、それは啓示です。天地創造物語は、人間には知り得ない真理です。モーセがそれを記録することができたのは、神からの語りかけがあったからです。
啓示を論じる際には、「霊感」という概念も覚えておく必要があります。神は、人間という器を用いて聖書を完成されました。その場合、人間をタイプライターのように機械的に用いたのではなく、各著者(およそ40名の著者がいます)の特徴、体験、言葉使いなどを生かして、各書を書かせました。その場合、人間の著者が過ちを犯すことがないように、神の守りと導きが与えられました。その守りと導きのことを、「霊感」と言うのです。そういう意味で、聖書の真の著者は神です。
参考になる聖句
「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です」(2テモ3:16)
モーセは、神の啓示によって自分では見ていないことを書くことができました。
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