60分でわかる旧約聖書(23)イザヤ書

このメッセージに感謝を贈る

この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?

ハーベスト・タイム・ミニストリーズへのサポーター献金はこちら

このメッセージでは...

イザヤ書の内容について学ぶ。

60 分でわかる旧約聖書( 23 )「イザヤ書」

1.はじめに

(1)預言者たちの分類

①旧約聖書では、預言者の時代はサムエルとともに始まった(前1100年頃)。

*祭司たちが堕落した時代に、神は預言者を起こされた。

②預言書を書いた預言者たち(the writing prophets)は、王国が南北に分裂

して以降に登場した(前930年頃)。

③バビロン捕囚から帰還して以降、旧約聖書の歴史の終わりまで彼らの働き

は続いた(前400年頃)。

 

(2)預言者たちの働き

①同世代の人たちに、神のことばを伝えた。

*彼らは「預言者」たちである。

*彼らは、自分が語っていることをよく理解していた。

*「【主】は言われる」、「【主】のことばがあった」などが使われる。

②将来起こることを預言した。

*彼らは「予言者」たちである。

*従順か不従順かによって、結果が異なってくるというメッセージ。

*必ずしも自分が語っている内容を理解していたわけではない。

*特に、メシア預言においてそれが言える。

*なぜメシアは、受難のしもべであると同時に、栄光の王なのか。

*これは、初臨と再臨の区別がついていないことからくる戸惑いである。

 

(3)預言書の分類

①大預言書(the Major Prophets)

*預言の分量が多い。

*イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書

②小預言書(the Minor Prophets)

*預言の分量が少ない。

*ホセア書からマラキ書までの12書。

 

(4)働きの時期による分類

①捕囚期前(12)

②捕囚期(2)

*エゼキエル書

*ダニエル書

③捕囚期後(3)

*ハガイ書

*ゼカリヤ書

*マラキ書

 

(5)預言者たちが語ったメッセージの要約

①神の主権と聖なるご性質

②契約の民イスラエルの不従順の罪

③悔い改めへの招き

④迫り来る神の裁きと捕囚

⑤イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き

⑥捕囚からのレムナントの帰還

⑦メシアの来臨とイスラエルの民によるメシア拒否

⑧大患難時代とイスラエルの民の回復

⑨王としてのメシアの来臨

⑩メシア的王国の樹立

 

(6)預言者たちが語らなかったこと

①教会の預言

②新天新地の預言

 

2.アウトライン

(1)イザヤ書の著者

(2)イザヤ書の統一性

(3)イザヤ書の執筆目的

(4)新約聖書の中のイザヤ書

 

イザヤ書の内容について学ぶ。

Ⅰ.著者

1.イザ1:1

Isa 1:1 アモツの子イザヤの幻。これは彼が、ユダとエルサレムについて、ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に見たものである。

(1)著者は、アモツの子イザヤである。

①南王国ユダの4代の王に仕えた。

②ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ

③イザヤという名前は、「ヤハウェは救い」という意味である。

 

(2)イザヤの素性

①彼はエルサレムに住み、宮廷に出入りすることができた。

②結婚し、2人の息子が与えられていた。

*シェアル・ヤシュブ(7:3)

*マヘル・シャラル・ハシュ・バズ(8:3)

③召命の記事(6:1~13)から祭司だったと考える者もいるが、証拠はない。

④奉仕期間は、およそ60年に及ぶ。

 

Ⅱ.統一性

1.イザヤ書を2つに区分する考え方がある。

(1)これは、自由主義神学者たちの立場である。

①第1イザヤ(1~39章)

②第2イザヤ(40~66章)

*それが誰であるかは明示しない。

*旧約聖書39巻、新約聖書27巻と数字の上では一致している。

*このことに意味付けする必要はない。

③これは、18世紀になって提案された新しい説である。

 

(2)区分する理由

①超自然的要素を認めない姿勢

*将来の出来事の預言は、それが起こってから書かれたと主張する。

*しかし、イスラエルの神が将来の出来事を預言できないなら、偶像の

神々と同じレベルになるではないか。

②文学形式が異なっている。

*しかし、テーマが異なると、異なった用語や形式を採用するものである。

 

2.私たちの立場

(1)歴史的証拠

①ユダヤ人の伝承では、イザヤ書はひとつの書である。

②死海写本の中のイザヤ書は、ひとつの書である(前2世紀)

③クリスチャンの伝統でも、18世紀になるまでは、イザヤ書はひとつの書と

考えられてきた。

 

(2)新約聖書の記録

①新約聖書による旧約聖書の引用は、詩篇が最高であり、次がイザヤ書である。

②主要なイザヤ書からの引用には、イザヤというタイトルがつけられている。

③イエス・キリストは、イザヤがイザヤ書全体の著者であることを認めている。

*ルカ4:17~19(預言者イザヤの書が手渡された)

 

(3)自由主義神学者たちは、超自然的な要素を信じることができないのである。

 

Ⅲ.執筆の目的

1.契約の民に、彼らはヤハウェと特別な関係にあることを思い出させた。

(1)ヤハウェとは、契約の神の御名である。

①イスラエルの民には、契約の民としての特権と責務がある。

 

2.イザヤは、アブラハム契約を理解していた。

(1)この点は、他の預言者たちも同じである。

①アブラハム契約の理解は、預言者として必須の知識である。

 

(2)イスラエルの民の特権

①カナンの地を所有するという約束

②子孫が増えるという約束

③他の民族に対して祝福となるという約束

 

3.イザヤは、シナイ契約も理解していた。

(1)申命記の中に、モーセの律法の内容が要約されている。

①律法に従えば、祝福が来る。

②律法に違反すれば、裁きが来る。

*その中には、捕囚も含まれる。

③裁きは、契約関係に基づく「神の叱責」である。

 

(2)イザヤは、その地から追放されても、やがて民が帰還することを知っていた。

①これは、アブラハム契約の効果である。

②モーセが、申命記の中ですでにそのことを預言していた。

 

4.イザヤは、2つの世代に語りかけていた。

(1)同世代のイスラエル人たち

①イザヤは、同世代のイスラエル人たちに悔い改めのメッセージを語った。

②シナイ契約に基づけば、背信の民は神の裁きに会う。

③イザヤは、南王国ユダが捕囚に引かれて行くことを知っていた。

 

(2)将来のイスラエル人たち

①捕囚の地にいるであろう人たちに、希望のメッセージを届けた。

②神は彼らを約束の地に回復し、平和と繁栄の御国を建設される。

③イザ40~66章では、「慰め」がキーワードになっている。

*罪の贖いというテーマ以上のものが含まれている。

*被造世界の回復のメッセージが語られている。

 

 

Ⅳ.新約聖書の中のイザヤ書(イザヤ書の後半部分)

1.バプテスマのヨハネが登場した。イザ40:3

Mat 3:3 この人は預言者イザヤによって、/「荒野で叫ぶ者の声がする。/『主の道を用意し、/主の通られる道をまっすぐにせよ』」/と言われたその人である。

 

2.悪霊を追い出し、病気の人をいやされた。イザ53:4

Mat 8:17 これは、預言者イザヤを通して言われた事が成就するためであった。「彼が私たちのわずらいを身に引き受け、私たちの病を背負った。」

 

3.安息日に片手のなえた人をいやされた。イザ42:1~4

Mat 12:17 これは、預言者イザヤを通して言われた事が成就するためであった。

Mat 12:18 「これぞ、わたしの選んだわたしのしもべ、/わたしの心の喜ぶわたしの愛する者。/わたしは彼の上にわたしの霊を置き、/彼は異邦人に公義を宣べる。

Mat 12:19 争うこともなく、叫ぶこともせず、/大路でその声を聞く者もない。

Mat 12:20 彼はいたんだ葦を折ることもなく、/くすぶる燈心を消すこともない、/公義を勝利に導くまでは。

Mat 12:21 異邦人は彼の名に望みをかける。」

 

4.イエスの公生涯のまとめ。イザ53:1

Joh 12:38 それは、「主よ。だれが私たちの知らせを信じましたか。また主の御腕はだれに現されましたか」と言った預言者イザヤのことばが成就するためであった。

Joh 12:39 彼らが信じることができなかったのは、イザヤがまた次のように言ったからである。

Joh 12:40 「主は彼らの目を盲目にされた。また、彼らの心をかたくなにされた。それは、彼らが目で見ず、心で理解せず、回心せず、そしてわたしが彼らをいやすことのないためである。」

Joh 12:41 イザヤがこう言ったのは、イザヤがイエスの栄光を見たからで、イエスをさして言ったのである。

 

5.イスラエル人の不信仰と異邦人の救い。イザ10:22、8:14、28:16

Rom 9:27 また、イスラエルについては、イザヤがこう叫んでいます。/「たといイスラエルの子どもたちの数は、/海べの砂のようであっても、/救われるのは、残された者である。

Rom 9:28 主は、みことばを完全に、しかも敏速に、/地上に成し遂げられる。」

Rom 9:29 また、イザヤがこう預言したとおりです。/「もし万軍の主が、私たちに/子孫を残されなかったら、/私たちはソドムのようになり、/ゴモラと同じものとされたであろう。」

Rom 9:30 では、どういうことになりますか。義を追い求めなかった異邦人は義を得ました。すなわち、信仰による義です。

Rom 9:31 しかし、イスラエルは、義の律法を追い求めながら、その律法に到達しませんでした。

Rom 9:32 なぜでしょうか。信仰によって追い求めることをしないで、行いによるかのように追い求めたからです。彼らは、つまずきの石につまずいたのです。

 

6.イスラエル人の不信仰と異邦人の救い。イザ53:1、65:1

Rom 10:16 しかし、すべての人が福音に従ったのではありません。「主よ。だれが私たちの知らせを信じましたか」とイザヤは言っています。

Rom 10:17 そのように、信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。

Rom 10:18 でも、こう尋ねましょう。「はたして彼らは聞こえなかったのでしょうか。」むろん、そうではありません。/「その声は全地に響き渡り、/そのことばは地の果てまで届いた。」

Rom 10:19 でも、私はこう言いましょう。「はたしてイスラエルは知らなかったのでしょうか。」まず、モーセがこう言っています。/「わたしは、民でない者のことで、/あなたがたのねたみを起こさせ、/無知な国民のことで、あなたがたを怒らせる。」

Rom 10:20 またイザヤは大胆にこう言っています。/「わたしは、わたしを求めない者に見いだされ、/わたしをたずねない者に自分を現した。」

Rom 10:21 またイスラエルについては、こう言っています。/「不従順で反抗する民に対して、/わたしは一日中、手を差し伸べた。」

週間アクセスランキング

1

コリント人への手紙第二(14)パウロと偽使徒の違い(1)11:1~15

2

コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18

3

イスラエル旅2023#088中川牧師とめぐる旅:【エルサレム旧市街】4つの地区とエルサレムの再統一

4

Q421 天国でも性別は存在しますか。

5

コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15

6

Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。

ハーベスト・タイムを応援する

ハーベスト・タイムの働きは、サポーターの皆様のお祈りと、献金により維持されております。
ぜひ、応援をよろしくお願いいたします。

ハーベスト・タイムのSNSでは、新着メッセージなどをお知らせしています。

聖書箇所の引用には新改訳聖書を使用しています。その他の場合は明記いたします。
聖書 新改訳2017(C)2017 新日本聖書刊行会 許諾番号4-2-856号
Copyright © Harvest Time Ministries, All Rights Reserved.