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ヨハネの黙示録(27)—鉢の裁きへの前奏曲—
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黙示録15章の内容について学ぶ。
「鉢の裁きへの前奏曲」
黙15:1~8
1.はじめに
(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。
①10章~14章は、挿入箇所である。
②10章~14章では、大患難時代の中間に起こる数々の出来事が取り扱われた。
*これらの出来事の影響は、大患難時代の後半にも継続する。
③15章~16章では、大患難時代後半の3年半に起こる出来事が取り上げられる。
*最も激しい裁きが下る。第7のラッパの裁き。
*それが「7つの鉢の裁き」である。
*第7つ鉢の裁きに続く出来事が、キリストの再臨である(19章)。
*16章と19章は、時間的につながっている。
(2)15章は、鉢の裁きへの前奏曲である。
*神の怒りが地に下る前に、天における状況が啓示される。
*苦難に会う聖徒たちへの励ましのメッセージである。
2.アウトライン
(1)7つの災害を携えた7人の天使(1~2節)
(2)モーセの歌と小羊の歌(3~4節)
(3)開かれた天の幕屋の聖所(5~6節)
(4)7つの鉢(7~8節)
3.結論
(1)神の怒りからの解放
(2)音楽と礼拝
黙示録15章の内容について学ぶ。
Ⅰ.7つの災害を携えた7人の天使(1~2節)
1.1節
Rev 15:1 また私は、天にもう一つの巨大な驚くべきしるしを見た。七人の御使いが、最後の七つの災害を携えていた。神の激しい怒りはここに窮まるのである。
(1)ここで、默11:19と默15:1がつながる。
Rev 11:19 それから、天にある、神の神殿が開かれた。神殿の中に、契約の箱が見えた。また、いなずま、声、雷鳴、地震が起こり、大きな雹が降った。
①これは、鉢の裁きが始まる前の天の神殿の状況描写である。
②默15:1は、それを引き継いでいる。
(2)「天にもう一つの巨大な驚くべきしるしを見た」
①「もう一つ」とは、すでに見た2つの「しるし」とは別のものであることを示
している。
*ひとりの女(12:1):イスラエルの象徴
*赤い竜(12:3):サタンの象徴
*ここでは、7つの災害を携えた7人の天使が、そのしるしである。
②このしるしは、神の最終的な裁きが始まろうとしていることを示している。
③神の聖なる怒りが、神を信じない人類の上に、反キリストの上に、偽預言者の
上に下ろうとしている。
(3)最終的な裁きは、7人の天使を仲介者として行われる。
①封印の裁きも、ラッパの裁きも、同じようにして行われた。
②天使は、神の命令を実行する、しもべたちである。
(4)「7つの災害」は、最も激しい裁きである。
①最後の裁きである。
②神の怒りがその極みに達する裁きである。
*「窮まる」は、ギリシア語で「テレオウ」である。
*ヨハネ19:30の「完了した」と同じ動詞である。
*神は、贖いの業も、裁きの業も、完璧に行われる。
③「7つの災害」が「鉢の裁き」と呼ばれるものである。
*大患難時代の7年の最後に起こる。
*短時間の内に、連続的に起こる。
*先に行くほど、神の怒りの度合いが強くなる。
2.2節
Rev 15:2 私は、火の混じった、ガラスの海のようなものを見た。獣と、その像と、その名を示す数字とに打ち勝った人々が、神の立琴を手にして、このガラスの海のほとりに立っていた。
(1)「私は、火の混じった、ガラスの海のようなものを見た」
①黙4:6
Rev 4:6 御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座の中央と御座の回りに、前もうしろも目で満ちた四つの生き物がいた。
②出24:10
Exo 24:10 そうして、彼らはイスラエルの神を仰ぎ見た。御足の下にはサファイヤを敷いたようなものがあり、透き通っていて青空のようであった。
③黙15:2の「火の混じった」は、神の聖なる怒りを示していると思われる。
(2)そこには、大患難時代の殉教者たちが立っていた。
①彼らは、反キリストを受け入れなかった人たちである。
②黙12:11
Rev 12:11 兄弟たちは、小羊の血と、自分たちのあかしのことばのゆえに彼に打ち勝った。彼らは死に至るまでもいのちを惜しまなかった。
(3)「神の立琴を手にして、」
①彼らは、神の恵みによって勝利することができた。
②忠実さへの報償が、小羊の前での礼拝である。
②彼らにできる最善の応答は、礼拝である。
③礼拝のために竪琴が用いられた。
Ⅱ.モーセの歌と小羊の歌(3~4節)
1.3節
Rev 15:3 彼らは、神のしもべモーセの歌と小羊の歌とを歌って言った。/「あなたのみわざは偉大であり、驚くべきものです。主よ。万物の支配者である神よ。あなたの道は正しく、真実です。もろもろの民の王よ。
(1)モーセの歌は、2つの可能性がある。
①出15:1~11に出てくる勝利の歌。
Exo 15:1 そこで、モーセとイスラエル人は、【主】に向かって、この歌を歌った。彼らは言った。/「【主】に向かって私は歌おう。/主は輝かしくも勝利を収められ、/馬と乗り手とを海の中に投げ込まれたゆえに。
*「7つの鉢の裁き」は、モーセがエジプトにもたらした災害に似ている。
②申命32章で、モーセ自身がイスラエルの民の前で語っている内容。
*こちらの方が、神の解放も御業の全体を歌っている。
(2)天において殉教者たちがモーセの歌を歌っているのは、興味深い。
①モーセは、旧約時代において神の民に解放をもたらした。
②イエスは、大患難時代において神の民に解放をもたらす。
(3)小羊の歌は、聖書には記録されていない。
①恐らく、3~4節がその歌の歌詞であろう。
②イエスが神であることを宣言している。
③反キリストとその勢力を滅ぼすことによって、ご自身の神性を証明される。
2.4節
Rev 15:4 主よ。だれかあなたを恐れず、御名をほめたたえない者があるでしょうか。ただあなただけが、聖なる方です。すべての国々の民は来て、あなたの御前にひれ伏します。あなたの正しいさばきが、明らかにされたからです。」
(1)「主よ。だれかあなたを恐れず、御名をほめたたえない者があるでしょうか」
①大患難時代の殉教者たちの歌が続く。
②これは、修辞的質問である。神の偉大さを強調する文章である。
③旧約時代において、イスラエルは偶像礼拝の国々に取り囲まれていた。
④その中で、彼らは主(ヤハウェ)だけをほめたたえた。
(2)「ただあなただけが、聖なる方です」
①イエスは、聖なる方である。
②それゆえ、神の小羊として罪の贖いを提供することができた。
③ヘブ9:14
Heb 9:14 まして、キリストが傷のないご自身を、とこしえの御霊によって神におささげになったその血は、どんなにか私たちの良心をきよめて死んだ行いから離れさせ、生ける神に仕える者とすることでしょう。
④1ペテ1:18~19
1Pe 1:18 ご承知のように、あなたがたが父祖伝来のむなしい生き方から贖い出されたのは、銀や金のような朽ちる物にはよらず、
1Pe 1:19 傷もなく汚れもない小羊のようなキリストの、尊い血によったのです。
(3)「すべての国々の民は来て、あなたの御前にひれ伏します」
①これは、千年王国において成就する。
②キリストの再臨に続いて、千年王国が設立される。
③キリストは、エルサレムでダビデの王座について世界を統治する。
④千年王国は、文字通りの地上における王国である。
⑤諸国民は、エルサレムに登り、キリストを礼拝する。
Ⅲ.開かれた天の幕屋の聖所(5~6節)
1.5節
Rev 15:5 その後、また私は見た。天にある、あかしの幕屋の聖所が開いた。
(1)「その後、また私は見た」
①ここから、新しいテーマが始まる。
(2)「天にある、あかしの幕屋の聖所が開いた」
①「あかしの幕屋」とは、天にある神殿のことである。
②地上の神殿は、天にある神殿のコピーである。
③天にある神殿の至聖所が開いた。
*聖所と至聖所を隔てている幕が裂かれた。
2.6節
Rev 15:6 そしてその聖所から、七つの災害を携えた七人の御使いが出て来た。彼らは、きよい光り輝く亜麻布を着て、胸には金の帯を締めていた。
(1)聖所が開いたので、そこから7人の天使たちが出て来た。
①そこは、大祭司だけが入ることを赦されていた。
②天使たちは聖であるので、そこに入ることができた。
③彼らは、7つの災害を携えていた。
④すぐにでも、鉢の裁きが始まろうとしている。
(2)「彼らは、きよい光り輝く亜麻布を着て、胸には金の帯を締めていた」
①「光り輝く亜麻布」は、天使たちが聖であり義であることを示している。
*「聖である」とは、神のために選び分かたれていることを指す。
*彼らは、神の裁きを行うために選び分かたれた者たちである。
②「金の帯」は、天使たちの威光を指すと考えられる。
Ⅳ.7つの鉢(7~8節)
1.7節
Rev 15:7 また、四つの生き物の一つが、永遠に生きておられる神の御怒りの満ちた七つの金の鉢を、七人の御使いに渡した。
(1)4つの生き物は、黙4:6に登場した天使たちである。
Rev 4:6 御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座の中央と御座の回りに、前もうしろも目で満ちた四つの生き物がいた。
(2)天使のひとりが、7つの金の鉢を7人の天使たちに渡した。
①7人の天使たちは、その鉢を地にぶちまける。
2.8節
Rev 15:8 聖所は神の栄光と神の大能から立ち上る煙で満たされ、七人の御使いたちの七つの災害が終わるまでは、だれもその聖所に、入ることができなかった。
(1)この煙は、シャカイナグローリーである。
①出40:34~35
Exo 40:34 そのとき、雲は会見の天幕をおおい、【主】の栄光が幕屋に満ちた。
Exo 40:35 モーセは会見の天幕に入ることができなかった。雲がその上にとどまり、【主】の栄光が幕屋に満ちていたからである。
(2)鉢の裁きが終わるまでは、誰も聖所に入ることができなかった。
①鉢の裁きが最後で、最も厳しい裁きであることを示している。
結論:
1.神の怒りからの解放
(1)神の怒りは、神の義に基づく、罪に対する怒りである。
(2)私たちクリスチャンは、その怒りから解放されている。
①それが、携挙の希望である。
(3)1テサ1:10
1Th 1:10 また、神が死者の中からよみがえらせなさった御子、すなわち、やがて来る御怒りから私たちを救い出してくださるイエスが天から来られるのを待ち望むようになったか、それらのことは他の人々が言い広めているのです。
①「やがて来る御怒り」とは、大患難時代に下る裁きのことである。
(4)1テサ5:9
1Th 5:9 神は、私たちが御怒りに会うようにお定めになったのではなく、主イエス・キリストにあって救いを得るようにお定めになったからです。
①「御怒り」とは、大患難時代に下る裁きのことである。
2.音楽と礼拝
(1)黙示15:2~3では、殉教者たちが小羊をたたえている。
①小羊を礼拝することは、信仰者に与えられる特権であり、褒賞である。
②礼拝は、贖われた者たちの当然の応答である。
(2)彼らは、楽器をもって小羊をたたえている。
①詩4篇
Psa 4:0 指揮者のために。弦楽器に合わせて。ダビデの賛歌
②詩5篇
Psa 5:0 指揮者のために。フルートに合わせて。ダビデの賛歌
③詩43:4
Psa 43:4 こうして、私は神の祭壇、私の最も喜びとする/神のみもとに行き、/立琴に合わせて、あなたをほめたたえましょう。/神よ。私の神よ。
④詩150:3~5
Psa 150:3 角笛を吹き鳴らして、/神をほめたたえよ。/十弦の琴と立琴をかなでて、/神をほめたたえよ。
Psa 150:4 タンバリンと踊りをもって、/神をほめたたえよ。/緒琴と笛とで、/神をほめたたえよ。
Psa 150:5 音の高いシンバルで、/神をほめたたえよ。/鳴り響くシンバルで、/神をほめたたえよ。
(3)あらゆる楽器は、神を賛美するために用いてもよい。
(4)神をたたえるのにふさわしくない賛美などない。
(5)伝統的な賛美と現代的な賛美の長所と欠点
①伝統的な賛美は、歌詞もメロディーもすばらしい。
②時間のテストをくぐり抜けてきた。
③しかし、感情移入が難しい。
④現代的な賛美は、若者を引きつける。
⑤しかし、深みのないものが多い。
⑥時間のテストを受ける必要がある。
(6)コロサイ3:16
Col 3:16 キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせ、知恵を尽くして互いに教え、互いに戒め、詩と賛美と霊の歌とにより、感謝にあふれて心から神に向かって歌いなさい。
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