ヨハネの黙示録(11)—封印の裁き1〜4—

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第1〜第4の封印の裁きについて学ぶ。

「封印の裁き1~4」

黙6:1~8

1.はじめに

  (1)黙示録4章から22章までは、将来起こることの預言である。

  (2)キリストの再臨を中心に据えて将来の出来事を概観すると以下のようになる。

    ①4章~18章 キリストの再臨に至るまでの出来事

    ②19章 キリストの再臨

    ③20章 千年王国

    ④21章~22章 新天新地

  (3)これまでの展開

    ①4章は、巻き物を紹介するためのイントロダクションであった。

②5章で、巻き物とキリストが登場した。

    ③6章で、7つの封印が解かれる。実際は、最初の6つの封印が解かれる。

      *ここから大患難時代が始まる。

      *封印が解かれるに従って、地上で人類が経験する患難の度合いが増す。

      *今回は、封印の裁き1~4を取り上げる。

  (4)大患難時代を示す用語

    ①「【主】の日」(イザ13:6、エレ46:10、アモ5:18)

    ②「ヤコブの苦しみの時」(エレ30:7)

    ③「ダニエルの70週目」(ダニ9:27)

    ④「試練の時」(黙3:10)(フィラデルフィア教会への約束の中で出てきた)

    ⑤「御怒りの大いなる日」(黙6:17)

2.アウトライン

  (1)第1の封印(1~2節)

  (2)第2の封印(3~4節)

  (3)第3の封印(5~6節)

  (4)第4の封印(7~8節)

  3.結論:

    (1)大患難時代はいつ始まるのか。

    (2)大患難時代の目的は何か。

第1~第4の封印の裁きについて学ぶ。

Ⅰ.第1の封印(1~2節)

   1.1節

Rev 6:1 また、私は見た。小羊が七つの封印の一つを解いたとき、四つの生き物の一つが、雷のような声で「来なさい」と言うのを私は聞いた。

     (1)第1の封印が小羊によって解かれた。

      ①ほふられたと見える小羊だけが、封印を解くことができる。

    (2)4つの生き物の一つが、雷のような声で「来なさい」と呼びかけた。

      ①これは、これから登場する者への呼びかけである。

      ②第1~第4の封印では、封印が解かれるたびに馬に乗っている者が登場する。

      ③馬に乗っている者は、呼びかけに応えて破壊的な活動を開始する。

   2.2節

Rev 6:2 私は見た。見よ。白い馬であった。それに乗っている者は弓を持っていた。彼は冠を与えられ、勝利の上にさらに勝利を得ようとして出て行った。

     (1)ヨハネが見たこと

      ①白い馬。勝利の象徴である。

      ②その馬に乗った者は弓を持っていた。

      ③彼には冠が与えられた。

      ④彼は、勝利の上にさらに勝利を得ようとして出て行った。

        *ローマ時代、凱旋将軍は捕虜を従わせ、白馬に乗って行進した。

    (2)その意味

      ①この人物をキリストと解釈する人がいる。

      ②しかし、キリストは大患難時代の最初ではなく、最後に王として登場される。Rev 19:11 また、私は開かれた天を見た。見よ。白い馬がいる。それに乗った方は、「忠実また真実」と呼ばれる方であり、義をもってさばきをし、戦いをされる。

      ③しかし、黙6:2に登場するこの人物は、反キリストである。

        *ヨハネは書簡の中で「反キリスト」という言葉を使用している。

        *黙示録には「反キリスト」という言葉は出てこない。

*言葉は出てこないが、その人物は登場する。

        *彼は、大患難時代における主役である。

      ④彼に、冠が与えられた。

*冠には、2種類のものがある。

        *キリストがかぶる冠は、「ダイアデム」である(王族の冠)。

        *勝利者がかぶる冠は、「ステファノス」である。

          ・月桂冠も同じ言葉である(月桂樹の枝をリング状に編んだ冠)。

          ・競技会の勝利者に与えられた冠である。

      ⑤白馬に乗った人物は、弓だけで矢を持っていない。

        *彼は、イスラエルとの平和条約を結ぶことを意図しているのであろう。

        *戦争をしないで彼が作る世界統一政府は、短命で終わる。

        *第2の封印の裁き以降に、平和が取り去られる。

Ⅱ.第2の封印(3~4節)

   1.3節

Rev 6:3 小羊が第二の封印を解いたとき、私は、第二の生き物が、「来なさい」と言うのを聞いた。

     (1)第2の封印が解かれた。

      ①4つの生き物の第2のものが、次の人物を呼び出した。

   2.4節

Rev 6:4 すると、別の、火のように赤い馬が出て来た。これに乗っている者は、地上から平和を奪い取ることが許された。人々が、互いに殺し合うようになるためであった。また、彼に大きな剣が与えられた。

     (1)ヨハネが見たこと

      ①火のように赤い馬

        *赤い色は、流血を象徴している。

      ②その上に乗っている者は、地上から平和を奪い取ることが許された。

        *人々が互いに殺し合うようになるため。

      ③その人物に、大きな剣が与えられた。

        *白い馬に乗った人物とは対照的である。

    (2)その意味

      ①反キリストは、ユダヤ人と契約を結ぶまでは平和と安全を約束していた。

      ②契約を結んだ後で、その約束が嘘であることがすぐに明らかになる。

      ③平和が取り去られ、戦争が起こる。

        *大患難時代には3つの戦争が起こる。

        *これが第1の戦争である(第一次世界大戦と混同しないように)。

        *中間期に第2の戦争が起こる。

        *最後に第3の戦争が起こる。それがハルマゲドンの戦いである。

      ④戦争は、経済不況と食糧不足をもたらす。

      ⑤神はサタンが地上を破壊することを許可されたが、依然として歴史を支配して

おられる主権者であることを覚えよう。

Ⅲ.第3の封印(5~6節)

   1.5節

Rev 6:5 小羊が第三の封印を解いたとき、私は、第三の生き物が、「来なさい」と言うのを聞いた。私は見た。見よ。黒い馬であった。これに乗っている者は量りを手に持っていた。

     (1)第3の封印が解かれた。

      ①4つの生き物の第3のものが、次の人物を呼び出した。

     (2)ヨハネが見たこと

      ①黒い馬

        *黒い色は嘆きと悲しみの象徴である。

*ここでは飢饉がもたらす嘆きである。

      ②その上に乗っている者は、量りを手に持っていた。

        *量りもまた、飢饉を象徴している。

        *世界戦争が起こると、飢饉が襲い、多くの人が餓死する。

   2.6節

Rev 6:6 すると私は、一つの声のようなものが、四つの生き物の間で、こう言うのを聞いた。「小麦一枡は一デナリ。大麦三枡も一デナリ。オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはいけない。」

     (1)ここでヨハネはひとつの声を聞いた。

      ①4つの生き物の間から上がってくる声は、父なる神の声である。

    (2)「小麦一枡は一デナリ。大麦三枡も一デナリ」

       ①これは、飢饉のときの高騰した穀物の価格である。

      ②「枡」(コイニクス)の量は約1リットル。

      ③「デナリ」は労働者の日当である。

      ④一日働いても、小麦約1リットルか大麦3リットルしか買えない。

      ⑤一家の一日の食糧にも満たない。

      ⑥これは、平時の10倍の価格である。

    (3)「オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはいけない」

       ①これは、飢饉に制限を設ける命令であろう。

      ②オリーブもぶどうも、根の深い植物である。

      ③穀物が枯れるような飢饉であっても、この2つまで枯れることはない。

      ④最低の食物と医薬品が、神によって保障されるということであろう。

Ⅳ.第4の封印(7~8節)

   1.7節

Rev 6:7 小羊が第四の封印を解いたとき、私は、第四の生き物の声が、「来なさい」と言うのを聞いた。

     (1)第4の封印が解かれた。

      ①4つの生き物の第4のものが、次の人物を呼び出した。

   2.8節

Rev 6:8 私は見た。見よ。青ざめた馬であった。これに乗っている者の名は死といい、そのあとにはハデスがつき従った。彼らに地上の四分の一を剣とききんと死病と地上の獣によって殺す権威が与えられた。

     (1)ヨハネが見たこと

      ①青ざめた馬(青白い馬)(緑がかった青)

        *「蒼ざめた馬」という表記の方がよい。

*青白い色は、死の象徴である。

      ②その上に乗っている者の名は、死という。

③彼の後には、ハデスがつき従った。

        *ハデスは、旧約聖書の「よみ(陰府)」(シオール)と同じである。

        *死者の魂がとどまる場所である。

     (2)第4の封印の裁きは、さらに厳しいものとなる。

      ①地上の4分の1の人が殺される(現在73億人/約18億人が死ぬ)。

      ②「剣、飢饉、死病、地上の獣」のいずれかによって殺される。

      ③この4つがひとつになっているのは、裁きの厳しさを表すためである。

      ④戦争と飢饉で人が死ぬと、死体が放置され疫病が広がる。野獣がそれを広げる。

結論:

  1.大患難時代はいつ始まるのか。

    (1)ダニ9:24~27と大患難時代の関係

Dan 9:24 あなたの民とあなたの聖なる都については、七十週が定められている。それは、そむきをやめさせ、罪を終わらせ、咎を贖い、永遠の義をもたらし、幻と預言とを確証し、至聖所に油をそそぐためである。

Dan 9:25 それゆえ、知れ。悟れ。引き揚げてエルサレムを再建せよ、との命令が出てから、油そそがれた者、君主の来るまでが七週。また六十二週の間、その苦しみの時代に再び広場とほりが建て直される。

Dan 9:26 その六十二週の後、油そそがれた者は断たれ、彼には何も残らない。やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する。その終わりには洪水が起こり、その終わりまで戦いが続いて、荒廃が定められている。

Dan 9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」

      ①最初の69週(7週と62週)は、今はすでに過去のものとなっている。

      ②最後の1週(70週目)が残っている。

      ③最後の1週とは、7年間の大患難時代のことである。

      ④「来るべき君主」(26節)が登場する。反キリストである。

      ⑤彼は、ユダヤ人たち(多くの者)と契約を結ぶ。反対するユダヤ人もいる。

        *これは、平和条約である。

        *ユダヤ人たちは、神にではなく、この世の政治権力に頼るのである。

      ⑥彼は、3年半でこの契約を破棄する。

      ⑦後半の3年半で、彼はユダヤ人たちに偶像礼拝を強要し、従わない者たちを迫

害する。

    (2)大患難時代は、反キリストがユダヤ人たちと契約を結んだ時から始まる。

      ①ダニエルの70週目は、大患難時代の7年と合致する。

    (3)イザ28:14~22も、反キリストとユダヤ人たちの契約を預言している。

      ①地上でユダヤ人たちがこの契約を結んだとき、天において、神は契約の破棄と

全世界に下る裁きを宣言される。

    (4)1948年にイスラエル共和国が建国された。

      ①それ以降、ユダヤ人たちが反キリストを契約を結ぶことが可能な時代に入った。

  2.大患難時代の目的は何か。

    (1)悪人とその悪行を地上から一掃するため

      ①罪人たちは、大患難時代を通して根絶やしにされる。

Isa 13:9 見よ。【主】の日が来る。残酷な日だ。/憤りと燃える怒りをもって、/地を荒れすたらせ、/罪人たちをそこから根絶やしにする。

      ②信者は、大患難時代を通過する必要はない。

      ③その前に、教会は携挙される。

        *御座の回りにいる24人の長老たちは、携挙された教会である(黙4:4)。

    (2)世界大のリバイバルを来たらせるため

      ①黙7章のテーマである。

      ②144,000人のユダヤ人が登場する。

    (3)イスラエルの民の頑なさを打ち壊すため

      ①大患難時代を通して、イスラエルの民は救いへと導かれる。

Dan 12:7 すると私は、川の水の上にいる、あの亜麻布の衣を着た人が語るのを聞いた。彼は、その右手と左手を天に向けて上げ、永遠に生きる方をさして誓って言った。「それは、ひと時とふた時と半時である。聖なる民の勢力を打ち砕くことが終わったとき、これらすべてのことが成就する。」

    (4)私たちの使命

      ①今の間に、福音を伝える。

      ②今救われる人が出なくても、失望しない。

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