メシアの生涯(64)—パリサイ人シモンと罪深い女—

  • 2013.06.17
  • ルカ7章:36〜50
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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このメッセージは、聖書が教える救いについて学ぼうとするものである。

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「パリサイ人シモンと罪深い女」

§059 ルカ7:36~50

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①ルカ7:35の例証

    「だが、知恵の正しいことは、そのすべての子どもたちが証明します」

②この出来事を記録しているのは、ルカだけである。

③ルカは、女性の役割を重視して福音書を書いている。

    (2)A.T.ロバートソンの調和表

罪深い女によるイエスの油注ぎ(§59)

2.アウトライン

  (1)舞台設定(36節)

  (2)招かれざる客の登場(37~39節)

  (3)ラビの講話(40~47節)

  (4)講和の結論(48~50節)

  3.結論:

    (1)この女の名前について

    (2)救いの構造について

    (3)救いの確信について

このメッセージは、聖書が教える救いについて学ぼうとするものである。

Ⅰ.舞台設定(36節)

   1.36節

  「さて、あるパリサイ人が、いっしょに食事をしたい、とイエスを招いたので、そのパリ

サイ人の家に入って食卓に着かれた」

   (1)この宴会の意味

    ①宴会は、宗教的、道徳的講話を聞く場となっていた。

    ②ラビを招いてこのような宴会を開くことは、高潔なことだと考えられていた。

    ③これは、他の町からやって来た巡回ラビに敬意を表するための宴会である。

    ④一般の人たちにも扉が開かれており、傍聴が許された。

    ⑤今私たちも、傍聴者の立場でラビの講和に耳を傾けようとしている。

  (2)主人は、パリサイ人のシモンである。

    ①彼は、イエスに敬意を示すためではなく、別の目的のために宴会を開いた。

    ②彼の動機は、隠されていた。

      *イエスがメシアであるかどうか、疑っている。

      *イエスを試そうとしている。

Ⅱ.招かれざる客の登場(37~39節)

  1.37~38節

  「すると、その町にひとりの罪深い女がいて、イエスがパリサイ人の家で食卓に着いてお

られることを知り、香油の入った石膏のつぼを持って来て、泣きながら、イエスのうしろ

で御足のそばに立ち、涙で御足をぬらし始め、髪の毛でぬぐい、御足に口づけして、香油

を塗った」

   (1)ひとりの罪深い女の登場

    ①「罪深い女」(罪の女)とは、娼婦の婉曲語である。

      *当時は、異邦人の娼婦もたくさんいたが、彼女はユダヤ人である。

    ②彼女がこのような場にいるのは、異常なことである。

    ③通常は、戸口に召使が立っていて、入室を制限していた。

    ④宗教的なユダヤ人の場合は、貧しい人たちも中に入って話を聞けるように、扉

を開いていた。それで、彼女も中に入れたのであろう。

⑤傍聴者は食卓から離れて立ち、黙ってラビと主人の話に耳を傾ける。

  (2)彼女の行動

    ①香油の入った石膏のつぼを持って来た。

      *石膏とは、アラバスターのこと。

      *エジプトのテーベ、シリアのダマスコ、イタリアなどで採れる。

      *香油を入れるのに、最適な器とされていた。

    ②泣いていた。

*ギリシア語の「クライオウ(klaiou)」(声を上げて泣いている状態)

      ③イエスのうしろで御足のそばに立った。

      *左ひじをついて、横になった姿勢で食事をしていたので、足は外にあった。

    ④涙で御足をぬらし

      *ギリシア語の「ブレコウ」(雨で水に濡れる)

    ⑤髪の毛でぬぐい

      *宗教的な婦人は、頭にかぶり物をしていた。

      *公の場で髪の毛を見せることは、不道徳なことであった。

      *彼女は、宗教的には主流から離れていた。

    ⑥御足に口づけして

      *継続した動作(未完了形)

    ⑦香油を塗った。

      *頭ではなく足に油を塗ったのは、彼女の謙遜の表れである。

      *香油は、彼女が商売で使用する物で、パリサイ人には忌むべきものである。

   2.39節

  「イエスを招いたパリサイ人は、これを見て、『この方がもし預言者なら、自分にさわっ

ている女がだれで、どんな女であるか知っておられるはずだ。この女は罪深い者なのだか

ら』と心ひそかに思っていた」

   (1)パリサイ人シモンの落胆

    ①イエスは預言者ではない。

    ②なぜなら、自分にさわっている女が悪名高い女であることを知らないから。

    ③彼は、心ひそかにイエスについての結論を出した。

  (2)次の講和で、イエスはシモンの心の中を見抜いていることを証明される。

Ⅲ.ラビの講話(40~47節)

  1.40~42節

「するとイエスは、彼に向かって、『シモン。あなたに言いたいことがあります』と言わ

れた。シモンは、『先生。お話しください』と言った。『ある金貸しから、ふたりの者が金

を借りていた。ひとりは五百デナリ、ほかのひとりは五十デナリ借りていた。彼らは返す

ことができなかったので、金貸しはふたりとも赦してやった。では、ふたりのうちどちら

がよけいに金貸しを愛するようになるでしょうか』」

  (1)家の主人、招かれた客、傍聴人がいる中で、いよいよラビの講話が始まる。

    ①講話は、たとえ話と質疑応答の形で、展開される。

  (2)500デナリの借金を赦された人と、50デナリの借金を赦された人の対比

    ①借金は7年目に赦されるというのが律法の教えである。

    ②しかし、律法学者たちは「抜け道」を作っていた。

      *投獄、奴隷、質物を取ることなど

    ③このたとえ話では、金貸しは恵みを与えた。

    ④たとえ話のポイントは、どちらがより多くその金貸しを愛するかという質問。

2.43節

「シモンが、『よけいに赦してもらったほうだと思います』と答えると、イエスは、『あな

たの判断は当たっています』と言われた」

  (1)シモンは、正しい判断をした。

    ①この判断によって、彼は自分自身を裁くことになる。

3.44~47節

「そしてその女のほうを向いて、シモンに言われた。『この女を見ましたか。わたしがこ

の家に入って来たとき、あなたは足を洗う水をくれなかったが、この女は、涙でわたしの

足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれました。あなたは、口づけしてくれなかったが、この

女は、わたしが入って来たときから足に口づけしてやめませんでした。あなたは、わたし

の頭に油を塗ってくれなかったが、この女は、わたしの足に香油を塗ってくれました。だ

から、わたしは「この女の多くの罪は赦されている」と言います。それは彼女がよけい愛

したからです。しかし少ししか赦されない者は、少ししか愛しません』」

   (1)ここから、たとえ話の適用が始まる。

    ①イエスは、このたとえ話を罪の女とシモンに適用する。

  (2)主人が客を歓迎するために行うことがいくつかあった。

    ①足を洗う(通常は、その家の僕がそれを行った)。

    ②男性同士は、頬に口づけをする。

    ③頭に油を塗る。

  (3)しかし、シモンはそれをしなかった。

    ①イエスに対する疑いがあった。

    ②敬意を表しているかのように振る舞いながら、実はイエスを見下していた。

  (4)罪の女は、そのすべてを行った。しかも、謙遜に行った。

    ①涙で足をぬらし、髪の毛でぬぐった。

    ②足に口づけしてやめなかった。

    ③足に香油を塗った。

    ④多く赦されたことへの感謝が、これらの行動につながった。

  (5)シモンには、赦されたという思いがない。

    ①それどころか、赦される必要があるとも感じていない。

Ⅳ.講話の結論(48~50節)

   1.48~49節

  「そして女に、『あなたの罪は赦されています』と言われた。すると、いっしょに食卓に

いた人たちは、心の中でこう言い始めた。『罪を赦したりするこの人は、いったいだれだ

ろう』」

(1)ここでイエスは、公に彼女の罪の赦しを宣言された。

      ①これは、彼女が共同体の中で新しい人生を歩むために必要なものである。

      ②イエスは、メシア宣言はしていないが、メシアとして語っている。

    (2)食卓にいた人たちは、驚いた。

      ①神だけが罪を赦す権威を持っておられる。

      ②神殿で、罪過のささげ物が捧げられた後、祭司は罪の赦しを宣言することがで

きた。

③イエスは、罪過のささげ物なしに、罪の赦しを宣言しておられる。

  *十字架の死が罪過のささげ物となる。

      ④彼らは、イエスを信じるか、拒否するかの判断を迫られた。

  2.50節

  「しかし、イエスは女に言われた。『あなたの信仰が、あなたを救ったのです。安心して

行きなさい』」

   (1)イエスは、信仰による救いを保証された。

    ①彼女は、安心して帰ることができた。

  (2)いかなる精神科医も、この治療はできない。

結論:

  1.この女の名前について

    (1)ベタニヤのマリアではない。

      ①ヨハ12:1~3で、マリアはイエスに油を注いでいる。

      ②この2つの油注ぎは、全く別の出来事である。

    (2)マグダラのマリアではない。

      ①この罪の女をマグダラのマリアと見るのは、後代の伝承である。

      ②そこから、マグダラのマリアに関する様々な憶測が生まれてくる。

      ③ルカ8:1~3で、イエスに仕える女たちの中にマグダラのマリアが登場する。

        *これは、マグダラのマリアの初登場である。

    (3)この罪の女、マグダラのマリア、ベタニヤのマリアを同一視する人もいる。

      ①これは、中世に生まれた伝承である。

  2.救いの構造について

    (1)彼女は、多く愛したから多く赦されたのではない。

      ①業による救いではない。

    (2)彼女は、多く赦されたから多く愛したのである。

      ①では、彼女はいつ多く赦されたのか。

      ②この場面に登場する前の彼女の情報が不足している。

      ③彼女がこれ以前に、イエスの話を聞いていたことは間違いない。

      ④その結果、彼女は罪の赦しを受け取っていたのである。

    (3)救いの構造

      ①信仰により、恵みによる。

      ②この段階では、イエスをメシアとして信じる信仰が彼女を救った。

      ③イエスはまだ十字架についていないが、それを前提に彼女に赦しを宣言した。

  3.救いの確信について

    (1)ヤコ2:20~24

    「ああ愚かな人よ。あなたは行いのない信仰がむなしいことを知りたいと思いますか。

私たちの父アブラハムは、その子イサクを祭壇にささげたとき、行いによって義と認

められたではありませんか。あなたの見ているとおり、彼の信仰は彼の行いとともに

働いたのであり、信仰は行いによって全うされ、そして、『アブラハムは神を信じ、

その信仰が彼の義とみなされた』という聖書のことばが実現し、彼は神の友と呼ばれ

たのです。人は行いによって義と認められるのであって、信仰だけによるのではない

ことがわかるでしょう」

  ①ロマ書は、信仰とはなんであるかを教えている。

  ②ヤコブ書は、信仰とはなんでないかを教えている。

  ③その信仰が本物であれば、行動となって出て来る。

  ④アブラハムの場合が、そうであった。

(2)罪の女が示した感謝は、救われた結果である。

  ①彼女はイエスから、確証の言葉を受けた。

  ②信仰が行動に結びつく時、救いの確信が得られる。

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