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メシアの生涯(61)—獄中のバプテスマのヨハネ(1)—
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このメッセージは、バプテスマのヨハネの働きの意義について学ぼうとするものである。
「獄中のバプテスマのヨハネ(1)」
§057 マタ11:2~19、ルカ7:18~35
1.はじめに
(1)文脈の確認
①イエスのメシア性を示す2つの奇跡
*百人隊長のしもべの癒し(§55)
*やもめの息子の蘇生(§56)
②ヨハネの弟子たちが、2番目の奇跡をイエスに知らせた。
③そこでヨハネは弟子たちをイエスのもとに派遣し、質問をした。
(2)A.T.ロバートソンの調和表
バプテスマのヨハネからのメッセージとイエスの賞賛のことば(§57)
2.アウトライン
(1)ヨハネからの質問(2~3節)
(2)イエスの答え(4~6節)
(3)イエスによるヨハネの評価(7~15節)
(4)イエスによる「この時代」の評価(16~19節)
(今回は、(1)と(2)を取り上げる)
3.結論:現代的適用
(1)信仰の危機について
このメッセージは、バプテスマのヨハネの働きの意義について学ぼうとするものである。
Ⅰ.ヨハネからの質問(2~3節)
1.2節
「さて、獄中でキリストのみわざについて聞いたヨハネは、その弟子たちに託して、」
(1)当時ヨハネは、マカイロスの砦に幽閉されていた。
①この砦はヘロデ大王が建設したものである。
②死海の北端から約15キロ東側に入った所にある。
③イエスの時代のペレヤの南端に位置する。
(2)ヨハネの投獄について
①投獄されたという事実は、すでにマタ4:12で紹介されていた。
②投獄の理由は、マタ14:3~4で解説される。
「実は、このヘロデは、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕ら
えて縛り、牢に入れたのであった。それは、ヨハネが彼に、『あなたが彼女をめと
るのは不法です』と言い張ったからである」(マタ14:3~4)
③結局ヨハネは、この牢獄で斬首されることになる。
(3)KJVでは、2人の弟子たちとなっている。
①2つの写本にそう記されている。
②弟子たちは、ペレヤを北上し、ガリラヤ地方に入ったのであろう。
③当時イエスは、ナイン近辺にいた。
2.3節
「イエスにこう言い送った。『おいでになるはずの方は、あなたですか。それとも、私た
ちは別の方を待つべきでしょうか』」
(1)ヨハネが弟子たちを送った理由
①イエスは、汚れに触れている。
②ユダヤ人の指導者たちは、イエスを拒否している。
③民衆も、イエスをメシアとして受け入れる段階には至っていない。
④それにしても、自分はどうして獄中にいるのか。
(2)「おいでになるはずの方」とは、メシア称号である。
①詩40:7
「その時わたしは言った、『見よ、わたしはまいります。書の巻に、わたしのため
にしるされています』」(口語訳)
②詩118:26
「【主】の御名によって来る人に、祝福があるように。私たちは【主】の家から、
あなたがたを祝福した」
③マコ11:9~10
「そして、前を行く者も、あとに従う者も、叫んでいた。『ホサナ。祝福あれ。主
の御名によって来られる方に。祝福あれ。いま来た、われらの父ダビデの国に。
ホサナ。いと高き所に』」
④ルカ13:35
「見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。わたしはあなたがた
に言います。『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがたの言うと
きが来るまでは、あなたがたは決してわたしを見ることができません」
(3)獄中にあるヨハネの信仰が、一時的に揺らいでいる。
①イエスはメシアなのか。
②あるいは別の人物が登場するのか。
③イエスからの確証が欲しい。
Ⅱ.イエスの答え(4~6節)
1.4~5節
「イエスは答えて、彼らに言われた。『あなたがたは行って、自分たちの聞いたり見たり
していることをヨハネに報告しなさい。目の見えない者が見、足のなえた者が歩き、ツァ
ラアトに冒された者がきよめられ、耳の聞こえない者が聞き、死人が生き返り、貧しい者
たちに福音が宣べ伝えられている」
(1)ヨハネに報告する内容
①聞いていること
②見ていること
(2)見ていること
①盲人の癒し
②足のなえた者の癒し
③ツァラアトの癒し
*これは、メシア的奇跡である。
④耳の聞こえない者の癒し
*耳の聞こえない人からの悪霊の追い出しは、メシア的奇跡である。
⑤死者の蘇生
(3)聞いていること
①貧しい者たちに福音が語られている。
②宗教的指導者たちは、貴族や金持ちに関心を向けた。
③イエスは、貧しい者たちに福音を語った。
(4)旧約聖書のメシア預言
①イザ35:5~6
「そのとき、目の見えない者の目は開き、耳の聞こえない者の耳はあく。そのと
き、足のなえた者は鹿のようにとびはね、口のきけない者の舌は喜び歌う。荒野
に水がわき出し、荒地に川が流れるからだ」
②イザ61:1
「神である主の霊が、わたしの上にある。【主】はわたしに油をそそぎ、貧しい者
に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。捕
らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、」
*この聖句は、イエスがナザレの会堂で引用したものである。
(5)今は、恵みの時である。
①メシアによる裁きは確実にあるが、それは千年王国が成就する直前のこと。
2.6節
「だれでもわたしにつまずかない者は幸いです」
(1)もし普通の人がこれを口にしたなら、その人は傲慢である。
①このことばは、イエスのメシア宣言である。
(2)このことばは、ヨハネへの叱責ではない。
①当時の人たちが抱いていたメシア像は、勝利の王としてのそれである。
②ヨハネもまた、同様のメシア像を持っていた。
③それゆえ、自分が解放されないことへの疑問があった。
④しかし、イエスは「しもべとしてのメシア像」を示された。
3.次回の学び
(1)イエスは群衆に向かって話し始める。
①群衆の誤解を解くためである。
(2)イエスのメッセージの内容
①イエスによるヨハネの評価(7~15節)
②イエスによる「この時代」の評価(16~19節)
結論:信仰の危機について
1.アブラハムの場合
(1)エジプトに下った(創12:10~20)。
①妻サライを妹だと言い、パロに奪われそうになった。
(2)自分の期待と現実の間にギャップがあった。
2.モーセの場合
(1)岩を2度打った(民20:2~12)。
①これは、不信仰の罪、神のことばへの冒涜である。
②それゆえ、モーセとアロンは、約束の地に入ることができなくなった。
(2)モーセは自分の感情をコントロールできなくなっていた。
3.ダビデの場合
(1)姦淫と殺人の罪を犯した(2サム11章)。
①ダビデ契約(無条件契約)のゆえに、王座からは追われなかった。
(2)成功者の傲慢と油断であろう。
4.エリヤの場合
(1)自殺願望を持った(1列19章)。
①カルメル山での大勝利の後、イゼベルの脅かしに恐れを感じた。
(2)燃え尽き症候群であろう。
5.バプテスマのヨハネの場合
(1)獄中で信仰の揺れを覚えた。
①イエスのメッセージ中に、ヨハネを叱責することばはない。
(2)自分の期待と現実の間にギャップがあった。
6.普遍的要素
(1)信仰の揺れは、すべての聖徒たちが通過する体験である。
(2)一時的に信仰が後退することと、永遠に不信仰であることとは別問題である。
(3)上記5人の信仰者たちは、すべて信仰を全うして死んでいった。
(4)信仰回復に必要な要素
①悔い改めの告白
②みことばによる確証
③「かすかな細い声」を聞き分けること
(例話)説教学の授業。大声で語るメッセージへの戒め。
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