メシアの生涯(60)—死に対する権威—

  • 2013.05.20
  • ルカ7章:11〜17
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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このメッセージは、イエスの憐みについて学ぼうとするものである。

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「死に対する権威」

§056 ルカ7:11~17

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①山上の垂訓は終わった。

②福音書のこの辺りでは、イエスの教えと奇跡が、交互に出て来る。

    ③奇跡は、イエスがメシアであり、その教えに権威があることの「しるし」。

      *ユダヤ人はしるしを求めた。

    ④イエスのメシア性を示す2つの奇跡

*百人隊長のしもべの癒し(§55)

*やもめの息子の蘇生(§56)

      ⑤今回は、2番目の奇跡を取り上げる。

      ⑥これ以降、イエスのメシア性を巡る論争に入って行く。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

ナインで起こったやもめの息子の蘇生(§56)

2.アウトライン

  (1)問題の発生(11~12節)

  (2)イエスの対応(13~14節)

  (3)結果(15~17節)

  3.結論:現代的適用

    (1)文脈を意識することの重要性

      ①特に、歴史的文脈に注目する。

    (2)イエスの憐み

    (3)私たちが受ける救いの型

このメッセージは、イエスの憐みについて学ぼうとするものである。

Ⅰ.問題の発生(11~12節)

   1.11節

  「それから間もなく、イエスはナインという町に行かれた。弟子たちと大ぜいの人の群れ

がいっしょに行った」

   (1)カペナウムからナインへ

    ①カペナウムの南西約30キロの町。旧約聖書にはその名は出ていない。

    ②かつては大いに栄えた町であったようだが、今では小さな村である。

    ③ヨセフスは、ガリラヤからエルサレムに上る途中にある町だと書いている。

    ④イズレエルとカルメル山は、イズレエルの谷の中央と西を抑えている。

⑤その間に、タボル山、ナザレ、メギド、そしてナインなどが位置する。

⑥タボル山からナインまでは、車で1時間弱である。

    (例話)ヨッシーの質問 新約聖書ではナインについてどう書かれているのか。

  (2)イエスの後には、弟子たちと大勢の群衆が付いて来ていた。

    ①喜びと希望に満ちた行列である。

2.12節

「イエスが町の門に近づかれると、やもめとなった母親のひとり息子が、死んでかつぎ出

されたところであった。町の人たちが大ぜいその母親につき添っていた」

  (1)ナインの町には城壁はなかった。

    ①家並の間の空間にある門で、道路がそこから町に中に入っていたのであろう。

  (2)葬送の行列がイエスの行列とぶつかった。

    ①当時の習慣では、葬送の列が来ると、仕事を止めて参加することになっていた。

    ②この葬送は、非常に悲劇的であった。

      *ひとり息子の死(男性の親族がいるようには思えない)

      *「青年」(ネアニスコス)は、40歳以下の者を指す言葉である。

      *ひとり息子に死なれたやもめは、共同体の慈善に頼るしかない。

      *やもめの保護は、旧新約聖書の主要テーマである。

      *特に、神との契約の中の条項として取り上げられる(申命記が重要)。

      *新約聖書では、1テモ5:3~16を参照。

    ③こういう場合は、母親が先頭、次に棺、その後に町の人たちが付いた。

  (3)ここには、2つの異なる性質のものの衝突がある。

    ①悲しみと喜び

    ②汚れと聖さ

    ③死と命

    ④いずれが勝つのか、見てみよう。

Ⅱ.イエスの対応(13~14節)

1.13節

「主はその母親を見てかわいそうに思い、『泣かなくてもよい』と言われた」

   (1)当時の哲学者たちの言葉

  「泣いてはいけない。泣いても何もよいことはない」

  (2)イエスの言葉

  「泣かなくてもよい」

     ①イエスは、悲しみの原因を取り除くことができる。

    ②イエスは、これから解決を与えようとしておられる。

  (3)イエスの憐み

  「主はその母親を見てかわいそうに思い、」(新改訳)

  「主はこの母親を見て、憐れに思い、」(新共同訳)

  「主はこの婦人を見て深い同情を寄せられ、」(口語訳)

  「痛々しい母親の姿を見てかわいそうに思ったイエスは、」(リビングバイブル)

    ①ギリシア語では、「スプランクニゾマイ」という動詞である。

    ②語源は、「スプランクナ」(内臓、腸である。私たちは「心」と言う)である。

    ③直訳は、「同情のはらわたを持たれ」ということである。

  2.14節

「そして近寄って棺に手をかけられると、かついでいた人たちが立ち止まったので、『青

年よ。あなたに言う、起きなさい』と言われた」

    (1)葬送の列を妨害したり、止めたりするのは、律法違反である。

      ①棺をかついでいた人たちは、立ち止まった。

      ②イエスに対する信仰を持っていたのか、あるいは、権威に圧倒されたのか。

    (2)イエスは棺に手をかけられた。

      ①当時のユダヤ人たちは、箱型の棺は使用していなかった。

      ②一枚の板に死体を載せて運んでいた。

      ③棺に触れると、1日の間汚れた者となる。

      「汚れた者が触れるものは、何でも汚れる。その者に触れた者も夕方まで汚れる」

(民19:22)

④死体に触れると、7日間汚れた者となる。

「どのような人の死体にでも触れる者は、七日間、汚れる」

(民19:11)

⑤死体に触れることは、ユダヤ教では最も強い汚れとなる。

⑥通常は、家族だけが死んだ者に触れる。

    (3)汚れが、汚れていない人に影響を与える。

      ①イエスの場合はその逆で、影響力はイエスから汚れた物に向かって流れた。

  (4)「青年よ。あなたに言う、起きなさい」

     ①ことばを発するだけで、死に勝利された。

    ②イエスのことばには、創造主の力と権威がある。

Ⅲ.結果(15~17節)

   1.15節

「すると、その死人が起き上がって、ものを言い始めたので、イエスは彼を母親に返され

た」

   (1)死人が起き上がって、ものを言い始めた。

    ①青年が生き返ったことの明確な証拠である。

  (2)イエスは、彼を母親に返された。

    ①青年に信仰があったわけではない。

    ②母親に信仰があったわけでもない。

    ③受ける側の信仰は問われていない。

④イエスの憐みが、この奇跡を起こしたのである。

2.16節

「人々は恐れを抱き、『大預言者が私たちのうちに現れた』とか、『神がその民を顧みてく

ださった』などと言って、神をあがめた」

  (1)人々は恐れを抱いた。

    ①人々とは、ユダヤ人の指導者たちではなく、一般庶民である。

  (2)人々は神をあがめた。

    ①エリヤやエリシャを思い出し、「大預言者」と言っている。

    ②神がその民を顧みてくださった。

    ③彼らは、神ご自身が人の姿を取って来てくださったことまでは知らなかった。

3.17節

「イエスについてこの話がユダヤ全土と回りの地方一帯に広まった」

  (1)バプテスマのヨハネの話につながっていく。

結論:

  1.文脈を意識することの重要性

    (1)特に、歴史的文脈に注目する。

    (2)地理的情報(アハブ王の時代)

①エリヤの活動場所は、イズレエル、カルメル山。

②エリシャの活動場所は、シュネム、カルメル山。

    (3)エリヤとエリシャの奇跡

      ①エリヤは、ツァレファテのやもめの息子を蘇生させた(1列17:17~24)。

        ・3度身を伏せた。

      ②エリシャは、シュネムのやもめの息子を蘇生させた(2列4:4~37)。

        ・身を伏せた。息子は7回くしゃみをした。

      ③しかしイエスは、ことばだけでいやした。

    (4)人々は、この奇跡によってイエスをエリヤとエリシャの再来として理解した。

    (5)日本人とキリスト教の関係を歴史的文脈の中で考える。

      ①徳川幕府による禁教令以前の日本人は、相当数の者がキリスト教を受容した。

      ②禁教令以降、キリスト教は邪宗門となった。

      ③キリシタン時代の歴史と日本人の精神性を掘り起こす作業が、伝道のために有

効であろう。

  2.イエスの憐み

    (1)ルカは、イエスが助けた3人の子どもたちの話を記録している。

      ①ナインのやもめの息子の蘇生(ルカ7:11~17)

      ②会堂管理者ヤイロの娘の蘇生(12歳くらい)(ルカ8:42)

      ③悪霊につかれた息子の解放(ルカ9:38)

    (2)この3人は、全員「ひとり子」である。

      ①イエスの憐みは、ひとり子のために嘆いている親に向けられた。

      ②父なる神と子なる神の痛みが、その背景にあるように感じられる。

    (3)ヨハ3:16

    「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を

信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである」

  3.私たちが受ける救いの型

    (1)この奇跡の記録は、文字通りに解釈する必要がある。

    (2)と同時に、適用としては、霊的救いの型になっていると考えられる。

      ①私たちは霊的に死んでいた。

    「あなたがたは自分の罪過と罪との中に死んでいた者であって、そのころは、それら

の罪の中にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者として今も不従順の

子らの中に働いている霊に従って、歩んでいました」(エペ2:1~2)

    *無力であった。

    *助けを求めることさえできなかった。

  ②神はイエスを送ってくださった。

「しかし、あわれみ豊かな神は、私たちを愛してくださったその大きな愛のゆえに、

罪過の中に死んでいたこの私たちをキリストとともに生かし、──あなたがたが救わ

れたのは、ただ恵みによるのです──キリスト・イエスにおいて、ともによみがえら

せ、ともに天の所にすわらせてくださいました。それは、あとに来る世々において、

このすぐれて豊かな御恵みを、キリスト・イエスにおいて私たちに賜る慈愛によって

明らかにお示しになるためでした。あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救わ

れたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。行いによ

るのではありません。だれも誇ることのないためです」(エペ2:4~9)

    *この青年は、それ以降どういう生涯を送ったのだろうか。

    *イエス・キリストの憐みと力を証ししたに違いない。

    *私たちの将来の目標は決まっている。

    *私たちは、神の作品である。

    *良い行いをするために、キリスト・イエスにあって造られた。

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