メシアの生涯(59)—病に対する権威—

  • 2013.05.13
  • ルカ7章:1〜10
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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このメッセージは、驚きと信仰について学ぼうとするものである。

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「病に対する権威」

§055 マタ8:5~13、ルカ7:1~10

1.はじめに

  (1)イエスは山上の垂訓を終えて、カペナウムに帰った。

  (2)文脈の確認

    ①福音書のこの辺りでは、イエスの教えと奇跡が、交互に出て来る。

    ②奇跡は、イエスがメシアであり、その教えに権威があることの「しるし」。

    ③1コリ1:22~24

    「ユダヤ人はしるしを要求し、ギリシヤ人は知恵を追求します。しかし、私たち

は十字架につけられたキリストを宣べ伝えるのです。ユダヤ人にとってはつまず

き、異邦人にとっては愚かでしょうが、しかし、ユダヤ人であってもギリシヤ人

であっても、召された者にとっては、キリストは神の力、神の知恵なのです」

      *ユダヤ人の特徴は、「しるしを見たら信じる」ということ。

      *ギリシア人の特徴は、「理性的探求によって信じる」ということ。

      *求道者には、ユダヤ型とギリシア型がある。

    ④これから2つの奇跡が起こるが、これによって、イエスのメシア性の証明の箇

所は終わる。

    ⑤それ以降、イエスのメシア性を巡る論争が始まる。

  (3)A.T.ロバートソンの調和表

    百人隊長のしもべの癒し(§55)

      並行記事 マタ8:5~13

2.アウトライン

  (1)問題の発生(1~5節)

  (2)イエスの対応(6~9節)

  (3)結果(10節)

  3.結論:現代的適用

    (1)ルカの福音書の中の「驚き」について

    (2)異邦人の信仰について

このメッセージは、驚きと信仰について学ぼうとするものである。

Ⅰ.問題の発生(1~5節)

   1.1節

「イエスは、耳を傾けている民衆にこれらのことばをみな話し終えられると、カペナウム

に入られた」

(1)カペナウムは、イエスが自ら選んだホームタウンである。

  (2)イエスはここを伝道の拠点とされた。

  (3)イエスここで、多くの奇跡を行われた。

2.2~5節

「ところが、ある百人隊長に重んじられているひとりのしもべが、病気で死にかけていた。

百人隊長は、イエスのことを聞き、みもとにユダヤ人の長老たちを送って、しもべを助け

に来てくださるようお願いした。イエスのもとに来たその人たちは、熱心にお願いして言

った。『この人は、あなたにそうしていただく資格のある人です。この人は、私たちの国

民を愛し、私たちのために会堂を建ててくれた人です』」

   (1)百人隊長

    ①通常は、60人~80人の兵士を統治し、指揮する。

    ②ローマ帝国の軍政においては、百人隊長が主要な骨格を形成していた。

    ③由緒ある家系の出で、非常に魅力的な人が多かった。

  (2)しもべが死にかけていた。

    ①この時代、主人がしもべのことをこれほど気にかけるのは、珍しいことである。

    ②当時のローマ兵の職務への献身の度合い

      *兵役に就いている約20年間は、結婚をしない。

      *ただし、派遣された地で妾を持つことが多かった。

      *ローマ帝国は、この程度のことは目こぼしをした。

      *ただし、百人隊長が妾を持つことは稀であった。

      *任地が他の兵士よりも短期で変わる。高潔な人格を持っていた。

    ③百人隊長にとっては、病気のしもべは家族同然の存在であったのだろう。

  (3)ユダヤ人の長老たち

    ①彼らはラビたちである。

    ②ラビたちが、異邦人の百人隊長の代理となるのは、極めて珍しいケースである。

    ③さらに、ラビたちはイエスをメシアとは信じていないのである。

    ④しかも彼らは、イエスに熱心にお願いした。

  (4)ラビたちが行動した理由

    ①この百人隊長は、イスラエル人を愛していた。

    ②その愛は、会堂建設となって表現された。

  (5)マタイの福音書では、百人隊長が直接イエスのもとに来ている。

    ①ルカは事実を書いている。

    ②マタイは要約を書いている(代理人を派遣することは、本人が行くことである)。

Ⅱ.イエスの対応(6~9節)

1.6~8節

「イエスは、彼らといっしょに行かれた。そして、百人隊長の家からあまり遠くない所に来られたとき、百人隊長は友人たちを使いに出して、イエスに伝えた。『主よ。わざわざおいでくださいませんように。あなたを私の屋根の下にお入れする資格は、私にはありません。ですから、私のほうから伺うことさえ失礼と存じました。ただ、おことばをいただかせてください。そうすれば、私のしもべは必ずいやされます。と申しますのは、私も権威の下にある者ですが、私の下にも兵士たちがいまして、そのひとりに『行け』と言えば行きますし、別の者に「来い」と言えば来ます。また、しもべに「これをせよ」と言えば、そのとおりにいたします』」

   (1)イエスが百人隊長の家に行くのは、例外的なことである。

    ①百人隊長は、「神を恐れる異邦人」であった。

    ②彼には、儀式的汚れが残っていた。

    ③特に食物規定上の問題があった。

    ④ラビたちが例外を設けることをイエスに願ったので、イエスはそれに応答した。

  (2)ここにも、マタイとルカの記述の違いがある。

    ①マタイでは、百人隊長自身が語っている。

    ②ルカでは、百人隊長は友人たちを使いに出している。

      *彼らは、百人隊長によって送られた2つ目のグループである。

    (3)百人隊長の謙遜

      ①ラビたちは、「この人は、あなたにそうしていただく資格のある人です」(4節)

      と語っていた。

      ②彼自身は、「あなたを私の屋根の下にお入れする資格は、私にはありません」

と語っている。

③また、「ですから、私のほうから伺うことさえ失礼と存じました」と語ってい

る。

    (4)百人隊長の信仰

      ①彼は、権威の意味を体験的に知っていた。

        *彼の指揮下には、100人近い兵士たちがいた。

        *兵士は、上官の命令によって動く人たちであった。

        *彼自身もまた、上官の指揮下に置かれていた。

        *上官の命令が下れば、有無を言わさず従った。

      ②彼は、イエスには権威があり、病はその権威に服すると信じていた。

        *そこで、イエスのことばだけを求めた。

  2.9節

  「これを聞いて、イエスは驚かれ、ついて来ていた群衆のほうに向いて言われた。『あな

たがたに言いますが、このようなりっぱな信仰は、イスラエルの中にも見たことがありま

せん』」

  (1)福音書では、イエスは2度驚いている。

    ①マコ6:6

    「イエスは彼らの不信仰に驚かれた。それからイエスは、近くの村々を教えて回

られた」

  *ナザレは、イエスの故郷である。イエスにとって最も身近な町。

  *ナザレは、イスラエル全体の象徴である。

  *そのナザレの人々が、不信仰な態度を示した。

②ルカ7:9

  *イエスは、異邦人の百人隊長の信仰に驚いた。

  *ルカは、異邦人の信仰の進展を描いている。

  *それが、この箇所で、マタイよりもルカの情報の方が豊富な理由である。

  *イスラエル人の中でこの異邦人のような信仰を発揮した人はいない。

    (2)マタ8:10~12

    「イエスは、これを聞いて驚かれ、ついて来た人たちにこう言われた。『まことに、

あなたがたに告げます。わたしはイスラエルのうちのだれにも、このような信仰を見

たことがありません。あなたがたに言いますが、たくさんの人が東からも西からも来

て、天の御国で、アブラハム、イサク、ヤコブといっしょに食卓に着きます。しかし、

御国の子らは外の暗やみに放り出され、そこで泣いて歯ぎしりするのです』」

  「天の御国」とは、千年王国(メシア的王国)のことである。

  ②「たくさんの人が東からも西からも来て」は、多くの異邦人の救いを示す。

  ③「天の御国で、アブラハム、イサク、ヤコブといっしょに食卓に着きます」は、

千年王国における祝された生活を示す。

「御国の子ら」は、ユダヤ人として生まれたなら御国に入れると考えていた信

仰のないユダヤ人たちを示す。

⑤ユダヤ人といえども、信仰がなければ滅びる。

Ⅲ.結果(10節)

   1.10節

  「使いに来た人たちが家に帰ってみると、しもべはよくなっていた」

    (1)この癒しは、百人隊長のイエスの対する信仰のゆえに起こったものである。

      ①イエスは、百人隊長が信じた通り、病に対する権威を示された。

    (2)ユダヤ人の間には、奇跡を行う人の記録が流布していた。

      ①しかし、距離が離れた人を癒したという記録はない。

      ②それゆえ、この奇跡は特別なものとなった。

    (3)イエスのメシア性は、再び示された。

      ①やもめの息子の蘇生(7:11~17)により、「メシア性の証明」は終わる。

      ②それから先は、「イエスのメシア性に関する論争」のテーマが展開される。

結論:

  1.ルカの福音書の中の「驚き」について

(1)今は、驚きのない時代である。

①しかし、驚きはルカの福音書を貫くひとつのテーマである。

(2)ギリシア語では「サウマゾウ」である。

    ①1:21 ザカリヤが神殿で暇取った時、人々は不思議に思った。

    ②1:63 ザカリヤが「彼の名はヨハネ」と書いた時、人々は驚いた。

    ③2:18 羊飼いの話しを聞いて、人々は驚いた。

    ④2:33 預言者シメオンが幼子について語ることに、イエスの両親は驚いた。

    ⑤4:22 ナザレでのイエスのメッセージを聞き、人々は驚いた。

    ⑥7:9 イエスは百人隊長の信仰に驚いた。

    ⑦8:25 嵐を静める奇跡を見て、弟子たちは驚いた。

⑧9:43 悪霊の追い出しを見て、人々は驚いた。

⑨11:14 口をきけなくする悪霊の追い出しを見て、人々は驚いた。

⑩11:38 イエスが食前の清めをしないので、パリサイ人は驚いた。

⑪20:26 律法学者、長老たちによって送られた間者は、イエスの知恵ある答え

に驚いた。

⑫24:12 ペテロは、墓の中に亜麻布だけがあるのを見て、驚いた。

⑬24:41 復活のイエスを見た弟子たちは、嬉しさのあまり信じられず、驚いて

いた。

    (3)私たちは、福音書に記録されたイエスを見て驚き、信仰に導かれる。

      ①イエスは、不思議な誕生を経験された方。

      ②イエスは、自らがメシアであると宣言された方。

      ③イエスは、自然界に対する権威をお持ちの方。

④イエスは、悪霊に対する権威をお持ちの方。

⑤イエスは、人間が作った律法を否定される方。

⑥イエスは、いかなる問いにも答えることのできる知恵ある方。

⑦イエスは、死に対する権威をお持ちの方。

  2.異邦人の信仰について

    (1)ルカは、異邦人の信仰に光を当てている福音記者である。

      ①先に行くほど、異邦人の信仰が広がって行く。

    (2)ルカは、4人の百人隊長を取り上げている。

      ①ルカ7章のカペナウム在住の百人隊長

        *その信仰によって、イエスを驚かせた。

        *彼は、イスラエルを愛し、祝福した異邦人である。

        *アブラハム契約のゆえに、彼は祝福を受けた(創12:3)。

      ②ルカ23:47の百人隊長

      「この出来事を見た百人隊長は、神をほめたたえ、『ほんとうに、この人は正し

い方であった』と言った」

  *マルコは、「神の子」としている。

  *ルカの読者には、無実であるということが大きな意味を持った。

③使10章のコルネリオという百人隊長

  *彼は、異邦人で最初の信者となった。

  *彼は、神を恐れる異邦人であった。

  *彼もまた、アブラハム契約のゆえに祝福を受けた。

  「彼は敬虔な人で、全家族とともに神を恐れかしこみ、ユダヤの人々に多く

の施しをなし、いつも神に祈りをしていたが、」(使10:2)

      ④使27章のユリアスという百人隊長

        *彼は、親衛隊の百人隊長であった。

        *非常な栄誉が伴う隊である。

        *彼は、パウロの命を助けた。

「しかし百人隊長は、パウロをあくまでも助けようと思って、その計画を押

さえ、泳げる者がまず海に飛び込んで陸に上がるように、それから残りの者

は、板切れや、その他の、船にある物につかまって行くように命じた。こう

して、彼らはみな、無事に陸に上がった」(使27:43~44)

    (3)4人の百人隊長は、私たちの信仰の手本である。

      ①権威の意味を知っていた。

      ②アブラハム契約の祝福を受けた。

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