私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
メシアの生涯(47)—12使徒の選抜‐ピリポ、ナタナエル-—
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
ピリポとナタナエルの人生から教訓を学びます。
「12使徒の選抜‐ピリポ、ナタナエル-」
§053 マコ3:13~19、ルカ6:12~16
1.はじめに
(1)宣教の拡大のために、使徒たちを選抜し、彼らを各地に派遣する段階になった。
(2)12使徒のリストは、4ヶ所に出て来る。
①マコ3章、マタ10章、ルカ6章、使1章
②同名の者、別名を持つ者などがいて、非常に難解である。
(3)A.T.ロバートソンの調和表
(§53)徹夜の祈りの後、イエスは12使徒を選ぶ。
マコ3:13~19、ルカ6:12~16
(4)これまでに4人取り上げた。
①ペテロ:キーマン
②アンデレ:紹介者
③ヤコブ:天国への一番槍
④ヨハネ:主が愛された弟子
(5)今回は、第2組の最初の2人を取り上げる。
⑤ピリポと⑥ナタナエル(バルトロマイ)
<12使徒の歌(ルカ6:14~16)>
1. イエスの使徒たち12人、彼らは全員20代、
1組4人で活動し、御国の福音伝えます。
2. ペテロが最初の長(おさ)となり、弟アンデレそこに付き、
ヤコブとヨハネの兄弟も、 御国のために仕えます。
3.ピリポの組の者たちは、バルトロ、別名ナタナエル、
マタイ、もとは取税人、トマス、あだ名がデドモ(双子)です。
4. ヤコブの父はアルパヨで、シモンの前歴熱心党、
別名タダイのユダがいて、 裏切り者のユダ最後。
2.アウトライン
(1)ピリポ
①概略の紹介
②5000人のパンの奇跡の場面
③ギリシア人訪問の場面
④最後の晩餐の場面
(2)ナタナエル
①概略の紹介
②イエスとの出会い
③復活のイエスとの出会い
3.結論
(1)ピリポの性格
(2)ナタナエルの性格
このメッセージは、ピリポとナタナエルの人生から教訓を学ぼうとするものである。
Ⅰ.ピリポ
1.概略の紹介
(1)ベツサイダの出身
①「house of fishing」という意味
②カペナウムに近かったと思われる。
③ペテロとアンデレは、ベツサイダ出身であった。
(2)恐らくバプテスマのヨハネの弟子であろう。
「その翌日、イエスはガリラヤに行こうとされた。そして、ピリポを見つけて『わた
しに従って来なさい』と言われた」 (ヨハ1:43)
①彼はイエスによって招かれて、イエスの弟子となった。
②ユダヤ的習慣では、弟子志願者から申し出ることになっていた。
③彼はその招きにただちに応答した。
(3)彼は、ナタナエルにイエスを紹介した。
「彼はナタナエルを見つけて言った。『私たちは、モーセが律法の中に書き、預言者
たちも書いている方に会いました。ナザレの人で、ヨセフの子イエスです』」
(ヨハ1:45)
①アンデレとペテロの場合は、直感的、行動的である。
②ピリポの場合は、理性的である。
③「モーセが律法の中に書き、預言者たちも書いている方」
(例話)第4回「再臨待望聖会」の講師セツ・ポステル師
(4)ピリポとナタナエルは、同時に出て来ることが多い。
①ふたりは似たようなタイプの人物である。
2.5000人のパンの奇跡の場面
「イエスは目を上げて、大ぜいの人の群れがご自分のほうに来るのを見て、ピリポに言わ
れた。『どこからパンを買って来て、この人々に食べさせようか』」。もっとも、イエスは、
ピリポをためしてこう言われたのであった。イエスは、ご自分では、しようとしているこ
とを知っておられたからである。ピリポはイエスに答えた。『めいめいが少しずつ取るに
しても、二百デナリのパンでは足りません』」 (ヨハ6:5~7)
(1)この質問は、ピリポを試すためのものであった。
①ギリシア語で「ペイラゾウ」(英語でprove)である。
②決して悪い意味ではない。
③これは、弟子訓練の一環である。
(2)なぜ試す必要があったのか。
①ピリポの長所が欠点になっていたから。
②理性中心の信仰からの脱却が必要。
(3)ピリポの答えは、彼の特徴を反映させたものであった。
①彼はすばやく計算した。
②200デナリとは、労働者の200日分の賃金である。
(4)彼は、イエスの方法を目撃し、仰天したことであろう。
3.ギリシア人訪問の場面
「さて、祭りのとき礼拝のために上って来た人々の中に、ギリシヤ人が幾人かいた。この
人たちがガリラヤのベツサイダの人であるピリポのところに来て、『先生。イエスにお目
にかかりたいのですが』と言って頼んだ。ピリポは行ってアンデレに話し、アンデレとピ
リポとは行って、イエスに話した」 (ヨハ12:20~22)
(1)ピリポという名前は、新約聖書に4人出て来る。
①使徒ピリポ
②ヘロデ大王とマリアンメの息子、ヘロデ・ピリポ(ヘロデヤの元夫)
③ヘロデ大王とエルサレムのクレオパトラの息子、国主ピリポ
・ルカ3:1 「イツリヤとテラコニテ地方の国主」
④伝道者ピリポ
(2)ピリポというのはギリシア風の名前である。
①ギリシア的なものとの関連性がうかがえる。
②そう見ると、ギリシア人が最初にピリポに声をかけたのには理由がある。
(3)ピリポの対応は、彼の性質を反映させたものである。
①彼自身が、永遠の求道者なので、ギリシア人たちに同情できる。
②しかし、思慮深くなり過ぎて、自分で判断できない。
③それで直感型のアンデレに相談する。
(例話)投資セミナーに出た無学な人
4.最後の晩餐の場面
「ピリポはイエスに言った。『主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足しま
す』。イエスは彼に言われた。『ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、
あなたはわたしを知らなかったのですか。わたしを見た者は、父を見たのです。どうして
あなたは、「私たちに父を見せてください」と言うのですか』」 (ヨハ14:8~9)
(1)ピリポの願望は、彼の性質を反映させたものである。
①恐らく彼は、神の顕現か、シャカイナグローリーを見たいと願ったのであろう。
②人類の普遍的な願いである。
③行き着く先は、偶像礼拝である。
(2)イエスの回答は、驚愕の内容である。
①イエスを見た者は、父を見たのである。
Ⅱ.ナタナエル
1.概略の紹介
(1)ガリラヤのカナ出身
①恐らく漁師であろう。
②ヨハ21:2に登場する。
③ヨハネの福音書では、ナタナエル(神は与えた、God has given)で登場する。
④共観福音書では、バルトロマイ(トロマイの息子)で登場する。
(2)福音書に彼が登場するのは、2箇所だけである。
2.イエスとの出会い
「ナタナエルは彼に言った。『ナザレから何の良いものが出るだろう』」。ピリポは言った。
『来て、そして、見なさい』」。イエスはナタナエルが自分のほうに来るのを見て、彼につ
いて言われた。『これこそ、ほんとうのイスラエル人だ。彼のうちには偽りがない』」。ナ
タナエルはイエスに言った。『どうして私をご存じなのですか』。イエスは言われた。『わ
たしは、ピリポがあなたを呼ぶ前に、あなたがいちじくの木の下にいるのを見たのです』」。
ナタナエルは答えた。『先生。あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です』。イエ
スは答えて言われた。『あなたがいちじくの木の下にいるのを見た、とわたしが言ったの
で、あなたは信じるのですか。あなたは、それよりもさらに大きなことを見ることになり
ます』。そして言われた。『まことに、まことに、あなたがたに告げます。天が開けて、神
の御使いたちが人の子の上を上り下りするのを、あなたがたはいまに見ます』」
(ヨハ1:46~51)
(1)ピリポから紹介された。
①ナタナエルの反応は、「ナザレから何の良いものが出るだろう」であった。
②ガリラヤのカナ出身の彼は、ナザレのことをよく知っていた。
(2)イエスの応答
①「これこそ、ほんとうのイスラエル人だ。彼のうちには偽りがない」
*最高のほめことばである。
②イエスは、彼がどこで何をしていたかを言い当てた。
(3)ナタナエルの信仰告白
①「先生。あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です」
②この時点での理解は不完全であるが、イエスがメシアであることは認めた。
3.復活のイエスとの出会い
「この後、イエスはテベリヤの湖畔で、もう一度ご自分を弟子たちに現された。その現さ
れた次第はこうであった。シモン・ペテロ、デドモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナの
ナタナエル、ゼベダイの子たち、ほかにふたりの弟子がいっしょにいた」 (ヨハ21:1~2)
(1)ペテロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネが体験したことを、彼も体験した。
①最初の出会いの時に語られたことばを、彼は体験した。
(2)これ以外にも多くのことを体験したはずである。
結論:
1.ピリポは哲学者である。
(1)彼の長所は、知的、理性的であること(ギリシア的なものとの関連)
①ナタナエルに対して説得力がある。
②また、ギリシア人にもアピールする力がある。
(2)信じる前に、さまざまな角度から検証し、体験せねばならないタイプの人
①決して悪いことではない。
②しかし、それが彼の信仰の成長を阻んだ。
③イエスの弟子訓練は、そこを修正するためのものであった。
(3)復活のイエスの目撃者
①ヨハ20:24~25 トマスはいなかった。
②マタ28:16~20 大宣教命令を受けた。
②使1:13
「彼らは町に入ると、泊まっている屋上の間に上がった。この人々は、ペテロと
ヨハネとヤコブとアンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ、アルパヨ
の子ヤコブと熱心党員シモンとヤコブの子ユダであった」
2.ナタナエルはイスラエルの型である。
(1)ナザレから出る者への懐疑心
(2)イエス彼を、「まことのイスラエル人」(ヨハ1:47)(新共同訳)と呼ばれた。
①彼が黙想していた箇所は、ヤコブがベテルで神と出会う箇所である。
(3)彼は、復活のイエスを顔と顔を合わせて対面した(ヨハ21:1~14)。
(4)彼の姿は、イスラエルの救いを祈るための動機付けとなる。
①イエスを信じるユダヤ人は、「完成したユダヤ人」である。
週間アクセスランキング
60分でわかる旧約聖書(22)雅歌
【東京月例会最終回】中川洋の証 2024年⑥「新しい歩みの出発点に立つ」
Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。
コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15
イスラエル旅2023#087中川洋が語る:【鶏鳴教会】神を体験するためには
コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18