パートⅡ.旧約時代15章 南王国の崩壊

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南王国の崩壊について学ぶ。

パートⅡ.旧約時代

15章 南王国の崩壊

イントロダクション

1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。

(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。

(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。

2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)

3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)

    4章 カインとアベル

    5章 大洪水

    6章 バベルの塔

    7章 アブラハム契約

    8章 出エジプト

    9章 律法と幕屋

    10章 カナン定住と士師記の時代

    11章 士師記の時代から王制へ

    12章 ダビデ

    13章 ソロモン

    14章 北王国の崩壊

    15章 南王国の崩壊

4.アウトライン

(1)サタンの手先アタルヤ

(2)名君ヒゼキヤ

(3)悪王マナセ

(4)バビロンの王ネブカデネザル

南王国の崩壊について学ぶ。

Ⅰ.サタンの手先アタルヤ

1.ユダには19人の王と1人の女王が出現した。

(1)19人の王はダビデの家系から出たが、女王アタルヤだけがそうではなかった。

  ①19人の王の中で8人が名君(善王)である。

  ②サタンはメシアの出現を妨害するために、南王国の破壊を画策した。

  ③神は、名君を立てることによって、サタンの策略を阻止された。

(2)名君たちがいたので、南王国は北王国よりも長く継続することになる。

  ①しかし、南王国の民には偶像礼拝に傾斜していく傾向があった。

  ②最終的には、バビロンによって滅ぼされることになる。

  ③バビロンは、イスラエルの民を裁くために立てられた神の器でイスラエルの民を裁くために立てられた神の器である。

2.アタルヤは、聖書に登場する女性の中で、最も邪悪である。(2列11、2歴22~23)。

(1)父は北王国の王アハブ、母はフェニキア(シドン)の王女イゼベルである。

  ①南王国の王ヨラム(ヨシャパテの長男)の妻となり、数人の子を儲けた。

(2)アタルヤの息子たちは、ペリシテ人とアラビア人の攻撃を受けて殺される。

  ①末子アハズヤ(別名エホアハズ)だけが助かった(2歴21:17)。

  ②アハズヤは王となるが、エフーによって暗殺された(2列9:27〜29)。

  ③エフーは残虐な人物であるが、堕落した王たちを裁くための「神の道具」と

しての役割を忠実に果たした。

(3)アタルヤは、それを自分が南王国の女王になるための機会と捉えた。

  ①彼女は、王の一族(自分の孫たち)をすべて抹殺することにした。

  ②この行為は、神の計画に対する挑戦であった。

  ③神は、ダビデの子孫が南王国の王位を継承すると約束しておられた。

  ④もしダビデの血統が途絶えたなら、ダビデの子孫からメシアが誕生すると

いう神の計画は挫折する。

  ⑤つまり、アタルヤの背後でサタンが暗躍していたということである。

3.神は、サタンの策略を阻止された。

(1)孫たちの中から、末子ヨアシュ(わずか1歳)が救い出された。

  ①幼子は、アハズヤの姉妹のエホシェバによって救い出され、神殿に匿われた。

  ②まさに、「首の皮ひとつでつながった」とはこのことである。

  ③この幼子によって、ダビデの家系は守られた。

(2)7年後、大祭司エホヤダが、幼子ヨアシュを王として擁立するために動いた。

  ①エホヤダは、忠実な臣下たちを神殿に呼び寄せ、王位奪還の計画を開示した。

  ②彼らは、女王アタルヤを王宮まで連行して処刑した。

  ③かくして、ダビデの血統を抹殺しようとするサタンの計画は、阻止された。

Ⅱ.名君ヒゼキヤ

1.南王国が北王国よりも長く続いた理由

(1)善王の存在と彼らがもたらした何度かのリバイバル(信仰復興)

  ①その中で最大のものは、ヒゼキヤ王の下で起こったリバイバルである。

(2)ヒゼキヤは、北王国が滅びたときの南王国の王である。

  ①2列18:5

2Ki 18:5 彼はイスラエルの神、【主】に信頼していた。彼の後にも前にも、ユダの王たちの中で、彼ほどの者はだれもいなかった。

(3)彼は、晩年になって棄教するのではなく、最後まで律法を守り続けた。

  ①それゆえ【主】は、彼を祝福された。

  ②彼の信仰は、以下のような行動となって表れた。

    *神殿の修理と再建(2歴29:3〜36)

    *過越の祭りや他のイスラエルの祭りの実行(2歴30:1〜27)

    *種々の宗教改革(2歴31:2〜21)

(4)【主】は、ヒゼキヤの信仰を祝福し、彼に勝利をお与えになった。

  ①アッシリアのセナケリブがエルサレムに攻め上り、脅迫文を送って来たとき、ヒゼキヤは神殿に上り、それを【主】の前に広げて祈った。

  ②その夜、ユダの山地に宿営していたアッシリア軍の兵士たち18万5,000人が、【主】の使いによって打たれた。

  ③その後、セナケリブはニネベに帰還し、しばらくそこに住んだが、ニクロスの宮で礼拝していたとき、ふたりの息子がやって来て、彼を暗殺した。

  ④アッシリアの神ニクロスは、セナケリブを救うことができなかった。

  ⑤かくして、南王国を滅ぼそうとするサタンの策略は、再び無に帰した。

Ⅲ.悪王マナセ

1.何度か起こったリバイバルによって、南王国の民の霊性は高められた。

(1)それでも、偶像礼拝への傾斜が止むことはなかった。

  ①神は、その都度預言者たちを遣わされた。

  ②しかし、南王国が偶像礼拝の罪から離れることはなかった。

2.南王国で最悪の王は、マナセである。

(1)マナセは、12歳で(前697年)父ヒゼキヤとの共同統治を開始した。

  ①合計55年間王位にあった。

  ②2列21:2

2Ki 21:2 彼は、【主】がイスラエルの子らの前から追い払われた異邦の民の忌み嫌うべき慣わしをまねて、【主】の目に悪であることを行った。

(2)彼は、善王であった父ヒゼキヤの道ではなく、祖父アハズの悪の道に歩んだ。

  ①彼の悪行をリストアップすると、以下のようになる。

    *ヒゼキヤが破壊した高き所(偶像礼拝の場)を再建した。

    *バアルの祭壇を立てた。

    *アシェラ像(淫乱な像であろう)を作った。

    *アッシリアの天体礼拝を導入した。

    *【主】の宮に天体礼拝のための祭壇を築いた。

    *自分の子どものひとりをいけにえとして献げた。

    *卜占、まじない、霊媒や口寄せなどを行った。

  ②彼は、モーセの律法も、【主】が先祖たちに与えた約束も無視し、軽蔑した。③マナセが民を迷わせたので、民は誤った道を歩むようになり、最後は、かつてのカナン人たちよりも堕落した状態に陥った。

(3)彼の治世は、南北王朝のどの王よりも長く続いたが、その記述は短い。

  ①霊的視点から、特記すべき事項がほとんどなかったということである。

(4)マナセ、アモンと悪王が続いたが、次に登場したのが、名君ヨシヤである。

  ①彼はわずか8歳で王となり、31年間王座に就いた。

  ②彼の治世下で、ユダは平和、繁栄、改革を経験した。

  ③しかし、ヨシヤによるリバイバルも、南王国を救う力にはならなかった。

Ⅳ.バビロンの王ネブカデネザル

1.北王国を滅ぼしたのは、アッシリアであった。

(1)背教の民を裁くという役割を終えたアッシリアは、表舞台から退場する。

2.次に、裁きの器として立てられたのは、バビロンである。

(1)前597年、バビロン軍はエルサレムに侵攻し、神殿を略奪した。

  ①ユダヤ人の政治的、文化的指導者たちは、バビロンに連行された。

(2)その中には、預言者エゼキエルもいた。

  ①彼は、バビロン滞在中に非常に重要な幻を見せられた。

  ②神殿からシャカイナグローリーが去るという幻であった(エゼ8~11)。

  ③これは、神の守りが南王国から取り去られるということを意味していた。

  ④この預言の成就が、前586年のエルサレムの町と神殿の崩壊である。

  ⑤南王国は、約350年の歴史を終えた。

3.聖なる神は、北王国と南王国の罪を厳しく裁かれた。

(1)その結果が、アッシリア捕囚とバビロン捕囚である。

4.しかし神は、契約の民が全滅することをお許しにならなかった。

(1)少数の信仰者の群れ(イスラエルの残れる者)が残された。

(2)神の裁きは、神の民の霊性を矯正するためのものであった。

  ①神は、イスラエルの残れる者の中からメシアが出るように歴史を導かれた。

  ②神の国と悪魔の国の戦いは、まだまだ続く。

  ③次回は、バビロン捕囚の時代を取り上げる。

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