私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ルカの福音書(46)悪霊につかれた少年の癒し9:37~45
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
悪霊につかれた少年の癒しと受難の予告について学ぶ。
ルカの福音書 46回
悪霊につかれた少年の癒し
ルカ9:37~45
1.はじめに
(1)文脈の確認
①イエスのガリラヤ地方での奉仕(ルカ4:14~9:50)
②ルカ9:1~50は、そのクライマックスである。
③エルサレムへの旅(ルカ9:51~19:10)へのブリッジである。
④ルカ9:1~50の中心テーマは、弟子訓練である。
*教会時代への準備が始まる。
(2)ルカ9:1~45の内容
①12人の派遣(1~6節)
②挿入句的エピソード(ヘロデの心理状態)(7~9節)
③12人の帰還(10~17節)
④ペテロの信仰告白(18~27節)
⑤イエスの変貌(28~36節)
*教会時代に向けた弟子訓練である。
⑥悪霊につかれた少年の癒し(37~43節a)
*山頂で栄光の姿を現わしたイエスが、山麓で悪霊につかれた少年を癒す。
*イエスは、弟子たちにできないことを行われる。
⑦受難の予告(43b~45節)
*群衆は驚嘆したが、最終的には、彼らはイエスを拒否する。
*それがイエスの十字架の死につながる。
2.アウトライン
(1)悪霊につかれた少年の癒し(37~43節a)
(2)受難の予告(43b~45節)
3.結論:弟子訓練の内容
(1)信仰の欠如
(2)学ぶ力の欠如
(3)謙遜の欠如
(4)寛容の欠如
悪霊につかれた少年の癒しと受難の予告について学ぶ。
Ⅰ.悪霊につかれた少年の癒し(37~43節a)
1.37節
Luk 9:37
次の日、一行が山から下りて来ると、大勢の群衆がイエスを迎えた。
(1)ルカだけが「次の日」と書いている。
①変貌の出来事は、夜間起こったと考えられる。
*「ペテロと仲間たちは眠くてたまらなかったが、」(32節)とあった。
②山頂での栄光の現れと山麓での問題(罪と不信仰)との対比がある。
③私たちの人生においても、似たようなことが起こる。
*山頂の体験と麓の体験のくり返し
*イエスは、私たちが直面する現実の問題に介入してくださる。
(2)4人が山から下りて来ると、大勢の群衆がイエスを迎えた。
①彼らはイエスを待ちわびていた。彼らは、多くの必要を抱えていた。
②イエスの下山を一番待ちわびていた一人の人が登場する。
2.38~40節
Luk 9:38
すると見よ、群衆の中から、一人の人が叫んで言った。「先生、お願いします。息子を見てやってください。私の一人息子です。
Luk 9:39
ご覧ください。霊がこの子に取りつくと、突然叫びます。そして、引きつけを起こさせて泡を吹かせ、打ちのめして、なかなか離れようとしません。
Luk 9:40
あなたのお弟子たちに、霊を追い出してくださいとお願いしたのですが、できませんでした。」
(1)群衆の中から、一人の父親が叫んで言った。
①彼の一人息子が苦しんでいた。
②ルカだけが、「一人息子」と書いている。
(2)ルカは、この少年が「てんかん」持ちだとは書いていない。
①マタ17:15
Mat 17:15
こう言った。「主よ、私の息子をあわれんでください。てんかんで、たいへん苦しんでいます。何度も火の中に倒れ、また何度も水の中に倒れました。
②ルカは、少年の苦しみの原因は悪霊にあることを読者に示している。
③悪霊は、てんかんに似た症状を作り出していた。
④歴史上、「てんかん=悪霊つき」とされた時期があった。
⑤この少年の症状は、明らかに悪霊の攻撃によるものであった。
⑥悪霊が取りつくと、少年はてんかんのような症状を示した。
(3)弟子たちは無力であった。
①弟子たちは、長血の女を治すことができなった医者たちのようである。
②ルカ8:43
Luk 8:43 そこに、十二年の間、長血をわずらい、医者たちに財産すべてを費やしたのに、だれにも治してもらえなかった女の人がいた。
③これで、イエスの力と権威が発揮される舞台が整った。
④イエスは、弟子たちにできなかったことをされる。
3.41~42節
Luk 9:41
イエスは答えられた。「ああ、不信仰な曲がった時代だ。いつまで、わたしはあなたがたと一緒にいて、あなたがたに我慢しなければならないのか。あなたの子をここに連れて来なさい。」
Luk 9:42
その子が来る途中でも、悪霊は彼を倒して引きつけを起こさせた。しかし、イエスは汚れた霊を叱り、その子を癒やして父親に渡された。
(1)イエスが語ったことばは、申32:20を想起させる。
①神は、荒野を旅するイスラエルの民の不信仰を叱責された。
②申32:20
Deu 32:20
主は言われた。/「わたしの顔を彼らから隠し、/彼らの終わりがどうなるかを見よう。/彼らは、ねじれた世代、/真実のない子らであるから。
(2)イエスは、人々の信仰の欠如を嘆かれた。
①ルカは、イエスと父親の対話を省略している。
②マコ9:23~24
Mar 9:23 イエスは言われた。「できるなら、と言うのですか。信じる者には、どんなことでもできるのです。」
Mar 9:24 するとすぐに、その子の父親は叫んで言った。「信じます。不信仰な私をお助けください。」
③ルカは、イエスの力と権威に焦点を合わせている。
(3)イエスは汚れた霊を叱り、その子を癒やして父親に渡された。
①イエスは、ことばを発するだけで悪霊を追い出された。
②イエスは、その子を父親に渡された。
③ルカは、イエスのあわれみを強調している。
4.43節a
Luk 9:43a
人々はみな、神の偉大さに驚嘆した。
(1)この箇所の結論として、群衆の反応が取り上げられる。
①人々はみな、神の偉大さに驚嘆した。
②彼らは、イエスは神だという結論を出すべきであった。
③しかし彼らは、最終的にはイエスを拒否する。
④群衆の反応は、次のテーマである受難の予告へとつながっていく。
Ⅱ.受難の予告(43b~45節)
1.43b~44節
Luk 9:43b
イエスがなさったすべてのことに人々がみな驚いていると、イエスは弟子たちにこう言われた。
Luk 9:44
「あなたがたは、これらのことばを自分の耳に入れておきなさい。人の子は、人々の手に渡されようとしています。」
(1)悪霊に対する権威を持つイエスと、人々の手に渡される人の子の対比がある。
①イエスは、十字架への道を歩み始めておられた。
②イエスは、父なる神から与えられた運命を受けとめておられた。
③ルカ9:35
Luk 9:35 すると雲の中から言う声がした。「これはわたしの選んだ子。彼の言うことを聞け。」
④しかし弟子たちは、イエスの言うことに耳を傾けなかった。
(2)群衆は感銘を受けたが、イエスは、この状態は長続きしないことを知っていた。
①イエスは、弟子たちの注意を喚起した。
②「これらのことばを自分の耳に入れておきなさい」
③「人の子は、人々の手に渡されようとしています」
④これは、2度目の受難の予告である。
2.45節
Luk 9:45
しかし、弟子たちには、このことばが理解できなかった。 彼らには分からないように、彼らから隠されていたのであった。
彼らは、このことばについてイエスに尋ねるのを恐れていた。
(1)弟子たちには、このことばが理解できなかった。
①当時のユダヤ人たちが抱いていたメシア像の影響を受けていた。
*メシアは、栄光の王として地上に来られる。
*メシアが死ねば、神の計画は失敗に終わる。
②群衆の支持を受けているのだから、拒否されることはないという思い込み。
③イエスのことばを聞いていたが、その意味を理解することができなかった。
(2)「彼らには分からないように、彼らから隠されていたのであった」
①イエスのことばを理解できなかった理由は、不信仰と思い込みである。
②弟子たちがこの預言の意味を理解するのは、復活以降のことである。
③神の計画は、弟子たちの無理解にもかかわらず前進していく。
(3)「彼らは、このことばについてイエスに尋ねるのを恐れていた」
①彼らは、極めて人間的な理由で、イエスに質問するのを恐れた。
②聞きたくないことを聞かされるのを恐れた。
③彼らは、イエスが間もなく死ぬかもしれないということを恐れた。
結論:弟子訓練の内容
1.信仰の欠如(37~43節a)
(1)弟子たちは、少年から悪霊を追い出せなかった。
(2)イエスは、「ああ、不信仰な曲がった時代だ」と言われた。
2.学ぶ力の欠如(43b~45節)
(1)不信仰と思い込みが、弟子たちの理解力の妨げとなっていた。
(2)イエスの公生涯には、2つの秘密があった。
①メシア的秘密
*イエスは神が人となられたメシアである。
*民衆の表面的な信仰を避けるために、このことが秘密にされた。
*この真理は、徐々に明らかにされていく。
*勝利の入城の際に、この真理が全面的に啓示される。
②メシア受難の秘密
*弟子たちにのみ、メシア受難の予告が徐々に与えられた。
*復活によって、その予告の意味が明らかにされる。
3.謙遜の欠如(46~48節)
(1)弟子たちは、誰が一番偉いかという議論を始める。
4.寛容の欠如(49~50節)
(1)ヨハネは、外部の人間を排除し始める。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(9)信頼回復の訴え―パウロの喜び―7:5~16
ヨハネの福音書(14)第4と第5のしるしヨハ6:1~21
Q415 教会内に名目だけの信者 がいるとは、どういう意味ですか。
コリント人への手紙第二(8)信頼回復の訴え―開かれた心―6:11~7:4
イスラエル旅2023#082中川牧師とめぐる旅:【主の涙の教会】エルサレムを見て涙されたイエス②
60分でわかる旧約聖書(26)エゼキエル書