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メシアの生涯(33)—ペテロの姑の癒し—
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このメッセージでは...
イエスの権威に対する応答について学びます。
「ペテロの姑の癒し」
§043 マコ1:29~34、マタ8:14~17、ルカ4:38~41
1.はじめに
(1)カペナウムを拠点とした伝道が始まった。
①戦略的な選択
②預言の成就
③イエスの権威は、悪霊の追い出しによって示された。
(2)A.T.ロバートソンの調和表
ペテロの姑の癒し(§43)
2.アウトライン(交差対句法。キアスモス)
(1)悪霊の追い出し(4:31~37の復習)
(2)病の癒し(4:38~39)
(3)病の癒し(4:40)
(4)悪霊の追い出し(4:41)
3.メッセージのゴール
(1)ペテロの人物像
(2)クリスチャンの奉仕
このメッセージは、イエスの権威に対する応答について学ぼうとするものである。
Ⅰ.悪霊の追い出し(4:31~37。前回はマコ1:21~28を取り上げた)
1.権威ある教え
(1)律法学者のようではない。
①父なる神から、直接権威を受けていた。
2.悪霊が真っ先に反応した。
(1)イエスの名前を知っていた。
①イエスを「神の聖者」と呼んだ。
②イエスが悪霊集団にとって危険な人物であることを知っていた。
3.イエスは悪霊を追い出した。
(1)イエスは、悪霊の証言を認めなかった。
①悪霊は嘘つきである。
(2)ことばで命じただけで、悪霊は出て行った。
①ユダヤ人の悪霊追い出しの方法とは異なる。
②これもまた、人々の驚きに理由であった。
(3)悪霊の追い出しは、完璧であった。
①直ちに悪霊が出て行った。
②その人には何の傷も、後遺症もなかった。
③医者ルカは、こう記している。
「するとその悪霊は人々の真ん中で、その人を投げ倒して出て行ったが、その人
は別に何の害も受けなかった」(ルカ4:35b)
Ⅱ.病の癒し(4:38~39)
1.38節
「イエスは立ち上がって会堂を出て、シモンの家に入られた。すると、シモンのしゅうと
めが、ひどい熱で苦しんでいた。人々は彼女のためにイエスにお願いした」
(1)会堂からシモンの家へ
①「立ち上がって」とは、説教者の席から立ってという意味であろう。
②会堂での礼拝を終えると、帰宅して食卓に着くのが当時の習慣である。
③会堂からシモンの家までは、徒歩で1~2分の距離である。
「ある安息日に、食事をしようとして、パリサイ派のある指導者の家に入られた
とき、みんながじっとイエスを見つめていた」(ルカ14:1)
(2)会堂だけでなく、シモンの家にも問題は存在していた。
①シモンの姑が病気であった。
②ルカだけが、「ひどい熱で苦しんでいた」と記している。
*医学用語である。
*恐らく慢性的熱病であろう。
(3)人々の間に、イエスに対する信仰が芽生えていた。
①悪霊の追い出しを目撃した。
②「人々は彼女のためにイエスにお願いした」
2.39節
「イエスがその枕もとに来て、熱をしかりつけられると、熱がひき、彼女はすぐに立ち上
がって彼らをもてなし始めた」
(1)訳語の比較
「その枕もとに来て」(新改訳)
「枕もとに立って」(新共同訳)
「その傍らに立ちて」(文語訳)
「So he bent over her」(NIV)
①床に「床」を敷き、そこに寝るのが当時のスタイルである。
②イエスは、慈悲深い医師の姿勢で臨んだ。
(2)癒しの方法
①「熱をしかりつけられると」
②悪霊の場合と同様に、ことばによる癒しである。
③人でなく、病に命じている箇所は、ここだけである。
(3)ことばの権威
①直ちに熱が引いた。
②「彼女はすぐに立ち上がって彼らをもてなし始めた」
③癒しは直ちに起こり、なんの後遺症も、疲れも残さなかった。
Ⅲ.病の癒し(4:40)
1.40節
「日が暮れると、いろいろな病気で弱っている者をかかえた人たちがみな、その病人をみ
もとに連れて来た。イエスは、ひとりひとりに手を置いて、いやされた」
(1)日が暮れると、安息日が終わる。
①安息日に病人を運ぶことは、律法違反である。
②安息日に病人を癒すのも、律法違反である。
③イエスは、このようなパリサイ的律法に反して癒しを行うようになる。
(2)悪霊の追い出しと、熱病の癒しの噂が、町全体に伝わっていた。
①いろいろな病気の人たちが、イエスのもとに連れて来られた。
(3)癒しの方法
①イエスは、ひとりひとりを大切に扱われた。
②手を置いて癒すのは、旧約聖書にはないが、新約聖書ではよくある。
Ⅳ.悪霊の追い出し(4:41)
1.41節
「また、悪霊どもも、『あなたこそ神の子です』と大声で叫びながら、多くの人から出て
行った。イエスは、悪霊どもをしかって、ものを言うのをお許しにならなかった。彼らは
イエスがキリストであることを知っていたからである」
(1)ルカは、病と悪霊付きとを区別している。
(2)悪霊どもの知識の進展
①「神の聖者」
②「神の子」=「キリスト(メシア)」
③知っていることと、その権威に服従することとは、別物である。
(3)イエスは、悪霊の証言を認めない。
結論:
1.ペテロの人物像
(1)マコ1:29の情報では、4人の名前が出て来る。
「イエスは会堂を出るとすぐに、ヤコブとヨハネを連れて、シモンとアンデレの
家に入られた」(マコ1:29)
①ルカでは、シモンの名前だけである(他の3人の名はまだ紹介されていない)。
(2)シモンには妻がいた。
①妻の父は亡くなったので、妻の母を自分の家に引き取ったのであろう。
「私たちには、ほかの使徒、主の兄弟たち、ケパなどと違って、信者である妻
を連れて歩く権利がないのでしょうか」(1コリ9:5)
(3)シモンには、家があり、職業があり、家族がいた。
①召命を受けた時、彼はカペナウムのユダヤ人共同体に根を張った大人であった。
②ルカの福音書では、6:14でペテロという名に変わっている。
2.クリスチャンの奉仕
(1)イエスから受けた恵みが、奉仕の土台である。
(2)並行記事の比較
「イエスがその枕もとに来て、熱をしかりつけられると、熱がひき、彼女はすぐに立
ち上がって彼らをもてなし始めた」(ルカ4:39)
「イエスは、彼女に近寄り、その手を取って起こされた。すると熱がひき、彼女は彼
らをもてなした」(マコ1:31)
「イエスが手にさわられると、熱がひき、彼女は起きてイエスをもてなした」(マタ8:
15 )
(3)メシア像
①ルカは、完ぺきな人間としてのメシア像を描いた。
②マルコは、しもべとしてのメシア像を描いた。
③マタイは、王としてのメシア像を描いた。
(4)ルカは、女性の癒しを記録している。
①悪霊憑きは男、熱病の病人は女である。
②シモンの姑は、すぐに立ちあがって、彼らをもてなし始めた。
*奴隷がいない家では、大人の女性が、客をもてなす役目を果たした。
③もてなしとは、奉仕(ディアコネオウ)である。
「女たちどころに起きて彼らに事(つか)ふ」(文語訳)
④ルカは、奉仕する女性たちを多く描いている。
(5)闇と光の対比
①悪霊
②病
③パリサイ的律法
④そして、絶望
⑤イエスは、希望である。
*信仰、希望、愛、そして、喜びである。
(6)神の恵みの後には、感謝と奉仕が続くべきである。
①姑の癒しは、ペテロの召命への序曲となっている。
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