私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ルカの福音書(30)弟子の行い6:27~38
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弟子の行いについて学ぶ。
ルカの福音書 30回
弟子の行い
ルカ6:27~38
1.はじめに
(1)文脈の確認
①イエスは、山に行き、神に祈りながら夜を明かされた(6:12)。
②朝になると弟子たちを呼び寄せ、その中から12人を選ばれた(6:13)。
③それから山を下り、平地に立たれた(6:17)。
④そこに大群衆が押し寄せてきたので、彼らに奉仕をされた(6:17)。
⑤弟子たちに向けて「平地での説教」を語られた(6:20)。
⑥山上の垂訓(マタ5~7章)との違いは、律法に関する教えがないことである。
(2)この箇所では、「弟子の行い」についての教えが語られる。
①山上の垂訓の中心テーマは、「真の義とは何か」である。
*それは、パリサイ人の義にまさる「信仰による義」である。
*それは、内面の義である。
②平地での説教の中心テーマは、「隣人愛」である。
*愛の行いは、その人が義とされていることの証拠である。
*愛の行いは、聖霊の力によって可能となる。
2.アウトライン
(2)4つの人生訓(37~38節)
3.結論
(1)7つの愛の行為(27~36節)
(2)4つの人生訓(37~38節)
(3)まとめ
弟子の行いについて学ぶ。
Ⅰ.7つの愛の行為(27~36節)
1.27節
Luk 6:27
しかし、これを聞いているあなたがたに、わたしは言います。あなたがたの敵を愛しなさい。あなたがたを憎む者たちに善を行いなさい。
(1)あなたがたの敵を愛しなさい。
①愛(アガペ)は、隣人に対して真実な配慮を示すことである。
②隣人の状態がどうであるかは(お返しができなくても)、問題ではない。
③イエスの弟子が示す愛は、敵さえも愛する愛である。
(2)あなたがたを憎む者たちに善を行いなさい。
①「敵」とは、イエスに対する信仰のゆえに、弟子たちを憎む者である。
②その人たちに善を行うのは、聖霊の助けがなければ不可能である。
2.28節
Luk 6:28
あなたがたを呪う者たちを祝福しなさい。あなたがたを侮辱する者たちのために祈りなさい。
(3)あなたがたを呪う者たちを祝福しなさい。
①祝福するとは、相手の最善を願うことである。
②呪うこととは、その対極にある行為である。
(4)あなたがたを侮辱する者たちのために祈りなさい。
①ここでの祈りは、侮辱する者の上に神の祝福が下るように求めることである。
3.29~30節
Luk 6:29
あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬も向けなさい。あなたの上着を奪い取る者には、下着も拒んではいけません。
Luk 6:30
求める者には、だれにでも与えなさい。あなたのものを奪い取る者から、取り戻してはいけません。
(5)復讐してはならない。
①侮辱されても仕返しをしない。
②弟子に対する人格攻撃がここでのテーマである。
③家族が攻撃された場合は、守る必要がある。
④その場合でも、過剰防衛に注意する必要がある。
(6)気前良く与えなさい。
①異邦人世界でよくあった路上での強盗事件が取り上げられている。
②上着を奪い取る者がいたなら、下着まで与えればよい。
③イエスの弟子は、物質に囚われてはいけない。
④ルカ23:34
Luk 23:34
そのとき、イエスはこう言われた。「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」彼らはイエスの衣を分けるために、くじを引いた。
4.31節
Luk 6:31
人からしてもらいたいと望むとおりに、人にしなさい。
(7)自分にして欲しいことを、人にしなさい。
①これは、7つの愛の行為のまとめである。
②イエスは、レビ19:18の教えを具体化し、補強した。
Lev 19:18
あなたは復讐してはならない。あなたの民の人々に恨みを抱いてはならない。あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。わたしは【主】である。
5.32~34節
Luk 6:32
自分を愛してくれる者たちを愛したとしても、あなたがたにどんな恵みがあるでしょうか。罪人たちでも、自分を愛してくれる者たちを愛しています。
Luk 6:33
自分に良いことをしてくれる者たちに良いことをしたとしても、あなたがたにどんな恵みがあるでしょうか。罪人たちでも同じことをしています。
Luk 6:34
返してもらうつもりで人に貸したとしても、あなたがたにどんな恵みがあるでしょうか。罪人たちでも、同じだけ返してもらうつもりで、罪人たちに貸しています。
(1)一般人とイエスの弟子の対比
①一般人でも、自分を愛してくれる者に愛を示す。
②一般人でも、自分に良いことをしてくれる者たちに良いことをする。
③一般人でも、返してもらうつもりで人に貸す。
④イエスの弟子の行いは、それとは次元が異なる。
6.35~36節
Luk 6:35
しかし、あなたがたは自分の敵を愛しなさい。彼らに良くしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい。そうすれば、あなたがたの受ける報いは多く、あなたがたは、いと高き方の子どもになります。
いと高き方は、恩知らずな者にも悪人にもあわれみ深いからです。
(1)イエスの弟子の行い
①自分の敵を愛する。
②返してもらうことを考えずに貸す。
(2)イエスの弟子が受ける報い
①いと高き方の子どもとなる。
②いと高き方は、恩知らずな者にも悪人にもあわれみ深い。
③イエスの弟子は、父なる神の性質に似た性質を持つようになる。
Ⅱ.4つの人生訓(37~38節)
1.さばきは、さばきをもたらす。
Luk 6:37a
さばいてはいけません。そうすれば、あなたがたもさばかれません。
(1)これは、真理かどうか判断することを禁じているわけではない。
①真の信者かどうかを見分ける必要がある。
②罪かどうかを判断する必要がある。
(2)これは、批判的な態度を戒めたものである。
①私たちは、他人の動機をさばくことはできない。
②他のクリスチャンの奉仕をさばいてはいけない(1コリ4:1~5)。
③霊的な警察官になってはいけない。
④最終的なさばきは、神が行われる。
2.人を罪人だと決めると、自分も罪人だと決められる。
Luk 6:37b
人を不義に定めてはいけません。そうすれば、あなたがたも不義に定められません。
(1)「さばきに関する教え」と同じことが言える。
3.赦しは、赦しをもたらす。
Luk 6:37c
赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦されます。
(1)罪の赦しは、恵みと信仰によって与えられる。
①これは、裁判官である父なる神から与えられる無罪宣言である。
②その赦しは、信じる者には無条件で与えられる。
(2)ここでの罪の赦しは、父なる神との親子関係における赦しである。
①クリスチャンが罪を犯しているなら、父なる神との関係は断絶している。
②罪の告白によって、関係が回復される。
4.気前良く与えると、気前良く与えられる。
Luk 6:38
与えなさい。そうすれば、あなたがたも与えられます。詰め込んだり、揺すって入れたり、盛り上げたりして、気前良く量って懐に入れてもらえます。あなたがたが量るその秤で、あなたがたも量り返してもらえるからです。」
(1)種を蒔く人のたとえである。
①前掛けにたくさんの種を入れ、それを蒔いている。
②多く蒔く人は、多くのものを刈り取ることになる。
③気前良く与える人は、気前良く与えられる。
結論
1.7つの愛の行為(27~36節)
(1)あなたがたの敵を愛しなさい。
(2)あなたがたを憎む者たちに善を行いなさい。
(3)あなたがたを呪う者たちを祝福しなさい。
(4)あなたがたを侮辱する者たちのために祈りなさい。
(5)復讐してはならない。
(6)気前良く与えなさい。
(7)自分にして欲しいことを、人にしなさい。
2.4つの人生訓(37~38節)
(1)さばきは、さばきをもたらす。
(2)人を罪人だと決めると、自分も罪人だと決められる。
(3)赦しは、赦しをもたらす。
(4)気前良く与えると、気前良く与えられる。
3.まとめ
(1)新生体験の重要性
①内面が変化する。
②新しい動機が与えられる。
(2)聖霊の働きの重要性
①弟子の行いは、聖霊の助けによって可能となる。
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