私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ルカの福音書(27)12使徒の選抜6:12~16
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12使徒の選抜について学ぶ。
ルカの福音書 27回
12使徒の選抜
ルカ6:12~16
1.はじめに
(1)文脈の確認
①ルカ4:14~5:11 イエスの奉仕の概観
②ルカ5:12~6:11 敵(パリサイ人たち)との関係
③ルカ6:12~49 弟子たちとの関係
*12使徒の紹介
*彼らに対する教えの要約
(2)12使徒のリストは、4か所に出ている。
①マコ3章、マタ10章、ルカ6章、使1章
②同名の者、別名を持つ者などがいて、かなり難解である。
(3)使徒たちのリストを理解するためのヒント
①4人1組である。
②ペテロは常に最初に出て来る。
③ピリポ(5番目)、ヤコブ(9番目)は、同じ位置に登場する(各組のリーダー)。
④1組目の3人(ペテロ、ヤコブ、ヨハネ)は、イエスに近い位置にある。
2.アウトライン
(2)1組の4人(14節a)
(3)2組の4人(14b~15節a)
(4)3組の4人(15b~16節)
3.結論
(1)12という数字
(2)多様性のある人材
12
使徒の選抜について学ぶ。
Ⅰ.12使徒選抜の経緯(12~13節)
1.12節
Luk 6:12
そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた。
(1)この祈りは、宗教的指導者たちとの論争に続くものである。
①敵対者が増える中で、次に何をすべきかを祈り求めた。
②神に対するイエスの全的信頼が表現されている。
③これほど長時間の祈りが記録されているのは、この箇所だけである。
*イエスの公生涯は、重要な局面を迎えていた。
(2)山(丘)に行った理由
①そこは、祈りに必要な静寂が得られる場所である。
②高い場所なので、神に近いという感覚を持つことができる。
2.13節
Luk 6:13
そして、夜が明けると弟子たちを呼び寄せ、その中から十二人を選び、彼らに使徒という名をお与えになった。
(1)祈りによって答えが与えられた。
①イエスは、弟子集団の中から12人を選んだ。
②弟子とは、ラビから学ぶ生徒たちである。
(2)イエスは、彼らに使徒という名を与えた。
①使徒とは、権威を付与されて、派遣される者である。
②弟子は師のもとに来るが、使徒は師から派遣される。
Ⅱ.1組の4人(14節a)
1.14節a
Luk 6:14a
すなわち、ペテロという名を与えられたシモンとその兄弟アンデレ、そしてヤコブ、ヨハネ、
(1)ペテロという名を与えられたシモン
①使徒集団の指導者であり、スポークスマンである。
②最初にイエスをメシアと認めた使徒である(ルカ9:20)。
③イエスを3度否んだ。
④イエスの復活を最初に目撃した使徒である。
⑤最も激しくイエスを拒否した人が、最初にイエスの復活を目撃した。
*神の赦しと恵みの表れである。
(2)その兄弟アンデレ
①12使徒のリスト(4種類ある)の中では、必ず最初の4人に入っている。
②12使徒の中で、アンデレがイエスの最初の弟子になった。
③兄のシモン・ペテロをイエスのもとに連れて来た。
④弁当を持っている少年をイエスに紹介した。
⑤ギリシア人たちをイエスに紹介した(ヨハ12:20~22)。
*アンデレは、異邦人伝道の先駆けとなった。
(3)ヤコブと(4)ヨハネ
①ゼベダイの子たちであり、漁師であった。
②母サロメは、マリアの姉妹(マタ27:56、マコ15:40、ヨハ19:25参照)。
③ヤコブとヨハネは、イエスの従兄弟に当たる。
④彼らは、サマリヤの町に火を呼び下そうとした(ルカ9:51~56)。
⑤彼らは、御国での地位を求めた(マコ10:35~41)。
⑥イエスの側近3人の中にいて、3つの重要な出来事を目撃した。
*ヤイロの娘の蘇生(マコ5:37、ルカ8:51)
*イエスの変貌(マタ17:1、マコ9:2、ルカ9:28)
*ゲツセマネの園での祈り(マタ26:37、マコ14:33)
⑧ヤコブは、使徒たちの中で最初の殉教者となった。
⑨ヨハネは、晩年にパトモス島に流され、そこで黙示録を書いた。
Ⅲ.2組の4人(14b~15節a)
1.14b~15節a
Luk 6:14b
ピリポ、バルトロマイ、
Luk 6:15a
マタイ、トマス、
(1)ピリポ
①彼は、イエスに招かれて弟子となった。
②彼は、ナタナエルにイエスを紹介した(ヨハ1:45)。
*ピリポとナタナエルは、同時に出て来ることが多い。
③5000人のパンの奇跡の場面では、頭を働かせた。
*200デナリのパンでは足りません(ヨハ6:5~7)。
④ギリシア人訪問では、アンデレに情報を伝え、いっしょにイエスに話した。
⑤最後の晩餐の場面では、「主よ。私たちに父を見せてください。そうすれば満足
します」と言った(ヨハ14:8~9)。
(2)バルトロマイ
①ヨハネの福音書では、ナタナエルという名で登場する。
②福音書に彼が登場するのは、2箇所だけである。
③イエスから「ほんとうのイスラエル人だ」と言われた(ヨハ1:46~51)。
④ガリラヤ湖畔で、復活のイエスと出会った(ヨハ21:1~2)。
(3)マタイ
①彼は、バプテスマのヨハネの弟子ではなかった。
②取税人レビであるが、ここではマタイとなっている。
③カペナウムで関税(通行税)を徴収する取税人であった。
④イエスから招かれ、すぐに従った。
⑤イエスを歓迎する宴会を催した。
⑥マタイの福音書の著者となった。
(4)トマス
①彼もまた、バプテスマのヨハネの弟子ではなかった。
②双子という意味である(彼には双子の兄弟がいたのであろう)。
③ギリシア語でデドモという。
④トマスは、「私たちも行って、主といっしょに死のうではないか」と言った。
⑤彼は、イエスの復活を疑った。
「私は、その手に釘の跡を見、私の指を釘のところに差し入れ、また私の手をそ
のわきに差し入れてみなければ、決して信じません」
⑥8日目に復活のイエスが現れ、トマスは、「私の主。私の神」と叫んだ。
Ⅳ.3組の4人(15b~16節)
1.15b~16節
Luk 6:15b
アルパヨの子ヤコブ、熱心党員と呼ばれていたシモン、
Luk 6:16
ヤコブの子ユダ、イスカリオテのユダで、このユダが裏切る者となった。
(1)アルパヨの子ヤコブ
①ゼベダイの子ヤコブとは別人
②4つのリストの中で、常に9番目に登場する。
*3組目のリーダーである。
③イエス召天後、エルサレムの屋上の間に集った(使1:13)。
④これ以外に情報はない。
(2)熱心党員シモン
①政治的には、極右である。今でいうテロリストである。
②ガリラヤ人ユダの抵抗運動が、熱心党の始まりとなった。
③武力によってメシア預言の成就を早めようとした点に問題があった。
④シモンは、熱心党の革命運動から手を引き、イエスの神の国運動に参加した。
(3)ヤコブの子ユダ
①彼には、3つの呼び名がある。
*ヤコブの子ユダ
*イスカリオテでないユダ(ヨハ14:22)
*タダイ(マコ3:18、マタ10:3)
(4)イスカリオテのユダ
①唯一、ガリラヤ出身ではない。ユダヤ地方のカリオテ出身である。
②ルカは、「このユダが裏切る者となった」と記している。
結論
1.12という数字
(1)イスラエル12部族との継続性が暗示されている。
(2)しかし、イスラエル12部族との断絶性もある。
(3)ルカは、12使徒の選抜が教会設立の重要なステップであることを意識している。
①12使徒は、イエスの死、埋葬、復活の証人となる。
②福音書に使徒という呼び名が出てくる回数
*マタイ1回(10:2)
*マルコ2回(3:14、6:30)
*ヨハ0回
*ルカ6回(6:13、9:10、11:49、17:5、22:14、24:10)
③使徒の働きに入ると、使徒という呼び名が28回出てくる。
④イエスが始めた人類救済の御業が、使徒たちによって継続されていく。
⑤使1:1~2
Act 1:1
テオフィロ様。私は前の書で、イエスが行い始め、また教え始められたすべてのことについて書き記しました。
Act 1:2
それは、お選びになった使徒たちに聖霊によって命じた後、天に上げられた日までのことでした。
⑥使徒たちの選びが、今の私たちにも影響を与えている。
⑦神から与えられている召しを軽視してはならない。
2.多様性のある人材
(1)全員がペテロのようではないことに感謝すべきである。
(2)12使徒は、人類全体の代表例である。
(3)彼らには、共通点があった。
①イエスとの親密な関係
②イエスに対する献身
③20代の若者
④教えられやすい
(4)イエスは、量よりも質を重視された。
①彼らを訓練し、彼らを通して全人類を救おうとされた。
(5)彼らは、教会の土台となった。
①エペ2:20~22
Eph 2:20
使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です。
Eph 2:21
このキリストにあって、建物の全体が組み合わされて成長し、主にある聖なる宮となります。
Eph 2:22
あなたがたも、このキリストにあって、ともに築き上げられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。
(6)クリスチャンひとりひとりが、建物の全体を形成する材料である。
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