私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
パートⅠ.葛藤の舞台設定 1章 神の国の始まり
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聖書は、「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマを軸に読み解くことができる。創造主である神は、被造世界に対して最善の計画を持っておられる。それを阻止しようとして暗躍するのが悪魔である。この世になぜ悪が存在するのか。その答えは、神と悪魔の葛藤の中にある。
パートⅠ.葛藤の舞台設定
1章 神の国の始まり
イントロダクション
1.聖書の概略を読み解くためには、いくつの方法がある。
(1)諸契約を基に、神の計画の歴史的進展を読み解く方法
①聖書を字義通りに読めば、8つの聖書的契約が存在することが分かる。
(2)神の経綸の移行に注目しながら、聖書を読み解く方法
①神の経綸は、一般的にディスペンセーションと呼ばれている。
②聖書には、明確に区分可能な7つのディスペンセーションがある。
(3)神の国と悪魔の国の葛藤というテーマを軸に、聖書を理解する方法
①本シリーズは、(3)の方法で聖書の概略を読み解こうとするものである。
2.本シリーズの目次
パートⅠ.葛藤の舞台設定
パートⅡ.旧約時代
パートⅢ.中間時代
パートⅣ.新約時代
パートⅤ.公認教会の時代
パートⅥ.ルネサンスと宗教改革の時代
パートⅦ.近代における背教の時代
パートⅧ.自由主義神学の時代
パートⅨ.グローバリズムの時代
パートⅩ.神の国の完成
3.「1章 神の国の始まり」のアウトライン
(1)個人的証し
(2)キリスト教とは、世界観であり歴史観である。
(3)聖書の神は、無から有を創造する神である。
神の国の始まりについて学ぶ
Ⅰ.個人的証し
1.クリスチャンになる前の私は、無神論者であった。
(1)今の自分の存在は、進化の積み重ねによって出来たと思っていた。
①生命の存在原因について、進化論しか教えられていなかった。
②人間は、偶然の積み重ねの産物であると信じて疑うことがなかった。
(2)大学に入学した直後から、人生の根源的な問いに悩まされるようになった。
①「人はどこから来て、どこへ行こうとしているのか」
②「人はなぜ生きているのか」
③特に、死への恐怖は人一倍強かったように思う。
2.2年生になったとき、自らの人生観を揺さぶられるようなことが起った。
(1)学生寮で同室になった下級生がクリスチャンであった。
①彼の誘いもあり、教会に定期的に通うようになった。
②今から思うと、神の摂理以外の何ものでもない。
(2)約2年の求道生活を経て、クリスチャンになった。
①その結果、死の恐れから解放された。
②これは、心に起こった顕著な変化であった。
(3)とは言え、すべての問題が解決したわけではなかった。
①それまで深く考えることのなかった新たな疑問が湧いてきた。
②「神が愛なら、なぜこの世に悪が存在するのか」
③「聖書が示す人生のゴールとはなんなのか」
④「クリスチャンとして、いかに生きるべきか」
⑤聖書には、必ず答えがある。そう思いながら、聖書の学びを続けた。
Ⅱ.キリスト教とは、世界観であり歴史観である。
1.聖書には、明確な歴史哲学が啓示されている。
(1)歴史哲学とは、歴史を読み解く原則のことである。
①その原則を用いれば、さまざまな歴史上の出来事の説明が可能となる。
(2)いつ、なぜ、どのようにして起こったのかを、説明できるようになる。
①世界の存在
②死の存在
③悪の存在
④死刑制度の存在
⑤多言語の存在
⑥諸民族の存在
⑦イスラエル人の存在
⑧反ユダヤ主義の存在
⑨キリスト教会の存在
⑩ローマ・カトリック教会の存在
⑪イスラム教の存在
⑫プロテスタント教会の存在
⑬ホロコーストの悲劇
⑭近代イスラエル国家の復興
2.聖書の歴史哲学の主要テーマのひとつが、「神の国と悪魔の国の葛藤」である。
(1)「神の国」とは、光の国である。
①「神の国」とは、「神の王国」(Kingdom of God)である。
(2)「悪魔の国」とは、闇の国である。
①「悪魔の国」とは、「悪魔の王国」(Kingdom of the Devil)である。
(3)聖書によれば、歴史とは、この2つの王国の葛藤の記録でもある。
Ⅲ.無から有を創造する神
1.聖書の歴史哲学の土台になるのが、無から有を創造する神の存在である。
(1)神はなぜ、天地を創造し、人間を創造されたのか。
(2)「孤独だったので、愛の対象として人間を創造した」というのは誤りである。
①神は、永遠の昔から、三位一体の神として(父、子、聖霊という3つの位格
において)存在しておられる。
②神は、完全に自己充足し、自己完結したお方である。
(3)天地創造の前には、神以外のいかなるものも存在しなかった。
①これは、神を理解する際に極めて重要な情報である。
2.パウロによる神の定義
(1)1テモ1:17
1Ti 1:17
どうか、世々の王、すなわち、朽ちることなく、目に見えない唯一の神に、誉れと栄光が世々限りなくありますように。アーメン。
①神は、「世々の王」(永遠の王)(the King eternal)である。
②神は、朽ちることなく、目に見えない唯一の神である。
*神は、不変である(時間に支配されていない)。
*神は、物質界を超越した霊的存在である。
(2)神は、永遠の昔に、御自身が王として統治する「神の国」を造ろうとされた。
(3)「王国」が存在するためには、次の3つの要素がなければならない。
①王の存在
②王国を統治するための権威
③臣民の存在
3.天地創造の目的は、神の国の臣民を造り出すことにあった。
(1)最初に創造されたのが、天使たちである。
(2)天使は霊的存在であり、知性を有する(マタ22:30、ヘブ1:13~14)。
①コミュニケーション能力が、与えられている。
②天に住むように創造されたが、地に下ることも許された。
③天使たちの間には、権威や能力に関する序列が存在する。
(3)天使の数に関しての明確な啓示はないが、ヒントになる聖句はある。
①ダニ7:10
Dan 7:10
火の流れがこの方の前から出ていた。/幾千もの者がこの方に仕え、/幾万もの者がその前に立っていた。/さばきが始まり、/いくつかの文書が開かれた。
②ヘブ12:22
Heb 12:22
しかし、あなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都である天上のエルサレム、無数の御使いたちの喜びの集い、
③黙5:11
Rev 5:11
また私は見た。そして御座と生き物と長老たちの周りに、多くの御使いたちの声を聞いた。その数は万の数万倍、千の数千倍であった。
(4)次に、神の国の臣民として創造されたのが、人間である。
4.人間には、重要な役割が与えられた。
(1)神の代理人としての役割
①時代劇によく登場する役職に、「代官」というものがある。
②代官とは、主君(領主)の代理人として領地に派遣され、その地の管理事務
を司る者のことである。
③代官には、主君に対する説明責任がある。
(2)神が人間を創造したのは、地球という領地に代理人を置き、管理させるため。
①当然のことながら、人間には神への説明責任が伴う。
②神が代理人を通して地上を管理する統治形態を、神政政治と呼ぶ。
(3)重要な聖句
①創2:7
Gen 2:7 神である【主】は、その大地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。それで人は生きるものとなった。
*地上の体が与えられたのは、領地をより良く理解するためである。
②創1:26~27
Gen 1:26
神は仰せられた。「さあ、人をわれわれのかたちとして、われわれの似姿に造ろう。こうして彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地の上を這うすべてのものを支配するようにしよう。」
Gen 1:27 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして人を創造し、男と女に彼らを創造された。
*「神のかたち」に創造されたのは、神とのコミュニケーションのため。
*「かたち」は、ヘブル語で「ツェレム」である。
*その意味は、偶像、彫像、似姿(幻で見る形)、などである。
*外面的な「かたち」は、以下のようなものである。
・言葉を使用する。
・顔に表情がある。
・恥を感じることができる(顔が赤くなる)。
・自然界を支配する能力がある。
*内面的な「かたち」は、以下のようなものである。
・知性、感情、意志
・霊性
結論
1.人間の創造によって、神の国を設立するための神の御業は完了した。
(1)人間は創造の冠として、最後に造られた。
(2)人間の尊厳の根拠は、「神のかたち」に創造されているという点にある。
2.被造世界を見て、神は「非常に良かった」と評価された。
(1)創1:31
Gen 1:31 神はご自分が造ったすべてのものを見られた。見よ、それは非常に良かった。夕があり、朝があった。第六日。
(2)物質は決して悪ではない。
3.「非常に良かった」被造世界が、なぜ呪われた世界となったのか。
(1)聖書の歴史哲学は、その理由を明らかにする。
(2)その理由は、神の国と悪魔の国の葛藤にある。
4.聖書は、将来に希望をもたらす書である。
(1)被造世界は、「非常に良かった」という状態で始まった。
(2)現在の被造世界は、呪われた状態にある。
(3)しかし、被造世界は、再び元の状態に戻る。いや、それ以上の状態になる。
(4)クリスチャンが楽観主義者である理由は、そこにある。
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