メシアの生涯(5)—2つの系図—

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このメッセージでは...

2つのメシアの系図から、イエスの信頼性を確認する。

「2つの系図」

マタ1:1~17 ルカ3:23~38

朗読箇所 マタ1:1~17 ルカ3:23~24、38(25~37節は省略)

1.はじめに

  (1)4つの福音書を並べ、時間順にメシアの生涯を追って行く。

    ①ルカによる献呈の辞(1回で終えた)

    ②ヨハネによる序言(3回で終えた)

  ③メシアの系図が2つある(1回で終える)。

  (2)系図の重要性

  ①身元証明

    *現代のユダヤ人の帰還問題

    ②土地の分割

*部族、氏族、家族

    ③祭司職の条件

*アロンの家系

    ④王の条件

*イスラエルの王はイスラエル人(申17:15)

*ダビデ以降はダビデの家系(2サム7:16)

*ヘロデ大王は、エドム人であったために、正統性がない(マタ2:2)。

  ⑤メシアの条件

*アブラハム、ダビデの子孫

  2.アウトライン

(1)誰の系図か。

  (2)なぜ時間軸が逆なのか。

  (3)登場する人数は正確か。

  (4)なぜ女性の名前が含まれているのか。

  3.メッセージのゴール

    (1)恵みの要素(1)

    (2)恵みの要素(2)

このメッセージは、2つのメシアの系図から、イエスの信頼性を確認しようとするものである。

Ⅰ.誰の系図か。

  1.マタイの福音書

    (1)イエスの義父ヨセフの系図である。

  ①イエスは、肉体的にヨセフの子ではない。

  ②処女降誕の箇所が、系図の直後に登場する。

    (2)イエスのメシア性を証明するための系図である。

  ①イエスは、法的にヨセフの子である。

  ②イエスは、法的にアブラハム、ダビデの子孫である。

  2.ルカの福音書

    (1)イエスの母マリアの系図である。

      ①ルカ3:23

      「教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思わ

れていた。このヨセフは、ヘリの子、順次さかのぼって、」

②「30歳」は、祭司としての働きを開始する年齢である。

③「ヨセフの子と思われていた」(挿入句)

  *ルカの福音書の読者は、ヨセフがイエスの義父であることを知っている。

  *ヨセフに「定冠詞」が付いていない。

  *学者の説明では、「定冠詞」がない場合は、系図から外れている。

④ヘリは、ヨセフの義父である。つまり、マリアの父である。

    (2)イエスのメシア性を証明するための系図である。

      ①イエスは、肉体的にマリアの子である。

      ②ルカ1:32に暗示がある(マリアもダビデの子孫)。

      「その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また、神である主

は彼にその父ダビデの王位をお与えになります」

③ルカ2:5に暗示がある(マリアもダビデの子孫)。

「身重になっているいいなずけの妻マリヤもいっしょに登録するためであった」

      ④イエスは、肉体的にアブラハム、ダビデの子孫である。

Ⅱ.なぜ時間軸が逆なのか。

  1.マタイの福音書

    (1)アブラハムから始まり、イエス・キリストに至る。

  ①ユダヤ人読者のために書かれた福音書

    (2)旧約聖書の要約であり、マタイの福音書のイントロダクションである。

      ①異邦人には難解である。

      ②ユダヤ人には、イエスのメシア性を証明する系図である。

  2.ルカの福音書

    (1)イエスから始まり、アダムに至る。

      ①一般人のために書かれた福音書

Ⅲ.登場する人数は正確か。

  1.マタイの福音書

    (1)17節

    「それで、アブラハムからダビデまでの代が全部で十四代、ダビデからバビロン移住

までが十四代、バビロン移住からキリストまでが十四代になる」

  ①14×3=42であるが、登場するのは41人である。

(2)マタイによる要約

  ①マタイは、42人とは言っていない。

  ②キリストの系図を3つに区分し、記憶しやすいようにした。

  ③区切りは、ダビデ(人物)とバビロン捕囚(出来事)である。

  ④第一区分は、アブラハムからダビデまでで、14代(14人)ある。

  ⑤第二区分は、ダビデからバビロン捕囚までで、14代ある。

    *ダビデの名は第一区分の最後と、第二区分の最初に出る。

    *第二区分の最後の人物は、ヨシヤである。

*ダビデを除くと13人である。

  ⑥第三区分は、エコニヤからキリストまでで、14代ある。

    *エコニヤは第三区分の最初で一度だけ数える。

(3)マタイによる省略

      ①「ヨラムにウジヤが生まれ」(8節)

    *ヨラムとウジヤの間に省略がある。

      ②「ヨシヤに、エコニヤとその兄弟たちが生まれ」(11節)

        *ヨシヤとエコニヤの間に省略がある。

      ③旧約聖書では、系図の省略は一般的であった。

      ④「ゲンナオウ」というギリシア語の動詞(英語でbeget)

  *「もうけた」(新共同訳)が正確な訳である。

        *直系を指す動詞である。

      ⑤マタ1:1の比較

      「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」(新改訳)

      「アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図」(口語訳)

      「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」(新共同訳)

  2.ルカの福音書

    (1)イエスからアダムまで、77人が登場する。

  ①ルカは表明していないが、7人×11区分という編集意図がある。

      ②上から順に見てみると、区分の終わりか初めに重要な人物が登場している。

      ③アブラハムは、3区分目の最後に登場。

      ④ダビデは、5区分目の最後に登場。

    (2)ルカもまた、既存の系図を利用して、自らの意図に沿って編集した。

Ⅳ.なぜ女性の名前が含まれているのか。

  1.マタイの福音書

    (1)ユダヤ人の系図には、通常は女性の名は入らない。

      ①4人の女性は、41人の中には含まれていない。

    (2)マタイは、ある意図をもって4人の女性の名前を登場させた。

      ①旧約聖書を知っているユダヤ人対象

      ②3人は、重大な罪を犯した女性である。

      ③1人は、異邦人の女性である。

  2.ルカの福音書

    (1)この系図は、マリアの側の系図である。

      ①しかしルカは、男性の名を出すことによって、極端な逸脱を回避している。

      ②ヨセフとヘリは、義理の親子関係にある。

      ③イエスは、「ヘリの子」とも言える。

結論:

  1.恵みの要素(1) マタイの系図にある4人の婦人の登場

    (1)タマル(創38章)

      ①ユダの長子エルの妻となった。

②エルが死ぬと、弟オナンの妻となった。

③オナンが死ぬと、弟シェラが成人するまで実家に帰された。

④遊女を装って舅のユダと結ばれ、ペレツとゼラフという双子を産んだ。

(2)ラハブ(ヨシ2章、6章)

  ①城壁の中に家を持つエリコの遊女。

②ヨシュアが遣わした2人の斥候をかくまい、窓からつり降ろして助けた。

③イスラエルがエリコに侵入する時、いのちを助けてもらうという約束を得た。

④ヨシュアは、その約束を守り、ラハブ一族を助けた。

    (3)ルツ(ルツ記)

      ①モアブの女

②ベツレヘムから逃れてきたエリメレクとナオミの子マフロンと結婚した。

③義父エリメレクと夫マフロンが先に死んだ。

④故郷に帰るというナオミに従ってベツレヘムに行く決心をした。

⑤落ち穂を拾っていた時にエリメレクの親族の一人であるボアズと知り合った。

⑥ボアズはエリメレクの土地を買戻し、ルツと結婚をした。

⑦エッサイの父であるオベデが生まれた。

⑧エッサイからダビデが生れた。

    (4)ウリヤの妻(2サム11~12章)

      ①ヘテ人ウリヤの妻、バテ・シェバ

②夫ウリヤが戦場にいる時ダビデ王に召し入れられて妊娠した。

③ダビデは、その隠蔽のためにウリヤを戦場で殺害した。

④その後バテ・シェバは、妻として王宮に迎え入れられた。

⑤後にソロモンを産んだ。

  2.恵みの要素(2) ルカの系図で、イエスからアダムまで遡っていること

    (1)イエス・キリストが全人類の救い主であることを示している。

    (2)逆に見ると、アダムが初めであり、イエスが最後である。

      ①最初のアダムは、不従順なアダム。

      ②最後のアダムは、従順なアダム。

    (3)イエスを信じる時、私たちは、最後のアダムにつながるのである。

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