申命記(47)諸々の規定(20)~(28)24:1~22

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諸々の規定の中の(20)~(28)について学ぶ。

申命記 47回

「諸々の規定(20)~(28)」

申24:1~22 (朗読24:1~13)

1.はじめに

    (1)第2の説教:契約に基づく義務

      ③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)

    (2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。

      ①この箇所を12項目に分割して説明している。

      ②第11の項目:諸々の規定(21:1~25:19)

      ③諸々の規定の中には34の細かい項目がある。

      ④今回は(20)~(28)を取り上げる(申命記24章)。

        *これらの規定が与えられている理由を考えると、霊的に成長する。

  
2.メッセージのアウトライン

(20)離婚と再婚(24:1~4)

    (21)新婚の者(24:5)

    (22)質物(24:6)

    (23)誘拐犯(24:7)

    (24)ツァラアト患者(24:8~9)

    (25)担保(24:10~13)

    (26)賃金(24:14~15)

    (27)家族の罪過(24:16)

    (28)寄留者、孤児、やもめ(24:17~22)

  
3.結論:社会的弱者への配慮

諸々の規定の中の(20)~(28)について学ぶ。

XX.離婚と再婚(24:1~4)

1.1節

Deu 24:1
人が妻をめとり夫となった後で、もし、妻に何か恥ずべきことを見つけたために気に入らなくなり、離縁状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせ、

    (1)離婚は、古代世界では頻繁に行われていた。

      ①しかし、旧約聖書は、離婚を常に悲劇的なこととして捉えている。

      ②申命記のこの規定は、決して離婚を勧めたものではない。

③むしろ、すでにある離婚の習慣に一定の歯止めをかけたものと言える。

    (2)「妻に何か恥ずべきことを見つけた」ことが、離婚原因となる。

      ①「恥ずべきこと」とは、姦淫ではない。姦淫は死罪に当たる(申22:22)。

      ②また、結婚前の男性関係でもない。これも死罪に当たる(申22:20~21)。

      ③「恥ずべきこと」の具体的な意味は、不明である。

      ④イエス時代のヒレル学派は、この規定を緩やかに解釈した。

        *料理が下手というのも離婚理由となった。

      ⑤イエス時代のシャマイ学派は、この規定を厳格に解釈した。

        *姦淫だけが離婚理由となった。

*しかし、姦淫は石打の刑に値するのは、この解釈はおかしい。

    (3)夫は離縁状を書いて妻に渡し、彼女を家から去らせることができた。

      ①当時、離婚は公的機関の裁定によるものでなく、夫婦間の問題であった。

②夫が離縁状を書いて妻に渡すのは、伝承に基づく慣習である。

③離縁状によって、離婚原因が妻の不貞ではないことが証明された。

④離縁状は、妻に再婚の権利を保障したのである。

⑤離縁状の欠点は、それさえ書けば離縁が可能だという認識が広まったこと。

  2.2~3節

Deu 24:2 そして彼女が家を出て行って、ほかの人の妻となり、

Deu 24:3
さらに次の夫も彼女を嫌い、離縁状を書いて彼女の手に渡し、彼女を家から去らせた場合、あるいは、彼女を妻とした、あとの夫が死んだ場合には、

    (1)この女は、その後別の男と再婚した。

      ①しかし、この再婚も挫折した。

      ②次の夫も彼女を嫌い、離縁状を書いて彼女を去らせた。

      ③あるいは、次の夫が死に、彼女は寡婦となった。

      ④この場合、この女はどうなるか。

  3.4節

Deu 24:4
彼女を去らせた初めの夫は、彼女が汚された後に再び彼女を自分の妻とすることはできない。それは、【主】の前に忌み嫌うべきことだからである。あなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えようとしておられる地に、罪をもたらしてはならない。

(1)最初の夫が彼女を再び自分の妻をすることは禁じられた。

      ①「彼女が汚された後に」とある。

        *モーセは離婚を許可したが、本来離婚は避けるべきものである。

      ②元の妻との再婚は、「【主】の前に忌み嫌うべきこと」である。

      ③これは、安易な離婚を戒めるための規定である。

      ④離婚したなら、それが最終的な決断となるので、夫はよく考える必要がある。

      ⑤神の御心は、離婚しないことである(マタ19:8)。

Mat 19:8
イエスは彼らに言われた。「モーセは、あなたがたの心が頑ななので、あなたがたに妻を離縁することを許したのです。しかし、はじめの時からそうだったのではありません。

XXI.新婚の者(24:5)

1.5節

Deu 24:5
人が新妻を迎えたときは、その人を戦に出してはならない。何の義務も負わせてはならない。彼は一年の間、自分の家のために自由の身になって、迎えた妻を喜ばせなければならない。

(1)新婚の男は、1年間兵役の義務を免除される。

      ①これは、健全な家庭を築き、子孫を残すための規定である。

      ②子どもが産まれる前に戦死したなら、その人の名を残せなくなる。

      ③またこれは、新婚の妻との生活に順応し、妻を喜ばせるための規定である。

      ④植物同様、結婚生活も、根を張るまでは慎重に育てる必要がある。

      ⑤賢人の教え(伝9:9)

Ecc 9:9
あなたの空しい人生の間、/あなたの愛する妻と生活を楽しむがよい。/彼女は、あなたの空しい日々の間、/日の下であなたに与えられた者だ。/それが、生きている間に、/日の下でする労苦から受けるあなたの分なのだ。

XXII.質物(24:6)

1.6節

Deu 24:6 ひき臼、あるいはその上石を質に取ってはならない。いのちそのものを質に取ることになるからである。

(1)ひき臼には、大きなものと小さなものがあった。

①大きなものはロバにひかせ、小さなものは人間が手でひいた。

②ここでは、小さなひき臼が取り上げられている。

(2)当時は、その日に食べる量だけひき臼でひいて、粉にしていた。

      ①ひき臼、あるいはその上石を質に取ることは禁じられた。

      ②ひき臼を取られた人は、たちまち日々の食事に窮することになる。

      ③ひき臼は、象徴的な言葉である。

      ④日々の生活の必需品は、質に取ってはならない。

      ⑤これは、隣人愛に反する行為である。

XXIII.誘拐犯(24:7)

1.7節

Deu 24:7
人がその同胞、イスラエルの子らのうちの一人を誘拐し、奴隷として扱うか売りとばしたことが見つかった場合、誘拐した者は死ななければならない。こうして、あなたの中からその悪い者を除き去りなさい。

(1)古代中近東では、子どもを誘拐し、売り飛ばすことが頻繁に行われていた。

      ①誘拐犯は、奴隷商人でもある。

      ②誘拐は、子どもの自由を奪うことであり、その子を殺すのと同じである。

      ③それゆえ、誘拐犯は殺人犯と見なされ、死刑になる。

      ④当時の奴隷は、親によって売られた子どもか、捕虜となった者が多かった。

      ⑤出21:16

Exo 21:16 人を誘拐した者は、その人を売った場合も、自分の手もとに置いている場合も、必ず殺されなければならない。

XXIV.ツァラアト患者(24:8~9)

1.8~9節

Deu 24:8
ツァラアトに冒された患部には気をつけて、すべてレビ人の祭司が教えるとおりに、よく守り行わなければならない。私が彼らに命じたとおりに守り行わなければならない。

Deu 24:9 あなたがたがエジプトから出て来たとき、その道中で、あなたの神、【主】がミリアムにされたことを思い出しなさい。

(1)ツァラアトとは、重い皮膚病一般であって、現代のハンセン氏病ではない。

      ①「すべてレビ人の祭司が教えるとおりに」とある。

      ②これは、レビ13~14章に出ていた規定である。

      ③モーセは、この規定を繰り返さない(すべて祭司が教えるとおりに)。

    (2)この規定を守るための動機付けとして、ミリアムのことが上げられている。

      ①民12:1~16にその記録がある。

        *民12:10

Num 12:10
雲が天幕の上から離れ去ると、見よ、ミリアムは皮膚がツァラアトに冒され、雪のようになっていた。アロンがミリアムの方を振り向くと、見よ、彼女はツァラアトに冒されていた。

        *民12:14~15(ミリアムは7日間宿営の外に締め出された)

Num 12:14
しかし【主】はモーセに言われた。「もし彼女の父が彼女の顔に唾したら、彼女は七日間、恥をかかされることにならないか。彼女を七日間、宿営の外に締め出しておかなければならない。その後で彼女は戻ることができる。」

Num 12:15 それでミリアムは七日間、宿営の外に締め出された。民はミリアムが戻るまで旅立たなかった。

XXV.担保(24:10~13)

1.10~11節

Deu 24:10 隣人に何かを貸すとき、担保を取りにその家に入ってはならない。

Deu 24:11
あなたは外に立っていなければならない。あなたが貸そうとするその人が、外にいるあなたのところに担保を持って出て来なければならない。

(1)これは、借金をする人の尊厳を守るための規定である。

      ①貸す人は、借りる人の家に入り、自分が好むものを担保に取ってはいけない。

      
②借りる人自身が、担保を持って外に出て来なければならない。

2.12~13節

Deu 24:12 もしその人が貧しい人なら、その担保を取ったままで寝てはならない。

Deu 24:13
日没のころには、その担保を必ず返さなければならない。彼は自分の上着を着て寝て、あなたを祝福するであろう。また、そのことはあなたの神、【主】の前であなたの義となる。

(1)借りる人が貧しくて、上着しか担保として出せない場合がある。

      ①彼は、その上着をかけて夜寝るのである。

      ②その場合、毎晩寝る時間には、その担保を返さなければならない。

      ③これは、隣人愛の実践である。

      ④これを行う者は、【主】の前で義と認められる。

XXVI.賃金(24:14~15)

1.14~15節

Deu 24:14 貧しく困窮している雇い人は、あなたの同胞でも、あなたの地の、あなたの町囲みの中にいる寄留者でも虐げてはならない。

Deu 24:15
その人の賃金はその日のうちに、日没前に支払わなければならない。彼は困窮し、それを当てにしているのだから。彼があなたのことを【主】に訴えて、あなたが罪責を負うことのないようにしなさい。

(1)貧しい雇い人を、虐げてはならない。

      ①同胞でも、寄留者でも、この規定は適用される。

    (2)具体例として、賃金の支払いが上げられる。

      ①賃金は、週給でも月給でもなく、日給でなければならない。

      ②日給を日没前に支払う。

      ③貧しい労働者は、日々の賃金で家族を養うための食物を買う。

    (3)このことを実行しない雇用主は、神の裁きに会う。

      ①エジプトのファラオの例が背後にある。

      ②イスラエルの民はファラオの圧政に苦しみ、【主】に訴えた。

      ③【主】はファラオを裁かれた。

XXVII.家族の罪過(24:16)

1.16節

Deu 24:16
父が子のために殺されてはならない。子が父のために殺されてはならない。人が殺されるのは自分の罪過のゆえでなければならない。

(1)モーセの律法は、父の罪責のゆえに子が死刑になることはないと規定する。

      ①異邦の国々では、父親の罪のゆえに家族全員が処罰されることがあった。

      ②イスラエルでは、家族が罰を受けるのは、彼らもまた罪を犯したからである。

③ユダヤ人たちには、自分の苦境を父のせいにする癖があった。

      ④エレ31:29~30

Jer 31:29 その日には、彼らはもはや、『父が酸いぶどうを食べると、子どもの歯が浮く』とは言わない。

Jer 31:30 人はそれぞれ自分の咎のゆえに死ぬ。だれでも、酸いぶどうを食べる者は歯が浮くのだ。

    (2)ただし、父の不信仰の悪影響が子に及ぶことはある。

      ①出20:5~6

Exo 20:5
それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、【主】であるわたしは、ねたみの神。わたしを憎む者には父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、

Exo 20:6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。

XXVIII.寄留者、孤児、やもめ(24:17~22)

1.17~18節

Deu 24:17 寄留者や孤児の権利を侵してはならない。やもめの衣服を質に取ってはならない。

Deu 24:18
あなたがエジプトで奴隷であったこと、そしてあなたの神、【主】が、そこからあなたを贖い出されたことを覚えていなければならない。それゆえ私はあなたに、このことをせよと命じる。

    (1)寄留者、孤児、やもめは、社会的弱者である。

      ①裁判では、裕福な者が社会的弱者の権利を容易に侵害することができた。

    (2)社会的弱者を保護すべき理由は、イスラエルの歴史の中にある。

①イスラエルの民は、かつてエジプトで奴隷であった。

②【主】が、エジプトからイスラエルの民を贖い出された。

③このことを覚えているなら、弱者を苦しめることはしなくなるはずである。

2.19節

Deu 24:19
あなたが畑で穀物の刈り入れをして、束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。それは寄留者や孤児、やもめのものとしなければならない。あなたの神、【主】があなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。

(1)畑の穀物とは、大麦や小麦である。

①束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。

②あるいは、意図的に放置しておくべきである。

③その行為は、豊かな収穫を与えてくださった神への感謝を示すものとなる。

    (2)寄留者や孤児、やもめは、それを集めて食用とする。

      ①彼らは、物乞いをする必要はなくなる。

      ②彼らは、落ち穂拾いという労働によって、生活の糧を得ることができる。

3.20~21節

Deu 24:20
あなたがオリーブの実を打ち落とすときは、後になってまた枝を打ってはならない。それは寄留者や孤児、やもめのものとしなければならない。

Deu 24:21
ぶどう畑のぶどうを収穫するときは、後になってまたそれを摘み取ってはならない。それは寄留者や孤児、やもめのものとしなければならない。

    (1)オリーブやぶどうの場合も、同じ原則が適用される。

      ①実を打ち落としたなら、後でまた枝を打ってはならない。

      ②残された果実は、寄留者や孤児、やもめのものである。

  4.22節

Deu 24:22
あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを覚えていなければならない。それゆえ私はあなたに、このことをせよと命じる。

(1)以上の規定は、エジプトでの奴隷生活を覚えていれば、実行可能である。

      ①これは、神による社会福祉政策である。

      ②弱者保護の規定は、有効に機能した。

      ③落ち穂の規定のゆえに、モアブの女ルツは、ボアズと出会うことができた。

結論:社会的弱者への配慮

    (1)すべての人は、神の「かたち」に創造されている。

    (2)それゆえ、外見で人を判断し、見下してはならない。

    (3)私たちの周りに、助けを必要としている人は必ずいる。

    (4)隣人愛の実践とは、恵まれない人が普通の生活に戻れるように助けること。

(5)背後にある動機は、エジプトでの奴隷体験である。

(6)苦難の体験は、私たちを愛の人に育てる。

(7)2コリ1:3~4

2Co 1:3 私たちの主イエス・キリストの父である神、あわれみ深い父、あらゆる慰めに満ちた神がほめたたえられますように。

2Co 1:4
神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。それで私たちも、自分たちが神から受ける慰めによって、あらゆる苦しみの中にある人たちを慰めることができます。

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