私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
申命記(38)【主】によって立てられた権威(4)18:9~22
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
【主】が立てた権威(4)について学ぶ。
申命記 38回
「【主】によって立てられた権威(4)」
申18:9~22
1.はじめに
(1)第2の説教:契約に基づく義務
①総論:臣下の義務(4:44~5:33)
②全的従順の呼びかけ(6~11章)
③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)
④【主】に対する誓約(26:16~19)
(2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。
①この箇所を12項目に分割して説明している。
(3)第8の項目:【主】によって立てられた権威(16:18~18:22)
*神政政治の国を統治するための機関が、神によって立てられる。
①さばき人(16:18~17:13)
②王(17:14~20)
③祭司とレビ人(18:1~8)
④預言者(18:9~22)
*モーセは指導者であり、神のことばを民に伝える仲介者であった。
*神はモーセを通して民に律法を与え、御心を明らかにされた。
*モーセが死ぬと、みことばを仲介する人がいなくなる。
*さばき人、王、祭司とレビ人は、この役割を果たすことができない。
*そこで神は、預言者を立てると民に約束された。
2.メッセージのアウトライン
(1) 忌み嫌うべき異邦の民の慣わし(9~14節)
(2)モーセのような一人の預言者(15~22節)
3.結論
(1)異邦の民の慣わしが罪である理由
(2)預言者の系譜
【主】が立てた権威(4)について学ぶ。
Ⅰ.忌み嫌うべき異邦の民の慣わし(9~14節)
1.9節
Deu 18:9
あなたの神、【主】があなたに与えようとしておられる地に入ったとき、あなたは、その異邦の民の忌み嫌うべき慣わしをまねてはならない。
(1)【主】の預言者との対比で異邦の民の慣わしが取り上げられる。
①カナンの地には、【主】が忌み嫌われる慣わしが存在している。
②これは、超自然的力を借りて未来を覗き見ようとするものである。
③その力によって、未来を自分の願うように変更しようとするものである。
④これらの異邦の民の慣わしには、不道徳な行いが伴っていた。
⑤イスラエルの民は、異邦の民の慣わしをまねてはならない。
(2)異教の預言者バラムの預言(民23:23)
Num 23:23
まことに、ヤコブのうちにまじないはなく、/イスラエルのうちに占いはない。/神が何をなさるかは、/時に応じてヤコブに、/すなわちイスラエルに告げられる。
2.10~12節
Deu 18:10 あなたのうちに、自分の息子、娘に火の中を通らせる者、占いをする者、卜者、まじない師、呪術者、
Deu 18:11 呪文を唱える者、霊媒をする者、口寄せ、死者に伺いを立てる者があってはならない。
Deu 18:12
これらのことを行う者はみな、【主】が忌み嫌われるからである。これらの忌み嫌うべきことのゆえに、あなたの神、【主】はあなたの前から彼らを追い払われるのである。
(1)まず「自分の息子、娘に火の中を通らせる者」が取り上げられる。
①申12:31
Deu 12:31
あなたの神、【主】に対して彼らのように礼拝してはならない。彼らは【主】が憎むあらゆる忌み嫌うべきことをその神々に行い、自分たちの息子、娘を自分たちの神々のために火で焼くことさえしたのである。
②カナンの地の住民は、自分たちの息子、娘を偶像のために焼くことさえした。
③これは、アモリ人の偶像モレクに献げるいけにえであった。
④この罪に対する罰は、死刑である(レビ20:2~5)。
(2)次に、8つの忌むべき慣わしが例示される。
①これら8つの慣わしの内容は、互いに重複している。
②これらの慣わしのゆえに、【主】はカナン人たちをその地から追い出される。
③イスラエルの民は、カナン人を裁くための【主】の器である。
④カナン人と同じ罪を犯すなら、イスラエルの民もまた滅びることになる。
3.13~14節
Deu 18:13 あなたは、あなたの神、【主】のもとで全き者でなければならない。
Deu 18:14
確かに、あなたが追い払おうとしているこれらの異邦の民は、卜者や占い師に聞き従ってきた。しかし、あなたの神、【主】はあなたがそうすることを許さない。
(1)「全き者」とは、【主】との関係が正されている者である。
①イスラエルの民は、【主】との正しい関係を維持しなければならない。
②そのためには、忌むべき慣わしから完全に離れる必要がある。
(2)異邦の民は、卜者や占い師の言葉に聞き従ってきた。
①これは、いわゆる黒魔術(black magic)である。
*不道徳な魔術
*他人に危害を与えるための魔術
*利己的な目的を達成するための魔術
②【主】は、イスラエルの民がそうすることをお許しにならない。
Ⅱ.モーセのような一人の預言者(15~22節)
1.15~16節
Deu 18:15
あなたの神、【主】はあなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたのために起こされる。あなたがたはその人に聞き従わなければならない。
Deu 18:16
これは、あなたがホレブでのあの集まりの日に、あなたの神、【主】に求めて、「私の神、【主】の御声は二度と聞きたくありません。この大きな火はもう見たくありません。私は死にたくありません」と言ったことによるものである。
(1)【主】は、モーセの後継者となる「一人の預言者」を起こされる。
①訳文の比較
「あなたの神、主はあなたの中から、あなたの同胞の中から、わたしのような
預言者を立てられる。あなたたちは彼に聞き従わねばならない」(新共同訳)
②単数形の「預言者」は、集合名詞と解釈される。
③【主】は、預言者という職責をお立てになる(世襲制ではない)。
④預言者たちは、モーセが忠実に【主】に仕えたように、【主】に仕える。
⑤しかし、彼らがモーセを凌駕することはない。
⑥終末的預言者として、「モーセのような一人の預言者」が起こされる。
(2)預言者の職責を起こす理由は、民の要請があったからだと思われる。
①「ホレブでのあの集まりの日」(申5:25~27)
②イスラエルの民は、直接【主】のことばを聞くことを恐れた。
③それで、モーセが仲介者として立てられた。
3.17~19節
Deu 18:17 それで【主】は私に言われた。「彼らの言ったことはもっともだ。
Deu 18:18
わたしは彼らの同胞のうちから、彼らのためにあなたのような一人の預言者を起こして、彼の口にわたしのことばを授ける。彼はわたしが命じることすべてを彼らに告げる。
Deu 18:19 わたしの名によって彼が告げる、わたしのことばに聞き従わない者があれば、わたしはその人に責任を問う。
(1)「あなたのような一人の預言者」
①預言者は、モーセがしたように【主】に忠実に仕える。
②預言者は、イスラエルの民の中から起こされる。
③彼は、【主】から受けたことばをそのまま民に告げる。
④彼は、【主】の御名によって預言を語る。
⑤それゆえ、イスラエルの民は預言者のことばに聞き従う義務がある。
⑥もし聞き従わないなら、【主】からのさばきを受ける。
(2)究極的な「モーセのような一人の預言者」とは、イエス・キリストである。
①モーセの後継者であるヨシュアでさえも、モーセの比ではない(申34:10)。
Deu 34:10 モーセのような預言者は、もう再びイスラエルには起こらなかった。彼は、【主】が顔と顔を合わせて選び出したのであった。
③モーセは、将来登場する預言者たちの手本(基準)となった。
④新約の仲介者であるイエスの登場までは、モーセが最高の預言者であった。
4.20節
Deu 18:20
ただし、預言者であっても、わたしが告げよと命じていないことを、不遜にもわたしの名によって告げたり、あるいは、ほかの神々の名によって告げたりする者がいるなら、その預言者は死ななければならない。」
(1)偽預言者を見分ける方法(その1)
①預言の内容が、すでに啓示されている【主】のことばと矛盾していないか。
*矛盾しているなら、その預言者は、自らを神の位置に置いている。
②あるいは、ほかの神々の名によって語っていないか。
*もしそうなら、その預言者はほかの神々の代理人になっている。
③その罪は重大なので、その預言者は死刑に処せられる。
5.21~22節
Deu 18:21
あなたが心の中で、「私たちは【主】が語られたのではないことばを、どのようにして知ることができるだろうか」と言うような場合、
Deu 18:22
預言者が【主】の名によって語っても、そのことが起こらず、実現しないなら、それは【主】が語られたことばではない。その預言者が不遜にもそれを語ったのである。彼におびえることはない。
(1)偽預言者を見分ける方法(その2)
①その預言が実現しないなら、それは【主】が語られたことばではない。
②その預言者が不遜にも、それを語ったのである。
③【主】の預言者が語る預言は、100%成就する。
(2)以上の2つのテストに合格しないなら、その者は偽預言者である。
①彼がいかなる力を持っていても、恐れる必要はない。
結論
1.異邦の民の慣わしが罪である理由
(1)8つの忌むべき慣わしが取り上げられている(互いに重複している)。
①占いをする者(witchcraft):魔術師
②卜者(soothsayer):予見者、予言者
③まじない師(one who interprets omens):手相見、占い師、占星術師
④呪術者(sorcerer):魔法使い、魔術師
⑤呪文を唱える者(one who conjures spells):黒魔術師
⑥霊媒をする者(a medium):悪霊との交流
⑦口寄せ(spiritist):降霊術
⑧死者に伺いを立てる者(necromancer):霊媒
(2)これらの慣わしは、罪である。
①忌むべき慣わしは、【主】が定めておられる道徳律を無視するものである。
②忌むべき慣わしは、【主】の主権を否定するものである。
③忌むべき慣わしを実行する者は、悪魔に束縛されるようになる。
④これらの慣わしは、現代人の問題でもある。
⑤ある新興宗教団体では、イエス・キリストの霊言も語られている。
2.預言者の系譜
(1)預言者とは、神のことばを受け、それを人々に伝える者である。
①アブラハムは預言者である(創20:7)。
Gen 20:7
今、あの人の妻をあの人に返しなさい。あの人は預言者で、あなたのために祈ってくれるだろう。そして、いのちを得なさい。しかし、返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことを承知していなさい。」
②アロンはモーセにとって預言者である(出7:1)
③族長たちは預言者である(詩105:15)
(2)預言者という職責は、モーセから始まった。
①モーセは、イスラエルの民にとって預言者となった(申18:16)。
②【主】は、モーセの系譜に連なる預言者たちの出現を約束された。
③彼らは、【主】から聞いたことばをすべて民に伝える。
(3)「モーセのような一人の預言者」とは、究極的にはイエス・キリストである。
①紀元1世紀のユダヤ教は、「モーセのような一人の預言者」を待っていた。
②サンヘドリンからの使者は、バプテスマのヨハネに質問した(ヨハ1:21)。
Joh 1:21
彼らはヨハネに尋ねた。「それでは、何者なのですか。あなたはエリヤですか。」ヨハネは「違います」と言った。「では、あの預言者ですか。」ヨハネは「違います」と答えた。
③イエスが行ったしるし(パンの奇跡)を見た人々の反応(ヨハ6:14)
Joh 6:14 人々はイエスがなさったしるしを見て、「まことにこの方こそ、世に来られるはずの預言者だ」と言った。
④イエスのことば(祭りの終わりの大いなる日)に対する反応(ヨハ7:40)
Joh 7:40 このことばを聞いて、群衆の中には、「この方は、確かにあの預言者だ」と言う人たちがいた。
⑤ペテロは、イエスがその預言者であると証言した(使3:22~23)。
Act 3:22
モーセはこう言いました。『あなたがたの神、主は、あなたがたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたがたのために起こされる。彼があなたがたに告げることすべてに聞き従わなければならない。
Act 3:23 その預言者に聞き従わない者はだれでも、自分の民から断ち切られる。』
(4)私たちが聞くべきことばとは
①イエス・キリストのことば
②使徒たちの教え
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(11)エルサレム教会への献金(2)-献げる動機―8:8~24
Q418 相対的で消極的な信仰に救いはあるのでしょうか。
Q417 救われるためには何を信じなければなりませんか。
イスラエル旅2023#085中川洋が語る:【オリーブ山・ゲッセマネ】ゲッセマネの園で祈る
イスラエル旅2023#084中川牧師とめぐる旅:【ゲッセマネの園】史上最大の戦い
コリント人への手紙第二(10)エルサレム教会への献金(1)-マケドニアの諸教会の例―8:1~7