私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
30日でわかる聖書 マタイの福音書(19)
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現代人が知るべき基本的で重要な情報について学ぶ。
「マタイ19章」
イントロ:
1. 文脈を確認する。
(1) イエスの公生涯で最後の年に入っている。
(2) イエスは弟子訓練に焦点を合わせている。
(3) ヨルダンの向こうにあるユダヤ地方:ペレヤ
2. 人との出会いを通したイエスの教え:教室の教えではない。
(1) 離婚についての教え
①パリサイ人たちとの出会い
(2) 永遠のいのちについての教え
①子どもたちとの出会い
②金持ちの青年との出会い
③ペテロの質問との出会い
3. 基本的に重要なことが認識されていないということがある。
(1) 水:日本人は、水の重要性をようやく認識し始めた。
(2) 永遠のいのち:年を取ると「死後のいのち」について考え始める。
(例話)『イスラエル・トゥデイ』誌3月号の記事「放蕩息子の帰郷」
①苦難は、人を神探求の旅に駆り立てる。
②世俗的イスラエル人は、宗教ではなく、魂の満たしを求めている。
③この傾向が自然発生的に起こっている。
4. きょうの箇所は、極めて現代的な内容を扱っている。
(1) 離婚について簡単に扱う。
(2) 永遠のいのちについて詳細に論じる。
現代人が知るべき基本的に重要な情報について
Ⅰ.離婚についての教え
1. 場所:ペレヤ
(1) ヘロデ・アンティパスの領地
(2) 彼は、兄弟ピリポの妻ヘロデヤと結婚した。
(3) それを糾弾したバプテスマのヨハネの首をはねた。
(4) 妻ヘロデヤがこれを要求した。
2. パリサイ人たちの質問
(1) 「何か理由があれば、妻を離別することは律法にかなっているでしょうか」
(2) この質問をした動機
①ヘロデヤを怒らせて、イエスを殺させるため
②イエスに言いがかりをつけるため
(3) 質問の背景:申命記24:1 「何か恥ずべき事」とは何か。
①ヒレル派は、それを広義に解釈していた。料理下手も離婚原因となる。
②シャマイ派は、それを狭義に解釈していた。不貞のみが離婚原因となる。
3. イエスの答え
(1) 神は本来、創造の秩序の中で離婚というものを想定していなかった。
(2) モーセが離婚状を渡せと命じたのは、命令ではなく許可。
(3) 離婚理由として認められるのは「不貞(姦淫)」しかない(シャマイ派と同じ)。
(4) 妻の姦淫だけを問題にするのではなく、夫の姦淫の罪も問題にすべきである。
①ユダヤの律法では、夫だけが妻を離別することができた。その逆はない。
②今でもイスラエルでは、女性から離婚を申し出ることは許されていない。
(5) 理想は、赦しと和解によって結婚を継続すること。
4. 弟子たちの反応
(1) そんなことなら結婚しないほうがましだ。
5. イエスの答え
(1) 独身でいられるのは、生まれつき性的能力を欠いている者か、
(2) 人為的に去勢された者か、
(3) 独身の賜物が与えられた者だけ。
(4) 独身でいることも結婚することも、ともに神からの召しである。
Ⅱ.永遠のいのちについての教え
イントロダクション:ヨハネ3:16
(1) 永遠のいのちの二面性
①時間的要素と、質的要素がある。
②すでに成就したいのちであると同時に、やがて完成するいのち。
1. 子どもたちとの出会い
(1) イエスに近づく子どもたち
(2) 彼らを叱る弟子たち
(3) イエスの教え
①マタイ18:1~5 天の御国で評価される資質とは何か。
②天の御国に入る条件は、子どものような信頼である。
(4) 子どものような信頼を持っていない人の例として、次の話が出てくる。
2. 金持ちの青年との出会い
(1) 富に関するパリサイ派の理解
①裕福であることは、神の祝福を受けていることのしるし。
②裕福な人は、天の御国に最も近い。
③この青年(恐らく会堂管理者)は、裕福であるが永遠のいのちの確信がない。
(2) 青年の質問
①「尊い先生」(ルカ18:18)
②「永遠のいのちを得るためには、どのような良いことをしたらよいのでしょう」
(3) イエスの答え
①「尊い(良い)」というギリシア語
* アガソス(内面の尊さ)
* カロス(外面の美)
* この青年は、アガソスを用いている。
②ユダヤ教の習慣では、アガソスを人間に用いることはない。
③「良い方は、ひとりだけ」:神だけ。
(4) 良くある誤解を正す必要がある。
(例話)キリスト教史における悲劇は、聖書に対する無知と誤解から生じた。
* 十字軍の蛮行。
* 誤解の原因は、キリスト教からユダヤ的要素を抜き去ったこと。
①イエスは、ご自身の神性を否定したのではない。
②「あなたこそメシアであり、神です」と告白すれば、永遠のいのちを得たはず。
③しかし彼は、沈黙していた。
④そこでイエスは、モーセの律法に話題を振った。
⑤青年は、どの戒めですかと問う。
(5) イエスの回答
①最初は、モーセの十戒の後半部を引用。
②隣人愛の教えは、十戒には含まれていない。
③イエスは意図的に、人間関係に関する律法だけを示した。
(6) 青年は、それらの命令は守っていると答える。
(7) イエスの招き
①持ち物を売る:神への信頼の実践
②貧しい人に与える:隣人愛の実践
③わたしについて来なさい:イエスこそメシアであることを受け入れること。
(8) 青年は悲しみながら去っていった。
①祝福のしるしである富が、彼を神から遠ざける障害となっていた。
②この事例は、業による救いを教えているのではない。
③救いは、信仰により、恵みによる。
3. 弟子たちの質問との出会い
(1) 金持ちが救われるのは、非常に難しい。
①金が悪いのではない。
②神よりも金を信頼する人の心が悪い。
(2) 「らくだが針の穴を通る」
①当時の格言
②実際にそのような門があったわけではない。
③裁縫に使う針。ルカでは手術用の針。
(3) 驚く弟子たち
①パリサイ派の富についての神学が、広範囲に影響を与えている。
②金持ちでも救われるのが難しいとしたら、誰が救われるのか。
(4) 神に不可能はない。
(5) ペテロの質問
①献身の報酬はどれほどかと問うている。
②動機が必ずしも正しいとは言えない。
(6) イエスが語った3つの祝福の約束
①メシア的王国で12使徒は、イエスとともにイスラエル12部族を統治する。
* 異邦人諸国を統治するのは、教会時代の聖徒と患難時代の聖徒
②イエスのために犠牲を払った者には祝福が約束されている。
* すべての信者に約束されている。
* 地上生涯において実現する。
* 物質的なものも含まれるが、強調点は霊的な祝福。
③永遠のいのちが約束されている。
* すでに実現しているが、その成就は未来のこと。
(7) 天の御国の原則:先のものがあとに…
①20章のたとえ話で、説明される。
結論
1. ヨハネ3:16
(1) 神はご自身の責任を果たしている。
(2) 私たちには、信じるという責任がある。
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