30日でわかる聖書 マタイの福音書(16)

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目が開かれていく段階を確認することによって、より良きイエスの弟子となることができる。

「マタイ16章」

イントロ:

1. 文脈を確認する。

(1) イエスの公生涯の最後の年。

(2) 弟子訓練に精力を注ぐ。

(3) きょうの箇所は、弟子訓練の頂上である。

2. 目には、肉体の目と心の目(霊的な目)とがある。

(1) マルコ8:22~26の盲人の癒し。

(2) 段階を追って癒されている。福音書の奇蹟では、これが唯一のもの。

(3) イエスの弟子たちも、段階を追って目が開かれている。

①盲目の段階

②半分見えた段階

③すべて見えた段階(ペンテコステ以降)

(4) 私たちも、立ち聞きをしながら、よりよい弟子とならせていただこう。

目が開かれていく段階を確認することによって、より良きイエスの弟子となることができる。

Ⅰ.霊的な目が閉ざされている段階

1. パリサイ人やサドカイ人

(1) 「天からのしるし」を求める。

(2) これまでイエスが行ったしるしは、「地獄(サタン)からのしるし」である。

(3) イエスの回答。

①空模様の見分け方は知っている。

②「時のしるし」は見分けられない。「今がどういう時かを示すしるし」。

③私たちは、今がどういう時かを見分けているか。

(4) 「ヨナのしるし」しか、与えられない(マタイ12:39の繰り返し)

①ラザロの蘇生。

②イエスの復活。

③黙示録11章の2人の証人の復活。

(5) マタイ12章以降の奇蹟は、イスラエル全体のためではなく、弟子訓練のため。

2. 弟子たち

(1) パリサイ人やサドカイ人たちのパン種に注意せよ。

(2) 弟子たちの誤解

(3) イエスの解説

①パン種とは、「罪」、「偽りの教え」のこと。

②パリサイ人のパン種とは、イエスが悪霊につかれているという教え。

③サドカイ人のパン種とは、イエスが神殿礼拝を否定しているという教え。

(4) 弟子たちは、ようやく「悟った」。

①その悟りがどの程度であるかを試すテストがやって来る。

②パン種は、イエスのメシア性を否定する教え。

③弟子たちは、イエスがメシアであることを認められるか。

Ⅱ.霊的な目が開かれる段階

 1.場所

(1) ピリポ・カイザリヤは、ヘルモン山の麓の町。

(2) 元の名は「パニアス」。偶像神「パン」の宮があった。

(3) アウグストからその町を与えられたヘロデ大王は、皇帝崇拝の神殿を建てた。

(4) その子ヘロデ・ピリポは、テベリオに敬意を表してピリポ・カイザリヤとした。

(5) 切り立った崖と洞窟。当時は、そこから水が溢れ、バニヤス川となっていた。

(6) 川底には、大小ざまざまの石が散らばっていた。

 2.イエスの質問(1)

(1) 「人々は人の子をだれだと言っていますか」

(2) 弟子たちの答え

①バプテスマのヨハネ。復活したヨハネ。

②エリヤ。マラキ書4章の成就。

③エレミヤ。涙の預言者。

④預言者のひとり。それ以外の預言者。

(3) イエスの超自然的な権威は認めているが、メシア性は認めていない。

3.イエスの質問(2)

(1) 「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」

(2) 「あなたがた」に強調点がある。

(3) ペテロの答え。

①メシアです。

②神の御子です。

③生ける神の。

(4) イエスの応答。祝福のことば。

①幸いです。

②天の父が示された。

③イエスがメシアであるとの信仰を与えられている私たちは、幸いである。

 4.教会設立の約束

(1) 「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます」

(2) カトリック教会は、「この岩」をペテロと取る。しかし、釈義上の無理がある。

(3) 「ペテロ(ペテロス)」(男性名詞)とは小石のこと。

(4) 「岩(ペトラ)」(女性名詞)とは岩山のこと。

①旧約聖書では、「岩」が象徴的に用いられた場合は、メシアを指す。

②ここでの「岩」は、イエスをメシアとして信じる信仰。

(5) 「教会」という言葉が初めて出てくる。

①未来形。教会が建てられるのは将来のこと。

②「教会」という概念は、マタイ16章で初めて出てくる概念。

③ペンテコステの日に教会が誕生した(使徒2章)。

④教会は、奥義である(エペソ3:6)。

⑤「ハデスの門もそれに打ち勝てない」。教会の永続性のこと。

 5.ペテロに権威を与える約束

(1) 「天の御国のかぎ」

   ①この文脈では、「天の御国」とは霊的な王国(教会)のこと。

   ②ペテロは、閉ざされた扉を開いて、人々を教会に入れる役目を果たす。

* 使徒2章。ユダヤ人。

* 使徒8章。サマリヤ人。

* 使徒9章。異邦人(コルネリオ)。

③一度開いた扉は、開かれたままである。

(2) 使徒的権威。

①「つなぐ(縛る)」、「解く」の意味。

* 紀元1世紀のラビ用語。

* 禁止と許可。有罪と無罪。

②新約聖書の書簡の中にある教え。

③アナニヤとサッピラに下った神の裁き(使徒5章)。

④悪霊の縛りとは無関係。

⑤「悪魔に立ち向かいなさい」(Ⅰペテロ5:9)とあるだけ。

Ⅲ.霊的な目が未だにぼやけていることが明らかになる段階

1. 初めてのメシア受難の予告

(1) 神の国のプログラム。

(2) これ以降、繰り返される(17:9、12、22~23、20:18~19)。

(3) 先に行くほど詳細になるが、弟子たちは理解しなかった。

(4) イエスが十字架にかかった時、仰天した。

2. 受難の4つの側面

(1) エルサレムに上る。

(2) 長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受ける。

(3) 殺される。

(4) 3日目に復活する。

3. ペテロの反応

(1) イエスを引き寄せて、いさめる。

(2) イエスは、「下がれ。サタン」と言われた。

①ペテロの行動が、サタンの立場に立っている。

②十字架から遠ざける。

③荒野の誘惑の本質も、それと同じものであった。

(3) 神学(理解)が伴わない「熱心な信仰」は、危険である。

4. 弟子としての道

(1) 日本流に言うと「弟子道」である。

(2) 救いは、信仰により、恵みによって与えられる。これが基本の真理。

(3) イエスの弟子になるためには犠牲が伴う。

①自分を捨てる。自己中心的な生活をやめる。

②十字架を負う。イエスの死と一体化する。

* この文脈では、ユダヤ人の指導者たちから拒否されること。

* 私たちも、この世から拒否されてもそれを甘受する。

(4) いのちを救おうとする者はそれを失う。

(5) イエスのためにいのちを失う者は、それを見いだす。

①霊的な守り、安全が保証される。

②霊的な豊かさが保証される。

(例話)毎月贈呈している140冊の「クレイ」の中の35冊がK刑務所用。

* 現在35名が、「クレイ」を使ってデボーションをしている。

* その内、5~6名が洗礼の学びをしている。

* 昨年3名が洗礼を受け、合計6名がクリスチャン生活を送っている。

* 昨年は6回のグループ教誨があったが、驚くような聖霊の祝福があった。

* 書籍係りが、毎月の「クレイ」の差し入れを見て、自分もと申し出た。

* 2月6日には、3名の洗礼式がある。

* 来月号から5冊増やして40冊にして欲しい。

5. 将来の報酬

(1) 受難のしもべは、栄光の王、審判者として再臨される。

(2) その時、それぞれに報いが与えられる。それは、千年王国での地位に関係する。

(3) 弟子たちの中には、その生存中に、神の国の栄光を見る人がいる(マタイ17章)。

結論

1. イエスはメシアである。これで、50点。

2. イエスは受難のしもべである。これで、75点。

3. イエスの弟子となる道は、私たちに2つのことを約束している。これで、100点。

(1) 弟子たちには、地上生涯での霊的安全と豊かさが保証されている。

(2) やがて来るべき千年王国においては、重要な使命と地位とが用意されている。

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