私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
30日でわかる聖書 マタイの福音書(16)
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目が開かれていく段階を確認することによって、より良きイエスの弟子となることができる。
「マタイ16章」
イントロ:
1. 文脈を確認する。
(1) イエスの公生涯の最後の年。
(2) 弟子訓練に精力を注ぐ。
(3) きょうの箇所は、弟子訓練の頂上である。
2. 目には、肉体の目と心の目(霊的な目)とがある。
(1) マルコ8:22~26の盲人の癒し。
(2) 段階を追って癒されている。福音書の奇蹟では、これが唯一のもの。
(3) イエスの弟子たちも、段階を追って目が開かれている。
①盲目の段階
②半分見えた段階
③すべて見えた段階(ペンテコステ以降)
(4) 私たちも、立ち聞きをしながら、よりよい弟子とならせていただこう。
目が開かれていく段階を確認することによって、より良きイエスの弟子となることができる。
Ⅰ.霊的な目が閉ざされている段階
1. パリサイ人やサドカイ人
(1) 「天からのしるし」を求める。
(2) これまでイエスが行ったしるしは、「地獄(サタン)からのしるし」である。
(3) イエスの回答。
①空模様の見分け方は知っている。
②「時のしるし」は見分けられない。「今がどういう時かを示すしるし」。
③私たちは、今がどういう時かを見分けているか。
(4) 「ヨナのしるし」しか、与えられない(マタイ12:39の繰り返し)
①ラザロの蘇生。
②イエスの復活。
③黙示録11章の2人の証人の復活。
(5) マタイ12章以降の奇蹟は、イスラエル全体のためではなく、弟子訓練のため。
2. 弟子たち
(1) パリサイ人やサドカイ人たちのパン種に注意せよ。
(2) 弟子たちの誤解
(3) イエスの解説
①パン種とは、「罪」、「偽りの教え」のこと。
②パリサイ人のパン種とは、イエスが悪霊につかれているという教え。
③サドカイ人のパン種とは、イエスが神殿礼拝を否定しているという教え。
(4) 弟子たちは、ようやく「悟った」。
①その悟りがどの程度であるかを試すテストがやって来る。
②パン種は、イエスのメシア性を否定する教え。
③弟子たちは、イエスがメシアであることを認められるか。
Ⅱ.霊的な目が開かれる段階
1.場所
(1) ピリポ・カイザリヤは、ヘルモン山の麓の町。
(2) 元の名は「パニアス」。偶像神「パン」の宮があった。
(3) アウグストからその町を与えられたヘロデ大王は、皇帝崇拝の神殿を建てた。
(4) その子ヘロデ・ピリポは、テベリオに敬意を表してピリポ・カイザリヤとした。
(5) 切り立った崖と洞窟。当時は、そこから水が溢れ、バニヤス川となっていた。
(6) 川底には、大小ざまざまの石が散らばっていた。
2.イエスの質問(1)
(1) 「人々は人の子をだれだと言っていますか」
(2) 弟子たちの答え
①バプテスマのヨハネ。復活したヨハネ。
②エリヤ。マラキ書4章の成就。
③エレミヤ。涙の預言者。
④預言者のひとり。それ以外の預言者。
(3) イエスの超自然的な権威は認めているが、メシア性は認めていない。
3.イエスの質問(2)
(1) 「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」
(2) 「あなたがた」に強調点がある。
(3) ペテロの答え。
①メシアです。
②神の御子です。
③生ける神の。
(4) イエスの応答。祝福のことば。
①幸いです。
②天の父が示された。
③イエスがメシアであるとの信仰を与えられている私たちは、幸いである。
4.教会設立の約束
(1) 「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます」
(2) カトリック教会は、「この岩」をペテロと取る。しかし、釈義上の無理がある。
(3) 「ペテロ(ペテロス)」(男性名詞)とは小石のこと。
(4) 「岩(ペトラ)」(女性名詞)とは岩山のこと。
①旧約聖書では、「岩」が象徴的に用いられた場合は、メシアを指す。
②ここでの「岩」は、イエスをメシアとして信じる信仰。
(5) 「教会」という言葉が初めて出てくる。
①未来形。教会が建てられるのは将来のこと。
②「教会」という概念は、マタイ16章で初めて出てくる概念。
③ペンテコステの日に教会が誕生した(使徒2章)。
④教会は、奥義である(エペソ3:6)。
⑤「ハデスの門もそれに打ち勝てない」。教会の永続性のこと。
5.ペテロに権威を与える約束
(1) 「天の御国のかぎ」
①この文脈では、「天の御国」とは霊的な王国(教会)のこと。
②ペテロは、閉ざされた扉を開いて、人々を教会に入れる役目を果たす。
* 使徒2章。ユダヤ人。
* 使徒8章。サマリヤ人。
* 使徒9章。異邦人(コルネリオ)。
③一度開いた扉は、開かれたままである。
(2) 使徒的権威。
①「つなぐ(縛る)」、「解く」の意味。
* 紀元1世紀のラビ用語。
* 禁止と許可。有罪と無罪。
②新約聖書の書簡の中にある教え。
③アナニヤとサッピラに下った神の裁き(使徒5章)。
④悪霊の縛りとは無関係。
⑤「悪魔に立ち向かいなさい」(Ⅰペテロ5:9)とあるだけ。
Ⅲ.霊的な目が未だにぼやけていることが明らかになる段階
1. 初めてのメシア受難の予告
(1) 神の国のプログラム。
(2) これ以降、繰り返される(17:9、12、22~23、20:18~19)。
(3) 先に行くほど詳細になるが、弟子たちは理解しなかった。
(4) イエスが十字架にかかった時、仰天した。
2. 受難の4つの側面
(1) エルサレムに上る。
(2) 長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受ける。
(3) 殺される。
(4) 3日目に復活する。
3. ペテロの反応
(1) イエスを引き寄せて、いさめる。
(2) イエスは、「下がれ。サタン」と言われた。
①ペテロの行動が、サタンの立場に立っている。
②十字架から遠ざける。
③荒野の誘惑の本質も、それと同じものであった。
(3) 神学(理解)が伴わない「熱心な信仰」は、危険である。
4. 弟子としての道
(1) 日本流に言うと「弟子道」である。
(2) 救いは、信仰により、恵みによって与えられる。これが基本の真理。
(3) イエスの弟子になるためには犠牲が伴う。
①自分を捨てる。自己中心的な生活をやめる。
②十字架を負う。イエスの死と一体化する。
* この文脈では、ユダヤ人の指導者たちから拒否されること。
* 私たちも、この世から拒否されてもそれを甘受する。
(4) いのちを救おうとする者はそれを失う。
(5) イエスのためにいのちを失う者は、それを見いだす。
①霊的な守り、安全が保証される。
②霊的な豊かさが保証される。
(例話)毎月贈呈している140冊の「クレイ」の中の35冊がK刑務所用。
* 現在35名が、「クレイ」を使ってデボーションをしている。
* その内、5~6名が洗礼の学びをしている。
* 昨年3名が洗礼を受け、合計6名がクリスチャン生活を送っている。
* 昨年は6回のグループ教誨があったが、驚くような聖霊の祝福があった。
* 書籍係りが、毎月の「クレイ」の差し入れを見て、自分もと申し出た。
* 2月6日には、3名の洗礼式がある。
* 来月号から5冊増やして40冊にして欲しい。
5. 将来の報酬
(1) 受難のしもべは、栄光の王、審判者として再臨される。
(2) その時、それぞれに報いが与えられる。それは、千年王国での地位に関係する。
(3) 弟子たちの中には、その生存中に、神の国の栄光を見る人がいる(マタイ17章)。
結論
1. イエスはメシアである。これで、50点。
2. イエスは受難のしもべである。これで、75点。
3. イエスの弟子となる道は、私たちに2つのことを約束している。これで、100点。
(1) 弟子たちには、地上生涯での霊的安全と豊かさが保証されている。
(2) やがて来るべき千年王国においては、重要な使命と地位とが用意されている。
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