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申命記(6)モアブとアンモンを迂回
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モアブとアンモンの迂回について学ぶ。
申命記6回
「モアブとアンモンを迂回」
申命記2:9~25
1.はじめに
(1)イスラエルの民は、正しい世界観と人生観を持つ必要があった。
①自分たちは、どこから来たのか。
②自分たちにカナンの地を与えると約束してくれたのは、誰か。
③カナンの地で生きる目的は何か。
(2)申命記のアウトライン(宗主権契約の形式)
①第1の説教:歴史の回顧(1:5~4:43)
②第2の説教:契約に基づく義務(4:44~26:19)
③第3の説教:祝福と呪いの宣言(27:1~29:1)
④第4の説教:契約条項のまとめ(29:2~30:20)
(3)2章のアウトライン
①カデシュ・バルネアからセイル山まで(2:1~8)
②モアブとアンモンを迂回(2:9~25)
③ヘシュボンの王シホンに対する勝利(2:26~37)
(4)モアブ人とアンモン人の起源(創19:36~38)
①ロトは、アブラハムの甥である。
②ロトの2人の娘は父親によって身ごもった。
③姉が産んだ子は、モアブと名づけられた。モアブ人の先祖。
④妹が産んだ子は、ベン・アミと名づけられた。アンモン人の先祖。
⑤モアブ人とアンモン人は、イスラエル人の親戚である。
2.メッセージのアウトライン
(1)モアブを迂回するイスラエルの民(2:9~13)
(2)アンモンを迂回するイスラエルの民(2:14~25)
3.結論
(1)聖書の霊感
(2)土地の所有に関する【主】の主権
モアブとアンモンの迂回について学ぶ
Ⅰ.モアブを迂回するイスラエルの民(2:9~13)
1.前回のメッセージの最後の聖句(申2:8)
それで私たちは、セイルに住むエサウの子孫である私たちの同族から離れ、アラバへの道から離れ、エイラトからも、またエツヨン・ゲベルからも離れて進んで行った。
そして、私たちは向きを変えて、モアブの荒野への道を進んで行った。
そして、私たちは向きを変えて、モアブの荒野への道を進んで行った。
(1)エサウの子孫であるエドム人の地から離れた。
①エドムの地を東に迂回し、モアブ人の地に近づいた。
②地図表示
2.9節
主】は私に言われた。「モアブに敵対してはならない。彼らに戦いを仕掛けてはならない。あなたには、その地を所有地として与えない。わたしはアルをロトの子孫に所有地として与えたからである。
(1)「モアブに敵対してはならない。彼らに戦いを仕掛けてはならない」
①モアブ人は、ロトの子孫である。
②イスラエルの民は、モアブに対しても戦争を避けるように命じられた。
(3)「あなたには、その地を所有地として与えない。わたしはアルをロトの子孫
に所有地として与えたからである」
①その理由は、モアブの地はイスラエルのものではないからである。
②【主】をその地を、ロトの子孫に与えておられた。
③アルという町の名が、モアブの地の代名詞として使われている。
④アルは、モアブの国境の町である(民21:15)。
アルの定住地に達する谷川の支流は、
モアブの領土を支えている。」
モアブの領土を支えている。」
⑤エドムの地と同様に、モアブの地にも敬意を表する義務がある。
3.10~11節
──以前そこにはエミム人が住んでいた。アナク人のように大きくて背が高い民で、数も多かった。
アナク人と同じく彼らもレファイムであると見なされていた。モアブ人は彼らをエミム人と呼んでいた。
(1)申2:10~12は、物語の流れとは関係のない挿入句である。
①モーセより後の編集者が、補足説明を加えている。
②この加筆は、カナンの地征服後に行われたと思われる(次の12節を参照)。
③挿入句の目的は、モアブ人とエドム人が先住民に勝利した理由を示すため。
(2)申2:10~11は、モアブ人がエミム人との戦いに勝利した記録である。
①モアブ人は、その地に住んでいたエミム人を征服した。
*エミム人は、大きくて背が高く、数も多かった。
*エミムとは、「恐ろしい」という意味である。
*エミム人は、アナク人のように巨大であった。
*エミム人は、その巨大さのゆえに、レファイム人だと見なされていた。
②アナク人もレファイム人と見なされていた。
*レファイム人は、背が高い民として知られていた。
*創15:20にその名が出て来るが、詳しくは分からない。
③アナク人とエミム人=レファイム人のような民族
④モアブ人は、この長身で強力な民をその地から追い出すことができた。
⑤追い出せた理由は、【主】がその地をモアブ人に与えておられたからである。
3.12節
セイルには以前フリ人が住んでいたが、エサウの子孫がこれを追い払い、これを根絶やしにし、彼らに代わって住むようになった。ちょうど、イスラエルが【主】の下さった所有地に対してしたようにである──
(1)申2:12は、エサウの子孫(エドム人)がフリ人に勝利した記録である。
①彼らは、先住民であるフリ人を追い出し、その地を征服することができた。
(2)モアブ人とエドム人は、ともに戦いに勝利することができた。
①【主】がそれぞれの地を彼らの所有として与えてくださったからである。
②両者が勝利した理由は、同じである。
③それなら、イスラエル人もカナン人との戦いに勝利できるはずである。
④この確信に立って、イスラエルの民は立って約束の地に向かうのである。
(3)「ちょうど、イスラエルが【主】の下さった所有地に対してしたように」
①この聖句により、挿入句の部分がカナン征服後に書かれたことが分かる。
4.13節
Deu 2:13 今、立ってゼレデ川を渡れ。」そこで私たちはゼレデ川を渡った。
(1)ゼレデ川とは、東から死海の南端に流れ込む約50キロのワジである。
①地図表示
②この渓谷は、エドムとモアブの境界線を東西に走っている。
③この渓谷を渡ると、そこはモアブの地である。
(2)新しい世代のイスラエルは、勝利の確信を持ってその渓谷を渡った。
①【主】にあって不可能はないという確信である。
②神の御心に叶っているなら、必ず勝利するという確信である。
③新しい世代は、信仰によって行動を開始した。
④私たちも、霊的ゼレデ川を渡ろうではないか。
Ⅱ.アンモンを迂回するイスラエルの民(2:14~25)
1.14~15節
カデシュ・バルネアを出てからゼレデ川を渡るまでの期間は、三十八年であった。それまでに、その世代の戦士たちはみな宿営のうちから絶えてしまっていた。【主】が彼らについて誓われたとおりであった。
確かに【主】の御手が彼らに下り、彼らをかき乱し、宿営のうちから絶やされたのである。
(1)カデシュ・バルネアからゼレデ川を渡るまでの期間は、38年間であった。
①これは、荒野の放浪期間である。
②これは、出エジプトの世代が死に絶えるために必要とされた期間である。
③これは、【主】が誓われたことが成就するために必要とされた期間である。
④【主】への従順は、人生を単純化する最善の方法である。
(2)「確かに【主】の御手が彼らに下り、彼らをかき乱し、・・・」
①出エジプトの世代は、自然死を迎えたのではない。
②彼らは、神の裁きによって滅びた。
③「彼らをかき乱し」とは、敵と戦えない状態か、仲間打ちの状態を指す。
2.16~19節
戦士たちがみな民の間から絶えたとき、
【主】は私に告げられた。
「あなたは今日、モアブの領土アルを通ろうとしている。
アンモン人の近くに行くが、彼らに敵対してはならない。彼らに戦いを仕掛けてはならない。あなたにはアンモン人の地を所有地として与えない。わたしはそれをロトの子孫に所有地として与えたからである。
(1)イスラエルの民は、モアブの領土アルの東側を北上しようとしている。
①モアブの東側には、アンモン人の地がある。
②アンモン人は、ロトの息子ベン・アミの子孫である。
③モアブ人とアンモン人は、イスラエル人の親戚である。
(2)イスラエル人は、アンモン人に戦いを仕掛けてはならない。
①その地は、【主】がロトの子孫であるアンモン人に与えられたものである。
3.20~21節
──そこもレファイムの地だと見なされていた。以前はレファイムがそこに住んでいて、アンモン人は彼らをザムズミム人と呼んでいた。
彼らは、アナク人のように大きくて背が高い民で、数も多かった。しかし【主】がこれを滅ぼされたので、アンモン人がこれを追い払い、彼らに代わって住んだ。
(1)申2:20~23は、2つ目の挿入句である。
①アンモン人は、レファイム人を追い払った。
②アンモン人は、レファイム人をザムズミム人と呼んでいた。
③彼らは、アナク人のように大きくて背が高く、数も多かった。
(2)アンモン人が勝利できた理由は、【主】が働かれたからである。
①これもまた、イスラエルの民にとって励ましとなった。
②民13:28
Num 13:28 ただ、その地に住む民は力が強く、その町々は城壁があって非常に大きく、そのうえ、そこでアナクの子孫を見ました。
*かつては、巨人が住んでいることが、恐れの原因となった。
*【主】の助けがあれば、いかなる巨人にも勝利できる。
*私たちへの挑戦であり、励ましである。
4.22~23節
それは、セイルに住んでいるエサウの子孫のために、主が彼らの前からフリ人を滅ぼされたのと同じである。彼らはフリ人を追い払い、彼らに代わって住み、今日に至っている。
また、ガザ近郊の村々に住んでいたアビム人については、カフトルから出て来たカフトル人が根絶やしにし、彼らに代わって住んだのであった──
(1)同じことがエサウの子孫に起こった。
①彼らは、先住民フリ人を追い払い、セイルに住むようになった。
(2)もう一つの例は、ガザ近郊での住民交代劇である。
①そこには、アビム人が住んでいた。カナン人の一部族である。
②カフトル人が、アビム人に代わって住んだ。
③カフトル人とは、ペリシテ人であろう。
5.24~25節
立ち上がって出発せよ。アルノン川を渡れ。見よ、わたしはヘシュボンの王アモリ人シホンとその国を、あなたの手に渡す。占領し始めよ。彼と戦いを交えよ。
今日から、わたしは天下のあらゆる民に、あなたに対するおののきと恐れを抱かせる。彼らはあなたのうわさを聞いて震え、あなたの前でもだえる。」
(1)「立ち上がって出発せよ。アルノン川を渡れ」
①アルノン川は、東から西に流れ、死海に注ぎ込む川である。
②地図表示
③アルノン川を渡ると、アモリ人の地に近づく。
④首都はヘシュボンである。
⑤ヘシュボンの王は、アモリ人シホンである。
(2)「・・・その国を、あなたの手に渡す。占領し始めよ。彼と戦いを交えよ」
①アモリ人の国とは、ギルアデと呼ばれる地である。
②ギルアデは、アブラハムへの最初の約束には含まれていなかった。
③しかし【主】は、ギルアデをイスラエルの民に渡すと言われた。
④ヘシュボンの王シホンとの戦いは、約束の地征服の第一歩である。
*カナンの地征服のための予行演習である。
(3)「今日から、わたしは天下のあらゆる民に、あなたに対するおののきと恐れ
を抱かせる」
①民にとって最大の武器は、【主】から来る「おののきと恐れ」である。
②イスラエルの敵は、戦意喪失状態に陥る。
結論
1.聖書の霊感
(1)霊感とは、「神の息吹が吹き込まれた」という意味である。
(2)著者が記録を残す際に、神が守り導かれたという意味である。
(3)2テモ3:16
聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。
(4)完成した書の中に誤りはないという保証である。
(5)モーセ以外の編集者が加筆した部分も、霊感を受けている。
2.土地の所有に関する【主】の主権
(1)出20:15
盗んではならない。
①すべての罪の根源は、この聖句にある。
②人は、神のものを盗み、他人のものを盗む。
(2)箴23:10
昔からの地境を移してはならない。
みなしごの畑に入り込んではならない。
みなしごの畑に入り込んではならない。
(3)申2:9
【主】は私に言われた。「モアブに敵対してはならない。彼らに戦いを仕掛けてはならない。あなたには、その地を所有地として与えない。わたしはアルをロトの子孫に所有地として与えたからである。
(4)隣人の権利の尊重
①動産、不動産、知的財産など、あらゆるものが含まれる。
②良好な人間関係の基本である。
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