ガラテヤ人への手紙(3) ー 神から啓示された福音(1) ー

  • 2020.05.10
  • ガラテヤ人への手紙 1章11~17節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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神から啓示された福音について学ぶ。

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ガラテヤ 3

「神から啓示された福音( 1 )」

ガラ 1 11 17

 

1.はじめに

(1)ガラテヤ人への手紙の位置づけ

①パウロは、第1次伝道旅行でガラテヤ地方に複数の教会を設立した。

②パウロが設立した諸教会を、ユダヤ主義者と呼ばれる人々が訪問した。

*ユダヤ主義者の本来の意味は、ユダヤ的伝統に従って生活する人。

*ガラテヤ書の文脈では、ユダヤ主義者は律法主義者である。

③パウロは、律法主義者の教えに反論する必要を感じ、この書簡を書いた。

*タイミングは、エルサレム会議の前である。

 

(2)ガラテヤ人への手紙のアウトライン

①個人的弁明:パウロの使徒職(1:1~2:21)

②教理的教え:信仰義認(3:1~4:31)

③実践的教え:キリスト者の自由(5:1~6:18)

 

2.メッセージのアウトライン

(1)パウロの福音(11~12節)

(2)回心前の出来事(13~14節)

(3)回心時の出来事(15~17節)

(4)回心後の出来事(18~24節)

*今回は、(1)~(3)を取り上げる。

 

3.結論

(1)胎内にあるときからの選び

(2)先祖の伝承

 

神から啓示された福音について学ぶ。

Ⅰ.パウロの福音( 11 12 節)

1.11節

Gal 1:11 兄弟たち、私はあなたがたに明らかにしておきたいのです。私が宣べ伝えた福音は、人間によるものではありません。

(1)ここでパウロは、ガラテヤ人たちがすでに知っていることを確認する。

「明らかにする」は、ギリシア語で「グノリゾウ」である。

*はじめての情報を明確に伝えるという意味がある。

*すでに知られていることを、再度明確に伝えるという意味もある。

*ここでは、2番目の意味でこの言葉が使われている。

②1コリ15:1

1Co 15:1 兄弟たち。私があなたがたに宣べ伝えた福音を、改めて知らせます。あなたがたはその福音を受け入れ、その福音によって立っているのです。

*この聖句では、「改めて知らせます」が「グノリゾウ」である。

Gal 1:11 兄弟たち、私はあなたがたに明らかにしておきたいのです。私が宣べ伝えた福音は、人間によるものではありません。

 

(2)パウロの福音は、「人間によるものではない」

①「よるもの」は、ギリシア語で「カタ」である。

②人間の作品ではない。人間の考えによるものでもない。

2.12節

Gal 1:12 私はそれを人間から受けたのではなく、また教えられたのでもありません。ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。

(1)パウロの福音は、人間から受けたものでも、教えられたものでもない。

①パウロがこう書くのは、律法主義者たちがそのように非難していたから。

②パウロの反論

*タルソの大学で教えられたのでも、ガマリエルから学んだのでもない。

*エルサレムの使徒たちから受けたのでもない。

 

(2)パウロの福音は、イエス・キリストの啓示によって与えられたものである。

①パウロは、「私の福音」という言葉を使う(ロマ2:16)。

Rom 2:16 私の福音によれば、神のさばきは、神がキリスト・イエスによって、人々の隠された事柄をさばかれるその日に行われるのです。

②神が、罪人に伝えるために、自分に啓示してくださった福音という意味。

*その内容は、キリストの死、埋葬、復活である(1コリ15:1~3)。

*パウロに独特な教えは、「位置的真理」(In Christ)である。

Gal 1:12 私はそれを人間から受けたのではなく、また教えられたのでもありません。ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。

 

(3)パウロは、生きた奇跡である。

①ダマスコ途上での、主イエス・キリストとの超自然的な出会い。

*主の命令に従ってダマスコに入って行ったのは、救われたことの証明。

②主は、敬虔なユダヤ人信者であるアナニアにこう言われた(使9:15)。

Act 9:15 しかし、主はアナニアに言われた。「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子らの前に運ぶ、わたしの選びの器です。

③直ちに聖霊に満たされ、ダマスコで伝道を開始した(使9:17)。

Act 9:17 そこでアナニアは出かけて行って、その家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウロ。あなたが来る途中であなたに現れた主イエスが、私を遣わされました。あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるためです。」

④イエスは神の子であると宣べ伝え始めた(使9:20)。

Act 9:20 ただちに諸会堂で、「この方こそ神の子です」とイエスのことを宣べ伝え始めた。

 

Ⅱ.回心前の出来事( 13 14 節)

1.13節

Gal 1:13 ユダヤ教のうちにあった、かつての私の生き方を、あなたがたはすでに聞いています。私は激しく神の教会を迫害し、それを滅ぼそうとしました。

(1)パウロは、自分の回心体験を再度伝えるのが重要だと考えた。

①ガラテヤ人たちは、パウロとバルナバが宣教した際、パウロの証しを聞いた。

(2)「かつて」のパウロは、ユダヤ教に熱心であった。

「かつて」は、ギリシア語で「ポテ」、英語で「in time past」である。

*今は、そうではない。

②その熱心さは、神の教会を迫害し、それを滅ぼそうとしたほどであった。

「激しく」は、「徹底的に」(新共同訳)ということである。

③当時のユダヤ教の熱心さのモデルは、ピネハスやユダ・マカバイである。

*ピネハスは、ミディアン人の女と交わる者を殺した(民25章)。

*ユダ・マカバイは、マカバイ戦争を指導し、シリアからの独立を達成し

た前2世紀の民族的英雄である。そこからハスモン朝が誕生した。

④パウロは、クリスチャン(神の敵)が殺されることを喜びとしたのであろう。

「神の教会」という言葉は、救われてから認識した事実を表わしている。

 

2.14節

Gal 1:14 また私は、自分の同胞で同じ世代の多くの人に比べ、はるかにユダヤ教に進んでおり、先祖の伝承に人一倍熱心でした。

(1)「ユダヤ教に進んでおり」とは、「道を切り拓く」という意味である。

①彼は、同世代の者たちの先頭に立ち、ユダヤ教を推進していた。

(2)彼は、キリストがメシア預言の成就であることを理解していなかった。

①彼は、メシアの死、埋葬、復活の意味を理解していなかった。

②彼は、ユダヤ教の伝統に固執するという点では、誰にも負けなかった。

③彼は、ユダヤ教のことを知らないわけではない。

④かつての彼は、その中にどっぷりと浸かり、律法主義の旗振りをしていた。

⑤従って、律法主義の魅力と危険性については、熟知している。

⑥そのような頑固な人物の心を変えられるのは、神だけである。

 

Ⅲ.回心時の出来事( 15 17 節)

1.15節

Gal 1:15 しかし、母の胎にあるときから私を選び出し、恵みをもって召してくださった神が、

(1)神は、パウロのために計画を用意しておられた。

①母の胎にあるときから、神はパウロを選んでおられた。

②神は、恵みをもってパウロを召された。

③パウロの救いは、偶然ではなかった。

(2)「母の胎にあるときからの選び」は、ユダヤ人信者に対して説得力があった。

①旧約聖書に出て来る概念である。

②これは、中絶反対の聖書的根拠になる聖句である。

③胎児はすでに人であり、神の目が注がれている。

④中絶論争の根底にあるのは、神の主権を巡る世界観の対立である。

 

2.16~17節

Gal 1:16 異邦人の間に御子の福音を伝えるため、御子を私のうちに啓示することを良しとされたとき、私は血肉に相談することをせず、

Gal 1:17 私より先に使徒となった人たちに会うためにエルサレムに上ることもせず、すぐにアラビアに出て行き、再びダマスコに戻りました。

(1)パウロの使命は、御子の福音を異邦人に伝えることである。

①神は、御子をパウロのうちに啓示し、異邦人に福音を伝えようとされた。

②パウロは、異邦人の救いを心から願った。

(2)パウロの伝道には、あるルールがあった。

①先ずユダヤ人の会堂に行き、ユダヤ人に福音を伝える。

②ユダヤ人が福音を拒否したなら、次に異邦人に向かう。

(3)パウロは、誰にも相談しなかった(福音が人間の作品ではないことの証明)。

「血肉」とは、人間のことである。

②使徒たちと会うためにエルサレムに上ることはしなかった。

*にもかかわらず、パウロの宣べ伝えた福音と、エルサレム教会の使徒た

ちが語っていた福音とは同じものであった。

(4)パウロは、すぐにアラビアに出て行った。

①アラビアとは、ヨルダン川の東岸地帯である。

②その地でヘブル語聖書を読んで黙想し、主イエスから直接教えを受けた。

③これが、パウロの福音が人間の作品ではないという弁明になっている。

(5)パウロは、再びダマスコに戻った。

①使徒9:20~22に書かれている宣教活動を行った。

 

結論

1 .胎内にあるときからの選び

2 .先祖の伝承

 

1 .胎内にあるときからの選び

1 )イザ 49 1 3

Isa 49:1 島々よ、私に聞け。/遠い国々の民よ、耳を傾けよ。/【主】は、生まれる前から私を召し、/母の胎内にいたときから私の名を呼ばれた。

Isa 49:2 主は私の口を鋭い剣のようにし、/御手の陰に私をかくまい、/私を研ぎ澄まされた矢とし、/主の矢筒の中に私を隠された。

Isa 49:3 そして、私に言われた。/「あなたはわたしのしもべ。イスラエルよ、/わたしはあなたのうちに、わたしの栄光を現す。」

①「第二のしもべの歌」と呼ばれている個所

②「私」は、誰を指しているのか。

*第一義的には、イスラエルの民を指している。

*狭い意味では、「イスラエルの残れる者」である(イザヤも含まれる)。

*究極的には、メシアであるイエスを指している。

③「しもべ」としての召しは、特権であり、十字架を負うことでもある。

④パウロも、同じ道を歩んでいる。

 

2 )エレ 1 4 5

Jer 1:4 次のような【主】のことばが私にあった。

Jer 1:5 「わたしは、あなたを胎内に形造る前から/あなたを知り、/あなたが母の胎を出る前からあなたを聖別し、/国々への預言者と定めていた。」

①エレミヤは、生まれる前から、異邦人への預言者として聖別されていた。

 

3 )パウロの自己認識

①自分は、旧約聖書の預言者の系譜につながる異邦人のための使徒である。

②自分は、「【主】のしもべ」の働きを継承する者である。

 

2 .先祖の伝承

1 )「先祖の伝承」とは、口伝律法のことである。

①ユダヤ教は、神は成文法と口伝律法をイスラエルに与えたと主張する。

②しかし、口伝律法はモーセの律法の「垣根」として付加されたものである。

③食物規定や安息日の規定は、そのようにして生まれたものである。

④イエスとパリサイ人たちの論争は、口伝律法をめぐるものである。

⑤口伝律法を「ハラハー」と呼ぶ。

*ユダヤ法( Jewish law )とも呼ばれる。

⑥タルムードの大部分を占めているのはハラハーである。

*モーセの律法は、安息日を守れと命じている。

*タルムードは、どのように安息日を守るかを教えている。

 

2 )かつてパウロは、ユダヤ教に進んでおり、先祖の伝承に人一倍熱心であった。

①彼は、ユダヤ教の学びの最先端にいた。

②ユダヤ教は、常に「新しい律法」を付け加える作業をしている。

③パウロが新しい律法を作る神学委員のひとりであった可能性は高い。

 

3 )メシアニックジューの中には、「ハラハー」を重視する人たちが多い。

①多くのクリスチャンが、その影響を受けている。

②「ハラハー」に対するパウロの評価(ピリ 3 7 8

Php 3:7 しかし私は、自分にとって得であったこのようなすべてのものを、キリストのゆえに損と思うようになりました。

Php 3:8a それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、私はすべてを損と思っています。私はキリストのゆえにすべてを失いましたが、それらはちりあくただと考えています。

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