ガラテヤ人への手紙(2)―ほかに福音はない―

  • 2020.05.03
  • ガラテヤ人への手紙 1章6~10節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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パウロの叱責について学ぶ。

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ガラテヤ2回
「ほかに福音はない」
ガラ1:6~10

 

1.はじめに
(1)ガラテヤ人への手紙の位置づけ
①特定の教会や個人ではなく、ガラテヤ地方の複数の教会に宛てられたもの。
②パウロは、第1次伝道旅行でこの地方に複数の教会を設立した(地図)。
③パウロが設立した諸教会を、ユダヤ主義者と呼ばれる人々が訪問した。
④パウロは、ユダヤ主義者の教えに反論する必要を感じ、この書簡を書いた。
*アンテオケで紀元48年頃に執筆したと思われる。
*タイミングは、エルサレム会議の前である。

 

(2)ガラテヤ人への手紙のアウトライン
①個人的弁明:パウロの使徒職(1:1~2:21)
②教理的教え:信仰義認(3:1~4:31)
③実践的教え:キリスト者の自由(5:1~6:18)

 

2.メッセージのアウトライン
(1)驚くべき逸脱(6~7節)
(2)呪いの宣言(8~9節)
(3)キリストの僕としての心構え(10節)

 

3.結論
(1)ほかの福音
(2)パウロと律法

 

パウロの叱責について学ぶ。
Ⅰ.驚くべき逸脱(6~7節)
1.6節
Gal 1:6
私は驚いています。あなたがたが、キリストの恵みによって自分たちを召してくださった方から、このように急に離れて、ほかの福音に移って行くことに。
(1)「あいさつ」に続いて「ほめ言葉」を語るのが、パウロの手紙の特徴である。
1Co 1:4 私は、キリスト・イエスにあってあなたがたに与えられた神の恵みのゆえに、あなたがたのことをいつも私の神に感謝しています。
1Co 1:5 あなたがたはすべての点で、あらゆることばとあらゆる知識において、キリストにあって豊かな者とされました。
①リーダーの役割のひとつは、ともに働く人たちの長所を見つけ、ほめること。

 

(2)この手紙では、ほめ言葉がなく、「私は驚いています」が最初に出て来る。
①「驚いている」は、ギリシア語で「サウマゾー」である。
②継続した状態を指す現在形である。
「私は驚いています」(新改訳2017)
「・・・あきれ果てています」(新共同訳)
「・・・わたしには不思議でならない」(口語訳)
「我は・・・怪しむ」(文語訳)
「ほんまかいな」「あり得へん」(大阪弁)

 

(3)驚きの原因
①自分たちを召してくださった神から、このように急に離れて行く。
*罪人をこの世から召し出してくださるのは、神である。
*パウロは、神の召しを罪人に伝えるための代理人である。
②「ほかの福音に移って行く」
*そうでない信者もいたであろうが、全体としては逸脱しつつあった。
*パウロは、このようなことは予期していなかったと思われる。

 

(4)「離れて」という動詞は、ギリシア語で「メタティセイミ」である。
①継続した動作を示す現在形である。
②彼らは、恵みによって生きるという確信を放棄しつつある。
③「メタティセイミ」は、敵前から逃亡することを意味する動詞である。
④昔も今も、逃亡兵は軍事裁判にかけられ、死刑が宣告される。
⑤福音からの逸脱は、それほど重大な罪である。

 

(5)逸脱の責任は誰にあるのか。
①偽教師たちがガラテヤ教会の信徒たちを惑わせた。
*彼らは、いわゆるユダヤ主義者である。
②ガラテヤ教会の信徒たちは、自らの意志で「ほかの福音」に移りつつあった。

 

2.7節
Gal 1:7
ほかの福音といっても、もう一つ別に福音があるわけではありません。あなたがたを動揺させて、キリストの福音を変えてしまおうとする者たちがいるだけです。
(1)パウロは、「ほかの福音」が誤解を生みやすい言葉であることに気づいた。
①福音はいくつもあるのかという疑問が湧いて来る。
②そこでパウロは、「もう一つ別に福音があるわけではありません」と書く。
③偽教師たちは、キリストの福音を別のものに変えようとしている。
*偽教師たちが誰であるかは、書いていない。
*彼らが、エルサレムから下って来た教師たちであるとも書いていない。

 

(2)偽教師たちとは、ユダヤ主義者たちである。
①彼らは、ユダヤ人信者で、ユダヤ教の律法主義を推奨する人たちである。
*ユダヤ教は、モーセの律法(613)以外に口伝律法を認めた。
*神はモーセに、書かれた律法と口伝律法を与えた。
*両者には、等しい権威がある。
*今も、メシアニックジューの中には、救いと清めの条件として、律法を
守ることを主張する人たちがいる。
③律法主義者の教えは、恵みと信仰によって救われるという教えと矛盾する。

 

(3)教理的逸脱に対するパウロの応答
①教理的逸脱に対する寛容な姿勢は、とうてい赦されない。
*誤った教理は、ガン細胞のようである。
*聖書では、パン種という言葉がよく使われる。
②パウロは、教理的逸脱に真っ正面からぶつかって行く。
③パウロは、教理的逸脱に義憤を覚えている。

 

Ⅱ.呪いの宣言(8~9節)
1.8節
Gal 1:8
しかし、私たちであれ天の御使いであれ、もし私たちがあなたがたに宣べ伝えた福音に反することを、福音として宣べ伝えるなら、そのような者はのろわれるべきです。
(1)パウロは、偽教師たちに対して永遠の呪いを宣言する。
①ギリシア語で「アナテマ」である。
②仮定として、自分自身や天使まで引き合いに出している。
③これは、「アナテマ」の厳粛さを示すための表現である。
④旧約聖書にも、偽預言者への呪いの宣言が出て来る(申18:20)。

 

Deu 18:20
ただし、預言者であっても、わたしが告げよと命じていないことを、不遜にもわたしの名によって告げたり、あるいは、ほかの神々の名によって告げたりする者がいるなら、その預言者は死ななければならない。」

 

(2)「私たちがあなたがたに宣べ伝えた福音」
①バルナバ
Act 13:13 パウロの一行は、パポスから船出してパンフィリアのペルゲに渡ったが、ヨハネは一行から離れて、エルサレムに帰ってしまった。
②シラス
Act 15:40 パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて出発した。
③シラスとテモテ
Act 16:3
パウロは、このテモテを連れて行きたかった。それで、その地方にいるユダヤ人たちのために、彼に割礼を受けさせた。彼の父親がギリシア人であることを、皆が知っていたからである。
Act 16:4 彼らは町々を巡り、エルサレムの使徒たちと長老たちが決めた規定を、守るべきものとして人々に伝えた。
④パウロが宣べ伝えた福音は、完璧で完成したものである。

 

2.9節
Gal 1:9
私たちが以前にも言ったように、今もう一度、私は言います。もしだれかが、あなたがたが受けた福音に反する福音をあなたがたに宣べ伝えているなら、そのような者はのろわれるべきです。
(1)再度、異なった福音を伝える者に対して、呪いが宣告される。
①「以前にも言った」は、明確に警告を発したという意味である。
②その内容を理解してもらうために、再度言う。
③パウロは、使徒の権威を用いて、ユダヤ主義者の上に呪いを宣言している。

 

Ⅲ.キリストの僕としての心構え(10節)
1.10節
Gal 1:10
今、私は人々に取り入ろうとしているのでしょうか。神に取り入ろうとしているのでしょうか。あるいは、人々を喜ばせようと努めているのでしょうか。もし今なお人々を喜ばせようとしているのなら、私はキリストのしもべではありません。
(1)ユダヤ主義者の策略
①パウロの使徒としての正当性に疑問を投げかける。
*パウロは、自分で自分を使徒に任命したのではないか。
*自分に従う人たちを集めているのではないか。
②神学的議論では勝てないので、パウロの信頼性を切り崩そうとする。
(2)反ユダヤ主義者の策略は、かなりの程度成功した。
①それゆえ、パウロは自らの使徒としての正当性を弁明する必要性を感じた。
②初代教会においては、12使徒の正当性が疑われたことはない。
*クジで選ばれたマッティアでさえも、使徒と認定された。
③パウロの場合は、すべてが異例であった。
*パリサイ人で教会を迫害した人物である。
*イエスの公生涯の間、ともに生活したわけではない。
*「異邦人の使徒」(ロマ11:13)を自認していた。
(3)「今、私は人々に取り入ろうとしているのでしょうか」
①(新改訳2017)は、ギリシア語の「gar」を「今」と訳している。
*「では」、「こんなことを言って」(新共同訳)も可能である。
②「神に取り入ろうとしているのでしょうか」
③もし人々に取り入ろうとしているのなら、呪いを宣告しないはずである。
(4)「もし今なお人々を喜ばせようとしているのなら、私はキリストのしもべで
はありません」
①パウロは、口伝律法を放棄した。
結論
1.ほかの福音
2.パウロと律法
1.ほかの福音
(1)「ほかの福音」とは、「同質」ではなく、「異質」という意味である。
(2)「恵みと信仰のみで救われる」という福音に、別の要素を付け加えること。
①義認は信仰によるが、きよめは業によるという教え
②ユダヤ教の各種の祭りや行事を義務化すること。
③モーセの律法や口伝律法によって義と認められようとすること。
④異邦人に割礼を受けさせるなら、それは「ほかの福音」である。
2.パウロと律法
(1)ピリ3:7
Php 3:7 しかし私は、自分にとって得であったこのようなすべてのものを、キリストのゆえに損と思うようになりました。
Php 3:8
それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、私はすべてを損と思っています。私はキリストのゆえにすべてを失いましたが、それらはちりあくただと考えています。それは、私がキリストを得て、
Php 3:9
キリストにある者と認められるようになるためです。私は律法による自分の義ではなく、キリストを信じることによる義、すなわち、信仰に基づいて神から与えられる義を持つのです。
(2)以前は誇りと思っていた事がらを、今は損と思うようになった。
①キリストの十字架によって、恵みの時代が始まった。
②割礼は不要となり、旧約聖書にあるさまざまな儀式もその役割を終えた。
③律法は人をキリストから切り離し、束縛の中に閉じ込める。
(3)キリストを知ることこそ、最高に素晴らしいことである。
①キリストのためにすべてを捨てたが、それを「ちりあくた」と思っている。
②「ちりあくた」とは、犬に投げ与える食べ物のことである。
(4)律法による義ではなく、信仰を通しての義が与えられる望みがある。
(5)今日もMJの中には、律法やユダヤ的ライフスタイルを守ることが神に喜ば
れると信じている人がたくさんいる。
①彼らは、救いや清めは、律法によって与えられると考えている。
②彼らは偽教師である。
③キリスト者の自由を奪われてはならない。

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