使徒の働き(93)―アグリッパ王の前に立つパウロ(2)―

  • 2020.02.10
  • 使徒の働き 26章1~18節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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アグリッパ王の前での聴聞について学ぶ。

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「アグリッパ王の前に立つパウロ(2)」

使徒26:1~18

1.はじめに

(1)文脈の確認

①ペリクスの後任として着任したフェストは、パウロの処置について悩んでいた。

②アグリッパ王とベルニケが表敬訪問のためにカイザリヤにやって来た。

③フェストは、アグリッパ王にパウロの取り調べを依頼した。

*アグリッパは、ローマ法に精通していた。

*また、ユダヤ教を熟知していた。

*彼は、神殿の管理者であり、大祭司の任命権者であった。

④パウロをカイザルに送る際に、理由を書いた手紙を付ける必要があった。

⑤これはパウロの裁判ではない。

*カイザルに上訴したので(25:11)、次の裁判はカイザルの前で行われる。

*これは、新しい情報を得るために行われる聴聞である。

*フェストは、アグリッパにパウロを聴聞する権利を与えた。

⑥パウロは、法的に自分を弁護する必要はない。

⑦彼はこの機会を捉え、アグリッパに伝道メッセージを語る。

⑧使9:15

Act 9:15 しかし、主はこう言われた。「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶ、わたしの選びの器です。

*パウロは、3つのグループに語りかける。

*異邦人たち、王たち、イスラエルの子孫

 

 

(2)アウトライン

①パウロの弁明(1~8節)

②パウロの回心体験(9~18節)

③パウロの宣教(19~23節)

④フェストの応答(24~26節)

⑤アグリッパの応答(27~32節)

 

 

結論:

(1)この弁明の位置づけ

(2)この弁明の中心テーマ

 

 

アグリッパ王の前での聴聞について学ぶ(2)

 

 

Ⅰ.パウロの弁明(1~8節)

1.1節

Act 26:1 すると、アグリッパがパウロに、「あなたは、自分の言い分を申し述べてよろしい」と言った。そこでパウロは、手を差し伸べて弁明し始めた。

(1)「手を差し伸べて」

①当時の弁舌家の姿勢である。

②腕が鎖につながれているので、よりドラマチックな印象がある。

 

2.2~3節

Act 26:2 「アグリッパ王。私がユダヤ人に訴えられているすべてのことについて、きょう、あなたの前で弁明できることを、幸いに存じます。

Act 26:3 特に、あなたがユダヤ人の慣習や問題に精通しておられるからです。どうか、私の申し上げることを、忍耐をもってお聞きくださるよう、お願いいたします。

(1)アグリッパ王に対して敬意を表している。

①あなたの前で弁明できることを、幸いに思う。

②あなたは、ユダヤ人の習慣や問題に精通しておられる。

*パウロは誠実にこれを語っている。

*彼にとっては、願っていた状況がやって来たのである。

③私の申し上げることを、忍耐をもってお聞きくださるように。

*これから語る証言は、手短なものではなく詳細なものだという予告である。

 

3.4~6節

Act 26:4 では申し述べますが、私が最初から私の国民の中で、またエルサレムにおいて過ごした若い時からの生活ぶりは、すべてのユダヤ人の知っているところです。

Act 26:5 彼らは以前から私を知っていますので、証言するつもりならできることですが、私は、私たちの宗教の最も厳格な派に従って、パリサイ人として生活してまいりました。

Act 26:6 そして今、神が私たちの父祖たちに約束されたものを待ち望んでいることで、私は裁判を受けているのです。

(1)若い頃のユダヤ教徒としての生活

「私の国民の中で」とは、タルソでの生活であろう。

②エルサレムでの生活は、律法の学びが中心であった。

③それらのことは、ユダヤ人の間では有名なことである。

 

 

(2)ユダヤ教の最も厳格な派に従った生活

①パウロは、パリサイ人であった。

②ユダヤ人たちは、かつてのパウロの生活について証言することができる。

 

 

(3)パウロが裁判を受けている理由

「神が私たちの父祖たちに約束されたものを待ち望んでいること」が理由。

②つまり、メシアによる救いを待ち望んでいることが、迫害を受ける理由である。

③この希望は、預言者たちが預言していたものである。

*個人的な救いと、国家的な解放と祝福

 

4.7~8節

Act 26:7 私たちの十二部族は、夜も昼も熱心に神に仕えながら、その約束のものを得たいと望んでおります。王よ。私は、この希望のためにユダヤ人から訴えられているのです。

Act 26:8 神が死者をよみがえらせるということを、あなたがたは、なぜ信じがたいこととされるのでしょうか。

(1)イスラエル12部族

①パウロは、北の10部族が失われてるとは思っていない。

②日本に日ユ同祖論というものがあるが、イギリスにも同様の考え方がある。

③北の10部族は失われてはいない。

*マタ19:28、ルカ22:30、ヤコ1:1、黙7:4~8、21:12参照

 

 

(2)彼らは熱心に神に仕えながら、約束のものを得たいと願っている。

①救いは油注がれた方、死者の中から復活された方、によってもたらされる。

②復活が信じられないなら、イエスがメシアであることも信じられない。

③しかし、神に不可能はないのだから、復活も可能である。

 

 

(3)パウロの希望は、真空状態からではなく、ユダヤ教から生まれたものである。

①ところが、彼はまさにこのユダヤ的希望のゆえに訴えられているのである。

②ユダヤ人たちは、この希望が与えられたとき、それを拒否した。

 

Ⅱ.パウロの回心体験(9~18節)

1.9~11節

Act 26:9 以前は、私自身も、ナザレ人イエスの名に強硬に敵対すべきだと考えていました。

Act 26:10 そして、それをエルサレムで実行しました。祭司長たちから権限を授けられた私は、多くの聖徒たちを牢に入れ、彼らが殺されるときには、それに賛成の票を投じました。

Act 26:11 また、すべての会堂で、しばしば彼らを罰しては、強いて御名をけがすことばを言わせようとし、彼らに対する激しい怒りに燃えて、ついには国外の町々にまで彼らを追跡して行きました。

(1)以前の信仰

①ナザレのイエスがメシアであることを信じられなかった。

②それどころか、強硬に敵対すべきだと考えていた。

③それをエルサレムで実行した。

④祭司長たちから授けられた権限を用いて、多くの聖徒たちを投獄した。

⑤また、死刑判決に賛成票を投じた。

*サンヘドリンの決定に同意した。

⑥すべての会堂で、彼らを罰し、御名を汚す言葉を言わせようとした。

*イエスは神でないと言わせる。

*イエスは呪われよと言わせる。

⑦さらに、怒りに燃えて、国外にまで追跡の手を広げることになった。

 

2.12~14節

Act 26:12 このようにして、私は祭司長たちから権限と委任を受けて、ダマスコへ出かけて行きますと、

Act 26:13 その途中、正午ごろ、王よ、私は天からの光を見ました。それは太陽よりも明るく輝いて、私と同行者たちとの回りを照らしたのです。

Act 26:14 私たちはみな地に倒れましたが、そのとき声があって、ヘブル語で私にこう言うのが聞こえました。『サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか。とげのついた棒をけるのは、あなたにとって痛いことだ。』

(1)パウロのダマスコ体験(これまでになかった2種類の情報がある)

「私たちはみな地に倒れましたが、」

*天からの光に照らされて、パウロの同行者たち全員が地に倒れた。

*この光は単なる幻ではなく、現実の力であった。

②その声は、ヘブル語で語りかけてきた。

*ユダヤ人なら、「サウロ」という名がヘブル語であることは分かる。

*異邦人はそうではないので、ヘブル語でという解説が付けられた。

*このお方がイスラエルの神であることが、暗示されている。

 

 

(2)「とげのついた棒をける」

①権威に逆らうことを示す格言である。

②家畜をならすために、牧者はとげのついた棒を用いた。

③家畜は、痛い体験を通して主人への従順を学ぶ。

④パウロにとっては、クリスチャンを迫害するのは自分を傷つけることであった。

 

3.15~18節

Act 26:15 私が『主よ。あなたはどなたですか』と言いますと、主がこう言われました。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである。

Act 26:16 起き上がって、自分の足で立ちなさい。わたしがあなたに現れたのは、あなたが見たこと、また、これから後わたしがあなたに現れて示そうとすることについて、あなたを奉仕者、また証人に任命するためである。

Act 26:17 わたしは、この民と異邦人との中からあなたを救い出し、彼らのところに遣わす。

Act 26:18 それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。』

(1)パウロは、3種類の主からの語りかけを、ひとまとめにして語っている。

①ダマスコ途上で直接イエスから聞いたことば

②アナニヤを通して届けられた主イエスのことば

③エルサレムの宮で祈っていたときに見た幻の中でのことば

 

 

(2)パウロは、自分が異邦人に遣わされた使徒であることを強調した。

①異邦人の聴衆の好感を得るためである。

 

結論

1.この弁明の位置づけ

(1)この弁明は、使徒の働きの中の5番目、最後のものである。

①使22:1~21神殿で(ユダヤ人たちに向かって)

②使23:1~8エルサレムで(サンヘドリンに向かって)

③使24:10~21カイザリヤで(総督ペリクスに向かって)

④使25:6~11カイザリヤで(総督フェストに向かって)

⑤使26:1~32カイザリヤで(アグリッパ王に向かって)

 

(2)この弁明は、使徒の働きの中の弁論のクライマックスである。

①パウロの伝道メッセージである。

②量的に最も長い。

 

2.この弁明の中心テーマ

(1)使26:17~18

Act 26:17 わたしは、この民と異邦人との中からあなたを救い出し、彼らのところに遣わす。

Act 26:18 それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。』

①主がパウロに語ったことばは、メシアの使命を預言したものと似ている。

*イザ35:5、42:7、42:16、61:1

②パウロの奉仕は、やがてメシアが地上で行うことの予表である。

 

(2)パウロの使命(福音の力の伝達)

①霊的に盲目な人たちの目を開く。

②サタンに支配されている人たちを解放する。

③イエスを信じる信仰によって、罪の赦しを得させる。

④聖徒たちとともに相続に与らせる。

*ロマ8:17

Rom 8:17 もし子どもであるなら、相続人でもあります。私たちがキリストと、栄光をともに受けるために苦難をともにしているなら、私たちは神の相続人であり、キリストとの共同相続人であります。

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