使徒の働き(94)―アグリッパ王の前に立つパウロ(3)―

  • 2020.02.24
  • 使徒の働き 26章19~32節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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アグリッパ王の前での聴聞について学ぶ。

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「アグリッパ王の前に立つパウロ(3)」

使徒26:19~32

 

1.はじめに

(1)文脈の確認

①フェストは、アグリッパ王にパウロの取り調べを依頼した。

②パウロをカイザルに送る際に、理由を書いた手紙を付ける必要があった。

③これはパウロの裁判ではない。

*カイザルに上訴したので(25:11)、次の裁判はカイザルの前で行われる。

*これは、新しい情報を得るために行われる聴聞である。

④パウロはこの機会を捉え、アグリッパに伝道メッセージを語る。

 

(2)アウトライン

①パウロの弁明(1~8節)

②パウロの回心体験(9~18節)

③パウロの宣教(19~23節)

④フェストの応答(24~26節)

⑤アグリッパの応答(27~32節)

 

結論:

(1)天からの啓示の内容

(2)啓示への応答

 

アグリッパ王の前での聴聞について学ぶ(3)

 

Ⅲ.パウロの宣教(19~23節)

1.19~20節

Act 26:19 こういうわけで、アグリッパ王よ、私は、この天からの啓示にそむかず、

Act 26:20 ダマスコにいる人々をはじめエルサレムにいる人々に、またユダヤの全地方に、さらに異邦人にまで、悔い改めて神に立ち返り、悔い改めにふさわしい行いをするようにと宣べ伝えて来たのです。

(1)「天からの啓示にそむかず」

①「天からの幻」(新改訳2017)

②「天から示されたこと」(新共同訳)

③「天よりの啓示」(口語訳)

④「天よりの顕示(しめし)」(文語訳)

⑤敬虔なパリサイ人であるパウロには、神の啓示に従うしか選択肢はない。

 

(2)使26:17~18

Act 26:17 わたしは、この民と異邦人との中からあなたを救い出し、彼らのところに遣わす。

Act 26:18 それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。』

 

(3)パウロの奉仕の広がり

①ダマスコにいる人々、エルサレムにいる人々、ユダヤの全地方、さらに異邦人

②これは、時間順にならべたものではない。

③先ずユダヤ人に、次の異邦人にという伝道の原則に基づいた描写である。

④ユダヤ人も異邦人も、ともに悔い改めが必要である。

 

(4)「悔い改めて神に立ち返り、悔い改めにふさわしい行いをするように」

①悔い改めとは、方向転換である。罪の生活から神への立ち返りである。

②立ち返りの証拠が、正しい行いである。

 

2.21節

Act 26:21 そのために、ユダヤ人たちは私を宮の中で捕らえ、殺そうとしたのです。

(1)「そのために」とは、異邦人伝道のことである。

①パウロは、異邦人はユダヤ教徒を通過しなくても信仰だけで救われると教えた。

②この教えが、ユダヤ人たちの怒りを買った。

③パウロは、「アグリッパ王よ、ひどいと思われませんか」と言っているのである。

 

3.22~23節

Act 26:22 こうして、私はこの日に至るまで神の助けを受け、堅く立って、小さい者にも大きい者にもあかしをしているのです。そして、預言者たちやモーセが、後に起こるはずだと語ったこと以外は何も話しませんでした。

Act 26:23 すなわち、キリストは苦しみを受けること、また、死者の中からの復活によって、この民と異邦人とに最初に光を宣べ伝える、ということです。」

(1)「こうして」は、「しかし」という訳の方がよい。

①神の守りがあったので、今日まで宣教活動を継続して来た。

*これは、パウロの実感である。

「小さい者にも大きい者にも」

*若い者にも年配者にも

*身分の低い者にも高い者にも

 

(2)語って来た内容は、ユダヤ人の預言者たちが預言してきたことだけである。

①キリストは苦しみを受ける。

②死者の中から復活する。

*「死者の中から最初に復活し、」(新改訳2017)

③ユダヤ人にも異邦人にも、光を宣べ伝える。

 

Ⅳ.フェストの応答(24~26節)

1.24節

Act 26:24 パウロがこのように弁明していると、フェストが大声で、「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている」と言った。

(1)「パウロ、お前は頭がおかしい。学問のしすぎで、おかしくなったのだ」(新共同)

①パウロは、ルカが記録している以上のことを語ったのであろう。

②フェストは我慢できなくなり、軽蔑の感情を表わした。

 

(2)フェストは、パウロが博学であることを認めた。

①博学とは、ヘブル語聖書に関する知識のことである。

②しかしフェストは、パウロが話している内容を理解することができなかった。

③フェストの世界観の中には、死者の復活は存在しない。

④このようなことに命を懸けるのは、頭がおかしくなっている証拠である。

⑤今も、福音に対して多くの人が同様の反応を示す。

 

(3)当時のローマ人の死生観

①肉体の復活は信じない。

②霊魂の不滅だけを信じる。

③使17:32(アテネでの伝道)

Act 17:32 死者の復活のことを聞くと、ある者たちはあざ笑い、ほかの者たちは、「このことについては、またいつか聞くことにしよう」と言った。

④使25:19(フェストの言葉)

Act 25:19 ただ、彼と言い争っている点は、彼ら自身の宗教に関することであり、また、死んでしまったイエスという者のことで、そのイエスが生きているとパウロは主張しているのでした。

 

2.25~26節

Act 26:25 するとパウロは次のように言った。「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理のことばを話しています。

Act 26:26 王はこれらのことをよく知っておられるので、王に対して私は率直に申し上げているのです。これらのことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも王の目に留まらなかったものはないと信じます。

(1)パウロは、礼儀正しい言葉で応答する。

①「私は、真実で理にかなったことばを話しています」(新改訳2017)

②情熱+礼儀=クリスチャンの性質

 

(2)アグリッパ王は、福音の内容をよく知っていた。

「これらのことは片隅で起こった出来事ではありません」

②イエスの公生涯、十字架、復活、教会の誕生、宣教の広がり、など。

③これらのことは、イスラエルの地ではよく知られていた。

④教会が誕生してから、30年が経過していた。

 

Ⅴ.アグリッパの応答(27~32節)

1.27節

Act 26:27 アグリッパ王。あなたは預言者を信じておられますか。もちろん信じておられると思います。」

(1)この段階で、パウロとアグリッパの力関係が逆転した。

①アグリッパは、預言者を信じているはずである。

*彼は、神殿の管理者であり、大祭司の任命権者である。

②もしそうなら、イエスはメシアだと認めるはずである。

③パウロがアグリッパを聴聞しているのである。

 

(2)アグリッパのジレンマ

①パウロに賛同すると、フェストや他のローマ人の前で面目をつぶすことになる。

②しかし、預言者を信じないと言うと、ユダヤ人の反発を買う。

 

2.28~29節

Act 26:28 するとアグリッパはパウロに、「あなたは、わずかなことばで、私をキリスト者にしようとしている」と言った。

Act 26:29 パウロはこう答えた。「ことばが少なかろうと、多かろうと、私が神に願うことは、あなたばかりでなく、きょう私の話を聞いている人がみな、この鎖は別として、私のようになってくださることです。」

(1)訳文の比較

「あなたは、わずかなことばで、私をキリスト者にしようとしている」(新改訳)

「おまえは、わずかな時間で私を説き伏せて、キリスト者にしようとしている」

(新改訳2017)

「短い時間でわたしを説き伏せて、キリスト信者にしてしまうつもりか」(新共同訳)

「おまえは少し説いただけで、わたしをクリスチャンにしようとしている」(口語訳)

①アグリッパは、皮肉を用いて回答を拒否した。

(2)パウロは、自分の願いを述べた。

①この話を聞いている人がみな私のようになってくださることである。

②「この鎖は別として」は、パウロの皮肉である。

 

 

3.30~31

Act 26:30 ここで王と総督とベルニケ、および同席の人々が立ち上がった。

Act 26:31 彼らは退場してから、互いに話し合って言った。「あの人は、死や投獄に相当することは何もしていない。」

(1)王と総督とベルニケは、立ち上がった。

①聴聞が終わったというしるしである。

②同席の人々は、アグリッパ王に敬意を表するという意味で立ち上がった。

③彼らは退場してから、パウロが無罪であることを認めた。

 

4.32節

Act 26:32 またアグリッパはフェストに、「この人は、もしカイザルに上訴しなかったら、釈放されたであろうに」と言った。

(1)パウロは、4回無罪であることが認められた。

①パリサイ人たち(使23:9)

②千人隊長クラウデオ・ルシア(使23:29)

③ユダヤ総督フェスト(使25:25)

④アグリッパ王

 

(2)ルカは、パウロの裁判や弁明に多くのスペースを割いた。

①無罪を勝ち取るためである。

②最終的には、パウロは解放される。

*牧会書簡は、解放後に執筆された書簡である。

 

結論

1.天からの啓示の内容

(1)使26:18

Act 26:18 それは彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって御国を受け継がせるためである。』

 

(2)福音の力

①霊的に盲目な人たちの目を開く。

②サタンに支配されている人たちを解放する。

③イエスを信じる信仰によって、罪の赦しを得させる。

④聖徒たちとともに相続に与らせる。

 

2.啓示への応答

(1)使26:19~20

ct 26:19 こういうわけで、アグリッパ王よ、私は、この天からの啓示にそむかず、

Act 26:20 ダマスコにいる人々をはじめエルサレムにいる人々に、またユダヤの全地方に、さらに異邦人にまで、悔い改めて神に立ち返り、悔い改めにふさわしい行いをするようにと宣べ伝えて来たのです。

 

(2)パウロは、2つのことを宣べ伝えた。

①悔い改め

*基本的には、心を変えること、認識を変えることである。

*光に背を向けていた者が、180度方向転換し、光に顔を向けることである。

*神なき生活から、神に立ち返ることである。

・イエス・キリストを通して神に立ち返る。

*2種類の悔い改めがある。

・異邦人的悔い改め(罪の生活からの悔い改め)

・ユダヤ人的悔い改め(見せかけの宗教生活からの悔い改め)

②悔い改めにふさわしい行い

*信仰表現としての行いが、悔い改めに続く。

*救いは信仰によって与えられるが、救いの確信は行いによって与えられる。

 

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