使徒の働き(84)―パウロの弁明(1)―

  • 2019.11.25
  • 使徒の働き 22章1~16節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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「パウロの弁明(1)」

使徒22:1~16

1.はじめに

(1)文脈の確認

①エルサレムの長老たちはパウロに助言した。

*悪い噂があるので、律法を否定していないことを示す必要がある。

*ナジル人の誓願をしている4人の兄弟たちのために、髪を剃る費用を出す。

②そこでパウロは、それを実行しようとした。

③ところが、パウロを神殿で見かけたユダヤ人たちは、騒動を起こした。

*アジア(エペソ)から来たユダヤ人たちが煽動者であった。

*彼らは、パウロが異邦人を神殿に連れ込んだと思い込んだ。

④殺される寸前で、千人隊長の介入があった。

⑤パウロは、千人隊長の許可を得て、群衆に語りかけた。

⑥パウロの危機管理

*彼は、礼儀正しい態度で千人隊長に接した。

*彼は、終始冷静さを保った。

⑦使21:40

Act 21:40 千人隊長がそれを許したので、パウロは階段の上に立ち、民衆に向かって手を振った。そして、すっかり静かになったとき、彼はヘブル語で次のように話した。

 

 

(2)アウトライン

①かつての自分(1~5節)

②回心(6~11節)

③洗礼(12~16節)

 

 

結論:

1.聖霊はどのように働かれたのか。

2.洗礼は救いの条件か。

3.奥義とは何か。

パウロのスピーチから霊的教訓を学ぶ

 

 

Ⅰ.かつての自分(1~5節)

   1.1~2節

Act 22:1 「兄弟たち、父たちよ。いま私が皆さんにしようとする弁明を聞いてください。」

Act 22:2 パウロがヘブル語で語りかけるのを聞いて、人々はますます静粛になった。そこでパウロは話し続けた。

(1)このスピーチの特徴

  ①使22:1~26:29で、5回パウロのスピーチが出て来る。

  ②このスピーチは、最初のものである。

  ③それまでは伝道的なスピーチであったが、これ以降は弁明的なものになる。

 

 

(2)「兄弟たち、父たちよ」という呼びかけ

  ①敬意を表わす呼びかけであり、慣用句でもある。

  ②使7:2のステパノのスピーチ(サンヘドリンにおいて)

Act 7:2 そこでステパノは言った。「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父アブラハムが、ハランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて、

 

 

(3)このスピーチのゴールは、弁明である。

  ①自分は、神に対して、律法に対して、神殿に対して敵対する者ではない。

  ②異邦人伝道は、神から自分に与えられた使命である。

 

 

(4)「パウロがヘブル語で語りかけるのを聞いて、人々はますます静粛になった」

   ①パウロは、ギリシア語ではなくヘブル語(アラム語)で語り始めた。

  ②アラム語は、神殿内で使用する言葉である。

  ③ユダヤの住民、ガリラヤの住民、ディアスポラのユダヤ人は、理解できた。

*ローマ兵たちには理解できなかったであろう。

  ④律法に熱心な者たちのパウロに対する認識が、相当変わったと思われる。

*ディアスポラのユダヤ人なのに、アラム語ができる。

 

 

   2.3節

Act 22:3 「私はキリキヤのタルソで生まれたユダヤ人ですが、この町で育てられ、ガマリエルのもとで私たちの先祖の律法について厳格な教育を受け、今日の皆さんと同じように、神に対して熱心な者でした。

(1)パウロは、自分もまた律法に熱心な者であったと証言する。

①キリキヤのタルソで生まれたユダヤ人である。

*文法的には、現在形が使われている。

*イエスを信じたからと言って、ユダヤ人でなくなるわけではない。

*イエスへの信仰とユダヤ性とは両立する。

*ユダヤ人のメシアを信じることは、ユダヤ人として当然のことである。

②若い頃からエルサレムで育てられた。

*12〜13歳でエルサレムにやって来たと思われる。

③パリサイ派の教育を受けた。

*当時最も尊敬されていたガマリエルから学んだ。

 

 

(2)パウロは、律法に対する熱心さでは誰にも負けないと言いたいのである。

  ①その例として、教会に対して行った迫害を上げる。

 

   3.4~5節

Act 22:4 私はこの道を迫害し、男も女も縛って牢に投じ、死にまでも至らせたのです。

Act 22:5 このことは、大祭司も、長老たちの全議会も証言してくれます。この人たちから、私は兄弟たちへあてた手紙までも受け取り、ダマスコへ向かって出発しました。そこにいる者たちを縛り上げ、エルサレムに連れて来て処罰するためでした。

(1)自分は、「この道」を迫害した。

  ①当時、「この道」という言葉は、ユダヤ人の間で広く認識されていた。

  ②殉教者の死については、自分にも責任がある。

 

 

(2)この迫害は、サンヘドリンの許可を得て行ったものである。

  ①このことを疑う者は、大祭司とサンヘドリンに確かめればよい。

  ②当時の大祭司カヤパも、当時の議員たちの多くも、まだ生きている。

 

Ⅱ.回心(6~11節)

   1.6節

Act 22:6 ところが、旅を続けて、真昼ごろダマスコに近づいたとき、突然、天からまばゆい光が私の回りを照らしたのです。

(1)パウロのダマスコ体験は、使徒の働きの中に3回出て来る。

  ①使9:1~19(三人称で書かれている)

  ②使22:6~16(一人称で書かれている)

  ③使26:12~18(一人称で書かれている)

 

 

(2)パウロは、天からのまばゆい光に照らされた。

①この光は太陽よりも明るい光、シャカイナグローリー(神の栄光の光)である。

 

   2.7~9節

Act 22:7 私は地に倒れ、『サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか』という声を聞きました。

Act 22:8 そこで私が答えて、『主よ。あなたはどなたですか』と言うと、その方は、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスだ』と言われました。

Act 22:9 私といっしょにいた者たちは、その光は見たのですが、私に語っている方の声は聞き分けられませんでした。

(1)パウロは地に倒れた。

①と言うよりも、地にひれ伏したのである。

②神の臨在の前でひれ伏すのは、ユダヤ人としては当然の反応である。

 

 

(2)次に、「サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか」という声を聞いた。

①回りの者たちは音を聞いただけで、声は認識できなかった。

「主よ。あなたはどなたですか」

「わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスだ」

「ナザレ」という言葉は、3回の回心の記事の中でここだけに出てくる。

*イエス自ら、軽蔑された呼び名を使っている。

④クリスチャンが迫害される時、主イエスご自身が迫害されているのである。

 

 

   3.10~11節

Act 22:10 私が、『主よ。私はどうしたらよいのでしょうか』と尋ねると、主は私に、『起きて、ダマスコに行きなさい。あなたがするように決められていることはみな、そこで告げられる』と言われました。

Act 22:11 ところが、その光の輝きのために、私の目は何も見えなかったので、いっしょにいた者たちに手を引かれてダマスコに入りました。

(1)パウロは、「主よ。私はどうしたらよいのでしょうか」と尋ねた。

  ①神に忠実なユダヤ人としては、当然の反応である。

  ②この時点で、パウロは回心を体験していたことが分かる。

 

 

(2)主はパウロに、「ダマスコに行きなさい」と命じた。

①パウロは、旅の目的地に行けと命じられた。

②ダマスコに行く目的は、当初パウロが意図したことと正反対のことであった。

③パウロが為すべきことは、あらかじめ神によって定められていた。

 

 

(3)パウロは、シャカイナグローリーによって目が見えなくなっていた。

①その状態で、彼は手を引かれてダマスコに入って行った。

②盲目状態からの解放は、霊的な盲目からの解放を示唆している。

 

Ⅲ.洗礼(12~16節)

   1.12~13節

Act 22:12 すると、律法を重んじる敬虔な人で、そこに住むユダヤ人全体の間で評判の良いアナニヤという人が、

Act 22:13 私のところに来て、そばに立ち、『兄弟サウロ。見えるようになりなさい』と言いました。すると、そのとき、私はその人が見えるようになりました。

(1)盲目のパウロを助けたのは、アナニヤという人物である。

①彼は、律法に照らして「敬虔な人」と判断されるような生活を送っていた。

②また、メシアニックジューにもそうでないユダヤ人にも評判の良い人であった。

③これは、パウロの聴衆たちには意味のある情報である。

  *使9:1~43には、アナニヤに関するこの情報は出て来ない。

 

 

(2)アナニヤはパウロを、「兄弟サウロ」と呼んでいる。

①パウロはこの時点ですでに救われており、アナニヤはそれを認識していた。

②彼が「見えるようになりなさい」と言うと、パウロの目が見えるようになった。

 

 

   2.14~15節

Act 22:14 彼はこう言いました。『私たちの父祖たちの神は、あなたにみこころを知らせ、義なる方を見させ、その方の口から御声を聞かせようとお定めになったのです。

Act 22:15 あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされるのですから。

(1)アナニヤはパウロに、神から聞いたことを伝える。

①ここでのアナニヤの言葉は、パウロの使徒職への召命になっている。

 

 

(2)パウロが受けた3つの祝福

①先祖の神のみこころを啓示される器となる。

*啓示の内容は「奥義」と呼ばれている(エペ3:1〜13)。

②復活のイエスに出会う。

「義なる方を見させ」とはそういう意味である。

「義なる方」は、メシアの称号である。

*復活の主と出会ったことにより、使徒の資格が満たされた。

*1コリ9:1、15:8

③復活のイエスのことばを聞く。

 

 

(3)以上の3つの祝福が与えられた理由は、「キリストの証人」となるためである。

①祝福には使命が伴う。

②神の国においては、傍観者はひとりもいないはずである。

 

 

   3.16節

Act 22:16 さあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを受け、自分の罪を洗い流しなさい。』

(1)洗礼は、すでに信仰によって罪を赦された者が受けるものである。

①この聖句は、誤解されて用いられることが多い。

 

結論:

 1.聖霊はどのように働かれたのか。

   (1)パウロは、このスピーチを事前に用意していたわけではない。

   (2)このスピーチをパウロに与えたのは、聖霊である。

   (3)主イエスの約束が成就している。

   (4)マタ10:19~20

Mat 10:19 人々があなたがたを引き渡したとき、どのように話そうか、何を話そうかと心配するには及びません。話すべきことは、そのとき示されるからです。

Mat 10:20 というのは、話すのはあなたがたではなく、あなたがたのうちにあって話されるあなたがたの父の御霊だからです。

 

  2.洗礼は救いの条件か。

(1)使22:16

Act 22:16 さあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを受け、自分の罪を洗い流しなさい。』

(2)洗礼は、罪を赦されるために受けるものではない。

(3)すでに信仰によって罪を赦された者が、主イエスの命令に従って受けるもの。

(4)パウロは復活のイエスに出会い、この方を信じた時点で、救われていた。

(5)「自分の罪を洗い流しなさい」とは、象徴的言葉である。

  ①洗礼は、イエスとの一体化を表現するための象徴的儀式である。

  ②洗礼は、罪が清められたことを表現するための象徴的儀式である。

(6)人は、信仰により恵みによって救われる。

(7)洗礼は救いの条件ではないが、主イエスの弟子として忠実に歩むためには必要

不可欠なものである。

 

3 .奥義とは何か。

  (1)エペ3:3~6

Eph 3:3 先に簡単に書いたとおり、この奥義は、啓示によって私に知らされたのです。

Eph 3:4 それを読めば、私がキリストの奥義をどう理解しているかがよくわかるはずです。

Eph 3:5 この奥義は、今は、御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されていますが、前の時代には、今と同じようには人々に知らされていませんでした。

Eph 3:6 その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということです。

 

 

(2)パウロが異邦人のための使徒となったのは、啓示による。

①パウロが伝えるメッセージは奥義であって、これもまた、神の啓示による。

②奥義とは、今までは隠されていたが、啓示によって明らかにされた真理である。

 

 

(3)奥義の内容

①福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、

ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということ。

②パウロがどんな試練の中にあっても大胆に福音を語れたのは、それが神から与

えられた啓示であるという確信があったからである。

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