使徒の働き(78)―エペソの長老たちへのメッセージ(1)―

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第三次伝道旅行について学ぶ。

「エペソの長老たちへのメッセージ(1)」
使徒20:18~24

 

1.はじめに
(1)文脈の確認
 ①パウロは、エルサレムに行こうとしている。
 ②パウロは、トロアスに7日間滞在し、そこの教会で奉仕をした。
 ③ユテコの転落事件があったが、彼が生き返ったので、人々は大いに慰められた。
 ④トロアスからミレトに移動した(ルカは、航海日誌を残している)。
⑤ミレトでエペソの長老たちにメッセージが語られた。

 

(2)前回の最後の聖句:使20:17
Act 20:17 パウロは、ミレトからエペソに使いを送って、教会の長老たちを呼んだ。
 ①ミレトで船荷を積み降ろすのに、3日前後かかったであろう。
 ②その時間を利用して、パウロはエペソに使いを送って教会の長老たちを呼んだ。
 ③彼らが着くのに、いくら早くても2日はかかる。
 ④エペソからミレトに来る者たちは、大きな犠牲を払った。

 

(3)ルカが記録する3つの重要なメッセージと5つの弁明
 ①第一次伝道旅行:ピシデヤのアンテオケでのメッセージ(使13:16~41)
 ②第二次伝道旅行:アテネでのメッセージ(使17:22~31)
 ③第三次伝道旅行:ミレトでのメッセージ(使20:22~31)
 ④5つの弁明(使22~26章)

 

(4)ミレトでのメッセージの特殊性と重要性
 ①これは、信者に向けて語られた唯一のメッセージである。
 ②これは、パウロ書簡のミニチュア版である。
*励まし、警告、勧め
*パウロ書簡に特徴的な語彙が多く出て来る。
 ③ルカは、速記でメッセージの内容をそのまま書き留めたと思われる。
*医学生は、講義内容を速記で書き留めていた。
*ルカには、パウロ書簡を読むチャンスがなかった。

 

(5)エペソの長老たちへのメッセージの構造
 ①エペソにおける過去の奉仕(18~21節)
*「you know」で始まる。
 ②エルサレムを訪問しようとする現在の計画(22~24節)
*「and now behold」で始まる。
 ③エペソ教会の長老たちの将来の責務(25~31節)
*「and now behold I know」で始まる。
 ④結びの言葉(32~35節)
*「and now」で始まる。

 

(6)アウトライン:エペソの長老たちへのメッセージ
 ①エペソにおける過去の奉仕(18~21節)
 ②エルサレムを訪問しようとする現在の計画(22~24節)

 

結論:聖書的リーダーシップ

 

エペソの長老たちへのメッセージから霊的教訓を学ぶ。
Ⅰ.エペソにおける過去の奉仕(18~21節)
1.18節
Act 20:18
彼らが集まって来たとき、パウロはこう言った。/「皆さんは、私がアジヤに足を踏み入れた最初の日から、私がいつもどんなふうにあなたがたと過ごして来たか、よくご存じです。
(1)エペソでの約3年弱の奉仕を振り返る。
 ①パウロは、自分を批判する人たちが出て来たのではないかと、心配している。
 ②そこで、長老たちに、自分がどのように生活したかを思い起こさせている。
*パウロは、秘密で何かをしたことはない。
*パウロのメッセージと振る舞いは、みんなに知られていた。
 ③自ら手本を示すことによって、主に忠実に生きるように勧めている。
 ④1テサ2:4~7
1Th 2:4
私たちは神に認められて福音をゆだねられた者ですから、それにふさわしく、人を喜ばせようとしてではなく、私たちの心をお調べになる神を喜ばせようとして語るのです。
1Th 2:5 ご存じのとおり、私たちは今まで、へつらいのことばを用いたり、むさぼりの口実を設けたりしたことはありません。神がそのことの証人です。
1Th 2:6
また、キリストの使徒たちとして権威を主張することもできたのですが、私たちは、あなたがたからも、ほかの人々からも、人からの名誉を受けようとはしませんでした。
1Th 2:7 それどころか、あなたがたの間で、母がその子どもたちを養い育てるように、優しくふるまいました。
*パウロの姿勢は、一貫していた。

 

2.19~21節
Act 20:19 私は謙遜の限りを尽くし、涙をもって、またユダヤ人の陰謀によりわが身にふりかかる数々の試練の中で、主に仕えました。
Act 20:20 益になることは、少しもためらわず、あなたがたに知らせました。人々の前でも、家々でも、あなたがたを教え、
Act 20:21 ユダヤ人にもギリシヤ人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰とをはっきりと主張したのです。
(1)パウロの奉仕の特徴の1番目は、謙遜である。
 ①彼は、謙遜の限りを尽くした。
 ②エペ4:1~3
Eph 4:1 さて、主の囚人である私はあなたがたに勧めます。召されたあなたがたは、その召しにふさわしく歩みなさい。
Eph 4:2 謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに忍び合い、
Eph 4:3 平和のきずなで結ばれて御霊の一致を熱心に保ちなさい。

 

(2)パウロの奉仕の特徴の2番目は、涙(悲しみ)である。
 ①彼は、多くの悲しみを経験した。
 ②2コリ2:4
2Co 2:4
私は大きな苦しみと心の嘆きから、涙ながらに、あなたがたに手紙を書きました。それは、あなたがたを悲しませるためではなく、私があなたがたに対して抱いている、あふれるばかりの愛を知っていただきたいからでした。

 

(3)パウロの奉仕の特徴の3番目は、福音に敵対する者たちからの迫害である。
 ①「ユダヤ人の陰謀によりわが身にふりかかる数々の試練」
 ②使19:9
Act 19:9
しかし、ある者たちが心をかたくなにして聞き入れず、会衆の前で、この道をののしったので、パウロは彼らから身を引き、弟子たちをも退かせて、毎日ツラノの講堂で論じた。

 

(4)パウロの奉仕の特徴の4番目は、忠実な福音の伝達である。
 ①相手の益になることは、すべて教えた。
 ②ロマ1:16
Rom 1:16 私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。
 ③あらゆる機会を捉え、あらゆる場所で教えた。
*「家々でも」とは、家の教会での学び会のことであろう。
*集っている長老たちは、家の教会のリーダーたちであろう。
 ④ユダヤ人にも異邦人にも教えた。
⑤「神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰」
*救いとは、イエス・キリストを通して父なる神に立ち帰ることである。
*パウロは、ユダヤ人にも異邦人にも同じ福音を語った。
⑥ロマ10:9~10
Rom 10:9
なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからです。
Rom 10:10 人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。

 

Ⅱ.エルサレムを訪問しようとする現在の計画(22~24節)
1.22~23節
Act 20:22 いま私は、心を縛られて、エルサレムに上る途中です。そこで私にどんなことが起こるのかわかりません。
Act 20:23 ただわかっているのは、聖霊がどの町でも私にはっきりとあかしされて、なわめと苦しみが私を待っていると言われることです。
(1)現在の状況もまた、長老たちへの教訓となる。
 ①今パウロは、エルサレムに上る途中にある。
 ②異邦人教会からの献金を届けるために、五旬節までにエルサレムに着きたいと
願っている。
 ③パウロには、これが御心であると確信があった。

 

(2)訳文の比較
 ①「心を縛られて」(新改訳)
 ②「御霊に縛られて」(新改訳2017)
 ③「“霊”に促されて」(新共同訳)
 ④「御霊に迫られて」(口語訳)
 ⑤「心搦(から)められて」(文語訳)

 

(3)「そこで私にどんなことが起こるのかわかりません」
 ①問題が起こるであろうことは、予感していた。
 ②ユダヤ人たちによって逮捕されることは、すでに預言されていたと思われる。

 

(4)「なわめと苦しみが私を待っている」
 ①これは、聖霊による(預言者を通した)語りかけである。
 ②聖霊は、エルサレムに上ることを禁じてはいない。
 ③危険が待っていると告げているだけである。
 ④ロマ15:30~31
Rom 15:30
兄弟たち。私たちの主イエス・キリストによって、また、御霊の愛によって切にお願いします。私のために、私とともに力を尽くして神に祈ってください。
Rom 15:31 私がユダヤにいる不信仰な人々から救い出され、またエルサレムに対する私の奉仕が聖徒たちに受け入れられるものとなりますように。

 

2.24節
Act 20:24
けれども、私が自分の走るべき行程を走り尽くし、主イエスから受けた、神の恵みの福音をあかしする任務を果たし終えることができるなら、私のいのちは少しも惜しいとは思いません。
(1)パウロは、自分の身の安全よりも、主イエスに忠実に生きることを願った。
 ①主イエスから、福音伝道の使命を与えられている。
 ②人生のゴールは、走るべき行程を走り尽くすことである。
 ③そのためには、自分のいのちは少しも惜しいとは思わない。

 

結論: 聖書的リーダーシップ
1.謙遜な態度
(1)クリスチャンは、イエス・キリストに従う者である。
(2)ピリ2:1~11に、キリストの謙遜が書かれている。
 ①謙遜は、ピリピ教会の問題を解決する鍵である。
 ②神は、謙遜な者を高く上げてくださる。
 ③ピリ2:5~9
Php 2:5 あなたがたの間では、そのような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。
Php 2:6 キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、
Php 2:7 ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質をもって現れ、
Php 2:8 自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました。
Php 2:9 それゆえ神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名をお与えになりました。
 ④1ペテ5:1~4
1Pe 5:1
そこで、私は、あなたがたのうちの長老たちに、同じく長老のひとり、キリストの苦難の証人、また、やがて現れる栄光にあずかる者として、お勧めします。
1Pe 5:2
あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、心を込めてそれをしなさい。
1Pe 5:3 あなたがたは、その割り当てられている人たちを支配するのではなく、むしろ群れの模範となりなさい。
1Pe 5:4 そうすれば、大牧者が現れるときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠を受けるのです。

 

2.忠実な奉仕
(1)福音を正確に伝える。
 ①人は、恵みと信仰によって救われる。
(2)神の計画の全貌を伝える。
 ①使20:27
Act 20:27 私は、神のご計画の全体を、余すところなくあなたがたに知らせておいたからです。

 

3.聖霊の導き
(1)パウロは、聖霊の強い促しを受けていた。
 ①使16:6~8
Act 16:6 それから彼らは、アジヤでみことばを語ることを聖霊によって禁じられたので、フルギヤ・ガラテヤの地方を通った。
Act 16:7 こうしてムシヤに面した所に来たとき、ビテニヤのほうに行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった。
Act 16:8 それでムシヤを通って、トロアスに下った。
(2)エルサレムに上るのは、聖霊の促しによることである。
 ①そこには危険が待ち受けている。
 ②しかしパウロは、身の安全を守ることよりも、神の御心を優先させた。
(3)ピリ1:20~21
Php 1:20
それは私の切なる祈りと願いにかなっています。すなわち、どんな場合にも恥じることなく、いつものように今も大胆に語って、生きるにも死ぬにも私の身によって、キリストがあがめられることです。
Php 1:21 私にとっては、生きることはキリスト、死ぬことも益です。

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