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使徒の働き(65)―コリントでの伝道(1)―
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第二次伝道旅行について学ぶ。
「コリントでの伝道(1)」
使徒18:1~4
1.はじめに
(1)パウロの旅程
①マケドニア州でのパウロ伝道が終わった。
②アテネから、アカヤ州での伝道が始まる。
③アテネを去って、コリントに移動する。
④地図の表示
⑤写真
*レカイオン街道①(レカイオン港に向う街道)
*レカイオン街道②
*アクロコリントス(アフォロディーテの神殿)
*アポロン神殿
(2)コリントでの伝道の概観
①新しい同労者(1~4節)
②シラスとテモテの合流(5~8節)
③夜の幻(9~11節)
④裁判(12~18節)
(3)アウトライン
①コリント到着(1節)
②新しい同労者との出会い(2~3節)
③会堂での伝道(4節)
結論: コリントでの伝道(1)から学ぶ教訓
コリントでの伝道(1)について学ぶ。
Ⅰ.コリント到着(1節)
1.1節
Act 18:1 その後、パウロはアテネを去ってコリントに行った。
(1)パウロがアテネに滞在中に、シラスとテモテがベレアから遅れて到着した。
①その後、シラスはピリピ教会を励ますために派遣された。
②さらに、テモテはテサロニケ教会に派遣された。
*パウロは、この教会が迫害の中でどうなったか不安を覚えた。
③その後パウロは、ひとりでアテネ伝道を行った。
(2)パウロは、アテネを去ってひとりでコリントへ向った。
①ここにも、神の導きがある。
②この時のパウロは、不安と恐れを抱いていた。
③1コリ2:3
1Co 2:3 あなたがたのところに行ったときの私は、弱く、恐れおののいていました。
④使18:9
Act 18:9 ある夜、主は幻によってパウロに言われた。「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。
⑤しかし、コリントは戦略的に重要な町なので、伝道しないわけにはいかない。
(3)コリントという町
①コリントは、アテネから約80キロ西に位置する町である。
*わずか80キロであるが、性格は全く異なる町である。
*ある人は、「ボストンを去って、ラスベガスに行くようなものだ」と言う。
②ローマ帝国内で4番目に大きな町である。
*当時の人口は、約20万人から50万人(アテネの20倍)。
*ローマを追放されたユダヤ人も多くいたであろう。
③前146年にローマ軍はコリントを破壊した。
④しかし、戦略的に重要な町なので、そのまま滅びることはあり得ない。
⑤前46年にジュリアス・シーザーが再建し、植民都市(コロニー)とした。
⑥アカヤ州の首都で、東西に2つの港を持っていた。
*レカイオンは、コリント湾からアドリア海に至るための港町。
*ケンクレアは、エーゲ海に面した港町。
*港と港の間は約6キロ。台車で船を運んだ。
*ペロポネソス半島を400キロ迂回するよりも便利。
*19世紀の終わりに、トルコ政府が運河を造った。
*東西移動のための要衝の地であった。
*アジアとヨーロッパをつなぐ役割を果たした。
⑦商業都市であり、堕落した町であった。
*「korinthiazomai」(corinthianize)という動詞が生まれた(前5世紀)
*「corinthian girl」は、娼婦のことである。
⑧偶像礼拝の町であった。
*ギリシア神話の女神アフロディーテの神殿が、アクロコリントス
(570メートル)の山頂に建っていた。
*アフロディーテは、愛・美・性の神で、ローマ神話のビーナスに相当する。
*その神殿には、1000人の神殿娼婦がいた。
⑨1コリ5:15~17
1Co 6:15
あなたがたは知らないのですか。あなたがたのからだはキリストのからだの一部なのです。それなのに、キリストのからだの一部を取って、遊女のからだの一部とするのですか。そんなことがあってはなりません。
あなたがたは知らないのですか。あなたがたのからだはキリストのからだの一部なのです。それなのに、キリストのからだの一部を取って、遊女のからだの一部とするのですか。そんなことがあってはなりません。
1Co 6:16
それとも、あなたがたは知らないのですか。遊女と交わる者は、彼女と一つのからだになります。「ふたりは一体となる」と言われているからです。
それとも、あなたがたは知らないのですか。遊女と交わる者は、彼女と一つのからだになります。「ふたりは一体となる」と言われているからです。
1Co 6:17 しかし、主と交わる者は、主と一つの霊になるのです。
⑩発掘されている偶像の宮
*メルカルト(水夫の神)
*アポロ(音楽と詩の神)
*アスクレーピオス(アポロの息子、医療の神)
Ⅱ.新しい同労者との出会い(2~3節)
2.2節a
Act 18:2a
そこで、ポントス生まれでアキラという名のユダヤ人と、彼の妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が、すべてのユダヤ人をローマから退去させるように命じたので、最近イタリアから来ていたのである。
そこで、ポントス生まれでアキラという名のユダヤ人と、彼の妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が、すべてのユダヤ人をローマから退去させるように命じたので、最近イタリアから来ていたのである。
(1)パウロは、自給伝道をする必要があった。
①支援者がいない。
②生活のための糧を稼がなければならなかった。
③ラビたちは、職業を持ちながらヘブル語聖書を教えるのが普通であった。
④生徒から謝礼を受け取ってはならない。
⑤パウロは、天幕職人の組合(ギルド)を探したはずである。
(2)アキラとその妻プリスキラとの出会い。
①アキラは、ポントス生まれで、イエスを信じるユダヤ人である。
*ポントスは、小アジアにあるローマの属州で、ビテニアの東に位置する。
②プリスキラは、プリスカとも呼ばれる。
*プリスカの方が正式な呼び名である。
*ルカは親しい呼び名を好むが、パウロは正式な呼び名を好む。
③ふたりがどのような経緯で信者になったかは、記録されていない。
④信者になってある年数は経っていたであろう。
⑤クラウデオ帝(在位41~54年)の勅令によってローマから退去させられた。
⑥最近、コリントに来ていた。
(3)クラウデオ帝によるローマからのユダヤ人の追放
①歴史家スエトニウス(69年~140年頃)は、紀元49年~50年に勅令が
出されたと書いている。
②ローマ市民でないユダヤ人たちは、ローマから追放された。
③「クレスタスという首謀者の煽動で、ローマのユダヤ人たちは度重なる騒動を
起していた」
④スエトニウスの誤解
*キリストを伝えたことで、ユダヤ人共同体が揺れ動いたのは確かである。
*彼は、キリストの名前を誤って記録した。
*また、キリストが実際の首謀者だと思った。
*スエトニウスは、勅令が出されてから20年後に誕生している。
3.2節b
Act 18:2b パウロは二人のところに行き、
Act 18:3 自分も同業者であったので、その家に住んで一緒に仕事をした。彼らの職業は天幕作りであった。
(1)アキラとプリスキラは、パウロに好意を示した。
①同業者であった。
②家に住まわせた。
*商人の店は1階にあり、住居は2階にあった。
③一緒に仕事をした。
*天幕の製造、修理を行った。
*天幕作りは、ギリシア語で「スケイノポイオス」である。
*正確には、天幕職人と言うよりは、革職人である。
④彼らの友情は、生涯続くものとなった。
(2)2節では、ルカは夫のアクラを先に紹介している。
①彼らの名前は、ここ以外に5回出て来るが、4回までプリスカが先に出て来る。
②使18:18、26、ロマ16:3、2テモ4:19。例外は1コリ16:19。
③プリスカは、高貴な出の婦人であったのかもしれない。
④あるいは、なんらかの理由で夫よりも重要だと思われたのであろう。
Ⅲ.会堂での伝道(4節)
1.4節
Act 18:4 パウロは安息日ごとに会堂で論じ、ユダヤ人やギリシア人を説得しようとした。
(1)コリントでも、パウロはユダヤ人伝道を優先させた。
①安息日ごとに会堂で論じた。
②ユダヤ人とギリシア人(神を恐れる異邦人)を説得しようとした。
③イエスは、約束のメシアであるというメッセージを語った。
(2)シラスとテモテが合流してからは、伝道に専念するようになる。
結論:コリントでの伝道(1)から学ぶ教訓
1.弱さの中に働く神の摂理
(1)パウロは、不安と恐れを覚えていた。
①マケドニア州での伝道の経験
②コリントの町は堕落しているとの悪評
③同労者がいない。
④生活の糧をどうするか。
(2)神は、弱っているパウロを励ました。
①アクラとプリスカと出会い、パウロは生涯の友人を得た。
②彼らもまた、ローマから追放され、弱さを覚えていたはずである。
③しかし、クラウデオ帝の勅令がなければ、この出会いはなかった。
(3)私たちは、すべてのことについて神を賛美することができる。
2.勤勉さの中に働く神の摂理
(1)パウロは、勤勉に働くことを求めた。
①その結果、仕事と2人の友人を得た。
②2人の友人も、勤勉な人たちであった。
③ユダヤ的信仰は、職業を尊ぶものである。
④神は、勤勉な人を祝福される。
(2)パウロは手紙の中で、3度彼らの名を上げている。
①ロマ16:3
Rom 16:3 キリスト・イエスにある私の同労者、プリスカとアキラによろしく伝えてください。
②1コリ16:19
1Co 16:19
アジアの諸教会がよろしくと言っています。アキラとプリスカ、また彼らの家にある教会が、主にあって心から、あなたがたによろしくと言っています。
アジアの諸教会がよろしくと言っています。アキラとプリスカ、また彼らの家にある教会が、主にあって心から、あなたがたによろしくと言っています。
③2テモ4:19
2Ti 4:19 プリスカとアキラによろしく。また、オネシポロの家族によろしく。
3.罪の増すところには、恵みも増す。
(1)この町にも教会が誕生する。
①しかし、コリント教会には、多くの問題があった。
②パウロは、この教会に3つの手紙を書いた(残っているのは2つ)。
③その内容と適用は、極めて現代的である。
(2)パウロはそれらの手紙によって、位置的聖化を、実際的聖化に高めようとした。
①1コリ1:1~3
1Co 1:1 神のみこころによりキリスト・イエスの使徒として召されたパウロと、兄弟ソステネから、
1Co 1:2
コリントにある神の教会へ。すなわち、いたるところで私たちの主イエス・キリストの名を呼び求めているすべての人とともに、キリスト・イエスにあって聖なる者とされ、聖徒として召された方々へ。主はそのすべての人の主であり、私たちの主です。
コリントにある神の教会へ。すなわち、いたるところで私たちの主イエス・キリストの名を呼び求めているすべての人とともに、キリスト・イエスにあって聖なる者とされ、聖徒として召された方々へ。主はそのすべての人の主であり、私たちの主です。
1Co 1:3 私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたにありますように。
②彼らは、数々の問題を抱えながらも、「聖徒」と呼ばれている。
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