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使徒の働き(61)―ベレアでの伝道―
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第二次伝道旅行について学ぶ。
「ベレアでの伝道」
使徒17:10~15
1.はじめに
(1)パウロの旅程
①マケドニア州でのパウロ伝道
*ピリピ、テサロニケ、ベレア
②前回は、テサロニケでの伝道を取り上げた。
*ユダヤ人たちが町のならず者たちを煽動し、暴動を起した。
*暴徒たちは、新しく信仰に入ったヤソンの家を襲った。
*パウロとシラスは、夜のうちにテサロニケから逃れた。
③今回は、ベレアでの伝道を取り上げる。
*現在は、ヴェリア、ヴェロイアなどと呼ばれている。
*ここは、マケドニア伝道の最後の町である。
④写真3点
*道路標識
*パウロの祭壇
*モザイク
(2)アウトライン
①テサロニケからベレアへ(10節)
②伝道の結果(11~12節)
③ユダヤ人の暴動(13節)
④避難(14~15節)
結論:ベレアでの伝道から学ぶ教訓
(1)迫害の中での教会成長
(2)次の町へ
(3)試練と慰めのサイクル
(4)聖書研究の重要性
ベレアでの伝道について学ぶ。
Ⅰ.テサロニケからベレアへ(10節)
1.10節
Act 17:10 兄弟たちは、すぐさま、夜のうちにパウロとシラスをベレヤへ送り出した。ふたりはそこに着くと、ユダヤ人の会堂に入って行った。
(1)テサロニケの兄弟たちは、夜のうちにパウロとシラスを送り出した。
①パウロが夜のうちに町を出るのは、これが2度目である。
②使9:24~25(ダマスコでの出来事)
Act 9:24 その陰謀はサウロに知られてしまった。彼らはサウロを殺してしまおうと、昼も夜も町の門を全部見張っていた。
Act 9:25 そこで、彼の弟子たちは、夜中に彼をかごに乗せ、町の城壁伝いにつり降ろした。
(2)パウロが去った後でも、テサロニケの教会は健全に成長し続けた。
①この教会は、試練の中で成長する教会であった。
(3)パウロとシラスは、イグナチオ街道を通ってベレアに向った。
①テサロニケからアテネに向う途中にある町
②テサロニケからベレアまでは、南西に約80キロの道のりである。
③パウロは落胆するどころか、ますます伝道の意欲に燃えた。
④ベレアは、マケドニアの古い町である。
⑤この町には、多くのユダヤ人が住んでいた。
(4)パウロの伝道パターン
①会堂に行き、先ずユダヤ人に語りかけ、次に異邦人に語りかける。
②ルカは省略しているが、テサロニケで起こったのと同じことが起こっている。
③使17:2~3
Act 17:2 パウロはいつもしているように、会堂に入って行って、三つの安息日にわたり、聖書に基づいて彼らと論じた。
Act 17:3
そして、キリストは苦しみを受け、死者の中からよみがえらなければならないことを説明し、また論証して、「私があなたがたに伝えているこのイエスこそ、キリストなのです」と言った。
そして、キリストは苦しみを受け、死者の中からよみがえらなければならないことを説明し、また論証して、「私があなたがたに伝えているこのイエスこそ、キリストなのです」と言った。
④パウロは、巡回ラビとして奨励を依頼された。
⑤彼は、旧約聖書からメシア預言を取り上げ、それを解説した。
⑥福音の三要素を提示し、イエスこそメシアであることを旧約聖書から論証した。
Ⅱ.伝道の結果(11~12節)
1.11節
Act 17:11
ここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
ここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
(1)ベレアのユダヤ人たちの特徴
①彼らは、妬みによって行動しなかった。
②「この町のユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも素直で、」(新改訳2017)
③聖書に対して心が開かれていた。
④聖書を体系的に調べる能力があった。
⑤偏見なしにパウロの主張を吟味する心の準備が出来ていた。
⑥彼らは、毎日聖書を調べた。
2.12節
Act 17:12 そのため、彼らのうちの多くの者が信仰に入った。その中にはギリシヤの貴婦人や男子も少なくなかった。
(1)その結果、多くのユダヤ人たちが信仰に入った。
①ソパテロもそのひとりであった。
②使20:4
Act 20:4
彼に同行していたのは、ピロの子であるベレア人ソパテロ、テサロニケ人のアリスタルコとセクンド、デルベ人のガイオ、テモテ、アジア人のティキコとトロフィモであった。
彼に同行していたのは、ピロの子であるベレア人ソパテロ、テサロニケ人のアリスタルコとセクンド、デルベ人のガイオ、テモテ、アジア人のティキコとトロフィモであった。
(2)さらに、多くの異邦人が信仰に入った。
①ギリシア人の貴婦人たち
②男性たち(恐らく貴族階級であろう)
③これらの人たちは、神を恐れる異邦人である。
Ⅲ.ユダヤ人の暴動(13節)
1.13節
Act 17:13
ところが、テサロニケのユダヤ人たちは、パウロがベレヤでも神のことばを伝えていることを知り、ここにもやって来て、群衆を扇動して騒ぎを起こした。
ところが、テサロニケのユダヤ人たちは、パウロがベレヤでも神のことばを伝えていることを知り、ここにもやって来て、群衆を扇動して騒ぎを起こした。
(1)ベレアでの伝道を妨害したのは、テサロニケのユダヤ人たちである。
①彼らは、パウロがベレアでも伝道しているということを聞いた。
②そこで、代表団を召集した。
③彼らは、約80キロも旅をして、ベレアにやって来た。
④彼らは、ベレアでも群衆を扇動して騒ぎを起した。
(2)ベレアのユダヤ人たちとは対照的である。
①ベレアのユダヤ人たちは、パウロの教えが聖書と一致しているかどうか調べた。
②テサロニケのユダヤ人たちこそが、「世界中を騒がせて来た者」である。
Ⅳ.避難(14~15節)
1.14節
Act 17:14 そこで兄弟たちは、ただちにパウロを送り出して海べまで行かせたが、シラスとテモテはベレヤに踏みとどまった。
(1)パウロは、ただちにベレアを去った。
①シラスとテモテは、ベレアに残った。
(2)パウロの行程には、2つの可能性がある。
①ベレアから海路でアテネまで行った。
②海路で行くと見せかけて、陸路で行った。
③これで、マケドニアでの伝道が終了し、次にアカヤでの伝道が始まる。
2.15節
Act 17:15
パウロを案内した人たちは、彼をアテネまで連れて行った。そしてシラスとテモテに一刻も早く来るように、という命令を受けて、帰って行った。
パウロを案内した人たちは、彼をアテネまで連れて行った。そしてシラスとテモテに一刻も早く来るように、という命令を受けて、帰って行った。
(1)ベレアの信者たちは、パウロをアテネまで案内した。
①ベレアからアテネまでは、約310キロある。
②シラスとテモテは、ベレアに残って弟子訓練の働きを継続した。
③パウロは、シラスとテモテが一刻も早く自分に合流するようにと伝えた。
(2)シラスとテモテは、アテネでパウロに合流した。
①ふたりを待つ間に、パウロは単独でアテネでの伝道を行った。
②その後、パウロはふたりをマケドニアに派遣した(自分では行けないので)。
*テモテをテサロニケに派遣した(1テサ3:2)。
*シラスを恐らくベレアに派遣した。
③シラスとテモテは、コリントでパウロと合流した。
④使18:5
Act 18:5
そして、シラスとテモテがマケドニヤから下って来ると、パウロはみことばを教えることに専念し、イエスがキリストであることを、ユダヤ人たちにはっきりと宣言した。
そして、シラスとテモテがマケドニヤから下って来ると、パウロはみことばを教えることに専念し、イエスがキリストであることを、ユダヤ人たちにはっきりと宣言した。
結論:ベレアでの伝道から学ぶ教訓
1.迫害の中での教会成長
(1)迫害の中でも、テサロニケ教会が成長した理由
①みことばを伝えることによって、信者を獲得する。
②信者に聖書を教える。
③他の人に福音を伝えるように教える。
(2)1テサ1:6~8
1Th 1:6 あなたがたも、多くの苦難の中で、聖霊による喜びをもってみことばを受け入れ、私たちと主とにならう者になりました。
1Th 1:7 こうして、あなたがたは、マケドニヤとアカヤとのすべての信者の模範になったのです。
1Th 1:8
主のことばが、あなたがたのところから出てマケドニヤとアカヤに響き渡っただけでなく、神に対するあなたがたの信仰はあらゆる所に伝わっているので、私たちは何も言わなくてよいほどです。
主のことばが、あなたがたのところから出てマケドニヤとアカヤに響き渡っただけでなく、神に対するあなたがたの信仰はあらゆる所に伝わっているので、私たちは何も言わなくてよいほどです。
2.次の町へ
(1)伝道のために先に進むのは、聖書的である。
(2)マタ10:23
Mat 10:23
彼らがこの町であなたがたを迫害するなら、次の町にのがれなさい。というわけは、確かなことをあなたがたに告げるのですが、人の子が来るときまでに、あなたがたは決してイスラエルの町々を巡り尽くせないからです。
彼らがこの町であなたがたを迫害するなら、次の町にのがれなさい。というわけは、確かなことをあなたがたに告げるのですが、人の子が来るときまでに、あなたがたは決してイスラエルの町々を巡り尽くせないからです。
①この原則は、イエスが十二弟子に教えたものである。
②ここには、普遍的な適用がある。
③耕された土地を見つけ、そこに種を蒔く。
3.試練と慰めのサイクル
(1)試練が来るのは、神の国と悪魔の国が葛藤しているからである。
(2)パウロとシラスは、神の国のメッセンジャーである。
(3)テサロニケのユダヤ人たちは、悪魔の国のメッセンジャーである。
(4)ベレアのユダヤ人たちは、パウロにとっては大いなる慰めである。
(例話)病院伝道をしたある兄弟からの報告
4.聖書研究の重要性
(1)使17:11~12
Act 17:11
ここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
ここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
Act 17:12 そのため、彼らのうちの多くの者が信仰に入った。その中にはギリシヤの貴婦人や男子も少なくなかった。
(2)訳文の比較
①「そのため」(新改訳)
②「それで」(新改訳2017)
③「そこで」(新共同訳)
④「そういうわけで」(口語訳)
⑥「この故に」(文語訳)
(3)ベレアのユダヤ人から学ぶ教訓
①パウロの語ることを受け入れた。
*「非常に熱心にみことばを受け入れ」(新改訳2017)
②パウロの語ることが聖書と一致しているかどうか調べた。
③毎日聖書を調べた。
(4)悪魔との戦いに勝利する秘訣は、単純な聖書研究である。
①新しい教えに接したなら、聖書と一致しているかどうか吟味する必要がある。
②聖書観の崩壊は、キリスト教信仰の崩壊につながる。
③悪魔は、単純な聖書研究を最も恐れている。
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