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使徒の働き(56)―マケドニア人の幻―
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第二次伝道旅行について学ぶ。
「マケドニア人の幻」
使徒16:6~10
1.はじめに
(1)第二次伝道旅行が始まった。
①この旅行は、約2年半に及ぶものである。
②パウロとバルナバが、マルコを同行させるかどうかで反目し合った。
③結果的に、2つの伝道チームが誕生した。
④パウロは、ルステラでテモテと出会った。
⑤パウロは、テモテに割礼を受けさせた。
⑥パウロの伝道チームは、3人態勢になった。
(2)ルカは、異邦人世界におけるキリスト教の急速な拡大を描こうとしている。
(地図表示)
①ローマ帝国内の3つの重要な州(マケドニア、アカヤ、アジア)
*エーゲ海の北-マケドニア-テサロニケ
*エーゲ海の西-アカヤ-コリント
*エーゲ海の東-アジア-エペソ
②これらの都市はすべて、ヘレニズム文明を特徴としていた。
③使16:11~19:20は、パウロのライフワークである。
*第二次伝道旅行と第三次伝道旅行(およそ5年間)
(3)アウトライン
①アジアでの伝道の禁止(6節)
②ビテニアでの伝道の禁止(7節)
③マケドニア人の幻(8~9節)
④導きの確信(10節)
結論
1.三位一体の神の導き
2.使徒の働きに見られる神の導きの原則
マケドニア人の幻について学ぶ。
Ⅰ.アジアでの伝道の禁止(6節)
1.6節
Act 16:6 それから彼らは、アジヤでみことばを語ることを聖霊によって禁じられたので、フルギヤ・ガラテヤの地方を通った。
(1)「それから」
①これまでは、すでに知っていた諸教会での弟子訓練が行われていた。
②ここから、初めて訪問する場所での伝道が始まる。
③小アジア(現在のトルコ西部)での伝道である。
(2)「彼らは、アジアでみことばを語ることを聖霊によって禁じられたので、」
①最初は、アジア州の首都エペソに向おうとした。
*アジア州は、小アジア西部のことである。
②しかし、西方向への移動が聖霊によって禁じられた。
③ルカは、聖霊がどのようにして働かれたかは記していない。
④一行は、最初の計画を変更せざるを得なくなった。
⑤必要があるということと、それをすべきかどうかということは、別問題である。
⑥この場合は、まだアジアで伝道するタイミングではなかったということである。
*エペソでの伝道は約2年後に実現する。
*使18:19
Act 18:19 彼らがエペソに着くと、パウロはふたりをそこに残し、自分だけ会堂に入って、ユダヤ人たちと論じた。
(3)「フルギヤ・ガラテヤの地方を通った」
①これは、ガラテヤ州のフルギア地方のことであろう。
②一行は、進路を北に取った。
*黒海南岸沿いを東に移動し、ビテニア地方に行こうとした。
Ⅱ.ビテニアでの伝道の禁止(7節)
1.7節
Act 16:7 こうしてムシヤに面した所に来たとき、ビテニヤのほうに行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった。
(1)「ムシヤに面した所に来たとき、ビテニヤのほうに行こうとしたが、」
①ビテニアは、黒海の南岸地域である。
②ビテニアは、ローマ世界では重要な交通の要衝の地であった。
③パウロの計画は、理にかなったものであった。
(2)「イエスの御霊がそれをお許しにならなかった」
①今度も、パウロの計画が途中で止められた。
②ここでは、「イエスの御霊」という言葉が出て来る。
*これは、珍しい用法である(使徒の働きの中ではここだけに出て来る)。
*ロマ8:9では、「キリストの御霊」という言葉が出て来る。
*ピリ1:19では、「イエス・キリストの御霊」という言葉が出て来る。
③以上の用例が示す神学的意味
*イエスは神である。
*聖霊は、父と子から発する。
*イエスがパウロの伝道を導く主権者である。
④どのようにしてかは記録されていないが、彼らは再び聖霊によって禁じられた。
⑤ビテニアでの伝道は、後にペテロが行うようになる。
*1ペテ1:1
1Pe 1:1 イエス・キリストの使徒ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤに散って寄留している、選ばれた人々、すなわち、
(3)ここには、人間による綿密な計画と聖霊の導きの絶妙なバランスがある。
①第一次伝道旅行では、パウロの計画した通りに伝道が進められた。
②第二次伝道旅行では、より厳密な聖霊の導きがあった。
Ⅲ.マケドニア人の幻(8~9節)
1.8節
Act 16:8 それでムシヤを通って、トロアスに下った。
(1)先に進むということが、パウロの伝道計画の基本である。
①東に戻るわけにはいかない。
②西に行くことを禁じられた。
③北に行くことも禁じられた。
④唯一開いている方向は、北西である。
(2)北西に進むと、トロアスに着く。
①エーゲ海の向こうにギリシアが見える港町である。
②ここは、小アジアとヨーロッパを結ぶ重要な港町である。
③また、エーゲ海と黒海を結ぶ港町でもある。
④トロアスは、古代都市トロイから約40キロ南にある。
⑤パウロは途方に暮れたことであろう。
*これ以上先に進むためには、船に乗るしかない。
2.9節
Act 16:9
ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
(1)トロアスに着いて間もなく、パウロは幻を見た。
①パウロには自分の計画はなかった。彼は、神の導きを待っていた。
②ある夜、幻の中で、ひとりのマケドニア人がパウロの前に立って懇願した。
*「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください」
*「私たち」という言葉で、マケドニア人であることが分かった。
*これはルカだと考える学者もいるが、単なる推測である。
③マケドニアは、ギリシアの北部、トロアスから真西に位置する地域である。
④マケドニア人は、ヨーロッパ人である。
⑤ヨーロッパは、キリストの福音を必要としていた。
Ⅳ.導きの確信(10節)
1.10節
Act 16:10
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
(1)「私たち」という言葉に注目しよう。
①ここから一人称複数形の主語になっている。
②ルカが宣教チームに加わっている。
*その経緯については、ルカは書いていない。
*ルカの控え目な性格が反映されている。
③「私たち章句」は、16:10~17、20:5~15、21:1~18、27:1~28:16。
*ルカは、目撃者の視点で記録を残している。
④幻を見たのはパウロであるが、宣教チーム全員が神の導きを確信した。
(2)彼らはただちにマケドニアに向けて出発した。
①この決断は、教会史の中でも特筆すべきものである。
②福音は、西回りで全世界に伝えられることになった。
結論
1.三位一体の神の導き
(1)使16:6
Act 16:6 それから彼らは、アジヤでみことばを語ることを聖霊によって禁じられたので、フルギヤ・ガラテヤの地方を通った。
①聖霊が、アジアでみことばを語ることを禁じた。
(2)使16:7
Act 16:7 こうしてムシヤに面した所に来たとき、ビテニヤのほうに行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった。
①イエスの御霊が、ビテニアのほうに行くことを禁じた。
(3)使16:10
Act 16:10
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
①神が、私たちを導いておられると確信した。
(4)まとめ
①三位一体の神が、パウロの伝道を導かれた。
②三位一体の神は、聖霊を通してパウロの伝道を導かれた。
2.使徒の働きに見られる神の導きの原則
(1)旧約聖書の聖句による導き
①使徒の補充に関して(使1:20)
Act 1:20 実は詩篇には、こう書いてあるのです。『彼の住まいは荒れ果てよ、そこには住む者がいなくなれ。』また、『その職は、ほかの人に取らせよ。』
*詩69:25と詩109:8
(2)幻による導き
①アナニヤ(使9:10~16)
②コルネリオ(使10:3)
③ペテロ(使10:10~11)
④パウロ(使16:9~10と18:9)
*マケドニア人の幻とコリントでの幻
(3)預言者による導き
①アガボによる飢饉の預言(使11:27~30)
②アガボによるパウロ逮捕の預言(使21:10~12)
(4)状況による導き
①迫害による離散
②政治権力による追放や拘束
③嵐による船の難破とその後の展開
(5)他の信者の助言
①バルナバとパウロのエルサレム教会への派遣
②ユダとシラスのアンテオケ教会への派遣
③テモテの伝道チームへの参加
(6)神からの直接的語りかけ
①内的、主観的方法であることが多い。
②使16:6~8は、直接的語りかけである可能性が大である。
(7)私たちへの適用
①聖書
②状況
③他の信者の助言
④内的確信(平安)
⑤特定の導きの方法を求めるべきではない。
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