続・福音の奥義に生きる(5)―イスラエルの祭りとメシアの働き(秋の祭り)

  • 2009.08.15
  • 民数記28章11節、29章1~6節
  • スピーカー 中川健一
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このメッセージでは...

キリスト福音教会夏季聖会「時は近づいている」
(2009年8月13~15日)

この聖会では、キリスト教を点や線ではなく、面で捉えることができるようなメッセージを語りたいと願っていました。前半の3つのメッセージでは、啓示信仰がどのような形で発展し、その後あるべき姿から逸脱してきたのかを、時系列順に解説しました。後半の2つのメッセージでは、旧約聖書に記されたイスラエルの祭りを枠組みとして、メシアの働きについて解説しました。所期の目的がどの程度達成されたかは分かりませんが、現代世界に何が起こっているかを理解するための助けにはなると確信しています。

Ⅴ.イスラエルの祭りとメシアの働き(秋の祭り)

 

はじめに:中間の4カ月

(1)内容

①春の4つの例祭と、秋の3つの例祭の間の中間期(レビ23:22)
②収穫の時、畑の隅まで刈り取らない。落穂を残しておく。
*社会的弱者(貧しい者、在留異国人)を救済するため。「わたしはあなたがたの神、主である」とは、この命令が契約関係に基づくものであることを表している。

(2)預言的意味

①キリストの初臨と再臨の間の時代(教会時代)を予表している。
②キリストの再臨の前に、中間期として世界宣教の時代が与えられている。
③ヨハネ4:35の意味
*ここで語られている4カ月とは、春の収穫から秋の収穫までの期間のこと。
*この夏の期間でも、「畑は色づいて、刈り入れるばかりになっている」。

 

5.ラッパの祭り

(1)内容

①第7月(ティシュリ)の第1日。第1日は「新月の日」。
②第7の月は、安息月であり、その新月の日は特に重要な日と見なされた。
③この日に、ラッパ(角笛)を吹き鳴らす。
④「聖なる会合」とは、特別ないけにえを捧げる日という意味。
⑤この日には、どんな仕事も禁じられた。
⑥火による捧げ物が主に捧げられた(具体的には民28:11~1、29:1~6)。

(2)預言的意味

①ラッパの祭りは、教会の携挙を予表している。
②クリスチャンたちは、ラッパの音とともに天に引き上げられる。
③これが、教会時代の終わりに起こる出来事である。
④Ⅰテサ4:13~18
 特に16節では「主は、号令と、御使いのかしらの声と、神のラッパの響きのうちに、ご自身天から下って来られます。それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、…」とある。
⑤Ⅰコリ15:50~58
 特に51~52節では「終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちにです」とある。
⑥4カ月の中間時代(世界宣教の時代)の後には、教会の携挙がやってくる。
テサロニケのクリスチャンたちは、このことによって慰めを得た。

 

6.贖罪の日

(1)内容

①第7の月(ティシュリ)の10日。つまり、9日の日没から10日の日没まで。
②この日には特別な献げ物が献げられる(レビ記16章)。
2頭のヤギ:アザゼルのため、主のため
③贖罪の日の献げ物は、イスラエルの民全体の罪を贖うためのもの。
④贖罪の日の儀式は、毎年イスラエルの民を清め、また幕屋を清めた。
聖なる神と特別な契約関係を再確認。
⑤この日の特徴は、「身を戒める」ことにあった。つまり、「断食」をするということ。贖罪の日は、「祝いの日」ではなく、苦悶の日。
⑥贖罪の日は、ユダヤ人たちにとっては最も厳粛な日、神の前に悔い改める日。
(例話)1973年の第4次中東戦争(ヨム・キプール戦争)

(2)預言的意味

①贖罪の日は、教会の携挙に続く大患難時代を予表している。
②大患難時代が来ると、イスラエルの民は肉体的にも霊的にも、苦難を経験するようになる(ゼカリヤ12:1~9)。
③大患難時代の最後に、イスラエルの民の国家的救いが実現する。
④イスラエルの救いは、キリストの地上再臨のための前提条件である。
⑤贖罪の日の成就は、イスラエルの民の苦悶と、それに続く国家的救いの中にある。(ゼカリヤ12:10~13:1、ホセア6:1~3)

 

7.仮庵の祭り

(1)内容

①巡礼祭の一つ。第7の月の15日が、仮庵の祭りに当たる。
②7日間の祭りであるが8日目も加わり、この日にも労働をしてはならないと命じられた。
③祭りの期間、特別ないけにえが捧げられた(民数記29:12~34参照)。
④雄牛は合計70頭献げられた。
 古くからラビたちは、その70頭は、ノアの子どもたちから派生した70の異邦人の国々(創世記10章)を象徴していると解釈していた。
⑤祭りの期間、仮庵に住むようにと命じられている。仮庵を作るための材料は、美しい木の実、なつめやしの葉、茂り合った木の大枝、川縁の柳だった。今では、「美しい木の実」としてシトロンと呼ばれる柑橘類が、「なつめやしの葉」としてルラブと呼ばれる植物が、「茂り合った木の枝」としてミルトスが、「川縁の柳」としてアラバアと呼ばれる植物が使われている。
⑥この祭りの目的は、荒野の旅を記念するため。
⑦今でもイスラエル人たちは、この仮庵の祭りを祝っている。

(2)預言的意味

①仮庵の祭りは、メシア的王国(千年王国)を予表している。
②キリストの地上再臨の後、千年王国が地上に設立された時仮庵の祭りは成就する。
③そういう意味で、仮庵の祭りは喜びの祭り(ゼカリヤ14:16~19)。
④異邦人の国々も、エルサレムに上って来てこの祭りを祝うようになる。
⑤主イエスもまた、この祭りを祝っている。
(ヨハネ7:1~10:21は、その間のイエスの活動を記したもの)
⑥仮庵の祭りは、旧約聖書の預言のクライマックスである。

 

終わりに

1.ユダヤ教

(1)メシアの到来と、メシア的王国の建設(千年王国)

(2)メシアとは、個人なのか、「時代」なのかで見解が分かれる。

 

2.イスラム教

(1)イスラム教のメシアは「マハディ(神に導かれた人)」。

(2)マハディの出現によって、世界は終末戦争に入り、イスラム教徒が勝利する。

(3)シーア派は、第12代イマームがメシアであると信じる。「12イマーム派」。

(4)イランのアフマディネジャド大統領は、この終末観に立っている。

①今こそ、その時
②教育の分野:学校の教科書
③核兵器の開発:MAD(Mutual Assured Destruction)が通用しない。

 

3.キリスト教

(1)歴史とは、ヤハウェなる神が有限な空間と時間に介入された記録である。

(2)クリスチャンが歴史を読み解く原則は、アブラハム契約である。

(3)ユダヤ人の国の再建は、アブラハム契約の部分的成就である。

(4)患難時代(黙示録)は、アブラハム契約の残りの部分の成就につながる。

(5)患難時代とハルマゲドンの戦い、そして、ユダヤ人の回心

(6)メシアの再臨と地上に成就する「神の国」(メシア的王国、千年王国)

(7)イザヤ書19:23~25の預言は、この時に成就する。

「その日、エジプトからアッシリヤへの大路ができ、アッシリヤ人はエジプトに、エジプト人はアッシリヤに行き、エジプト人はアッシリヤ人とともに主に仕える。その日、イスラエルはエジプトとアッシリヤと並んで、第三のものとなり、大地の真中で祝福を受ける。万軍の主は祝福して言われる。『わたしの民エジプト、わたしの手でつくったアッシリヤ、わたしのものである民イスラエルに祝福があるように』」

(8)その先に、新しい天と新しい地の約束がある。

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