使徒の働き(44)―セルキヤからキプロスへ―

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セルキヤからキプロスへについて学ぶ。

「セルキヤからキプロスへ」
使徒13:4~12

1.はじめに
(1)パウロの伝道旅行

①第一次伝道旅行(13:1~14:28)
②第二次伝道旅行(15:36~18:22)
③第三次伝道旅行(18:23~21:16)
*「伝道旅行」という名称は出て来ないが、これは学びのために役に立つ。
*アンテオケがこれらの伝道旅行のホームベースである。
*旅行はアンテオケから始まり、パウロがアンテオケに帰還して終わる。
*最後の伝道旅行は、パウロがカイザリヤに着いたところで終わる。
*第一次伝道旅行は、紀元48年春から49年秋まで、約1年半続いた。

(2)訪問地(地図で確認)

①アンテオケ(使13:1~3)
②セルキヤ(使13:4)
③キプロス島のサラミス(使13:5)
④キプロス島のパポス(使13:6~12)

2.アウトライン
(2)セルキヤ(使13:4)
(3)キプロス島のサラミス(使13:5)
(4)キプロス島のパポス(使13:6~12)

結論: パウロが採用した伝道の原則
(1)実際的理由
(2)神学的理由
(3)心情的理由

キプロス島での伝道について学ぶ。
Ⅰ.セルキヤ(使13:4)
1.4節
Act 13:4 ふたりは聖霊に遣わされて、セルキヤに下り、そこから船でキプロスに渡った。
(1)ルカは、聖霊の主導権を強調している。

①使13:2
Act 13:2 彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。
②バルナバとサウロを派遣したのは、究極的には聖霊である。
③今も、この原則は有効に働いてる。

(2)ふたりは、セルキヤに下った。

①アンテオケから約25キロ西にある港町
②この港町でキプロス行きの船便を予約し、キプロスに渡って行った。

(3)キプロスを最初の宣教地に選んだ理由は、明確には記されていない。

①そこは、バルナバの出身地である。
*バルナバは、キプロス生まれのレビ人であった。
*バルナバは、その地の地形や習慣をよく知っていた。
③そこには、かなりの大きさのユダヤ人共同体が存在していた。

Ⅱ.キプロス島のサラミス(使13:5)
1.5節
Act 13:5 サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神のことばを宣べ始めた。彼らはヨハネを助手として連れていた。
(1)キプロス島について

①セルキヤから約200キロを航海すると、東海岸の町サラミスに着く。
②地中海で3番目に大きな島である。
*縦225キロ、横約65キロ
③ギリシア、小アジア、中東の中央に位置する重要な貿易基地である。
④サラミスは、この島で最大の都市であり、経済活動の中心地である。

(2)ふたりは、ユダヤ人の諸会堂で福音を語り始めた。

①ユダヤ人の成人男子が10人以上いる所には、必ず会堂が存在していた。
②サラミスのユダヤ人共同体は大きかったので、複数の会堂が存在していた。
③会堂の役割は、神殿のそれとは異なる。
*異邦人社会の中でユダヤ人が生き延びるために不可欠な組織である。
*神のことばとユダヤ人の習慣を学ぶ学校、コミュニティセンター。
*異邦人もそこから祝福を受けていた。
・神を恐れる異邦人、門の改宗者、改宗者
④ふたりが先ず会堂に行った理由は、結論のところで説明する。

(3)「彼らはヨハネを助手として連れていた」

①使12:25
Act 12:25 任務を果たしたバルナバとサウロは、マルコと呼ばれるヨハネを連れて、エルサレムから帰って来た。
②ヨハネ・マルコは、エルサレムからアンテオケに移住していた。
③彼は、バルナバのいとこであった(コロ4:10)。
④彼は、この伝道旅行に参加していた。
*助手、助け人、書記

(4)サラミスでの宣教の結果について、ルカは記録を残していない。

①成果はあったが、特筆すべきものではなかったのであろう。
②バルナバとサウロは、その地での使命は終わったと確信した。
③彼らは、島全体を巡回して、パポスまで行った。

Ⅲ.キプロス島のパポス(使13:6~12)
1.6~7節
Act 13:6 島全体を巡回して、パポスまで行ったところ、にせ預言者で、名をバルイエスというユダヤ人の魔術師に出会った。
Act 13:7 この男は地方総督セルギオ・パウロのもとにいた。この総督は賢明な人であって、バルナバとサウロを招いて、神のことばを聞きたいと思っていた。
(1)パポス

①サラミスから約160キロ南西に位置する島の首都
②異邦人伝道に大きな意味があった出来事が起こったので、詳細な記録がある。
③重要な人物が2人登場する。

(2)地方総督セルギオ・パウロ

①ユダヤ総督(ヘイゲモウン)(procurator)は、皇帝によって任命された。
*総督ポンテオ・ピラト
*総督ペリクス(使23:24)
*総督フェスト(使26:30)
②総督(アンスパトス)(proconsul)は、元老院によって任命された。
*総督セルギオ・パウロ
*紀元52~58年頃の碑文が発掘されている。
・セルギオ・パウロという名前がある。
・彼は、アンスパトスという地位に就いていた。
*ルカは、歴史家として厳密に地位の呼称を使用している。
③彼は、「賢明な人」であった。
*彼は、バルナバとサウロから個人的に神のことばを聞きたいと思っていた。

(3)バル・イエス(イエスの息子、救いの息子)

①偽預言者
②ユダヤ人の魔術師
③エルマ(魔術師という意味)
④ローマ世界では、総督が助言者をそばに置くことは普通であった。
*セルギオ・パウロは、ユダヤ人の魔術師をそばに置くことをよしとした。
*ユダヤ人に関する問題について助言を求めたのであろう。

2.8節
Act 13:8 ところが、魔術師エルマ(エルマという名を訳すと魔術師)は、ふたりに反対して、総督を信仰の道から遠ざけようとした。
(1)魔術師エルマは、総督が真剣な求道者になろうとしていることに脅威を感じた。

①総督をバルナバとサウロに奪われる可能性がある。
②自分の既得権益が奪われる。

(2)魔術師エルマは、伝道の妨害をした。

①具体的に何をしたのかは記録されていない。
②なんらかの方法で、総督を信仰の道から遠ざけようとした。

3.9~10節
Act 13:9 しかし、サウロ、別名でパウロは、聖霊に満たされ、彼をにらみつけて、
Act 13:10 言った。「ああ、あらゆる偽りとよこしまに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の敵。おまえは、主のまっすぐな道を曲げることをやめないのか。
(1)サウロが取った行動

①ここからサウロの名がパウロに変わる。
②彼は、魔術師エルマを叱りつけた。
③聖霊の強調がここでも見られる。
④セルギオ・パウロの魂を巡る霊の戦いが展開された。
⑤パウロの敵は、「悪魔の子」である。

(2)ペテロとパウロの類似点

①ペテロは、サマリヤにおいて魔術師シモンを叱責した(使8:20~24)。
②パウロは、パポスにおいて魔術師エルマを叱責した。

4.11節
Act 13:11 見よ。主の御手が今、おまえの上にある。おまえは盲目になって、しばらくの間、日の光を見ることができなくなる」と言った。するとたちまち、かすみとやみが彼をおおったので、彼は手を引いてくれる人を捜し回った。
(1)ペテロとパウロの類似点

①ペテロは、アナニヤとサッピラの上に迅速な裁きを宣言した(使5:1~11)。
②パウロは、魔術師エルマの上に迅速な裁きを宣言した。

(2)エルマはたちまち盲目になった。

①その体験は、パウロもまた通過したものである。
②霊的な盲目は、肉体の盲目をもたらすものである。
③彼が悔い改めたかどうかは、不明である。
④彼の名は、これ以降登場しなくなる。

4.12節
Act 13:12 この出来事を見た総督は、主の教えに驚嘆して信仰に入った。
(1)この出来事は、どちらが真の神を伝えているかを明らかにした。

①総督は、信仰に入った。
②彼は、イエスをメシアと信じた。

(2)この出来事は、3つの意味で重要である。

①リーダーシップがバルナバからサウロに移行した。
②会堂以外の場で異邦人伝道が成功した最初の例となった。
*これ以降、異邦人伝道がより活発に行われるようになる。
③象徴的な要素が含まれていた。
*バルイエスというユダヤ人は、福音を拒否した。
*パウロと同じ名の異邦人は、福音を受け入れた。

結論: パウロが採用した伝道の原則:先ずユダヤ人に、それから異邦人に
1.実際的理由
(1)会堂は各地に分布しており、伝道のインフラストラクチャーの役割を担った。
(2)ユダヤ人共同体がある所では、必ず会堂があった。
(3)そこに行けば、ユダヤ人に語りかけることができた。
(4)さらに、ユダヤ教に関心のある異邦人にも語りかけることができた。

2.神学的理由
(1)使13:46
Act 13:46 そこでパウロとバルナバは、はっきりとこう宣言した。「神のことばは、まずあなたがたに語られなければならなかったのです。しかし、あなたがたはそれを拒んで、自分自身を永遠のいのちにふさわしくない者と決めたのです。見なさい。私たちは、これからは異邦人のほうへ向かいます。
(2)ロマ1:16
Rom 1:16 私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。
(3)神の計画は、先ずユダヤ人に、次に異邦人に、である。

①神は、先ずユダヤ人を召された。
②神は、諸契約を先ずユダヤ人との間で結ばれた。
③神は、先ずユダヤ人を救い、教会を設立された。

3.心情的理由
(1)ロマ9:1~5
Rom 9:1 私はキリストにあって真実を言い、偽りを言いません。次のことは、私の良心も、聖霊によってあかししています。
Rom 9:2 私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。
Rom 9:3 もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。
Rom 9:4 彼らはイスラエル人です。子とされることも、栄光も、契約も、律法を与えられることも、礼拝も、約束も彼らのものです。
Rom 9:5 父祖たちも彼らのものです。またキリストも、人としては彼らから出られたのです。このキリストは万物の上にあり、とこしえにほめたたえられる神です。アーメン。
(2)ロマ10:1
Rom 10:1 兄弟たち。私が心の望みとし、また彼らのために神に願い求めているのは、彼らの救われることです。
(3)異邦人の救いがユダヤ人の救いをもたらすとの確信があった(ロマ11:11~14)。
(4)ペテロの確信(使3:19~20)
Act 3:19 そういうわけですから、あなたがたの罪をぬぐい去っていただくために、悔い改めて、神に立ち返りなさい。
Act 3:20 それは、主の御前から回復の時が来て、あなたがたのためにメシヤと定められたイエスを、主が遣わしてくださるためなのです。
(5)主イエスの教え(マタ23:39)
Mat 23:39 あなたがたに告げます。『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがたが言うときまで、あなたがたは今後決してわたしを見ることはありません。」

4.キリスト教に最大の害を与えたのは、置換神学の教えである。

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