使徒の働き(43)―バルナバとサウロの派遣―

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バルナバとサウロの派遣について学ぶ。

「バルナバとサウロの派遣」
使徒13:1~3

1.はじめに
(1)使徒の働きの3区分

①エルサレムでの宣教(使1:1~8:4)
②ユダヤとサマリヤでの宣教(使8:5~12:25)
③地の果てまでの宣教(使13:1~28:31)

(2)この箇所から、第3の区分が始まる。

①地理的には、イスラエルの地を出て、ローマ世界全体に及ぶ。

(3)パウロの伝道旅行

①第一次伝道旅行(13:1~14:28)
②第二次伝道旅行(15:36~18:22)
③第三次伝道旅行(18:23~21:16)
*「伝道旅行」という名称は出て来ないが、これは学びのために役に立つ。
*アンテオケがこれらの伝道旅行のホームベースである。
*旅行はアンテオケから始まり、パウロがアンテオケに帰還して終わる。
*最後の伝道旅行は、パウロがカイザリヤに着いたところで終わる。
*第一次伝道旅行は、紀元48年春から49年秋まで、約1年半続いた。

2.アウトライン
(1)アンテオケ教会のリーダーたち(1節)
(2)聖霊の語りかけ(2節)
(3)宣教師の派遣(3節)

結論:
(1)第一次伝道旅行の旅程
(2)サウロの聖別

バルナバとサウロの派遣について学ぶ。
Ⅰ.アンテオケ教会のリーダーたち(1節)
Act 13:1 さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。
1.「さて」(Now)
(1)紀元48年3月頃。

①バルナバがサウロをタルソからアンテオケに連れてきてから約6年が経過した。
②その間、アンテオケ教会は質量ともに成長した。
*教会成長には、目的がある。
③エルサレム教会は依然として母教会であるが、異邦人伝道の基地となるのは、
アンテオケ教会である。

(2)アンテオケ教会では、5人のリーダーたちが共同牧会を行っていた。

①多様な背景を持つリーダーたちが奉仕をしていた。
②この教会は、コスモポリタン的な性格を持っていた。
*皮膚の色や出自などは問題ではなかった。
*同じ神を信じていることだけが問題であった。
③ルカは、バルナバとサウロを含め、5人のリーダーたちの名を挙げている。

2.5人のリーダーたち
(1)バルナバ

①キプロス島出身のユダヤ人信者
②ディアスポラのユダヤ人であり、コスモポリタン的人物である。
③彼の名が最初に登場する。エルサレムの母教会から派遣されていたからか。

(2)ニゲルと呼ばれるシメオン

①「ニゲル」というラテン語のニックネームは、「肌が黒い人」を意味する。
②彼は、エチオピアからローマ世界に移住したユダヤ人信者である。
③イエスの十字架を担いだクレネ人シモンと同一人物かどうかは、分からない。

(3)クレネ人ルキオ

①北アフリカ出身のヘレニストのユダヤ人信者である。
②使11:19~20

Act 11:19 さて、ステパノのことから起こった迫害によって散らされた人々は、フェニキヤ、キプロス、アンテオケまでも進んで行ったが、ユダヤ人以外の者にはだれにも、みことばを語らなかった。
Act 11:20 ところが、その中にキプロス人とクレネ人が幾人かいて、アンテオケに来てからはギリシヤ人にも語りかけ、主イエスのことを宣べ伝えた。

③恐らく彼は、アンテオケで異邦人伝道を最初に始めたひとりであろう。

(4)国主ヘロデの乳兄弟マナエン

①マナエンは、旧約聖書のメナヘム(北王国の王)と同じである。
②乳兄弟とは、血縁関係はないが、同じ人の乳で育てられた人同士のことである。
③彼は、ヘロデ・アンティパス(ヘロデ大王の息子)と一緒に育てられた。
④ルカは、ヘロデ・アンティパスの宮廷内の情報を彼から得たのであろう。
*国主ヘロデは、バプテスマのヨハネの首を切った。
*また、イエスの裁判では、イエスを侮辱した。
⑤同じ環境で育ちながら、ヘロデ・アンティパスはイエスに敵対し、マナエンは
初期の教会の指導者のひとりとなった。

(5)サウロ

①最後に登場するが、今後彼が主役になって行く。
②後の者が先になるという原則が見られる。

3.預言者や教師
(1)預言者はみな教師であるが、教師が預言者とは限らない。

①ギリシア語の「te」(both)が2度入っている。
②「te」バルナバ、シメオン、ルキオ
③「te」マナエン、サウロ
④預言者は3人、教師は2人という解釈が可能である(確定的ではないが)。

Ⅱ.聖霊の語りかけ(2節)
Act 13:2 彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。
1.語りかけのタイミング
(1)「彼らが主を礼拝し、断食をしていると」

①英語では、「And as they ministered to the Lord, and fasted,」である。
②「務めを行う」は、旧約聖書では、聖所における祭司やレビ人の奉仕を指す。
③これは、通常の礼拝ではなく、特別な祈祷会であろう。
④特別な祈祷会を開催した理由は何か。
*5人のリーダーたちは、異邦人伝道に関して真剣に主の御心を求める必要
性を感じたのであろう。
*断食するのは、より真剣に祈りに専念するためである。

(2)これは、教会全体が集まる祈祷会であったと思われる。

①主からの語りかけは、教会全体に影響を及ぼす。

2.語りかけの内容
(1)聖霊が、預言者のひとりを通して語られたのであろう。

①聖霊が人格を持ったお方であることが強調されている。
②初期の教会における聖霊の導きは、顕著であった。
*新約聖書は未完であった。
③リーダーたちも、聖霊の導きに敏感であろうとした。

(2)「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせな
さい」

①バルナバとサウロが指名された。
*2人一組で働くという原則が生きている。
②サウロは、すでに召しを受けていた。
③使9:15~16

Act 9:15 しかし、主はこう言われた。「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶ、わたしの選びの器です。
Act 9:16 彼がわたしの名のために、どんなに苦しまなければならないかを、わたしは彼に示すつもりです。」

Ⅲ.宣教師の派遣(3節)
Act 13:3 そこで彼らは、断食と祈りをして、ふたりの上に手を置いてから、送り出した。
1.バルナバとサウロは、正式に宣教師としての任命を受けた。
(1)3人のリーダーたちが、断食と祈りをして、ふたりに按手した。

①ふたりは、アンテオケ教会から正式に宣教師として派遣された。
②アンテオケ教会には、祈りと経済的支援によって、彼らを支える責務がある。
③ふたりには、教会に帰還し、宣教報告をする義務がある。

(2)このふたりを通して、アンテオケ教会の働きは1000キロ以上も先に広がる。

①ペテロがヨッパで幻を見た時とは、状況が一変している。

2.使13:9から、サウロの名前がパウロに変わる。
Act 13:9 しかし、サウロ、別名でパウロは、聖霊に満たされ、彼をにらみつけて、
(1)異邦人伝道が始まると、ラテン名のパウロが使用される。

結論:
1.第一次伝道旅行の旅程(使13:1~14:28)
(1)アンテオケ(使13:1~3)
(2)セルキヤ(使13:4)
(3)キプロス島のサラミス(使13:5)
(4)キプロス島のパポス(使13:6~12)
(5)パンフリヤのペルガ(使13:13)
(6)ピシデヤのアンテオケ(使13:14~52)
(7)イコニオム(使14:1~7)
(8)ルステラ(使14:8~19)
(9)デルベ(使14:20)
(10)ルステラ、イコニオム、ピシデヤのアンテオケ(使14:21~23)
(11)パンフリヤのペルガ、アタリヤ(使14:24~25)
(12アンテオケ(使14:26~28)

2.サウロの聖別
(1)同じ動詞がサウロの聖別に関して3回出て来る。

①「アフォリゾウ」

(2)ガラ1:15~17
Gal 1:15 けれども、生まれたときから私を選び分け、恵みをもって召してくださった方が、
Gal 1:16 異邦人の間に御子を宣べ伝えさせるために、御子を私のうちに啓示することをよしとされたとき、私はすぐに、人には相談せず、
Gal 1:17 先輩の使徒たちに会うためにエルサレムにも上らず、アラビヤに出て行き、またダマスコに戻りました。

① サウロは、生まれたときから選び分けられていた。
②神のご用のために、この世から区別されていた。

(3)ロマ1:1
Rom 1:1 神の福音のために選び分けられ、使徒として召されたキリスト・イエスのしもべパウロ、

①サウロは、回心のときに、福音のために選び分けられた。

(4)使13:2
Act 13:2 彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。

①サウロは、アンテオケ教会で、異邦人伝道のために聖別された。
②特定の召しのための聖別である。

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