私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
Q.29 ノアの方舟に、全種類の動物が入るなんて可能なの?
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ノアの方舟に関するQ&Aシリーズ、第3回目は数字が沢山出てくる解説です。ノアの方舟のサイズ、中に入った動物の数や種類、動物の世話はどうしたか・・・?実際的な情報を確認しながら、ノアの洪水を歴史的事実としてとらえる事が十分に可能な理由を見ていきます。
Q.29 ノアの方舟に、全種類の動物が入るなんて可能なの?
Q. 質問
ノアの洪水に関する3番目の質問です。ノアの箱舟に、すべての動物を入れることができたのですか。
A. 回答
この質問への答えを申し上げる前に、まず聖書が言っていることを確認しておきましょう。
「箱舟の中にすべての動物のつがいが入った」のです。つがいというのは、2匹ですね。「きよい動物」は、7つがいずつ入ったので、14匹です。きよい動物とは、「いけにえとして捧げる動物」のことです。いけにえとして捧げると、その種が途絶えてしまう可能性があります。そうならないように、7つがいずつを箱舟に入れたのです。
では、これだけの頭数の動物が、本当に箱舟に入れたのかどうか、検討してみましょう。いつものように、3つ申し上げます。
1番目に、「箱舟のサイズ」について考えてください。
聖書によれば、箱舟は長さ135m、幅22.5m、高さ13.5mです。床面積は、日本流にいうと、920坪です。箱舟は3階建てですので、総床面積は2,760坪になります。現代の大型船に換算すると、排水量43,000トンです。つまり、「この箱舟は4万3千トンの重量を運ぶ能力を持っていた」ということです。
ある人が、箱舟の容量を計算し、「羊ならば13万頭程度入れることができる」との結論を出しました。驚くべきサイズです。
2番目に、実際に箱舟に入った「動物の頭数」はどれぐらいであったか、考えてみましょう。
現在知られている動物の種類は、「約7万5千種」です。これを倍にすると、15万頭ということになります。しかし、ヘブル語の「種類」という言葉は、今の動物学的な「種類」よりも、もっと大まかな言葉です。つまり、今の動物学では7万5000種と言いますが、聖書が言う種類というのは、それよりも遥かに数が少ないということです。ですから、それを2倍にしても15万頭には到底及びません。
しかも、羊よりも大きな動物は、自然界に約15%しか存在しません。つまり、羊13万頭が入るスペースがあれば、聖書に書かれた内容の動物を入れるキャパシティ(容量)は十分あるということです。
3番目に、「動物の世話」について考えてみましょう。
たった8人で、これだけの動物の世話ができるのでしょうか。ペットの犬一匹で、ふうふう言っている人もいるのに、すべての動物のつがいを管理することなど、到底不可能に思えます。
先ず思い出すべきは、動物はノアが集めたのではなく、自然に箱舟に入ってきたということです。動物を集めて導くのは、「神様の役割」なのです。
次に注目したいのは、「神様が外から戸を閉めた」ということです。つまり、箱舟の中には「神の守り」があったということです。洪水の間、箱舟の中の動物たちが、陸地で生活していたような状態で生きていたと考える必要はありません。1つ考えられるのは、「半冬眠状態」になっていたということです。神様なら可能です。詳しい情報は書かれていませんので、細かいひとつひとつの質問に対して、どう答えればいいか戸惑うこともあります。
しかし、これまで述べて来た論考を積み重ねていくと、ノアの洪水の物語を「歴史的事実」として読んではならない理由は、何1つありません。
逆に、聖書は書かれている通りに読むのが一番いいのです。
参考になる聖句
「しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない」(創世記6:18〜20)
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