私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
Q.6 キリスト教って、西洋の宗教じゃないの?
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キリスト教って、西洋の宗教だと思いますか?
中川健一牧師が、日本人がキリスト教をバタ臭い(?!)と思ってしまう歴史的な経緯と、現代に実際起きているキリスト教の新しい動きについて興味深い解説をお届け。ぐるっと世界を回ったら「原点に還る」そんなイメージでしょうか?
Q.6 キリスト教って、西洋の宗教じゃないの?
Q. 質問
日本人なのに、なぜ外国の宗教を信じなければいけないのですか。キリスト教は、西洋の宗教なのではないのですか。
A. 回答
この質問の裏側には、「日本人には、キリスト教はちょっと違和感があるんじゃないですか」という意味がこめられているかもしれません。キリスト教は西洋の宗教なのか。答えは「YES」アンド「NO」です。いつものように3つ申し上げます。
1番目に、キリスト教は、もともとはユダヤの宗教です。
ご存知のように、イエス・キリストはユダヤ人でした。イエス・キリストの弟子たちも、ユダヤ人でした。そして、イエス・キリストは、ユダヤ人の救い主として地上に来られました。今私が持っているこの本が聖書ですが、ずいぶん分厚いです。イエス時代のユダヤ人たちが持っていた聖書は、今私たちが「旧約聖書」と呼んでいるものです。旧約聖書には多くのメシア預言が記されています。
ですから、どこから見ても、今「キリスト教」と呼んでいるものは、元々はユダヤの宗教だということです。
2番目に、元々ユダヤの宗教であったものが、異邦人の世界に広がり、キリスト教と呼ばれるようになりました。
異邦人というのは、ユダヤ人ではない人々のことですね。
最初は、「キリスト教徒」、あるいは「クリスチャン」という言葉すらなかったのです。クリスチャンという呼び名は、イエスを信じる人たちに付けられたあだ名でした。その言葉には、「キリストにつく者」、あるいは、「キリストバカ」というような意味があります。
異邦人のクリスチャンが徐々に増加していきましたが、その過程で、ユダヤ人信者が教会から排除されていきました。キリスト教がローマの公認宗教となる4世紀には、教会は異邦人中心の組織になっていました。
キリスト教は、最初「エルサレム」から始まり、今私たちがパレスチナと呼んでいる地区に広がり、やがて小アジア(現在のトルコ)に行き、さらにヨーロッパ大陸に渡り、それからイギリス、北米へと広がって行きました。そしてついに、キリスト教は「アジア諸国」に来ました。
そういう経緯を経て、日本にまで「福音」が伝わってきたのです。ということは、福音の伝達は西周りで行われてきたということですね。
日本にいる私たちが、「キリスト教は西洋の宗教だ」と思っている理由は何かというと、それが「西洋経由」で日本に伝わってきたからです。しかし、本来はユダヤの宗教なのです。
そして、3番目は大事なポイントです。キリスト教は今、元スタートした「エルサレム」に回帰しようとしています。
現在、キリスト教の中心は西洋ではありません。驚くべきことに、アジア諸国が中心です。韓国と中国が、キリスト教が最も盛んな地区になっています。あるいは、南米、アフリカというような、いわゆる「第三世界」にクリスチャンがたくさん起こされ、キリスト教の重心がそこに移動しているのです。
そのような歴史的文脈の中で、今「エルサレム」に向かおうとする強いエネルギーが生まれてきています。つまり、「福音」を元スタートした「エルサレム」に、「ユダヤ人」に届けよう、というエネルギーが働いているということです。
それと連動して、ユダヤ人の中からも「イエスはメシア(救世主)だ」と信じる人たちが、たくさん起こされてきています。このことは、「世の終わり」、つまり「終末時代」が非常に近いことを、予感させます。
以上のことから、キリスト教を西洋の宗教と見るのではなく、「世界を一周している宗教」という風に考えることが正解です。私は、よくこの言葉を使います。「キリスト教は、世界観であり、歴史観です」。個人的な見解では、これから日本が国際的に役割を果たそうとするなら、あるいは日本人が世界の場に出て、意味ある仕事をしようとするなら、聖書知識は必要不可欠なものだと思います。ぜひ、あなたも聖書を開いて、読んでみてください。
参考になる聖句
「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」(使徒の働き1:8)
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