真にスピリチュアルであるとは?

  • 2007.07.02
  • スピーカー 中川健一
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「真にスピリチュアルであるとは」

イントロ:1.世はスピリチュアル・ブーム

 2.その頂点に立つのが、江原啓之(えはら・ひろゆき)である。

(1)著書累計発行部数 700万部超

(2)「オーラの泉」テレビ朝日 夜11:15→ 7:57(土)

(3)「天国からの手紙」フジテレビ 特番

 3.昔は「拝み屋」、「イタコ(東北地方の口寄せする巫女)」、「霊媒師」、「ユタ」

 4.今は「スピリチュアル・カウンセラー」

 5.「スピリチュアル」の定義

  「超自然的な存在(大自然、宇宙、内なる神、特別な人間など)と神秘的な つながりを得て、非日常的な体験をしたり、感覚を持ったりすること」

前半: なぜスピリチュアルは流行るのか?

Ⅰ.歴史の流れとグローバル化

  1.60年代:ポストモダン(近代後)

(1)近代への反発と、既存の制度や価値体系の崩壊

(2)米国のカウンターカルチャー運動

 2.70年代以降:ニューエイジ運動

(1)汎神論

(2)大組織ではなく、ゆるやかなネットワーク

(3)瞑想、ヨガ、心理学的手法

(4)日本では「精神世界」→ 2000年以降「スピリチュアル」という言葉が流行る。

(例話)ジョン・レノンの「イマジン」は、ニューエイジ宣言

 3.現在:グローバルなスピリチュアル文化

(1)「宗教的なもの」の広がり(宗教学者は「宗教」の再定義を迫られている)

(2)宗教の先鋭化(カルト化)と、拡散化(スピリチュアル)は、地続きである。

(3)生活のあらゆる分野を侵食している。クリスチャンも影響を受けている。

(例話)スピリチュアル文化、エコロジー、健康(こころとからだ)が重なっている。

(例話)LOHAS(Lifestyle of Health and Sustainability):90年代に米国から

(例話)平原綾香の「Jupiter」シングルCD100万枚

(例話)「千の風になって」:

大切な人をなくした人々の心を癒し慰める不思議な力を持つ歌。“私のお墓の 前で泣かないでください”という衝撃的とも言える歌詞で始まるこの曲は、 作者不明の英語詩「A Thousand Winds」に芥川賞作家である新井満(あらい・ まん)氏が訳詞/メロディーをつけたもの。亡くなった方が残された遺族へ 語るかのような歌詞で、家族や親しい人を亡くした人が聴くと、故人がそば で自分を守ってくれているような気持になると静かな話題を呼んでいます。

Ⅱ.悩める現代人の存在

1.グローバル化と「絆」の喪失

2.本当のわたしが見えず、自己変容を望んでいる。

3.既成の宗教に魅力はない。

(1) リアリティのなさ

(2) 拘束されるというイメージ

(3) 「スピリチュアルである」ことと「宗教」を切り離して考える。

(4) いわば、大量の宗教的無党派層の出現

(5) 「絆」ではなく、ON/OFFできる「つながり」

4.自己中心主義(個人の幸福)と現世中心主義(現世利益の追求)

(1) 守護霊

(2) 前世

(3) 現実の問題(存在そのものの不幸、不条理さ)への癒し

5.現代人の乾き、葛藤、虚無がある。

(1) 彼らは決して裁きの対象ではない。

(2) 彼らは神の憐れみの対象である。

(3) イエスの視点を忘れてはならない。(マタイ9:36)

Ⅲ.「聖なるもの」を商売にする人たちの存在

1.「お金、仕事、恋愛、健康、病気の癒し、死別の悲しみの癒し、幸運」を売る人たち

2.各分野に専門家がいる。

(1) 浅見帆帆子(あさみ・ほほこ) 『わかった!運が良くなるコツ』

① イギリスに留学してインテリアデザインを学ぶ、後に文筆家になった。

② 「偉大ななにか」が私たちに送っている必然的な現象がある。

③ それをキャッチすることが、「シンクロ」や「直感」

(2) 佳川奈未(よしかわ・なみ) 『恋とお金と夢に効く!幸せな奇跡を起こす本』

 ①「ミラクルハッピーなみちゃん」というニックネーム

 ②「目に見えない力(宇宙の尊い法則や働き)」から送られてくる波動

 ③お金儲けの肯定

3.江原啓之は総合デパートのような存在。

(1) 霊的現象に悩まされ、霊能者を訪ね歩き、自分に高い霊能力があると分かる。

(2) 寺や大学で仏教や神道を学んだ後、イギリスで英国式スピリチュアリズムを学ぶ。

(3) 1989年、スピリチュアリズム研究所設立

① オーラを読む(12色)という英国スタイル

② 「先祖の守護霊」という日本スタイル

③ 霊視を行い、「守護霊」と「前世」を織り込んだストーリーをつむぎ出す。

④ 幸福の科学とほとんど一致している。

4.江原啓之の信頼性

(1) 理屈でなく感覚。それを認めない人は、霊的に鈍感な人と糾弾される。

(2) 江原の体験や霊視をどう評価するか。

① 脳の専門家は、脳内現象として説明する。

② 詐欺師、ペテン師

* テレビ収録の前に、出演者の事前取材が行われているという指摘

* 前世は「中世の賢者と貴族」ばかりで、「摩訶不思議」である。

* 大手新聞OBの科学ジャーナリスト

 「小池栄子の前世は武家の側室、研ナオコはエジプトの巫女って…顔を見て適当に連想して言ってるとしか思えません。私は、もともと霊とか前世とかは信じないタイプで、こんな事を信じる人がなぜいるのか信じられない」

③ 超自然現象

* 神からのものなら聖書の教えと合致するはずだが、霊視そのものが罪。

* 悪霊からのもの

後半: 真にスピリチュアルであるとは?

聖書: Ⅰコリント2:9~3:4

定義: チャールズ・ライリー博士(ダラス神学校)

「スピリチュアルである(スピリチュアリティ)とは、聖霊との成長した関係である」

Ⅰ.3つの前提条件

1.新生体験

(1) ヨハネ3:3

(2) 福音の内容を理解し、それに同意し、自分のものとして受け取る。

(3) 信仰により、恵みによって救われる。

(4) キリストの内にいない人は、霊的に死んだ人である。

2.聖霊との関係

(1) 内住の御霊(ローマ8:9、Ⅰペテロ1:11)

(2) 聖霊は私たちに、霊的真理を教えてくださる(ヨハネ16:12~25)。

(3) 聖霊は私たちを導き、救いの確信を与えてくださる(ローマ8:14、16)。

(4) 聖霊は私たちのために、執りなしていてくださる(ローマ8:26~27)。

(5) 聖霊は私たちに、「聖霊の賜物」をくださる(Ⅰコリント12:4~7)。

(6) 大切なのは、「オーラ」、「波動」、「守護霊」などではなく、聖霊である。

3.時間

(1) 信者になりたての人は、聖霊に満たされていたとしても、まだスピリチュアルにはなっていない。時間がかかる。

(2) 信者になりたての人を、指導者にしてはならない(Ⅰテモテ3:6)

(3) 古い信者であっても、スピリチュアルであるとは限らない。従順に欠けているなら、聖霊との成長した関係はない。

(4) 信者は段階を追って霊的に成長していく。常に成長の余地は残されている。

(5) ある分野で信仰が後退しても、すべての分野が破壊されるわけではない。

(6) 幼子の状態をいつまでも続ける必要はない(Ⅰコリント3:1~3)。

   コリントのクリスチャンたちは、この時点で4~5年の信仰経験があった。

Ⅱ.4種類の人(Ⅰコリント2:9~3:4)

1.生まれながらの人間(2:14)

(1) 未信者であり、聖霊との関係を愚かだと考える。

(2) 御霊が教える神の啓示を、悟ることができない。

(3) しかし、サタンの深いところを知る能力はある(黙示録2:24)

2.霊的な人(御霊を受けている人)(2:15~16):ロマ8章クリスチャン

(1) すべてのことをわきまえる。その心は、聖霊による啓明を受ける。

(2) 堅い食物(神の深み)を理解する。

(3) キリストの心があるので、みことばの深みを理解できるのである。

(4) 聖書知識なくして、霊的な人になることは不可能である。

3.キリストにある幼子(3:1~2)

(1) 新生したての信者

(2) みことばの乳しか食すことができない。堅い食物(神の深み)はまだ無理。

(3) 幼子であることは、罪ではない。誰もがここからスタートする。

4.肉に属する人(3:3~4):ロマ7章クリスチャン

(1) 幼子と違って、堅い食物を受け取る力があるのにそうしない。

(2) その結果、聖霊の働きかけを受けることができない。

(3) 肉の支配を受けている(ローマ7:14)

(4) ライフスタイルは未信者と変わらない。

Ⅲ.3つの相違点

1.自己中心的人生ではなく、人格の完成(キリストに似た者となる)

(1) ガラテヤ2:20 内住のキリスト

(2) ガラテヤ5:22 御霊の実

(3) Ⅰペテロ2:21 キリストの足跡に従う

(4) Ⅰヨハネ2:6 キリストが歩まれたように

2.直感ではなく、聖書知識

(1) Ⅰコリント3:1~3

(2) ヘブル5:14

3.恐れではなく、平安

(1) エペソ5:20 感謝の心(人生を斜めから見ているなら、霊的に後退している)

(2) エペソ4:3 一致の心

(3) ヘブル5:13~14 日々の行動

結論

 1.グローバルな霊の戦い

 2.現代人の渇望を究極的に癒すものではない。このまま進めば、カオス(混沌)しかない。

 3.クリスチャンにとっては、自らの怠慢と無関心とを悔い改める時である。

(1)束縛を与えるという印象の修正

(2)実感がわかないという人へのケア

 4.危機の時こそ、最高のチャンスである。

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